貼り合せ板状体検査装置及び方法
【課題】貼り合せ板状体における板状体の縁端と接着剤の縁端との間の間隔を比較的容易に検査することのできる貼り合せ板状体検査装置を提供する。
【解決手段】ラインセンサカメラ50と、照明手段51と、照明手段51により照明がなされている状態で貼り合せ板状体10を走査するラインセンサカメラ50から出力される映像信号を処理する処理ユニットとを有し、処理ユニットは、映像信号に基づいて画素単位の濃淡値からなる検査画像情報を生成する検査画像情報生成手段と、検査画像情報から得られる第1板状体11の縁端を横切る検査ライン上の濃淡値プロファイルに基づいて、検査ライン上での第1板状体11の縁端と接着剤13の縁端との間隔を表す縁端間距離情報を生成する縁端間距離情報生成手段とを有し、縁端間距離情報に基づいた検査結果を提供する。
【解決手段】ラインセンサカメラ50と、照明手段51と、照明手段51により照明がなされている状態で貼り合せ板状体10を走査するラインセンサカメラ50から出力される映像信号を処理する処理ユニットとを有し、処理ユニットは、映像信号に基づいて画素単位の濃淡値からなる検査画像情報を生成する検査画像情報生成手段と、検査画像情報から得られる第1板状体11の縁端を横切る検査ライン上の濃淡値プロファイルに基づいて、検査ライン上での第1板状体11の縁端と接着剤13の縁端との間隔を表す縁端間距離情報を生成する縁端間距離情報生成手段とを有し、縁端間距離情報に基づいた検査結果を提供する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、2枚の板状体が接着剤にて貼り合わされてなる貼り合せ板状体を撮影して検査する貼り合せ板状体検査装置及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
タッチパネル式の液晶表示パネルには、例えば、図1A及び図1Bに示すようなセンサパネルアッセンブリ10(貼り合せ板状体)が用いられる。なお、図1Aは、センサパネルアッセンブリ10の構造を示す断面図であり、図1Bは、センサパネルアッセンブリ10の構造を示す平面図である。このセンサパネルアッセンブリ10は、センサ素子やグリッド等の回路部品が配列形成されたセンサパネル11(第1板状体)とカバーガラス12(第2板状体)とが当該センサパネル11の全面に塗布された透光性を有する接着剤13(レジン)によって貼り合わされた構造となっている。センサパネル11は、ガラス基板上に回路部品が形成された構造となり、全体的に透光性を有する透光領域(ただし、回路部品の部分は不透光)となっている。また、カバーガラス12は、周辺部が所定の幅の不透光領域12b(黒色領域)となっており、その内側の領域が透光性を有する透光領域12aとなっている。
【0003】
このような構造のセンサパネルアッセンブリ10は、図1Cに示すように、液晶パネルアッセンブリ20(液晶パネル、色フィルタ、偏光板等で構成される)に透光性を有する接着剤15によって接着されている。このように形成されたタッチパネル式の液晶表示パネルでは、液晶パネルアッセンブリ20によって画像表示がなされるとともに、指でタッチされたカバーガラス12上の位置に対応するセンサパネル11上のセンサ素子から信号が出力されるようになっている。そして、このセンサパネル11の各センサ素子から出力される信号によって液晶パネルアッセンブリ20による画像表示を制御することができる。
【0004】
ところで、上述したような構造のセンサパネルアッセンブリ10(貼り合せ板状体)を製造する過程で、例えば、図2Aに拡大して示すように、接着剤13がセンサパネル11とカバーガラス12との間に正常に充填される場合だけではなく、例えば、図2Bに拡大して示すように、接着剤13がカバーガラス12の縁端より内側にあるセンサパネル11の縁端からからはみ出してしまう場合(以下、オーバーフロー状態という)や、例えば、図2Cに拡大して示すように、接着剤13がセンサパネル11の縁端に達せずにセンサパネル11とカバーガラス12との間に十分に充填されない場合(以下、アンダーフロー状態という)がある。
【0005】
