コンテンツ再生装置及びそのプログラム
【課題】 CPUに大きな負荷をかけることなく、騒音環境下において、ユーザが十分に曲の音を聴き取ることができるようにコンテンツを再生すること。
【解決手段】 コンテンツ再生装置は、時間情報に対応付けて複数の騒音レベルを記憶する騒音レベル管理手段と、騒音レベル管理手段に記憶された複数の騒音レベルに基づいて、所定期間における平均騒音レベルを算出する平均騒音レベル算出手段と、平均騒音レベルに対応付けて推奨録音レベルを記憶する推奨録音レベル管理手段と、コンテンツ毎に、コンテンツの録音レベルの平均値である平均録音レベルを記憶する平均録音レベル管理手段と、算出された平均騒音レベルに対応する推奨録音レベルを特定し、平均録音レベルが、特定された推奨録音レベルに該当するコンテンツを、再生するコンテンツとして選択する選択手段とを備える。
【解決手段】 コンテンツ再生装置は、時間情報に対応付けて複数の騒音レベルを記憶する騒音レベル管理手段と、騒音レベル管理手段に記憶された複数の騒音レベルに基づいて、所定期間における平均騒音レベルを算出する平均騒音レベル算出手段と、平均騒音レベルに対応付けて推奨録音レベルを記憶する推奨録音レベル管理手段と、コンテンツ毎に、コンテンツの録音レベルの平均値である平均録音レベルを記憶する平均録音レベル管理手段と、算出された平均騒音レベルに対応する推奨録音レベルを特定し、平均録音レベルが、特定された推奨録音レベルに該当するコンテンツを、再生するコンテンツとして選択する選択手段とを備える。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、騒音環境下において、複数のコンテンツの中から自動的に最適なコンテンツを選択し、再生するコンテンツ再生装置に関する。
【背景技術】
【0002】
複数の曲ファイルが記録されるHDD又はフラッシュメモリを備える携帯型プレーヤが利用されている。携帯型プレーヤは、屋外や電車内等で使用する場合が多いので、周囲の騒音が大きい場合には、ユーザが携帯型プレーヤで再生される曲の音を聴き取りにくくなる。そこで、周囲の騒音レベルを検出して、その検出結果に基づいて、音量レベルを補正する、又は、ダイナミックレンジを変化させる、又は、ノイズキャンセル(例えば、騒音と逆位相の音を携帯型プレーヤが再生し騒音を打ち消す)機能を実行する等の技術が提案されている(下記特許文献1)。しかし、これらの処理は非常に複雑であるので、携帯型プレーヤのCPUの負荷が大きくなり、携帯型プレーヤのバッテリが直ぐに消耗してしまう。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2003−271197号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は上記従来の課題を解決するためになされたものであり、その目的は、CPUに大きな負荷をかけることなく、騒音環境下において、ユーザが十分に曲の音を聴き取ることができるようにコンテンツを再生するコンテンツ再生装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の好ましい実施形態によるコンテンツ再生装置は、複数のコンテンツの中から選択されたコンテンツを再生するコンテンツ再生装置であって、時間情報に対応付けて複数の騒音レベルを記憶する騒音レベル管理手段と、前記騒音レベル管理手段に記憶された複数の騒音レベルに基づいて、所定期間における平均騒音レベルを算出する平均騒音レベル算出手段と、前記平均騒音レベルに対応付けて推奨録音レベルを記憶する推奨録音レベル管理手段と、コンテンツ毎に、コンテンツの録音レベルの平均値である平均録音レベルを記憶する平均録音レベル管理手段と、算出された平均騒音レベルに対応する推奨録音レベルを特定し、平均録音レベルが、特定された推奨録音レベルに該当するコンテンツを、再生するコンテンツとして選択する選択手段とを備える。
【0006】
コンテンツ再生装置は、平均騒音レベルを算出し、算出した平均騒音レベルに対応する推奨録音レベルを特定する。コンテンツ再生装置は、平均録音レベルが特定した推奨録音レベルに該当するコンテンツを選択し、選択したコンテンツを再生する。従って、騒音レベルに応じて最適な録音レベルを有するコンテンツを自動的に選択して再生することができ、騒音環境下においても、ユーザは十分に曲の音を聞き取ることができる。しかも、複雑な処理が不要であるので、CPUの負荷を小さくすることができる。
【0007】
好ましい実施形態においては、各コンテンツの再生を開始する際に、その都度、前記平均騒音レベル算出手段が平均騒音レベルを算出し、前記選択手段が、算出された平均騒音レベルに対応する推奨録音レベルを特定し、平均録音レベルが、特定された推奨録音レベルに該当するコンテンツを、再生するコンテンツとして選択する。
【0008】
この場合、コンテンツを再生開始するたびに平均騒音レベルを算出し直し、平均騒音レベルに対応する推奨録音レベルを特定し、平均録音レベルが特定された推奨録音レベルに該当するコンテンツを選択するので、現在の騒音レベル下に応じて最適なコンテンツを選択することができる。
【0009】
好ましい実施形態においては、再生指示に応じて最初にコンテンツを再生開始する際には、前記平均騒音レベル算出手段が、現在時刻から、全コンテンツの再生時間の平均値である平均コンテンツ再生時間前まで遡った騒音レベルの平均値を平均騒音レベルとして算出し、2つ目以降のコンテンツを再生開始する際には、前記騒音レベル算出手段が、現在時刻から、直前に再生されていたコンテンツの再生時間前まで遡った騒音レベルの平均値を平均騒音レベルとして算出する。
【発明の効果】
【0010】
CPUに大きな負荷をかけることなく、騒音環境下において、ユーザが十分に曲の音を聴き取ることができるようにコンテンツを再生することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の好ましい実施形態によるPC100,携帯型プレーヤ(コンテンツ再生装置)200及びヘッドフォン300を示すブロック図である。
【図2】録音レベルテーブルを示す図である。
【図3】騒音レベルの記憶内容を示す図である。
【図4】騒音レベルの記憶内容と、平均騒音レベルを算出するための再生時間とを示す図である。
【図5】録音推奨レベルテーブルを示す図である。
【図6】プレイリストを示す図である。
【図7】プレイリストを示す図である。
【図8】平均録音レベル登録処理を示すフローチャートである。
【図9】録音レベルを取得する際のイメージ図である。
【図10】騒音レベル検出処理を示すフローチャートである。
【図11】再生処理を示すフローチャートである。
【図12】再生処理を示すフローチャートである。
【図13】推奨録音レベルテーブルの作成手順を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の好ましい実施形態について、図面を参照して具体的に説明するが、本発明はこれらの実施形態には限定されない。
【0013】
図1は、PC(コンテンツ記録装置)100と、携帯型プレーヤ(コンテンツ再生装置)200と、携帯型プレーヤ200に接続されるヘッドフォン300とを示すブロック図である。コンテンツは、映像データ、及び/又は、音声(音楽、曲)データの総称であるが、本例では、曲ファイルである。
【0014】
PC100はCDに記録された曲データをHDDに記録(リッピング)すると共に、記録した曲ファイル毎に複数の録音レベルを取得し、その平均録音レベルを算出する。携帯型プレーヤ200は、PC100から曲ファイルと平均録音レベルとを取得する。携帯型プレーヤ200は、曲ファイルを再生し、音声信号をヘッドフォン300に出力する。ヘッドフォン300は、携帯型プレーヤ200から受信した音声信号に基づいて音声を出力する。ヘッドフォン300は、周囲の騒音レベルを検出し、携帯型プレーヤ200に騒音レベルを送信する。携帯型プレーヤ200は、複数の騒音レベルから所定期間における平均騒音レベルを算出する。携帯型プレーヤ200は、平均騒音レベルに対応する推奨録音レベルを特定する。携帯型プレーヤ200は、特定した平均騒音レベルに平均録音レベルが該当するコンテンツを選択して、再生する。従って、騒音環境下においても、ユーザが十分に聞き取りやすい曲ファイルを自動的に選択して再生することができる。
