履物用ヒール部材及び履物
【課題】衝撃吸収性と意匠性に優れ、容易且つ安価に製造できる履物を提供する。
【解決手段】断面が略V字型となるように成型し、前記略V字型の隙間部にリブ11を設けたヒール構造部10と、ソール部材を嵌め込み可能とするための突起部12を前記ヒール構造部10の上下両面に形成する。
【解決手段】断面が略V字型となるように成型し、前記略V字型の隙間部にリブ11を設けたヒール構造部10と、ソール部材を嵌め込み可能とするための突起部12を前記ヒール構造部10の上下両面に形成する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、履物、特に、踵(ヒール)部分が高い形状のサンダル等の履物に関する。
【背景技術】
【0002】
サンダルやパンプスなどの踵(ヒール)部分が高い形状の履物では、衝撃を吸収するための工夫がこれまでに各種提案されてきた(例えば、特許文献1を参照)。例えば、特許文献1に開示された踵(ヒール)部分が高い形状の靴底構造によれば、着地時の安定性や衝撃吸収性を付与することができる。
【0003】
しかし、上記に開示された従来の靴底構造では、足裏が接する部分と強度を要するヒール部分(踵の高い構造部)とが一体であるため、材質の選択が制約されるという問題があった。例えば、通常、足裏が接する部分はより弾力性の高い軟質材料が好ましいが、強度を要する材質とは相反する。また、一般的に高強度の樹脂材料は高価であるため、この部分はより少ない方が好ましい。一方、足裏が接する部分に弾力性を付与するため、中敷等を別途作製すると、履物自体の製造コストが上昇するという問題も生じる。
【0004】
サンダルのような簡単な構成の履物では、強度が必要な部分と、逆に弾力性が必要な部分とを別々に構成し、更に、単純で少ない工程で安価に作製されることが好ましい。そのためには、独立した構造部材を製造しておき、当該構造部材にソール部材を接着させたり、または、当該構造部材をインサートとして一体成型したりすることが好ましい。
【先行技術文献】
【0005】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2007−222380号公報(第6頁〜第8頁、図2)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
そこで本発明は上記従来の課題に鑑みてなされたものであり、衝撃吸収性と意匠性に優れ、容易且つ安価に製造できる履物を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するため、本発明の履物用ヒール部材は、断面が略V字型となるように成型し、前記略V字型の隙間部にリブを設けたヒール構造部と、ソール部材を嵌め込み可能とするための突起部を前記ヒール構造部の上下両面に形成したことを特徴とする。
上記構成によれば、サンダルやパンプスなどの踵(ヒール)部分が高い形状の履物の構造部分を独立して製造することができる。
【0009】
また、本発明の履物用ヒール部材は、請求項1に記載の履物用ヒール部材であって、前記ヒール構造部および前記突起部は、高強度を有する合成樹脂で一体成型されていることを特徴とする。
上記構成によれば、サンダルやパンプスなどの踵(ヒール)部分が高い形状の履物の構造部分を容易且つ安価に製造することができる。
【0010】
また、本発明の履物は、前記履物用ヒール部材と、前記履物用ヒール部材の突起部に嵌め込み可能に成型した2体のソール部材と、で構成され、前記2体のソール部材を接着して形成されることを特徴とする。
上記構成によれば、サンダルやパンプスなどの踵(ヒール)部分が高い形状の履物を容易且つ安価に製造することができる。
【0011】
また、本発明の履物は、請求項3に記載の履物であって、前記履物用ヒール部材と前記ソール部材とは、前記履物用ヒール部材をインサートとし、発泡ゴム系材料で構成される前記ソール部材とを一体成型して形成されることを特徴とする、。
上記構成によれば、サンダルやパンプスなどの踵(ヒール)部分が高い形状の履物を容易且つ安価に製造することができる。
【発明の効果】
【0012】
本発明の履物によれば、サンダルやパンプスなどの踵(ヒール)部分が高い形状の履物を容易且つ安価に製造することができる。また、細長く伸びる従来のヒール部分の形状に比較して、安定性や意匠性にも優れる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】 本発明の実施の形態における履物用ヒール部材の外観を示す斜視図である。
【図2】 本発明の実施の形態における履物用ヒール部材の外観を示す斜視図である。
【図3】 本発明の実施の形態における履物用ヒール部材の外観を示す斜視図である。
【図4】 本発明の実施の形態における履物の外観を示す斜視図である。
【図5】 上記履物の上面図である。
【図6】 上記履物の正面図である。
