説明

風呂装置

【課題】風呂回路の凍結防止運転中に自動洗浄運転を実施できる風呂装置を提供する。
【解決手段】
凍結防止運転中に自動洗浄運転の指示があった時、凍結防止運転を継続した状態で浴槽5の湯水の排水を行い、フロースイッチ21の検知が通水有りから通水無しになった時排水が完了したと判断して、風呂ポンプ9を停止して凍結防止運転を終了し自動洗浄運転を開始するので、凍結防止運転中で風呂ポンプ9が動作していて浴槽5の水位が上下していても、風呂回路11内の排水が完全に終了したかを判断して凍結防止運転中に自動洗浄止運転を行うことができ、又風呂ポンプ9の空運転時間を短くすることが出来、更に風呂ポンプ9内の呼び水の排水量も少なくできるので、風呂ポンプ9の寿命を長くすることができるものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、浴槽水を循環させて風呂回路の凍結防止運転を行う風呂装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来からこの種のものに於いては、風呂循環回路の凍結防止運転を浴槽水を循環させることで行うために、浴槽内に湯水が存在するか否かを判定する方策として、風呂循環回路の浴槽水温度が凍結危険温度まで低下したことを検知すると、浴槽内に湯水が存在するか否かを水位センサで検知し、それにより浴槽内に湯水が存在すると判断したら、風呂ポンプを間欠的に駆動させて浴槽水を循環させることにより、この風呂循環回路の凍結を防止するものであった。(例えば、特許文献1)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第2833295号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところでこの従来のものでは、浴槽内に湯水が存在するか否かを判定する方策として、浴槽内に湯水が存在するか否かを水位センサで検知するものでは、凍結防止運転中は風呂ポンプを回転により風呂配管内の圧力が変化して浴槽内の水位が上下するため、浴槽内に湯水が存在するか否かを検知する水位センサの出力値が変動して浴槽内の水位を正確に検知できないので、一旦浴槽内の湯水を排水した後風呂回路に所定量注水して風呂配管の洗浄を行う自動洗浄運転を凍結防止運転中は行うことができなかった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
この発明はこの点に着目し上記課題を解決する為、特にその構成を請求項1では、浴槽の湯水を加熱するための風呂熱交換器と、フロースイッチを備えた風呂往き管と、風呂ポンプを備えた風呂戻り管とからなる風呂回路と、給湯を行う給湯回路とを備え、前記給湯回路から湯水を風呂回路に供給する湯張り運転と、浴槽の湯水を風呂ポンプにて風呂回路で循環させて風呂熱交換器で加熱する追い焚き運転と、浴槽の湯水を風呂ポンプにて風呂回路で循環する風呂回路の凍結防止運転と、浴槽の湯水を含め風呂回路内の湯水を排水し、排水後風呂回路内に注水して風呂ポンプにて循環させた後排水する自動洗浄運転とを行う風呂装置に於いて、前記凍結防止運転中に自動洗浄運転の指示があった時、凍結防止運転を継続した状態で浴槽の湯水の排水を行い、フロースイッチの検知が通水有りから通水無しになった時排水が完了したと判断して、風呂ポンプを停止して凍結防止運転を終了し、自動洗浄運転を開始するものである。
【0006】
又請求項2に係る風呂装置では、特にその構成を請求項1に於いて、前記フロースイッチの検知が通水有りから通水無しになった時から、その通水無しの検知状態が所定時間継続した時、排水が完了したと判断するものである。
【0007】
又請求項3に係る風呂装置では、特にその構成を請求項1又は請求項2に於いて、前記フロースイッチの検知により排水が完了したと判断した時から所定時間経過した時、風呂ポンプを停止して凍結防止運転を終了し、自動洗浄運転を開始するものである。
【発明の効果】
【0008】
この発明の請求項1によれば、凍結防止運転中に自動洗浄運転の指示があった時、凍結防止運転を継続した状態で浴槽の湯水の排水を行い、フロースイッチの検知が通水有りから通水無しになった時排水が完了したと判断して、風呂ポンプを停止して凍結防止運転を終了し、自動洗浄運転を開始するので、凍結防止運転中で風呂ポンプが動作していて浴槽5の水位が上下していても、浴槽水を含めた風呂回路内の排水が完全に終了したかを判断して凍結防止運転中に自動洗浄止運転を行うことができるものである。
【0009】
又、フロースイッチの検知がオンからオフになった時、風呂回路の排水が完全に終了したと判断して風呂ポンプを停止するので、風呂ポンプの空運転時間を短くすることが出来、更に風呂ポンプ内の呼び水の排水量も少なくすることができるので、風呂ポンプの寿命を長くすることができるものである。