【0015】
PC100は、CPU1、RAM2、ROM3、通信部4、HDD等のコンテンツ記憶部5、CDドライブ6、表示部7、及び、操作部8を備える。これらは、バスを介して互いに接続されている。
【0016】
CDドライブ6は、挿入されたCDから曲データを読み出して、曲データを曲ファイル(例えば、MP3ファイル)の形式でHDD5に記録する。HDD5には、複数の曲ファイルが記録されている。また、HDD5には、図2に示す録音レベルテーブルが格納されている。録音レベルテーブルは、HDD5に記録されている全曲ファイルについて、トラック名、再生時間及び平均録音レベルを相互に関連付けて記録するテーブルである。なお、録音レベルテーブルには、アーティスト名,アルバム名、ジャンル名等のメタデータをさらに含んでいてもよい。
【0017】
CPU1は、HDD5に記録されたプログラムに基づいてPC100の各部を制御する。CPU1は、HDD5に記録された曲ファイルについて、所定時間(例えば20msec)単位で録音レベルを検出し、検出した録音レベルの和を算出し、録音レベルの和を曲ファイルの再生時間で除算することによって、平均録音レベルLevel_Aveを算出する。CPU1は、算出した平均録音レベルLevel_Aveを録音レベルテーブルに記録する。平均録音レベルは、例えば、0〜65535までの数値で表される。
【0018】
通信部4は、携帯型プレーヤ200の通信部24に接続され、HDD5に記録されている曲ファイル、及び、これらの曲ファイルの平均録音レベルLevel_Aveを含む録音レベルテーブルを携帯型プレーヤ200に送信する。
【0019】
携帯型プレーヤ200は、CPU21、RAM22、ROM23、通信部24、HDD等のコンテンツ記憶部25、再生部26、表示部27、操作部28及びヘッドフォン出力端子29を備える。これらは、バスを介して互いに接続されている。再生部26にはヘッドフォン出力端子29が接続されており、ヘッドフォン出力端子29には所定のケーブルを介してヘッドフォン300が接続される。
【0020】
HDD25には、PC100から送信された複数の曲ファイルが記録される。HDD25に記録されている曲ファイルは、CPU21の指示によって読み出され、再生部26によって再生処理(デコード、D/A変換、増幅等)が実行される。再生部26によって再生された音声信号は、ヘッドフォン出力端子29を介してヘッドフォン300に供給され、ヘッドフォン300から音声が出力される。
【0021】
通信部24は、PC100の通信部4に接続され、PC100からHDD5に記録されている曲ファイル、及び、これらの曲ファイルの平均録音レベルLevel_Aveを含む録音レベルテーブルを取得し、HDD25に記録する。従って、HDD25には、PC100から送信された図2に示す録音レベルテーブルが格納されている。なお、携帯型プレーヤ200が、曲ファイルの録音レベルを取得して、平均録音レベルを算出し、録音レベルテーブルを生成してもよい。
【0022】
また、通信部24は、ヘッドフォン300の通信部34に接続され、ヘッドフォン300から騒音レベルを所定期間毎に取得する。取得した騒音レベルは、HDD25に記録される。図3は、HDD25に記録される騒音レベルの一例を示す図であり、取得した所定期間毎の騒音レベルをプロットしグラフ化したものである。図3において、横軸は時刻であり、縦軸は騒音レベル(単位はdB)である。
【0023】
CPU21は、携帯型プレーヤ200を制御するものであり、ROM23又はHDD25に格納されたプログラムをRAM22内に読み出して実行することにより、後述する各処理を実行する。CPU21は、曲ファイルを再生開始する際に、図3に示す騒音レベルにおいて、所定時間分の騒音レベルの平均値である平均騒音レベルNoiseAverageを算出する。
【0024】
図4に示すように、所定時間は、最初の曲ファイル(1曲目)を再生開始する際は、現在時刻から平均再生時間aveTime前までに遡った時間である。すなわち、図4において1曲目の直前に示した矢印の期間である。ここで、平均再生時間aveTimeは、HDD25に記録されている全曲ファイルの再生時間の平均値であり、CPU21によって算出される。また、所定時間は、2曲目以降の曲ファイルを再生開始する際は、現在時刻から、直前に再生された曲ファイルの再生時間前まで遡った時間である。例えば、2曲目の曲ファイルを再生開始する際の所定時間は、図4において1曲目と2曲目との間に示した矢印の期間である。
【0025】
HDD25には、図5に示す推奨録音レベルテーブルが格納されている。推奨録音レベルテーブルは、上記で算出された平均騒音レベルに関連付けて推奨録音レベルが記憶されている。推奨録音レベルは、対応する騒音レベル下においてユーザが十分に曲の音を聞き取ることが可能な録音レベルである。例えば、図5において、平均騒音レベルが20〜30の場合に、推奨録音レベルは7000以上であるので、録音レベルが7000未満であれば十分に音を聞き取ることができず、録音レベルが7000以上であれば十分に音を聞き取ることができることを示している。
【0026】
CPU1は、曲ファイルを再生開始する際に、平均騒音レベルを算出し、平均騒音レベルに対応する推奨録音レベルを推奨録音レベルテーブルから読み出す。CPU1は、図2の録音レベルテーブルにおいて、平均録音レベルが推奨録音レベルに該当する曲ファイルを選択し、選択した曲ファイルを再生部26に再生させる。従って、現在の平均騒音レベル下において、ユーザは再生される曲の音を十分に聞き取ることができる。
【0027】
詳細には、CPU1は、図2の録音レベルテーブルにおいて、平均録音レベルが推奨録音レベルに該当する曲ファイルを全て選択し、選択した曲ファイルの一覧であるプレイリストを生成する。CPU1は、プレイリストの中から曲ファイルを選択し、再生部26に再生させる。図6は、平均騒音レベルが50〜60の場合に生成されるプレイリストであり、平均録音レベルが推奨録音レベルに該当する(15000以上の)曲ファイルを含む。図7は、平均騒音レベルが20〜30の場合に生成されるプレイリストであり、平均録音レベルが推奨録音レベルに該当する(7000以上の)曲ファイルを含む。
【0028】
図1に示すように、ヘッドフォン300は、CPU31と、RAM32と、ROM33と、通信部34と、スピーカー35と、騒音検出部36と、入力端子37とを備える。
【0029】
入力端子37は、携帯型プレーヤ200のヘッドフォン出力端子29に接続され、携帯型プレーヤ200から音声信号が供給される。スピーカー35は、入力端子37に供給された音声信号に基づいて音声を出力する。
【0030】
騒音検出部36は、所定時間間隔で周囲の騒音レベルを検出し、検出した騒音レベルを通信部34に供給する。騒音レベルの検出方法自体は、周知の技術が採用され得る。通信部34は、携帯型プレーヤ200の通信部24に接続され、所定時間間隔で騒音レベルを通信部24に送信する。なお、RAM32内に複数回分の騒音レベルを記憶しておき、複数回分の騒音レベルをまとめて通信部24に送信し、通信負荷を削減してもよい。
【0031】
CPU31は、ROM33に格納されたプログラムに基づいてヘッドフォン300の各部を制御する。CPU1は、騒音レベル検出部36に周囲の騒音レベルを検出させ、通信部34に騒音レベルを携帯型プレーヤ200に送信させる。
【0032】
次に、本実施形態の動作を説明する。図8は、PC100による平均録音レベル登録処理を示すフローチャートである。PC100のCPU1は、ユーザ操作によって曲ファイルの記録指示が入力されたか否かを判断している(S1)。記録指示が入力された場合(S1でYES)、CPU1は、CDドライブ6に挿入されているCDから曲データを読み出して、曲ファイル(例えばMP3ファイル)の形式でHDD5に記録する(S2)。この時、PC100はインターネット経由でCDDBにアクセスし、HDD5に記録する曲ファイルのメタデータ(トラック名、アーティスト名、アルバム名、ジャンル名、再生時間等)を取得する。CPU1は、HDD5に新たに記録した曲ファイルについて、図2の録音レベルテーブルにトラック名及び再生時間を登録する。