センサパネルアッセンブリ10(貼り合せ板状体)において、上述したように接着剤13のオーバーフロー状態(図2B参照)やアンダーフロー状態(図2C参照)が発生し得るセンサパネル11の縁端(エッジ部分)前後の部分を検査する検査装置が有用である。このような検査装置(貼り合せ板状体検査装置)に、例えば、特許文献1に開示されるような技術を利用することが考えられる。
【0006】
特許文献1に開示される技術は、被測定部材に対向させた撮像センサ(光量センサ)をステップ状に移動させる際の各ステップ位置における撮像センサの視野の全部または一部の領域の信号強度を平均化し、被測定部材のエッジを含む領域での複数のステップ位置での平均化信号強度のパターンに応じて当該エッジ位置を算出するものである。このような技術を用いることにより、センサパネルアッセンブリ10におけるセンサパネル11の縁端の位置を検出し得るようになる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2007−180171号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
前述したセンサパネルアッセンブリ10(貼り合せ板状体)の検査装置に、前記従来の技術(特許文献1参照)を適用した場合、センサパネル11(板状体)における1つのエッジ位置(縁端の位置)を検出するために多くの微小な領域についての信号強度の平均化処理を行わなければならず、その板状体において複数のエッジ位置(縁端の位置)を検出するために多くの時間を要してしまう。また、前記従来の技術は、比較的精度の高い形状の撥水板のエッジを検出することは可能であっても、形状が定まっていない前記オーバーフロー状態やアンダーフロー状態の接着剤13の縁端を検出することは難しい。従って、前述したセンサパネルアッセンブリ10(貼り合せ板状体)の検査装置に、前記従来の技術(特許文献1参照)を適用したとしても、センサパネル11(板状体)の端縁と接着剤13の縁端との間の間隔を適正に表し得る情報を容易に得ることができない。即ち、センサパネル11(板状体)の端縁と接着剤13の縁端との間の間隔を容易に検査(評価)することができない。
【0009】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、2つの板状体が接着剤により貼り合わされてなる貼り合せ板状体における板状体の縁端と接着剤の縁端との間の間隔を比較的容易に検査することのできる貼り合せ板状体検査装置及び方法を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明に係る貼り合せ板状体検査装置は、第1板状体と第2板状体とが接着剤により貼り合わされてなる貼り合せ板状体を撮影して検査する貼り合せ板状体検査装置であって、前記貼り合せ板状体の前記第1板状体に対向して配置されるラインセンサカメラと、前記貼り合せ板状体の前記第1板状体側から斜めに当該貼り合せ板状体を照明する照明手段と、該照明手段により照明がなされている状態で前記貼り合せ板状体を走査する前記ラインセンサカメラから出力される映像信号を処理する処理ユニットとを有し、前記処理ユニットは、前記ラインセンサカメラから出力される映像信号に基づいて画素単位の濃淡値からなる検査画像情報を生成する検査画像情報生成手段と、前記検査画像情報生成手段により生成された前記検査画像情報から得られる前記第1板状体の縁端を横切る検査ライン上の濃淡値プロファイルに基づいて、前記検査ライン上での前記第1板状体の縁端と前記接着剤の縁端との間隔を表す縁端間距離情報を生成する縁端間距離情報生成手段とを有し、前記縁端間距離情報生成手段にて生成される前記縁端間距離情報に基づいた検査結果を提供する構成となる。
【0011】
また、本発明に係る貼り合せ板状体検査方法は、第1板状体と第2板状体とが接着剤により貼り合わされてなる貼り合せ板状体を撮影して検査する貼り合せ板状体検査方法であって、前記貼り合せ板状体の前記第1板状体側から照明手段が当該貼り合せ板状体を照明している状態で前記貼り合せ板状体の第1板状体に対向して配置されたラインセンサカメラが前記貼り合せ板状体を走査する際に、前記ラインセンサカメラから出力される映像信号に基づいて画素単位の濃淡値からなる検査画像情報を生成する検査画像情報生成ステップと、前記検査画像情報生成ステップにより生成された前記検査画像情報から得られる前記第1板状体の縁端を横切る検査ライン上の濃淡値プロファイルに基づいて、前記検査ライン上での前記第1板状体の縁端と前記接着剤の縁端との間隔を表す縁端間距離情報を生成する縁端間距離情報生成ステップとを有し、前記縁端間距離情報生成ステップにて生成される前記縁端間距離情報に基づいた検査結果を提供する構成となる。
