説明

自転車専用靴

【課題】自転車のペダルとの脱着が容易になり、自転車のペダルとの連結が安定になり、ユーザの足部がペダルから外れることがなくなる自転車専用靴を提供する。
【解決手段】靴面11と、互いに反対する側に設けられる、上面121と、下面122と、を有し、前記靴面の底部と結合し、自転車のペダル20に応じて一体成形された磁気感応片13が少なくとも一枚設けられる靴底12と、を含み、前記磁気感応片13は、前記靴底の前記上面121と前記下面122との間に設けられることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、靴に関し、特に、自転車専用靴に関するものである。
【背景技術】
【0002】
自転車は、環境を汚染せず、二酸化炭素を排出しないため、どんどん国民に愛用され、且つ自転車に乗ることもレジャー活動の一つになる。
【0003】
しかし、ユーザが自転車のペダルを踏み込むときには、ユーザの足部とペダルとが安定に連結しないため、ユーザの足部はペダルから外れることがあり、そうすると、自転車の前進が中断する問題があった。
【0004】
このような問題を解決するために、特許文献1の台湾特許第I279356号の「自転車のペダルとユーザの自転車専用靴との間の磁性トルクによる連接装置」が提案された。自転車のペダルとユーザの自転車専用靴との間の磁性トルクによる連接装置は、自転車のペダルに磁性子が組み付けられ、自転車専用靴に磁気感応片が設けられ、ユーザが自転車に乗っているときに、前記磁性子と前記磁気感応片との磁性による吸引力によりユーザの足部がペダルから外れることがなくなり、そして従来の係止方式を採用するようにユーザの足部がペダルから容易に脱着できない問題がなくなる。しかし、前記磁性子と前記磁気感応片との磁性による吸引力は上下方向だけあり、左右方向への吸引力がないため、ユーザの足部はペダルから左右方向にスライドする可能性があり、すなわち、ペダルにユーザの足部を安定に固定することができない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】台湾特許第I279356号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
そこで、本発明の主な目的は、自転車のペダルとの脱着が容易になり、自転車のペダルとの連結が安定になり、ユーザの足部がペダルから外れることがなくなる自転車専用靴を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の自転車専用靴によると、靴面と、互いに反対する側に設けられる、上面と、下面と、を有し、前記靴面の底部と結合し、自転車のペダルに応じて一体成形された磁気感応片が少なくとも一枚設けられる靴底と、を含むことを特徴とする。
【0008】
本発明の自転車専用靴によると、前記磁気感応片は、前記靴底の前記上面と前記下面との間に設けられることを特徴とする。
【0009】
本発明の自転車専用靴によると、前記自転車の前記ペダルは、主軸と、前記主軸の両側に対称にレイアウトする額縁と、を有し、前記主軸の両側と前記額縁との間に磁気吸引具がそれぞれ設けられ、前記靴底の前記下面には、前記自転車の前記ペダルの前記磁気吸引具の両側にある隙間に応じて側辺ストッパーが設けられることを特徴とする。
【0010】
本発明の自転車専用靴によると、前記靴底の下面には、更に、前記自転車の前記ペダルの前記二つの磁気吸引具の間にある隙間に応じて中央ストッパーが設けられることを特徴とする。
【0011】
本発明の自転車専用靴によると、前記靴底の前記下面には、前記自転車の前記ペダルの前記磁気吸引具の両側に応じて前記側辺ストッパーがそれぞれ設けられ、前記二つの側辺ストッパーのうちの一つの端面にガイド斜面が設けられることを特徴とする。
【0012】
本発明の自転車専用靴によると、前記靴底の内部に設けられる前記磁気感応片の周縁に貫通孔が複数設けられることを特徴とする。
【0013】
本発明の自転車専用靴によると、前記靴底の内部に設けられる前記磁気感応片が一枚ある場合には、前記磁気感応片は、前記自転車の前記各磁気吸引具に吸引され可能な寸法に成形されることを特徴とする。
【0014】
本発明の自転車専用靴によると、前記靴底の内部に設けられる前記磁気感応片が二枚ある場合には、前記磁気感応片は、前記自転車の前記ペダルの前記二つの磁気吸引具に応じて距離を置いて配列されることを特徴とする。
【0015】
本発明の自転車専用靴によると、前記靴底の内部は、更に、前端磁気感応片を含み、前記前端磁気感応片は、前記二つの磁気感応片の間の距離と同じな距離で距離を置いて配列され、前記靴底の前端と前記二つの磁気感応片との間に位置することを特徴とする。
【0016】
本発明の自転車専用靴によると、前記靴底の下面には、二つの前端側辺ストッパーと、一つの前端中央ストッパーと、が別に設けられ、前記二つの前端側辺ストッパーと前記前端中央ストッパーとは、前記前端磁気感応片に対応する箇所に位置し、前記側辺ストッパーと前記中央ストッパーとの間の距離と同じな距離で距離を置いて配列されることを特徴とする。