【0033】
CPU1は、以降の処理において、HDD5に新たに記録した曲ファイルの平均録音レベルを算出し、録音レベルテーブルに登録する。CPU1は、HDD5に新たに記録した曲ファイルの内、1つの曲ファイルを選択し、選択した曲ファイルについて、合計録音レベルSum_levelを0に初期化し(S3)、曲ファイルにおける再生位置(再生経過時間、アドレス)を示すインデックスiを0に初期化する(S4)。CPU1は、選択されている曲ファイルにおける再生位置t_iの録音レベルLvl(t_i)を取得する(S5)。ここでは、i=0であるので、図9に示すように、曲ファイルの最初の位置の録音レベルであるLvl(t_0)を取得する。なお、録音レベルの取得方法は周知の技術が採用され得る。
【0034】
CPU1は、合計録音レベルSum_levelにS5で取得した録音レベルLvl(t_i)を加算する(S6)。CPU1は、選択された曲ファイルについて、最後まで録音レベルの取得を完了したか否かを判断する(S7)。未だ取得完了していなければ(S7でNO)、CPU1はインデックスiを1増加させ(S8)、S5に戻る。この場合、i=1に設定され、再生位置t_1の録音レベルLvl(t_1)が取得される。このように、選択された曲ファイルについて所定再生位置毎に録音レベルが取得され、合計録音レベルSum_levelに随時加算される。なお、所定再生位置は例えば再生経過時間で表すと20msecである。
【0035】
選択された曲ファイルの最後まで録音レベルの取得が完了した場合(S7でYES)、CPU1は、合計録音レベルSum_levelを、選択された曲ファイルの再生時間で除算することによって、選択された曲ファイルの平均録音レベルLvel_Aveを算出する(S9)。CPU1は、算出した平均録音レベルLvel_Aveを選択された曲ファイルのトラック名に関連付けて録音レベルテーブルに登録する(S10)。
【0036】
CPU1は、HDD5に新たに記録した全曲ファイルについて、平均録音レベルを登録する処理を完了したか否かを判断する(S11)。未だ完了していない場合(S11でNO)、CPU1は、次の曲ファイルを選択し(S12)、S3に戻り、上記の処理(S3〜S11)を繰り返す。HDD5に新たに記録した全曲ファイルについて、平均録音レベルを登録する処理を完了した場合(S11でYES)、処理を終了する。その結果、図2に示す録音レベルテーブルが生成される。CPU1は、生成された録音レベルテーブルを、通信部4を介して携帯型プレーヤ200に送信する。携帯型プレーヤ200は、録音レベルテーブルを受信してHDD25に記録する。
【0037】
図10は、携帯型プレーヤ200及びヘッドフォン300による騒音レベル検出処理を示すフローチャートである。ヘッドフォン300の騒音レベル検出部36は、所定時間毎に、ヘッドフォン300の周囲の騒音レベルを検出し(S11)、通信部34は、検出された騒音レベルを携帯型プレーヤ200に送信する(S12)。
【0038】
携帯型プレーヤ200において、通信部24はヘッドフォン300から騒音レベルを所定時間毎に取得し(S21)、CPU21は、受信された騒音レベルをHDD25に随時記録する(S22)。なお、古い騒音レベルについては自動的に消去されるとよい。
【0039】
図11及び図12は、携帯型プレーヤ200の曲ファイル再生処理を示すフローチャートである。図11に示すように、CPU21は、ユーザ操作によって再生指示が入力されたか否かを判断している(S31)。再生指示が入力された場合(S31でYES)、CPU21は、現在時刻から、平均再生時間ave_Time前までの複数回分の騒音レベルをHDD25から読み出す。平均再生時間ave_Timeは、CPU21が録音レベルテーブルをPC100から取得する毎に算出し、HDD25に記憶しておく。例えば、平均再生時間ave_Timeが4分30秒である場合、現在時刻から4分30秒前までの騒音レベルが読み出される。
【0040】
CPU21は、読み出した複数回分の騒音レベルを加算し、加算した騒音レベルを平均再生時間ave_Timeで除算することによって、平均騒音レベルNoiseAverageを算出する(S33)。
【0041】
CPU21は、図5に示す推奨録音レベルテーブルから、平均騒音レベルNoiseAverageに対応する推奨録音レベルを読み出す(S34)。例えば、平均騒音レベルNoiseAverageが55であれば、平均騒音レベルが50〜60の範囲に該当するので、推奨録音レベルは15000以上である。CPU21は、図2の録音レベルテーブルから、平均録音レベルLevel_Aveが推奨録音レベルに該当する曲ファイルを選択し、選択した曲ファイルを含むプレイリストを生成する。例えば、平均騒音レベルNoiseAverageが55であれば、図6に示すように、平均録音レベルが15000以上の曲ファイルを含むプレイリストが生成される。
【0042】
CPU21は、生成されたプレイリストの中から1つの曲ファイルを選択し、選択した曲ファイルを再生部26に再生させる(S36)。例えば、図6のプレイリストの先頭の曲ファイルであるトラック1が再生される。なお、プレイリストを生成することなく、平均録音レベルLevel_Aveが推奨録音レベルに該当する曲ファイルを1つ選択し、選択した曲ファイルを再生してもよい。
【0043】
図12に示すように、CPU21は、曲ファイルを再生終了する(又は、ユーザ操作によって次の曲へのスキップ指示が入力される)か否かを判断している(S37)。曲ファイルを再生終了する場合(S37)、CPU21は、現時点における平均騒音レベルを再度算出し直し、推奨録音レベルを特定し、プレイリストを再構築する。
【0044】
ここでは、CPU21は、現在時刻から、再生完了する曲ファイルの再生時間前までの複数回分の騒音レベルをHDD25から読み出す。例えば、再生完了する曲ファイルが図6のプレイリストにおけるトラック1であり、その再生時間が2分30秒である場合、現在時刻から2分30秒前までの複数回分の騒音レベルが読み出される。なお、トラック1の再生が2分00秒経過した時点でユーザ操作によって次の曲へのスキップ指示が入力された場合、再生時間は2分00秒とすればよい。
【0045】
CPU21は、読み出した複数の騒音レベルを加算し、加算した騒音レベルを、再生完了する曲ファイルの再生時間で除算することによって、現時点での平均騒音レベルNoiseAverageを算出する(S38)。
【0046】
CPU21は、現時点での平均騒音レベルNoiseAverageが、図5の推奨録音レベルテーブルにおいて、前回の平均騒音レベルNoiseAverageと同じ範囲に存在するか否かを判断する(S39)。例えば、現時点での平均騒音レベルNoiseAverageが58であり、前回の平均騒音レベルNoiseAverageが55である場合、同じ範囲にあるので(S39でYES)、推奨録音レベルは変わらない。従って、CPU21は、プレイリストを再構築することなく、プレイリストから次の曲ファイルを選択し(S40)、選択した曲ファイルを再生部26に再生させる(S41)。例えば、図6のプレイリストにおいて、トラック1の次の曲ファイルであるトラック2が再生される。
【0047】
一方、現時点での平均騒音レベルNoiseAverageが25であり、前回の平均騒音レベルNoiseAverageが55である場合、同じ範囲にないので(S39でNO)、推奨録音レベルは変わる。従って、CPU21は、プレイリストを再構築する(S42〜S44)。詳細には、CPU21は、現時点での平均騒音レベルNoiseAverageが前回の平均騒音レベルNoiseAverageに対して減少しているか否かを判断する(S42)。減少している場合(S42でYES)、前回に比べて推奨録音レベルが低下するので、プレイリストに新たに追加すべき曲ファイルが存在する。CPU21は、図2の録音レベルテーブルにおいて、平均録音レベルLevel_Aveが推奨録音レベルに該当し、プレイリストに未登録である曲ファイルを検索し、検索した曲ファイルをプレイリストに追加する(S43)。