【図7】 上記履物の右側面図である。
【図8】 上記履物の左側面図である。
【図9】 上記履物の底面図である。
【図10】 上記履物の背面図である。
【図11】 本発明の実施の形態におけるもう一つの履物の外観を示す斜視図である。
【図12】 上記履物の上面図である。
【図13】 上記履物の正面図である。
【図14】 上記履物の右側面図である。
【図15】 上記履物の左側面図である。
【図16】 上記履物の底面図である。
【図17】 上記履物の背面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の実施の形態における履物用ヒール部材及び履物について図面を用いて詳細に説明する。
【0015】
はじめに、図1から図3は、本発明の実施の形態における履物用ヒール部材の外観を示す斜視図である。履物用ヒール部材100は、主に、リブ11を設けたヒール構造部10、ソール部材(図示省略)を嵌め込み可能とするために形成した突起部12で構成される。また、ヒール構造部10には、履物が形成された際のフックとなるのフック部13も形成されている。履物用ヒール部材100は、高強度、高剛性を有する樹脂材料で成型されており、サンダルはパンプスなどの踵(ヒール)部分が高い形状の履物の構造部分を構成することができる。
【0016】
次に、図4は、本発明の実施の形態における履物の外観を示す斜視図である。履物200は、上記の履物用ヒール部材100を用いて、履物用ヒール部材の突起部12に嵌め込み可能に成型した2体のソール部材20及び30で構成され、前記2体のソール部材20及び30は前方(トー部)で接着して形成されている。また、ソール部材20からは、鼻緒40が突出している。鼻緒40の先端はソール部材30の下面へ貫通して両方のソール部材30及び40を固定している。ソール部材20及び30は、発泡ゴム等の軟質樹脂材料を用いることが好ましい。
【0017】
なお、図5は、上記履物の上面図である。また、図6は、上記履物の正面図である。また、図7は、上記履物の右側面図である。また、図8は、上記履物の左側面図である。また、図9は、上記履物の底面図である。また、図10は、上記履物の背面図である。
【0018】
上記のように、本発明の履物によれば、サンダルやパンプスなどの踵(ヒール)部分が高い形状の履物を容易且つ安価に製造することができる。また、細長く伸びる従来のヒール部分の形状に比較して、安定性や意匠性にも優れる。
【0019】
次に、図11は、本発明の実施の形態におけるもう一つの履物の外観を示す斜視図である。履物300は、上記の履物用ヒール部材100をインサートとして用い、射出成型等によりソール部材50を一体成型している。ソール部材50は、発泡ゴム等の軟質樹脂材料を用いることが好ましい。なお、本図面では鼻緒の図示を省略している。
【0020】
なお、図12は、上記履物の上面図である。また、図13は、上記履物の正面図である。また、図14は、上記履物の右側面図である。また、図15は、上記履物の左側面図である。また、図16は、上記履物の底面図である。また、図17は、上記履物の背面図である。
【0021】
上記のように、本発明の履物によれば、サンダルやパンプスなどの踵(ヒール)部分が高い形状の履物を容易且つ安価に製造することができる。また、細長く伸びる従来のヒール部分の形状に比較して、安定性や意匠性にも優れる。
【産業上の利用可能性】
【0022】
本発明に係る履物用ヒール部材および履物は、容易且つ安価に履物に製造することができるという効果を有し、サンダルやパンプスなどの踵(ヒール)部分が高い形状の履物の製造において有用である。
【符号の説明】
【0023】
10 ヒール構造部
11 リブ
12 突起部
13 フック部
20、30、50 ソール部材
40 鼻緒
100、200、300 履物
【技術分野】
【0001】
本発明は、履物、特に、踵(ヒール)部分が高い形状のサンダル等の履物に関する。
【背景技術】
【0002】
サンダルやパンプスなどの踵(ヒール)部分が高い形状の履物では、衝撃を吸収するための工夫がこれまでに各種提案されてきた(例えば、特許文献1を参照)。例えば、特許文献1に開示された踵(ヒール)部分が高い形状の靴底構造によれば、着地時の安定性や衝撃吸収性を付与することができる。
【0003】
しかし、上記に開示された従来の靴底構造では、足裏が接する部分と強度を要するヒール部分(踵の高い構造部)とが一体であるため、材質の選択が制約されるという問題があった。例えば、通常、足裏が接する部分はより弾力性の高い軟質材料が好ましいが、強度を要する材質とは相反する。また、一般的に高強度の樹脂材料は高価であるため、この部分はより少ない方が好ましい。一方、足裏が接する部分に弾力性を付与するため、中敷等を別途作製すると、履物自体の製造コストが上昇するという問題も生じる。
【0004】