【0010】
又、本発明の請求項2に記載の風呂装置によれば、前記フロースイッチの検知が通水有りから通水無しになった時から、その通水無しの検知状態が所定時間継続した時、排水が完了したと判断するので、フロースイッチの検知が瞬間的に通水有りから通水無しになっても排水を続けるので、より風呂回路の排水を確実に行うことができるものである。
【0011】
又、本発明の請求項3に記載の風呂装置によれば、前記フロースイッチの検知により排水が完了したと判断した時から所定時間経過した時、風呂ポンプを停止して凍結防止運転を終了し、自動洗浄運転を開始するので、フロースイッチの検知により排水が完了したと判断した時にまだ風呂回路内に残水があってもその後の所定時間の風呂ポンプの駆動により完全に排水されるので、より風呂回路の排水を確実に行うことができるものである。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】この発明の一実施形態を示す風呂装置の概略図。
【図2】同凍結防止運転中の自動洗浄運転のフローチャート図。
【発明を実施するための形態】
【0013】
次に、本発明に係る発明の1実施形態を図面に基づいて説明する。
1は時間帯別契約電力の電力単価が安価な深夜時間帯に湯水を沸き上げて貯湯し、この貯湯した湯水を給湯や風呂に用いる風呂装置で、湯水を貯湯する貯湯タンク2を備えた貯湯タンクユニット3と、貯湯タンク2内の湯水を加熱する加熱手段としてのヒートポンプユニット4とを備え、前記貯湯タンク2内の上部には、浴槽5の湯水を加熱するためのステンレス製の蛇管よりなる風呂熱交換器6が配置されていると共に、この風呂熱交換器6には浴槽5内の湯水の水位を検知する水位センサ7とを備えた風呂往き管8および風呂ポンプ9を備えた風呂戻り管10よりなる風呂回路11が接続されて浴槽5の湯水が循環可能にされ、浴槽5内の湯水が貯湯タンク2内の高温水により加熱されて保温あるいは追い焚きが行われるものである。
【0014】
そして浴槽5への風呂自動運転は、風呂リモコン12の風呂自動スイッチ13が操作されると、湯張り弁14が開成されて貯湯タンク2からの高温水と低温の水道水とを給湯混合弁15で風呂設定温度に混合し、その混合した温水を給湯回路から風呂回路11に供給して浴槽5に湯張りし、そして風呂流量カウンタ16が浴槽5の満量をカウントすることで湯張りを終了すると共に、風呂ポンプ9を駆動して、湯張りされた浴槽水を風呂回路11を循環させ風呂熱交換器6で設定温度まで追い焚きして風呂自動運転が終了されるものである。
【0015】
また、追い焚き運転は、風呂リモコン12の追い焚きスイッチ17を押圧すると、風呂ポンプ9が駆動開始し、浴槽5内の浴槽水を風呂往き管8から風呂熱交換器6へと送り、ここで貯湯タンク2内上部の高温水との熱交換で浴槽水を加熱して風呂戻り管10で浴槽5へ戻し、風呂戻り温度センサ18が風呂設定温度を検出すれば、風呂ポンプ9を停止して追い焚きは終了となるものである。
【0016】
また、風呂回路11の凍結防止運転は、風呂往き管8の風呂往き温度センサ19が浴槽水の温度が所定温度以下になったのを検知すると、風呂回路11の配管が凍結するおそれがあると判断して、水位センサ7で浴槽5内の湯水の水位を検知し、浴槽5内に湯水があると判断すると風呂ポンプ9が駆動開始し、浴槽5内の浴槽水を風呂往き管8から風呂熱交換器6へと送り、ここで貯湯タンク2内上部の高温水との熱交換で浴槽水を加熱して風呂戻り管10で浴槽5へ戻し、風呂往き温度センサ19が所定温度以上を検知するか、又は所定時間風呂ポンプ9を駆動したら、風呂ポンプ9を停止して凍結防止運転は終了となるものである。
【0017】
また、風呂回路11の自動洗浄運転は、風呂リモコン12の自動洗浄スイッチ20を押圧する、又は浴槽5内に湯張りを行ってから所定時間経過した時、風呂回路11の自動洗浄を行うと判断して、まず水位センサ7にて浴槽5内の湯水の有無を検知し、浴槽5に湯水があると判断すると浴槽5内の湯水の排水を行う。 そして、浴槽5内の湯水の排水が終了すると、風呂回路11の配管に所定量注水した後、所定時間風呂ポンプ9を駆動して、風呂回路11の配管内を注水した水を循環させることで自動洗浄を行い、前記所定時間が経過したら風呂ポンプ9を停止して、再度浴槽5内の湯水の排水を行って、風呂回路11の自動洗浄止運転は終了となるものである。
【0018】
次に凍結防止運転中に自動洗浄止運転を行う場合について、図2のフローチャート図により説明する。
まず凍結防止運転中かどうか判断し(S1)、(S1)で凍結防止運転中と判断した時、次に風呂リモコン12の自動洗浄スイッチ20を押圧する、又は浴槽5内に湯張りを行ってから所定時間経過したことにより、風呂回路11の自動洗浄を行うか判断し(S2)、自動洗浄を行うと判断した時、浴槽5内の湯水の排水を開始する(S3)と共に、タイマー(図示せず)の計時を開始する。(S4)