【0048】
一方、増加している場合(S42でNO)、前回に比べて推奨録音レベルが上昇するので、プレイリストから削除すべき曲ファイルが存在する。CPU21は、平均録音レベルLevel_Aveが推奨録音レベルに該当しない曲ファイルをプレイリストから検索し、検索した曲ファイルをプレイリストから削除する(S44)。
【0049】
S43又はS44で新たにプレイリストが生成された後に、CPU21は、プレイリストから曲ファイルを選択し(このとき、以前再生した曲ファイルと重複しないように選択するとよい)、選択した曲ファイルを再生部26に再生させる(S41)。なお、図12の処理においてもプレイリストを生成することなく、現時点での平均騒音レベルNoiseAverageに基づいて曲ファイルを1つ選択して、再生してもよい。
【0050】
以上の処理によって、曲ファイルを再生開始する毎に、所定時間の平均騒音レベルを算出し、平均騒音レベル下においても十分に聞き取ることができる平均録音レベルを有する曲ファイルが自動的に選択される。従って、騒音レベルが随時変化する環境においても、ユーザは再生される曲ファイルの音を十分に聞き取ることができる。
【0051】
次に、図5の推奨録音レベルテーブルの作成方法について説明する。推奨録音レベルテーブルは、例えば、携帯型プレーヤ200の製造者によって予め作成されている。図13は、推奨録音レベルテーブルを生成する手順を示す。
【0052】
S51で、テストを行う際に携帯型プレーヤ200に設定する音量レベルを決める。テストノイズとして30dBの騒音を出力しておき、その状態で携帯型プレーヤ200内の曲ファイルを再生し、十分に聞き取ることができる音量レベルに携帯型プレーヤ200の音量レベルを設定する。周囲ノイズ30dBは、静かなリスニングルーム程度の騒音レベルである(30dbをリファレンスノイズ値とする)。
【0053】
携帯型プレーヤ200で再生する曲ファイルは、PC100にいくつかの代表ジャンル(ロック、ポップス、クラシック、ジャズ等)のCDの曲ファイルを記録し、HDD5に保存し、携帯型プレーヤ200へ転送される。各ジャンルの曲ファイルに対して、音量レベルが設定される。各ジャンルで設定された音量がばらついた場合は、平均音量レベルが採用される。また、この音量レベルを設定は、一人ではなく、複数の人(聴力正常の人)に行ってもらう。そして、最終的に被験者が設定した音量レベルの平均値を算出して、音量レベルとして設定する。以降の処理では、携帯型プレーヤ200の音量レベルを変えてはならない。
【0054】
S52で、テストするサンプル曲ファイルを生成する。つまり、既知の録音レベルを有する曲ファイルをPC100で複数曲用意する。例えば、録音レベルが0〜65535である場合、録音レベルが0から65535まで、500単位の録音レベルを有する曲ファイルを用意する。用意した曲ファイルが携帯型プレーヤ200へ転送される。
【0055】
S53において、テストノイズの発生ループに入る(インデックスjのループ)。まず、j=0でインデックスを初期化する。このjが替わるたびに、発生させる騒音レベルを増加させる。例えば、jが1上がるごとに、騒音レベルを5dB上昇させる。S54において、騒音(Noise[j])を発生させる。Noise[0]
= 0dB、Noise[1] = 5dB、Noise[2] = 10dB・・・である。S55において、携帯型プレーヤ200が再生する曲ファイルを選択するループに入る(インデックスiのループ)。このインデックスiが変化すると、サンプル曲ファイルが変更される。Contents[0] = 録音レベル65535、Contents[1] = 録音レベル65035・・・である。
【0056】
S56において、Contents[i]を携帯型プレーヤ200が再生する。S57において、Noise[j]時に、Contents[i]が十分に聞き取れるかを被験者が判断する。これも複数の人に行ってもらう。聞き取れる場合(S57でYES)、S58においてインデックスiをインクリメントし、次の曲ファイル(より録音レベルが低い曲ファイル)に移る。これを、十分に聞き取ることができなくなる(S57でNO)まで録音レベルが低い曲ファイルを再生する。S57でNOとなると、現時点での騒音レベルで十分に聞き取ることができる曲ファイルの録音レベルの上限が決まることになる。
【0057】
そしてS59において、図5に示す推奨録音テーブルの現在の騒音レベル範囲に該当する推奨録音レベルに、現在の曲ファイルの録音レベルを登録する。例えば、Noise[j] =55dB、Contents[i]
= 15000であった場合、平均騒音レベルが50〜60に関連付けて、推奨録音レベル15000以上を登録する。これは、Noise=55dBの時に、曲ファイルの録音レベルが15000以下である曲ファイルは十分に聞き取ることができないことを示す。これらの処理を繰り返すことによって、推奨録音レベルテーブルが生成される。
【0058】
以上、本発明の好ましい実施形態を説明したが、本発明はこれらの実施形態には限定されない。携帯型プレーヤ200は、HDD25を内蔵していなくてもよく、外部から挿入されるメモリカードに記録された曲ファイルを再生するもの、又は、ネットワーク経由でサーバから取得した曲ファイルを再生するものでもよい。また、携帯型プレーヤ200が、上記のPC100における平均録音レベル登録処理や、ヘッドフォン300における騒音レベル検出処理を実行してもよい。また、携帯型プレーヤ200に限定されず、PC100、携帯型プレーヤ200及びヘッドフォン300の各機能を有する車載用オーディオ機器が採用されてもよい。本発明は、上記のコンテンツ再生装置を動作させるためのコンピュータプログラムまたはそのコンピュータプログラムを記録した記録媒体という形態で提供されてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0059】
本発明は携帯型プレーヤ(DAP)等に好適に適用され得る。
【符号の説明】
【0060】
100 PC
200 携帯型プレーヤ
300 ヘッドフォン
【技術分野】
【0001】
本発明は、騒音環境下において、複数のコンテンツの中から自動的に最適なコンテンツを選択し、再生するコンテンツ再生装置に関する。
【背景技術】
【0002】
複数の曲ファイルが記録されるHDD又はフラッシュメモリを備える携帯型プレーヤが利用されている。携帯型プレーヤは、屋外や電車内等で使用する場合が多いので、周囲の騒音が大きい場合には、ユーザが携帯型プレーヤで再生される曲の音を聴き取りにくくなる。そこで、周囲の騒音レベルを検出して、その検出結果に基づいて、音量レベルを補正する、又は、ダイナミックレンジを変化させる、又は、ノイズキャンセル(例えば、騒音と逆位相の音を携帯型プレーヤが再生し騒音を打ち消す)機能を実行する等の技術が提案されている(下記特許文献1)。しかし、これらの処理は非常に複雑であるので、携帯型プレーヤのCPUの負荷が大きくなり、携帯型プレーヤのバッテリが直ぐに消耗してしまう。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2003−271197号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は上記従来の課題を解決するためになされたものであり、その目的は、CPUに大きな負荷をかけることなく、騒音環境下において、ユーザが十分に曲の音を聴き取ることができるようにコンテンツを再生するコンテンツ再生装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の好ましい実施形態によるコンテンツ再生装置は、複数のコンテンツの中から選択されたコンテンツを再生するコンテンツ再生装置であって、時間情報に対応付けて複数の騒音レベルを記憶する騒音レベル管理手段と、前記騒音レベル管理手段に記憶された複数の騒音レベルに基づいて、所定期間における平均騒音レベルを算出する平均騒音レベル算出手段と、前記平均騒音レベルに対応付けて推奨録音レベルを記憶する推奨録音レベル管理手段と、コンテンツ毎に、コンテンツの録音レベルの平均値である平均録音レベルを記憶する平均録音レベル管理手段と、算出された平均騒音レベルに対応する推奨録音レベルを特定し、平均録音レベルが、特定された推奨録音レベルに該当するコンテンツを、再生するコンテンツとして選択する選択手段とを備える。