【0012】
これら本発明に係る貼り合せ板状体検査装置及び方法では、貼り合せ板状体の第1板状体側から照明手段が当該貼り合せ板状体を照明している状態で前記貼り合せ板状体の第1板状体に対向して配置されたラインセンサカメラが当該貼り合せ板状体を走査する際に、前記ラインセンサカメラから出力される映像信号に基づいて画素単位の濃淡値からなる検査画像情報が生成され、この検査画像情報から得られる第1板状体の縁端を横切る検査ライン上の濃淡値プロファイルに基づいて、その検査ライン上での前記第1板状体の縁端と接着剤の縁端との間隔を表す縁端間距離情報が生成され、その縁端間距離情報に基づいた検査結果が提供されるようになる。
【発明の効果】
【0013】
本発明に係る貼り合せ板状体検査装置及び方法によれば、2つの板状体が接着剤により貼り合わされてなる貼り合せ板状体における板状体の縁端と接着剤の縁端との間の間隔を比較的容易に検査することができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1A】貼り合せ板状体の一例であるセンサパネルアッセンブリの構造を示す断面図である。
【図1B】貼り合せ板状体の一例であるセンサパネルアッセンブリの構造を示す平面図である。
【図1C】図1A及び図1Bに示すセンサパネルアッセンブリと液晶パネルアッセンブリとを接着剤により貼り合せた構造のタッチパネル式の液晶表示パネルの構造を示す断面図である。
【図2A】接着剤が適正な状態にあるセンサパネルアッセンブリの縁端部の構造を拡大して示す断面図である。
【図2B】接着剤がセンサパネルからはみ出した状態(オーバーフロー)にあるセンサパネルアッセンブリの縁端部の構造を拡大して示す断面図である。
【図2C】接着剤がセンサパネルとカバーガラスとの間に十分充填されていない状態(アンダーフロー)にあるセンサパネルアッセンブリの縁端部の構造を拡大して示す断面図である。
【図3A】本発明の実施の一形態に係る貼り合せ板状体検査装置(センサパネルアッセンブリ検査装置)の側方から見た基本的な構成を示す図である。
【図3B】本発明の実施の一形態に係る貼り合せ板状体検査装置(センサパネルアッセンブリ検査装置)の上方から見た基本的な構成を示す図である。
【図4】本発明の実施の一形態に係る貼り合せ板状体検査装置(センサパネルアッセンブリ検査装置)の処理系の基本構成を示す図である。
【図5】センサパネルアッセンブリにおける接着剤の縁端部の状態を検査するための処理手順を示すフローチャートである。
【図6A】図5に示す検査処理における縁間距離算出に係る処理の具体的な手順(その1)を示すフローチャートである。
【図6B】図5に示す検査処理における縁間距離算出に係る処理の具体的な手順(その2)を示すフローチャートである。
【図7】センサパネルアッセンブリを示す平面図である。
【図8】図7におけるセンサパネルの縁線11E1を横切る方向C1−C1線での当該センサパネルアッセンブリの断面構造と照明光との関係を拡大して示す図である。
【図9】図7におけるセンサパネルの縁線11E3を横切る方向のC3−C3線での当該センサパネルアッセンブリの断面構造と照明光との関係を拡大して示す図である。
【図10】照明ユニットからの照明光の広がりを模式的に示す図である。
【図11】図7におけるセンサパネルの縁線11E2を横切る方向のC2−C2線での当該センサパネルアッセンブリの断面構造と照明光との関係を拡大して示す図である。
【図12】図7におけるセンサパネルの縁線11E4を横切る方向のC4−C4線での当該センサパネルアッセンブリの断面構造と照明光との関係を拡大して示す図である。
【図13】接着剤がオーバーフローとなるセンサパネルアッセンブリの端部(図7におけるセンサパネルの縁線11E1を含む)の検査画像の一例及びその検査画像における検査ライン上の濃淡値プロファイルを示す図である。