【0019】
それにより、風呂ポンプ9が駆動している状態で浴槽5内の湯水の排水を開始するので、風呂回路11の配管内の湯水が全て浴槽5から排水される。
そして風呂ポンプ9にて送水した際に水流有無を確認する水流有無検知装置として風呂往き管8に設けられているフロースイッチ21の検知がオンからオフになったかを判断し(S5)、フロースイッチ21の検知がオンからオフになった時、風呂回路11の排水が完全に終了したと判断して風呂ポンプ9を停止し(S6)、それにより凍結防止運転を終了して自動洗浄止運転に切り替わり(S7)、前述した風呂回路11の自動洗浄運転を開始するものである。(S8)
【0020】
又、(S5)でフロースイッチ21の検知がオンからオフにならない時、(S4)のタイマーの計時が開始されてから所定時間経過したかを判断し(S9)、所定時間経過していなければ(S5)に戻り、所定時間経過していたら排水異常と判断して(S10)風呂ポンプ9を停止し(S11)、風呂リモコン12に排水異常を表示する者である。(S12)
尚、(S9)の所定時間とは、浴槽5内の浴槽水が満水状態から排水を開始して排水が完全に終了するまでの所要時間である。
【0021】
本実施例では、(S5)でフロースイッチ21の検知がオンからオフになった時、風呂回路11の排水が完全に終了したと判断したがこれに限定されず、フロースイッチ21の検知がオンからオフになってオフの状態が所定時間以上になったら、風呂回路11の排水が完全に終了したと判断するようにして、より風呂回路11の排水が確実に行われるようにしてもよいものである。
【0022】
又本実施例では、(S6)でフロースイッチ21の検知がオンからオフになった時、風呂回路11の排水が完全に終了したと判断して風呂ポンプ9を停止したがこれに限定されず、フロースイッチ21の検知がオンからオフになって風呂回路11の排水が完全に終了したと判断してから所定時間経過したら風呂ポンプ9を停止するようにして、より風呂回路11の排水が確実に行われるようにしてもよいものである。
【0023】
以上のように、凍結防止運転中で風呂ポンプ9が動作していて浴槽5の水位が上下していても、フロースイッチ21の検知がオンからオフになった時、風呂回路11の排水が完全に終了したと判断するので、凍結防止運転中に自動洗浄止運転を行う場合でも、浴槽水を含めた風呂回路11内の排水が完全に終了したかを判断して凍結防止運転中に自動洗浄止運転を行うことができるものである。
【0024】
又フロースイッチ21の検知がオンからオフになった時、風呂回路11の排水が完全に終了したと判断して風呂ポンプ9を停止するので、風呂ポンプ9の空運転時間を短くすることが出来、更に風呂ポンプ9内の呼び水の排水量も少なくすることができるので、風呂ポンプ9の寿命を長くすることができるものである。
【符号の説明】
【0025】
5 浴槽
6 風呂熱交換器
8 風呂往き管
9 風呂ポンプ
10 風呂戻り管
11 風呂回路
21 フロースイッチ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
浴槽の湯水を加熱するための風呂熱交換器と、フロースイッチを備えた風呂往き管と、風呂ポンプを備えた風呂戻り管とからなる風呂回路と、給湯を行う給湯回路とを備え、前記給湯回路から湯水を風呂回路に供給する湯張り運転と、浴槽の湯水を風呂ポンプにて風呂回路で循環させて風呂熱交換器で加熱する追い焚き運転と、浴槽の湯水を風呂ポンプにて風呂回路で循環する風呂回路の凍結防止運転と、浴槽の湯水を含め風呂回路内の湯水を排水し、排水後風呂回路内に注水して風呂ポンプにて循環させた後排水する自動洗浄運転とを行う風呂装置に於いて、前記凍結防止運転中に自動洗浄運転の指示があった時、凍結防止運転を継続した状態で浴槽の湯水の排水を行い、フロースイッチの検知が通水有りから通水無しになった時排水が完了したと判断して、風呂ポンプを停止して凍結防止運転を終了し、自動洗浄運転を開始することを特徴とする風呂装置。
【請求項2】
前記フロースイッチの検知が通水有りから通水無しになった時から、その通水無しの検知状態が所定時間継続した時、排水が完了したと判断することを特徴とする請求項1記載の風呂装置。
【請求項3】
前記フロースイッチの検知により排水が完了したと判断した時から所定時間経過した時、風呂ポンプを停止して凍結防止運転を終了し、自動洗浄運転を開始することを特徴とする請求項1又は請求項2記載の風呂装置。

【図1】
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【図2】
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