【0006】
コンテンツ再生装置は、平均騒音レベルを算出し、算出した平均騒音レベルに対応する推奨録音レベルを特定する。コンテンツ再生装置は、平均録音レベルが特定した推奨録音レベルに該当するコンテンツを選択し、選択したコンテンツを再生する。従って、騒音レベルに応じて最適な録音レベルを有するコンテンツを自動的に選択して再生することができ、騒音環境下においても、ユーザは十分に曲の音を聞き取ることができる。しかも、複雑な処理が不要であるので、CPUの負荷を小さくすることができる。
【0007】
好ましい実施形態においては、各コンテンツの再生を開始する際に、その都度、前記平均騒音レベル算出手段が平均騒音レベルを算出し、前記選択手段が、算出された平均騒音レベルに対応する推奨録音レベルを特定し、平均録音レベルが、特定された推奨録音レベルに該当するコンテンツを、再生するコンテンツとして選択する。
【0008】
この場合、コンテンツを再生開始するたびに平均騒音レベルを算出し直し、平均騒音レベルに対応する推奨録音レベルを特定し、平均録音レベルが特定された推奨録音レベルに該当するコンテンツを選択するので、現在の騒音レベル下に応じて最適なコンテンツを選択することができる。
【0009】
好ましい実施形態においては、再生指示に応じて最初にコンテンツを再生開始する際には、前記平均騒音レベル算出手段が、現在時刻から、全コンテンツの再生時間の平均値である平均コンテンツ再生時間前まで遡った騒音レベルの平均値を平均騒音レベルとして算出し、2つ目以降のコンテンツを再生開始する際には、前記騒音レベル算出手段が、現在時刻から、直前に再生されていたコンテンツの再生時間前まで遡った騒音レベルの平均値を平均騒音レベルとして算出する。
【発明の効果】
【0010】
CPUに大きな負荷をかけることなく、騒音環境下において、ユーザが十分に曲の音を聴き取ることができるようにコンテンツを再生することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の好ましい実施形態によるPC100,携帯型プレーヤ(コンテンツ再生装置)200及びヘッドフォン300を示すブロック図である。
【図2】録音レベルテーブルを示す図である。
【図3】騒音レベルの記憶内容を示す図である。
【図4】騒音レベルの記憶内容と、平均騒音レベルを算出するための再生時間とを示す図である。
【図5】録音推奨レベルテーブルを示す図である。
【図6】プレイリストを示す図である。
【図7】プレイリストを示す図である。
【図8】平均録音レベル登録処理を示すフローチャートである。
【図9】録音レベルを取得する際のイメージ図である。
【図10】騒音レベル検出処理を示すフローチャートである。
【図11】再生処理を示すフローチャートである。
【図12】再生処理を示すフローチャートである。
【図13】推奨録音レベルテーブルの作成手順を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の好ましい実施形態について、図面を参照して具体的に説明するが、本発明はこれらの実施形態には限定されない。
【0013】
図1は、PC(コンテンツ記録装置)100と、携帯型プレーヤ(コンテンツ再生装置)200と、携帯型プレーヤ200に接続されるヘッドフォン300とを示すブロック図である。コンテンツは、映像データ、及び/又は、音声(音楽、曲)データの総称であるが、本例では、曲ファイルである。
【0014】
PC100はCDに記録された曲データをHDDに記録(リッピング)すると共に、記録した曲ファイル毎に複数の録音レベルを取得し、その平均録音レベルを算出する。携帯型プレーヤ200は、PC100から曲ファイルと平均録音レベルとを取得する。携帯型プレーヤ200は、曲ファイルを再生し、音声信号をヘッドフォン300に出力する。ヘッドフォン300は、携帯型プレーヤ200から受信した音声信号に基づいて音声を出力する。ヘッドフォン300は、周囲の騒音レベルを検出し、携帯型プレーヤ200に騒音レベルを送信する。携帯型プレーヤ200は、複数の騒音レベルから所定期間における平均騒音レベルを算出する。携帯型プレーヤ200は、平均騒音レベルに対応する推奨録音レベルを特定する。携帯型プレーヤ200は、特定した平均騒音レベルに平均録音レベルが該当するコンテンツを選択して、再生する。従って、騒音環境下においても、ユーザが十分に聞き取りやすい曲ファイルを自動的に選択して再生することができる。
【0015】
PC100は、CPU1、RAM2、ROM3、通信部4、HDD等のコンテンツ記憶部5、CDドライブ6、表示部7、及び、操作部8を備える。これらは、バスを介して互いに接続されている。
【0016】
CDドライブ6は、挿入されたCDから曲データを読み出して、曲データを曲ファイル(例えば、MP3ファイル)の形式でHDD5に記録する。HDD5には、複数の曲ファイルが記録されている。また、HDD5には、図2に示す録音レベルテーブルが格納されている。録音レベルテーブルは、HDD5に記録されている全曲ファイルについて、トラック名、再生時間及び平均録音レベルを相互に関連付けて記録するテーブルである。なお、録音レベルテーブルには、アーティスト名,アルバム名、ジャンル名等のメタデータをさらに含んでいてもよい。
【0017】
CPU1は、HDD5に記録されたプログラムに基づいてPC100の各部を制御する。CPU1は、HDD5に記録された曲ファイルについて、所定時間(例えば20msec)単位で録音レベルを検出し、検出した録音レベルの和を算出し、録音レベルの和を曲ファイルの再生時間で除算することによって、平均録音レベルLevel_Aveを算出する。CPU1は、算出した平均録音レベルLevel_Aveを録音レベルテーブルに記録する。平均録音レベルは、例えば、0〜65535までの数値で表される。
【0018】
通信部4は、携帯型プレーヤ200の通信部24に接続され、HDD5に記録されている曲ファイル、及び、これらの曲ファイルの平均録音レベルLevel_Aveを含む録音レベルテーブルを携帯型プレーヤ200に送信する。
【0019】
携帯型プレーヤ200は、CPU21、RAM22、ROM23、通信部24、HDD等のコンテンツ記憶部25、再生部26、表示部27、操作部28及びヘッドフォン出力端子29を備える。これらは、バスを介して互いに接続されている。再生部26にはヘッドフォン出力端子29が接続されており、ヘッドフォン出力端子29には所定のケーブルを介してヘッドフォン300が接続される。
【0020】
HDD25には、PC100から送信された複数の曲ファイルが記録される。HDD25に記録されている曲ファイルは、CPU21の指示によって読み出され、再生部26によって再生処理(デコード、D/A変換、増幅等)が実行される。再生部26によって再生された音声信号は、ヘッドフォン出力端子29を介してヘッドフォン300に供給され、ヘッドフォン300から音声が出力される。
【0021】
通信部24は、PC100の通信部4に接続され、PC100からHDD5に記録されている曲ファイル、及び、これらの曲ファイルの平均録音レベルLevel_Aveを含む録音レベルテーブルを取得し、HDD25に記録する。従って、HDD25には、PC100から送信された図2に示す録音レベルテーブルが格納されている。なお、携帯型プレーヤ200が、曲ファイルの録音レベルを取得して、平均録音レベルを算出し、録音レベルテーブルを生成してもよい。
【0022】