サンダルのような簡単な構成の履物では、強度が必要な部分と、逆に弾力性が必要な部分とを別々に構成し、更に、単純で少ない工程で安価に作製されることが好ましい。そのためには、独立した構造部材を製造しておき、当該構造部材にソール部材を接着させたり、または、当該構造部材をインサートとして一体成型したりすることが好ましい。
【先行技術文献】
【0005】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2007−222380号公報(第6頁〜第8頁、図2)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
そこで本発明は上記従来の課題に鑑みてなされたものであり、衝撃吸収性と意匠性に優れ、容易且つ安価に製造できる履物を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するため、本発明の履物用ヒール部材は、断面が略V字型となるように成型し、前記略V字型の隙間部にリブを設けたヒール構造部と、ソール部材を嵌め込み可能とするための突起部を前記ヒール構造部の上下両面に形成したことを特徴とする。
上記構成によれば、サンダルやパンプスなどの踵(ヒール)部分が高い形状の履物の構造部分を独立して製造することができる。
【0009】
また、本発明の履物用ヒール部材は、請求項1に記載の履物用ヒール部材であって、前記ヒール構造部および前記突起部は、高強度を有する合成樹脂で一体成型されていることを特徴とする。
上記構成によれば、サンダルやパンプスなどの踵(ヒール)部分が高い形状の履物の構造部分を容易且つ安価に製造することができる。
【0010】
また、本発明の履物は、前記履物用ヒール部材と、前記履物用ヒール部材の突起部に嵌め込み可能に成型した2体のソール部材と、で構成され、前記2体のソール部材を接着して形成されることを特徴とする。
上記構成によれば、サンダルやパンプスなどの踵(ヒール)部分が高い形状の履物を容易且つ安価に製造することができる。
【0011】
また、本発明の履物は、請求項3に記載の履物であって、前記履物用ヒール部材と前記ソール部材とは、前記履物用ヒール部材をインサートとし、発泡ゴム系材料で構成される前記ソール部材とを一体成型して形成されることを特徴とする、。
上記構成によれば、サンダルやパンプスなどの踵(ヒール)部分が高い形状の履物を容易且つ安価に製造することができる。
【発明の効果】
【0012】
本発明の履物によれば、サンダルやパンプスなどの踵(ヒール)部分が高い形状の履物を容易且つ安価に製造することができる。また、細長く伸びる従来のヒール部分の形状に比較して、安定性や意匠性にも優れる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】 本発明の実施の形態における履物用ヒール部材の外観を示す斜視図である。
【図2】 本発明の実施の形態における履物用ヒール部材の外観を示す斜視図である。
【図3】 本発明の実施の形態における履物用ヒール部材の外観を示す斜視図である。
【図4】 本発明の実施の形態における履物の外観を示す斜視図である。
【図5】 上記履物の上面図である。
【図6】 上記履物の正面図である。
【図7】 上記履物の右側面図である。
【図8】 上記履物の左側面図である。
【図9】 上記履物の底面図である。
【図10】 上記履物の背面図である。
【図11】 本発明の実施の形態におけるもう一つの履物の外観を示す斜視図である。
【図12】 上記履物の上面図である。
【図13】 上記履物の正面図である。
【図14】 上記履物の右側面図である。
【図15】 上記履物の左側面図である。
【図16】 上記履物の底面図である。
【図17】 上記履物の背面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の実施の形態における履物用ヒール部材及び履物について図面を用いて詳細に説明する。
【0015】
はじめに、図1から図3は、本発明の実施の形態における履物用ヒール部材の外観を示す斜視図である。履物用ヒール部材100は、主に、リブ11を設けたヒール構造部10、ソール部材(図示省略)を嵌め込み可能とするために形成した突起部12で構成される。また、ヒール構造部10には、履物が形成された際のフックとなるのフック部13も形成されている。履物用ヒール部材100は、高強度、高剛性を有する樹脂材料で成型されており、サンダルはパンプスなどの踵(ヒール)部分が高い形状の履物の構造部分を構成することができる。
【0016】
次に、図4は、本発明の実施の形態における履物の外観を示す斜視図である。履物200は、上記の履物用ヒール部材100を用いて、履物用ヒール部材の突起部12に嵌め込み可能に成型した2体のソール部材20及び30で構成され、前記2体のソール部材20及び30は前方(トー部)で接着して形成されている。また、ソール部材20からは、鼻緒40が突出している。鼻緒40の先端はソール部材30の下面へ貫通して両方のソール部材30及び40を固定している。ソール部材20及び30は、発泡ゴム等の軟質樹脂材料を用いることが好ましい。