【図14】接着剤がアンダーフローとなるセンサパネルアッセンブリの端部(図7におけるセンサパネルの縁線11E1を含む)の検査画像の一例及びその検査画像における検査ライン上の濃淡値プロファイルを示す図である。
【図15】センサパネルアッセンブリの検査画像に設定される4つの処理領域を示す図である。
【図16A】センサパネルアッセンブリの検査画像に設定される第1処理領域と、該第1処理領域の検査ラインの例を示す図である。
【図16B】図16Aに示す第1処理領域における各検査ライン上での濃淡値プロファイルの例を模式的に示す図である。
【図17A】センサパネルアッセンブリの検査画像に設定される第2処理領域と、該第2処理領域の検査ラインの例を示す図である。
【図17B】図17Aに示す第2処理領域における各検査ライン上での濃淡値プロファイルの例を模式的に示す図である。
【図18A】センサパネルアッセンブリの検査画像に設定される第3処理領域と、該第3処理領域の検査ラインの例を示す図である。
【図18B】図18Aに示す第3処理領域における各検査ライン上での濃淡値プロファイルの例を模式的に示す図である。
【図19A】センサパネルアッセンブリの検査画像に設定される第4処理領域と、該第4処理領域の検査ラインの例を示す図である。
【図19B】図19Aに示す第4処理領域における各検査ライン上での濃淡値プロファイルの例を模式的に示す図である。
【図20A】第1処理領域の検査ライン上での濃淡値プロファイルから得られる縁端間距離情報dを示す図である。
【図20B】第4処理領域の検査ライン上での濃淡値プロファイルから得られる縁端間距離情報dを示す図である。
【図21】照明ユニットによるセンサパネルアッセンブリに対する照明位置と、濃淡値プロファイルにおける明ピーク値と暗ボトム値との差分(PB−BD:ダイナミックレンジ)との関係及びその差分に基づいて求められた縁端間距離情報dとの関係を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明の実施の形態について図面を用いて説明する。
【0016】
本発明の実施の一形態に係る貼り合せ板状体検査装置は、図3A及び図3Bに示すように構成される。この貼り合せ板状体検査装置は、前述したように(図1A、図1B、図2A、図2B及び図2C参照)、センサパネル11(第1板状体)とカバーガラス12(第2板状体)とが接着剤13にて貼り合わされてなるセンサパネルアッセンブリ10(貼り合せ板状体)を検査するセンサパネルアッセンブリ検査装置である。なお、図3Aは、センサパネルアッセンブリ検査装置の側方から見た基本的な構成を示し、図3Bは、センサパネルアッセンブリ検査装置の上方から見た基本的な構成を示している。
【0017】
図3A及び図3Bにおいて、このセンサパネルアッセンブリ検査装置は、ラインセンサカメラ50、照明ユニット51(照明手段)、反射板52、及び移動機構60を有している。移動機構60は、センサパネル11を上方に、カバーガラス12を下方にそれぞれ向けて移動経路上にセットされたセンサパネルアッセンブリ10を所定の速度にて直線移動させる。ラインセンサカメラ50は、例えばCCD素子列にて構成されたラインセンサ50a及びレンズ等の光学系(図示略)を含み、移動経路上のセンサパネルアッセンブリ10のセンサパネル11に対向するように固定配置されている。そして、ラインセンサカメラ50の姿勢が、ラインセンサ50aの延びる方向がセンサパネルアッセンブリ10の移動方向Aを横切り(例えば、移動方向Aと直交し)、かつ、その光軸AOPT1がセンサパネルアッセンブリ10(センサパネル11)の表面に直交するように調整されている。反射板52は、入射光を乱反射するように加工された反射面を有しており、移動経路上のセンサパネルアッセンブリ10の近傍で、その反射面がセンサパネルアッセンブリ10のカバーガラス12に対向するように固定配置されている。このように配置された反射板52(反射面)での反射光(照明光)により、センサパネルアッセンブリ10のカバーガラス12側からラインセンサカメラ50に向けて照明がなされるようになる。
【0018】