また、通信部24は、ヘッドフォン300の通信部34に接続され、ヘッドフォン300から騒音レベルを所定期間毎に取得する。取得した騒音レベルは、HDD25に記録される。図3は、HDD25に記録される騒音レベルの一例を示す図であり、取得した所定期間毎の騒音レベルをプロットしグラフ化したものである。図3において、横軸は時刻であり、縦軸は騒音レベル(単位はdB)である。
【0023】
CPU21は、携帯型プレーヤ200を制御するものであり、ROM23又はHDD25に格納されたプログラムをRAM22内に読み出して実行することにより、後述する各処理を実行する。CPU21は、曲ファイルを再生開始する際に、図3に示す騒音レベルにおいて、所定時間分の騒音レベルの平均値である平均騒音レベルNoiseAverageを算出する。
【0024】
図4に示すように、所定時間は、最初の曲ファイル(1曲目)を再生開始する際は、現在時刻から平均再生時間aveTime前までに遡った時間である。すなわち、図4において1曲目の直前に示した矢印の期間である。ここで、平均再生時間aveTimeは、HDD25に記録されている全曲ファイルの再生時間の平均値であり、CPU21によって算出される。また、所定時間は、2曲目以降の曲ファイルを再生開始する際は、現在時刻から、直前に再生された曲ファイルの再生時間前まで遡った時間である。例えば、2曲目の曲ファイルを再生開始する際の所定時間は、図4において1曲目と2曲目との間に示した矢印の期間である。
【0025】
HDD25には、図5に示す推奨録音レベルテーブルが格納されている。推奨録音レベルテーブルは、上記で算出された平均騒音レベルに関連付けて推奨録音レベルが記憶されている。推奨録音レベルは、対応する騒音レベル下においてユーザが十分に曲の音を聞き取ることが可能な録音レベルである。例えば、図5において、平均騒音レベルが20〜30の場合に、推奨録音レベルは7000以上であるので、録音レベルが7000未満であれば十分に音を聞き取ることができず、録音レベルが7000以上であれば十分に音を聞き取ることができることを示している。
【0026】
CPU1は、曲ファイルを再生開始する際に、平均騒音レベルを算出し、平均騒音レベルに対応する推奨録音レベルを推奨録音レベルテーブルから読み出す。CPU1は、図2の録音レベルテーブルにおいて、平均録音レベルが推奨録音レベルに該当する曲ファイルを選択し、選択した曲ファイルを再生部26に再生させる。従って、現在の平均騒音レベル下において、ユーザは再生される曲の音を十分に聞き取ることができる。
【0027】
詳細には、CPU1は、図2の録音レベルテーブルにおいて、平均録音レベルが推奨録音レベルに該当する曲ファイルを全て選択し、選択した曲ファイルの一覧であるプレイリストを生成する。CPU1は、プレイリストの中から曲ファイルを選択し、再生部26に再生させる。図6は、平均騒音レベルが50〜60の場合に生成されるプレイリストであり、平均録音レベルが推奨録音レベルに該当する(15000以上の)曲ファイルを含む。図7は、平均騒音レベルが20〜30の場合に生成されるプレイリストであり、平均録音レベルが推奨録音レベルに該当する(7000以上の)曲ファイルを含む。
【0028】
図1に示すように、ヘッドフォン300は、CPU31と、RAM32と、ROM33と、通信部34と、スピーカー35と、騒音検出部36と、入力端子37とを備える。
【0029】
入力端子37は、携帯型プレーヤ200のヘッドフォン出力端子29に接続され、携帯型プレーヤ200から音声信号が供給される。スピーカー35は、入力端子37に供給された音声信号に基づいて音声を出力する。
【0030】
騒音検出部36は、所定時間間隔で周囲の騒音レベルを検出し、検出した騒音レベルを通信部34に供給する。騒音レベルの検出方法自体は、周知の技術が採用され得る。通信部34は、携帯型プレーヤ200の通信部24に接続され、所定時間間隔で騒音レベルを通信部24に送信する。なお、RAM32内に複数回分の騒音レベルを記憶しておき、複数回分の騒音レベルをまとめて通信部24に送信し、通信負荷を削減してもよい。
【0031】
CPU31は、ROM33に格納されたプログラムに基づいてヘッドフォン300の各部を制御する。CPU1は、騒音レベル検出部36に周囲の騒音レベルを検出させ、通信部34に騒音レベルを携帯型プレーヤ200に送信させる。
【0032】
次に、本実施形態の動作を説明する。図8は、PC100による平均録音レベル登録処理を示すフローチャートである。PC100のCPU1は、ユーザ操作によって曲ファイルの記録指示が入力されたか否かを判断している(S1)。記録指示が入力された場合(S1でYES)、CPU1は、CDドライブ6に挿入されているCDから曲データを読み出して、曲ファイル(例えばMP3ファイル)の形式でHDD5に記録する(S2)。この時、PC100はインターネット経由でCDDBにアクセスし、HDD5に記録する曲ファイルのメタデータ(トラック名、アーティスト名、アルバム名、ジャンル名、再生時間等)を取得する。CPU1は、HDD5に新たに記録した曲ファイルについて、図2の録音レベルテーブルにトラック名及び再生時間を登録する。
【0033】
CPU1は、以降の処理において、HDD5に新たに記録した曲ファイルの平均録音レベルを算出し、録音レベルテーブルに登録する。CPU1は、HDD5に新たに記録した曲ファイルの内、1つの曲ファイルを選択し、選択した曲ファイルについて、合計録音レベルSum_levelを0に初期化し(S3)、曲ファイルにおける再生位置(再生経過時間、アドレス)を示すインデックスiを0に初期化する(S4)。CPU1は、選択されている曲ファイルにおける再生位置t_iの録音レベルLvl(t_i)を取得する(S5)。ここでは、i=0であるので、図9に示すように、曲ファイルの最初の位置の録音レベルであるLvl(t_0)を取得する。なお、録音レベルの取得方法は周知の技術が採用され得る。
【0034】
CPU1は、合計録音レベルSum_levelにS5で取得した録音レベルLvl(t_i)を加算する(S6)。CPU1は、選択された曲ファイルについて、最後まで録音レベルの取得を完了したか否かを判断する(S7)。未だ取得完了していなければ(S7でNO)、CPU1はインデックスiを1増加させ(S8)、S5に戻る。この場合、i=1に設定され、再生位置t_1の録音レベルLvl(t_1)が取得される。このように、選択された曲ファイルについて所定再生位置毎に録音レベルが取得され、合計録音レベルSum_levelに随時加算される。なお、所定再生位置は例えば再生経過時間で表すと20msecである。
【0035】
選択された曲ファイルの最後まで録音レベルの取得が完了した場合(S7でYES)、CPU1は、合計録音レベルSum_levelを、選択された曲ファイルの再生時間で除算することによって、選択された曲ファイルの平均録音レベルLvel_Aveを算出する(S9)。CPU1は、算出した平均録音レベルLvel_Aveを選択された曲ファイルのトラック名に関連付けて録音レベルテーブルに登録する(S10)。
【0036】
CPU1は、HDD5に新たに記録した全曲ファイルについて、平均録音レベルを登録する処理を完了したか否かを判断する(S11)。未だ完了していない場合(S11でNO)、CPU1は、次の曲ファイルを選択し(S12)、S3に戻り、上記の処理(S3〜S11)を繰り返す。HDD5に新たに記録した全曲ファイルについて、平均録音レベルを登録する処理を完了した場合(S11でYES)、処理を終了する。その結果、図2に示す録音レベルテーブルが生成される。CPU1は、生成された録音レベルテーブルを、通信部4を介して携帯型プレーヤ200に送信する。携帯型プレーヤ200は、録音レベルテーブルを受信してHDD25に記録する。
【0037】
図10は、携帯型プレーヤ200及びヘッドフォン300による騒音レベル検出処理を示すフローチャートである。ヘッドフォン300の騒音レベル検出部36は、所定時間毎に、ヘッドフォン300の周囲の騒音レベルを検出し(S11)、通信部34は、検出された騒音レベルを携帯型プレーヤ200に送信する(S12)。
【0038】