【0017】
本発明の自転車専用靴によると、前記各側辺ストッパーは前記靴底の収容溝内に位置することを特徴とする。
【発明の効果】
【0018】
本発明の自転車専用靴によれば、自転車のペダルとの脱着が容易になり、自転車のペダルとの連結が安定になり、ユーザの足部がペダルから外れることがなくなるという効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の一実施例の分解斜視図であって、自転車のペダルと結合した状態を示す。
【図2】本発明の一実施例の断面図である。
【図3】本発明の一実施例の自転車のペダルと結合した状態を示す模式図である。
【図4】本発明の靴底の内部にある磁気感応片が一枚ある場合の斜視図である。
【図5】本発明の靴底の内部にある磁気感応片が三枚ある場合の斜視図である。
【図6】本発明の靴底の下面と各ストッパーとの別の実施例を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
まず、図1乃至図3を参照する。本発明の自転車専用靴は磁気吸引具を有するペダル20に合せて使用可能である。自転車のペダル20は、主軸201と、主軸201の両側に対称にレイアウトする額縁202と、を有し、主軸201の両側と額縁202との間に磁気吸引具21がそれぞれ設けられる。本発明の自転車専用靴10は、靴面11と、靴底12と、を含む。
【0021】
靴底12は、互いに反対する側に設けられる、上面121と、下面122と、を有し、靴面11の底部と結合し、自転車のペダル20に応じて磁気感応片13が少なくとも一枚設けられる。磁気感応片13は、上面121、靴底12の上面121と下面122との間、又は下面122に設けられる。磁気感応片13は、成形時に靴底12と一体成形してもいいし、靴底12に粘着してもよい。本実施例では、磁気感応片13が靴底12の上面121と下面122との間に設けられ、磁気感応片13の周縁に貫通孔131が複数設けられる。本実施例では、磁気感応片13は、二枚あり、自転車のペダル20の二つの磁気吸引具21に応じて距離を置いて配列される。また、靴底12の下面122には、自転車のペダル20の磁気吸引具21の両側にある隙間に応じて側辺ストッパー14が設けられる。靴底12の下面122には、更に、自転車のペダル20の二つの磁気吸引具21の間にある隙間に応じて中央ストッパー15が設けられる。靴底12の下面122には、自転車のペダル20の磁気吸引具21の両側に応じて二つの側辺ストッパー14が設けられ、二つの側辺ストッパー14のうちの一つの端面にガイド斜面141が設けられる。
【0022】
磁気感応片13は、靴底12を成形する前に金型に入れられて、靴底12と直接に一体成形されるため、靴底12を成形した後に靴底12に組付ける必要がない。
【0023】
次に、本発明の実施例の操作方法および効果を説明する。本発明の自転車専用靴10に、磁気吸引具21を有するペダル20を合せて使用するときには、靴底12の内部に磁気感応片13が設けられるため、ユーザが自転車のペダル20を踏込むことにより自転車を行進するときに、磁気による吸引力により磁気感応片13と自転車のペダル20の磁気吸引具21とが結合する。一方、靴底12の下面122には、自転車のペダル20の磁気吸引具21の両側にある隙間に応じて側辺ストッパー14が設けられ、更に、自転車のペダル20の二つの磁気吸引具21の間にある隙間に応じて中央ストッパー15が設けられるため、自転車のペダル20の磁気吸引具21の両側に各側辺ストッパー14が係合され、これにより、ユーザが自転車に乗っているときに、本発明の自転車専用靴10は自転車のペダル20に対して左右に摺動することできず、なお、自転車のペダル20の二つの磁気吸引具21の間に中央ストッパー15が係合され、これにより、ユーザが自転車に乗っているときに、本発明の自転車専用靴10は自転車のペダル20に対して前後に摺動することできない。そうすると、自転車専用靴10と自転車のペダル20との連結が安定になり、ユーザの足部がペダル20から外れることがなくなる。
【0024】
靴底12の下面122には、自転車のペダル20の磁気吸引具21の両側に応じて側辺ストッパー14がそれぞれ設けられ、二つの側辺ストッパー14のうちの一つの端面にガイド斜面141が設けられるため、自転車のペダル20から自転車専用靴10を離脱したいときには、自転車のペダル20に対して自転車専用靴10を横方向に摺動することにより、自転車専用靴10が側辺ストッパー14のガイド斜面141に沿って摺動し、そうすると、自転車のペダル20から自転車専用靴10を快速に離脱することができる。なお、自転車専用靴10の上記方向以外の方向への摺動が規制されるため、自転車専用靴10と自転車のペダル20との連結が安定になる。
【0025】
図4を参照する。本実施例では、靴底12の内部に設けられる磁気感応片16が一枚あり、磁気感応片16は、自転車の各磁気吸引具21に吸引され可能な寸法に成形され、その効果が上記の実施例と同じであるため、説明を省略した。