【0017】
なお、図5は、上記履物の上面図である。また、図6は、上記履物の正面図である。また、図7は、上記履物の右側面図である。また、図8は、上記履物の左側面図である。また、図9は、上記履物の底面図である。また、図10は、上記履物の背面図である。
【0018】
上記のように、本発明の履物によれば、サンダルやパンプスなどの踵(ヒール)部分が高い形状の履物を容易且つ安価に製造することができる。また、細長く伸びる従来のヒール部分の形状に比較して、安定性や意匠性にも優れる。
【0019】
次に、図11は、本発明の実施の形態におけるもう一つの履物の外観を示す斜視図である。履物300は、上記の履物用ヒール部材100をインサートとして用い、射出成型等によりソール部材50を一体成型している。ソール部材50は、発泡ゴム等の軟質樹脂材料を用いることが好ましい。なお、本図面では鼻緒の図示を省略している。
【0020】
なお、図12は、上記履物の上面図である。また、図13は、上記履物の正面図である。また、図14は、上記履物の右側面図である。また、図15は、上記履物の左側面図である。また、図16は、上記履物の底面図である。また、図17は、上記履物の背面図である。
【0021】
上記のように、本発明の履物によれば、サンダルやパンプスなどの踵(ヒール)部分が高い形状の履物を容易且つ安価に製造することができる。また、細長く伸びる従来のヒール部分の形状に比較して、安定性や意匠性にも優れる。
【産業上の利用可能性】
【0022】
本発明に係る履物用ヒール部材および履物は、容易且つ安価に履物に製造することができるという効果を有し、サンダルやパンプスなどの踵(ヒール)部分が高い形状の履物の製造において有用である。
【符号の説明】
【0023】
10 ヒール構造部
11 リブ
12 突起部
13 フック部
20、30、50 ソール部材
40 鼻緒
100、200、300 履物
【特許請求の範囲】
【請求項1】
断面が略V字型となるように成型し、前記略V字型の隙間部にリブを設けたヒール構造部と、ソール部材を嵌め込み可能とするための突起部を前記ヒール構造部の上下両面に形成したことを特徴とする履物用ヒール部材。
【請求項2】
前記ヒール構造部および前記突起部は、高強度を有する合成樹脂で一体成型されていることを特徴とする請求項1に記載の履物用ヒール部材。
【請求項3】
前記履物用ヒール部材と、前記履物用ヒール部材の突起部に嵌め込み可能に成型した2体のソール部材と、で構成され、前記2体のソール部材を接着して形成されることを特徴とする履物。
【請求項4】
前記履物用ヒール部材と前記ソール部材とは、前記履物用ヒール部材をインサートとし、発泡ゴム系材料で構成される前記ソール部材とを一体成型して形成されることを特徴とする請求項3に記載の履物。
【請求項1】
断面が略V字型となるように成型し、前記略V字型の隙間部にリブを設けたヒール構造部と、ソール部材を嵌め込み可能とするための突起部を前記ヒール構造部の上下両面に形成したことを特徴とする履物用ヒール部材。
【請求項2】
前記ヒール構造部および前記突起部は、高強度を有する合成樹脂で一体成型されていることを特徴とする請求項1に記載の履物用ヒール部材。
【請求項3】
前記履物用ヒール部材と、前記履物用ヒール部材の突起部に嵌め込み可能に成型した2体のソール部材と、で構成され、前記2体のソール部材を接着して形成されることを特徴とする履物。
【請求項4】
前記履物用ヒール部材と前記ソール部材とは、前記履物用ヒール部材をインサートとし、発泡ゴム系材料で構成される前記ソール部材とを一体成型して形成されることを特徴とする請求項3に記載の履物。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【公開番号】特開2012−95979(P2012−95979A)
【公開日】平成24年5月24日(2012.5.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−258330(P2010−258330)
【出願日】平成22年11月2日(2010.11.2)
【出願人】(504204384)有限会社ユイット (32)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年5月24日(2012.5.24)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年11月2日(2010.11.2)
【出願人】(504204384)有限会社ユイット (32)
【Fターム(参考)】
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