携帯型プレーヤ200において、通信部24はヘッドフォン300から騒音レベルを所定時間毎に取得し(S21)、CPU21は、受信された騒音レベルをHDD25に随時記録する(S22)。なお、古い騒音レベルについては自動的に消去されるとよい。
【0039】
図11及び図12は、携帯型プレーヤ200の曲ファイル再生処理を示すフローチャートである。図11に示すように、CPU21は、ユーザ操作によって再生指示が入力されたか否かを判断している(S31)。再生指示が入力された場合(S31でYES)、CPU21は、現在時刻から、平均再生時間ave_Time前までの複数回分の騒音レベルをHDD25から読み出す。平均再生時間ave_Timeは、CPU21が録音レベルテーブルをPC100から取得する毎に算出し、HDD25に記憶しておく。例えば、平均再生時間ave_Timeが4分30秒である場合、現在時刻から4分30秒前までの騒音レベルが読み出される。
【0040】
CPU21は、読み出した複数回分の騒音レベルを加算し、加算した騒音レベルを平均再生時間ave_Timeで除算することによって、平均騒音レベルNoiseAverageを算出する(S33)。
【0041】
CPU21は、図5に示す推奨録音レベルテーブルから、平均騒音レベルNoiseAverageに対応する推奨録音レベルを読み出す(S34)。例えば、平均騒音レベルNoiseAverageが55であれば、平均騒音レベルが50〜60の範囲に該当するので、推奨録音レベルは15000以上である。CPU21は、図2の録音レベルテーブルから、平均録音レベルLevel_Aveが推奨録音レベルに該当する曲ファイルを選択し、選択した曲ファイルを含むプレイリストを生成する。例えば、平均騒音レベルNoiseAverageが55であれば、図6に示すように、平均録音レベルが15000以上の曲ファイルを含むプレイリストが生成される。
【0042】
CPU21は、生成されたプレイリストの中から1つの曲ファイルを選択し、選択した曲ファイルを再生部26に再生させる(S36)。例えば、図6のプレイリストの先頭の曲ファイルであるトラック1が再生される。なお、プレイリストを生成することなく、平均録音レベルLevel_Aveが推奨録音レベルに該当する曲ファイルを1つ選択し、選択した曲ファイルを再生してもよい。
【0043】
図12に示すように、CPU21は、曲ファイルを再生終了する(又は、ユーザ操作によって次の曲へのスキップ指示が入力される)か否かを判断している(S37)。曲ファイルを再生終了する場合(S37)、CPU21は、現時点における平均騒音レベルを再度算出し直し、推奨録音レベルを特定し、プレイリストを再構築する。
【0044】
ここでは、CPU21は、現在時刻から、再生完了する曲ファイルの再生時間前までの複数回分の騒音レベルをHDD25から読み出す。例えば、再生完了する曲ファイルが図6のプレイリストにおけるトラック1であり、その再生時間が2分30秒である場合、現在時刻から2分30秒前までの複数回分の騒音レベルが読み出される。なお、トラック1の再生が2分00秒経過した時点でユーザ操作によって次の曲へのスキップ指示が入力された場合、再生時間は2分00秒とすればよい。
【0045】
CPU21は、読み出した複数の騒音レベルを加算し、加算した騒音レベルを、再生完了する曲ファイルの再生時間で除算することによって、現時点での平均騒音レベルNoiseAverageを算出する(S38)。
【0046】
CPU21は、現時点での平均騒音レベルNoiseAverageが、図5の推奨録音レベルテーブルにおいて、前回の平均騒音レベルNoiseAverageと同じ範囲に存在するか否かを判断する(S39)。例えば、現時点での平均騒音レベルNoiseAverageが58であり、前回の平均騒音レベルNoiseAverageが55である場合、同じ範囲にあるので(S39でYES)、推奨録音レベルは変わらない。従って、CPU21は、プレイリストを再構築することなく、プレイリストから次の曲ファイルを選択し(S40)、選択した曲ファイルを再生部26に再生させる(S41)。例えば、図6のプレイリストにおいて、トラック1の次の曲ファイルであるトラック2が再生される。
【0047】
一方、現時点での平均騒音レベルNoiseAverageが25であり、前回の平均騒音レベルNoiseAverageが55である場合、同じ範囲にないので(S39でNO)、推奨録音レベルは変わる。従って、CPU21は、プレイリストを再構築する(S42〜S44)。詳細には、CPU21は、現時点での平均騒音レベルNoiseAverageが前回の平均騒音レベルNoiseAverageに対して減少しているか否かを判断する(S42)。減少している場合(S42でYES)、前回に比べて推奨録音レベルが低下するので、プレイリストに新たに追加すべき曲ファイルが存在する。CPU21は、図2の録音レベルテーブルにおいて、平均録音レベルLevel_Aveが推奨録音レベルに該当し、プレイリストに未登録である曲ファイルを検索し、検索した曲ファイルをプレイリストに追加する(S43)。
【0048】
一方、増加している場合(S42でNO)、前回に比べて推奨録音レベルが上昇するので、プレイリストから削除すべき曲ファイルが存在する。CPU21は、平均録音レベルLevel_Aveが推奨録音レベルに該当しない曲ファイルをプレイリストから検索し、検索した曲ファイルをプレイリストから削除する(S44)。
【0049】
S43又はS44で新たにプレイリストが生成された後に、CPU21は、プレイリストから曲ファイルを選択し(このとき、以前再生した曲ファイルと重複しないように選択するとよい)、選択した曲ファイルを再生部26に再生させる(S41)。なお、図12の処理においてもプレイリストを生成することなく、現時点での平均騒音レベルNoiseAverageに基づいて曲ファイルを1つ選択して、再生してもよい。
【0050】
以上の処理によって、曲ファイルを再生開始する毎に、所定時間の平均騒音レベルを算出し、平均騒音レベル下においても十分に聞き取ることができる平均録音レベルを有する曲ファイルが自動的に選択される。従って、騒音レベルが随時変化する環境においても、ユーザは再生される曲ファイルの音を十分に聞き取ることができる。
【0051】
次に、図5の推奨録音レベルテーブルの作成方法について説明する。推奨録音レベルテーブルは、例えば、携帯型プレーヤ200の製造者によって予め作成されている。図13は、推奨録音レベルテーブルを生成する手順を示す。
【0052】
S51で、テストを行う際に携帯型プレーヤ200に設定する音量レベルを決める。テストノイズとして30dBの騒音を出力しておき、その状態で携帯型プレーヤ200内の曲ファイルを再生し、十分に聞き取ることができる音量レベルに携帯型プレーヤ200の音量レベルを設定する。周囲ノイズ30dBは、静かなリスニングルーム程度の騒音レベルである(30dbをリファレンスノイズ値とする)。
【0053】
携帯型プレーヤ200で再生する曲ファイルは、PC100にいくつかの代表ジャンル(ロック、ポップス、クラシック、ジャズ等)のCDの曲ファイルを記録し、HDD5に保存し、携帯型プレーヤ200へ転送される。各ジャンルの曲ファイルに対して、音量レベルが設定される。各ジャンルで設定された音量がばらついた場合は、平均音量レベルが採用される。また、この音量レベルを設定は、一人ではなく、複数の人(聴力正常の人)に行ってもらう。そして、最終的に被験者が設定した音量レベルの平均値を算出して、音量レベルとして設定する。以降の処理では、携帯型プレーヤ200の音量レベルを変えてはならない。
【0054】
S52で、テストするサンプル曲ファイルを生成する。つまり、既知の録音レベルを有する曲ファイルをPC100で複数曲用意する。例えば、録音レベルが0〜65535である場合、録音レベルが0から65535まで、500単位の録音レベルを有する曲ファイルを用意する。用意した曲ファイルが携帯型プレーヤ200へ転送される。
【0055】