【0026】
図5を参照する。本実施例では、靴底12の内部は、更に、前端磁気感応片17を含む。前端磁気感応片17は、二つの磁気感応片13の間の距離と同じな距離で距離を置いて配列され、靴底12の前端と二つの磁気感応片13との間に位置する。一方、靴底12の下面122には、二つの前端側辺ストッパー18と、一つの前端中央ストッパー19と、が別に設けられる。二つの前端側辺ストッパー18と前端中央ストッパー19とは、前端磁気感応片17に対応する箇所に位置し、二つの側辺ストッパー14と中央ストッパー15との間の距離と同じな距離で距離を置いて配列される。これにより、靴底12の内部には、距離を置いて配列される、前端磁気感応片17と、二つの磁気感応片13と、が成形される。そうすると、ユーザは、道路の状況を見て、三つの磁気感応片のうちの前二枚または後二枚(すなわち、前端磁気感応片17と二つの磁気感応片13のうちの前端にある磁気感応片13、又は後ろにある二つの磁気感応片13)を自転車のペダル20と結合して、自転車のペダル20を踏込むことができ、これにより、省力化することができる。
【0027】
図6を参照する。本発明の各側辺ストッパー14は靴底12の収容溝123内に位置してもよい。そうすると、靴底12の下面122と各側辺ストッパー14との高さがほぼ同じであるため、ユーザは自転車専用靴10を履いて快適に歩くことができる。
【産業上の利用可能性】
【0028】
本発明は、靴に適用することができる。
【符号の説明】
【0029】
10: 自転車専用靴
11: 靴面
12: 靴底
13: 磁気感応片
14: 側辺ストッパー
15: 中央ストッパー
16: 磁気感応片
17: 前端磁気感応片
18: 前端側辺ストッパー
19: 前端中央ストッパー
20: ペダル
21: 磁気吸引具
121: 上面
122: 下面
123: 収容溝
131: 貫通孔
141: ガイド斜面
201: 主軸
202: 額縁

【特許請求の範囲】
【請求項1】
靴面と、
互いに反対する側に設けられる、上面と、下面と、を有し、前記靴面の底部と結合し、自転車のペダルに応じて一体成形された磁気感応片が少なくとも一枚設けられる靴底と、
を含むことを特徴とする、自転車専用靴。
【請求項2】
前記磁気感応片は、前記靴底の前記上面と前記下面との間に設けられることを特徴とする、請求項1に記載の自転車専用靴。
【請求項3】
前記自転車の前記ペダルは、主軸と、前記主軸の両側に対称にレイアウトする額縁と、を有し、前記主軸の両側と前記額縁との間に磁気吸引具がそれぞれ設けられ、前記靴底の前記下面には、前記自転車の前記ペダルの前記磁気吸引具の両側にある隙間に応じて側辺ストッパーが設けられることを特徴とする、請求項1に記載の自転車専用靴。
【請求項4】
前記靴底の下面には、更に、前記自転車の前記ペダルの前記二つの磁気吸引具の間にある隙間に応じて中央ストッパーが設けられることを特徴とする、請求項3に記載の自転車専用靴。
【請求項5】
前記靴底の前記下面には、前記自転車の前記ペダルの前記磁気吸引具の両側に応じて前記側辺ストッパーがそれぞれ設けられ、前記二つの側辺ストッパーのうちの一つの端面にガイド斜面が設けられることを特徴とする、請求項3に記載の自転車専用靴。
【請求項6】
前記靴底の内部に設けられる前記磁気感応片の周縁に貫通孔が複数設けられることを特徴とする、請求項1に記載の自転車専用靴。
【請求項7】
前記靴底の内部に設けられる前記磁気感応片が一枚ある場合には、前記磁気感応片は、前記自転車の前記各磁気吸引具に吸引され可能な寸法に成形されることを特徴とする、請求項3に記載の自転車専用靴。
【請求項8】
前記靴底の内部に設けられる前記磁気感応片が二枚ある場合には、前記磁気感応片は、前記自転車の前記ペダルの前記二つの磁気吸引具に応じて距離を置いて配列されることを特徴とする、請求項3に記載の自転車専用靴。
【請求項9】
前記靴底の内部は、更に、前端磁気感応片を含み、前記前端磁気感応片は、前記二つの磁気感応片の間の距離と同じな距離で距離を置いて配列され、前記靴底の前端と前記二つの磁気感応片との間に位置することを特徴とする、請求項8に記載の自転車専用靴。
【請求項10】
前記靴底の下面には、二つの前端側辺ストッパーと、一つの前端中央ストッパーと、が別に設けられ、前記二つの前端側辺ストッパーと前記前端中央ストッパーとは、前記前端磁気感応片に対応する箇所に位置し、前記側辺ストッパーと前記中央ストッパーとの間の距離と同じな距離で距離を置いて配列されることを特徴とする、請求項9に記載の自転車専用靴。
【請求項11】
前記各側辺ストッパーは前記靴底の収容溝内に位置することを特徴とする、請求項3に記載の自転車専用靴。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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