S53において、テストノイズの発生ループに入る(インデックスjのループ)。まず、j=0でインデックスを初期化する。このjが替わるたびに、発生させる騒音レベルを増加させる。例えば、jが1上がるごとに、騒音レベルを5dB上昇させる。S54において、騒音(Noise[j])を発生させる。Noise[0]
= 0dB、Noise[1] = 5dB、Noise[2] = 10dB・・・である。S55において、携帯型プレーヤ200が再生する曲ファイルを選択するループに入る(インデックスiのループ)。このインデックスiが変化すると、サンプル曲ファイルが変更される。Contents[0] = 録音レベル65535、Contents[1] = 録音レベル65035・・・である。
【0056】
S56において、Contents[i]を携帯型プレーヤ200が再生する。S57において、Noise[j]時に、Contents[i]が十分に聞き取れるかを被験者が判断する。これも複数の人に行ってもらう。聞き取れる場合(S57でYES)、S58においてインデックスiをインクリメントし、次の曲ファイル(より録音レベルが低い曲ファイル)に移る。これを、十分に聞き取ることができなくなる(S57でNO)まで録音レベルが低い曲ファイルを再生する。S57でNOとなると、現時点での騒音レベルで十分に聞き取ることができる曲ファイルの録音レベルの上限が決まることになる。
【0057】
そしてS59において、図5に示す推奨録音テーブルの現在の騒音レベル範囲に該当する推奨録音レベルに、現在の曲ファイルの録音レベルを登録する。例えば、Noise[j] =55dB、Contents[i]
= 15000であった場合、平均騒音レベルが50〜60に関連付けて、推奨録音レベル15000以上を登録する。これは、Noise=55dBの時に、曲ファイルの録音レベルが15000以下である曲ファイルは十分に聞き取ることができないことを示す。これらの処理を繰り返すことによって、推奨録音レベルテーブルが生成される。
【0058】
以上、本発明の好ましい実施形態を説明したが、本発明はこれらの実施形態には限定されない。携帯型プレーヤ200は、HDD25を内蔵していなくてもよく、外部から挿入されるメモリカードに記録された曲ファイルを再生するもの、又は、ネットワーク経由でサーバから取得した曲ファイルを再生するものでもよい。また、携帯型プレーヤ200が、上記のPC100における平均録音レベル登録処理や、ヘッドフォン300における騒音レベル検出処理を実行してもよい。また、携帯型プレーヤ200に限定されず、PC100、携帯型プレーヤ200及びヘッドフォン300の各機能を有する車載用オーディオ機器が採用されてもよい。本発明は、上記のコンテンツ再生装置を動作させるためのコンピュータプログラムまたはそのコンピュータプログラムを記録した記録媒体という形態で提供されてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0059】
本発明は携帯型プレーヤ(DAP)等に好適に適用され得る。
【符号の説明】
【0060】
100 PC
200 携帯型プレーヤ
300 ヘッドフォン
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のコンテンツの中から選択されたコンテンツを再生するコンテンツ再生装置であって、
時間情報に対応付けて複数の騒音レベルを記憶する騒音レベル管理手段と、
前記騒音レベル管理手段に記憶された複数の騒音レベルに基づいて、所定期間における平均騒音レベルを算出する平均騒音レベル算出手段と、
前記平均騒音レベルに対応付けて推奨録音レベルを記憶する推奨録音レベル管理手段と、
コンテンツ毎に、コンテンツの録音レベルの平均値である平均録音レベルを記憶する平均録音レベル管理手段と、
算出された平均騒音レベルに対応する推奨録音レベルを特定し、平均録音レベルが、特定された推奨録音レベルに該当するコンテンツを、再生するコンテンツとして選択する選択手段とを備える、コンテンツ再生装置。
【請求項2】
各コンテンツの再生を開始する際に、その都度、前記平均騒音レベル算出手段が平均騒音レベルを算出し、前記選択手段が、算出された平均騒音レベルに対応する推奨録音レベルを特定し、平均録音レベルが、特定された推奨録音レベルに該当するコンテンツを、再生するコンテンツとして選択する、請求項1に記載のコンテンツ再生装置。
【請求項3】
再生指示に応じて最初にコンテンツを再生開始する際には、前記平均騒音レベル算出手段が、現在時刻から、全コンテンツの再生時間の平均値である平均コンテンツ再生時間前まで遡った騒音レベルの平均値を平均騒音レベルとして算出し、2つ目以降のコンテンツを再生開始する際には、前記騒音レベル算出手段が、現在時刻から、直前に再生されていたコンテンツの再生時間前まで遡った騒音レベルの平均値を平均騒音レベルとして算出する、請求項2に記載のコンテンツ再生装置。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれかに記載のコンテンツ再生装置における、前記平均騒音レベル算出手段及び前記選択手段をコンピュータに実行させる、コンテンツ再生プログラム。
【請求項1】
複数のコンテンツの中から選択されたコンテンツを再生するコンテンツ再生装置であって、
時間情報に対応付けて複数の騒音レベルを記憶する騒音レベル管理手段と、
前記騒音レベル管理手段に記憶された複数の騒音レベルに基づいて、所定期間における平均騒音レベルを算出する平均騒音レベル算出手段と、
前記平均騒音レベルに対応付けて推奨録音レベルを記憶する推奨録音レベル管理手段と、
コンテンツ毎に、コンテンツの録音レベルの平均値である平均録音レベルを記憶する平均録音レベル管理手段と、
算出された平均騒音レベルに対応する推奨録音レベルを特定し、平均録音レベルが、特定された推奨録音レベルに該当するコンテンツを、再生するコンテンツとして選択する選択手段とを備える、コンテンツ再生装置。
【請求項2】
各コンテンツの再生を開始する際に、その都度、前記平均騒音レベル算出手段が平均騒音レベルを算出し、前記選択手段が、算出された平均騒音レベルに対応する推奨録音レベルを特定し、平均録音レベルが、特定された推奨録音レベルに該当するコンテンツを、再生するコンテンツとして選択する、請求項1に記載のコンテンツ再生装置。
【請求項3】
再生指示に応じて最初にコンテンツを再生開始する際には、前記平均騒音レベル算出手段が、現在時刻から、全コンテンツの再生時間の平均値である平均コンテンツ再生時間前まで遡った騒音レベルの平均値を平均騒音レベルとして算出し、2つ目以降のコンテンツを再生開始する際には、前記騒音レベル算出手段が、現在時刻から、直前に再生されていたコンテンツの再生時間前まで遡った騒音レベルの平均値を平均騒音レベルとして算出する、請求項2に記載のコンテンツ再生装置。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれかに記載のコンテンツ再生装置における、前記平均騒音レベル算出手段及び前記選択手段をコンピュータに実行させる、コンテンツ再生プログラム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2010−243785(P2010−243785A)
【公開日】平成22年10月28日(2010.10.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−92396(P2009−92396)
【出願日】平成21年4月6日(2009.4.6)
【出願人】(000000273)オンキヨー株式会社 (502)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年10月28日(2010.10.28)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年4月6日(2009.4.6)
【出願人】(000000273)オンキヨー株式会社 (502)
【Fターム(参考)】
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