照明ユニット51は、移動経路上のセンサパネルアッセンブリ10の移動方向Aにおけるラインセンサカメラ50の下流側、即ち、後述するラインセンサカメラ50の走査方向Bにおける当該ラインセンサカメラ50の上流側に、センサパネル11に対向するように配置されている。照明ユニット51の姿勢は、センサパネルアッセンブリ10の斜め上方から、具体的には、センサパネルアッセンブリ10(センサパネル11)の表面の法線方向に対してその光軸AOPT2が所定角度αとなる方向からラインセンサカメラ50の光軸AOPT1を横切ることなくセンサパネルアッセンブリ10の表面を照明するように調整されている。
【0019】
このようにして、照明ユニット51が、センサパネルアッセンブリ10のセンサパネル11側から斜めに当該センサパネルアッセンブリ10を照明することにより、カバーガラス12に接着剤13を介して重ねられるセンサパネル11の縁端部や接着剤13の縁端部での乱反射光の一部をラインセンサカメラ50で受光することができる。また、同時に、センサパネルアッセンブリ10を斜めに透過して反射板52にて乱反射した光の一部により、センサパネルアッセンブリ10のカバーガラス12側からラインセンサカメラ50に向けて照明がなされるようになる。この反射板52からの反射光によるセンサパネルアッセンブリ10のカバーガラス12側からの照明により、センサパネルアッセンブリ10(センサパネル11、カバーガラス12)の欠陥や、接着剤13内の気泡をラインセンサカメラ50に投影することが可能になる
【0020】
センサパネルアッセンブリ検査装置の処理系は、図4に示すように構成される。
【0021】
図4において、ラインセンサカメラ50、表示ユニット71及び操作ユニット72が処理ユニット70に接続されている。また、処理ユニット70は、移動機構60によるセンサパネルアッセンブリ10の移動に同期してセンサパネルアッセンブリ10を光学的に走査するラインセンサカメラ50からの映像信号に基づいてセンサパネルアッセンブリ10の画像を表す検査画像情報を生成する。そして、処理ユニット70は、前記検査画像情報に基づいてセンサパネルアッセンブリ10の検査画像を表示ユニット71に表示させる。この検査画像には、センサパネルアッセンブリ10の接着剤13中の気泡、異物、センサパネル11の回路部品の他、後述するように、接着剤13の縁端部(正常状態(図2A参照)、オーバーフロー状態(図2B参照)またはアンダーフロー状態(図2C参照))が現れ得る。なお、処理ユニット70は、操作ユニット72の操作に応じた各種指示に係る情報を取得するとともに、前記検査画像から各種情報(気泡や異物のサイズ、接着剤13の縁端部の位置等)を生成し、それを検査結果として表示ユニット71に表示させることができる。
【0022】
処理ユニット70は、図5に示す手順に従って、センサパネルアッセンブリ10の接着剤13の縁端部の状態を検査するための処理を実行する。
【0023】
図5において、処理ユニット70は、照明ユニット51からの照明がなされている状態で、移動機構60によってセンサパネルアッセンブリ10を移動させて、ラインセンサカメラ50が図7に示すセンサパネルアッセンブリ10をセンサパネル11の縁端11E1の側から対向する縁端11E3に向かう方向Bに光学的に走査するように制御する(S11)。その過程で、センサパネル11の表面に所定角度αをもって斜めに入射する(図3A参照)照明ユニット51からの照明光RLが、図8、図9、図11、図12に示すように、センサパネル11の各縁端11E1、11E2、11E3、11E4の部分に入射する。
【0024】
例えば、図8(図7におけるC1−C1線断面を示す)に示すように、斜めに照射される照明光RLがセンサパネル11の外側から第1縁端11E1を通過して移動(走査)する際に、その照明光RLが、例えば、センサパネル11の第1縁端11E1からはみ出してオーバーフロー状態にある接着剤13の縁端13E1にて乱反射してその乱反射光の一部がラインセンサカメラ50に入射し得るとともに、その照明光RLがセンサパネル11の第1縁端11E1の角にて乱反射してその乱反射光の一部がラインセンサカメラ50に入射し得る。この場合、照明光RLが所定の入射角度α(図3A参照)にて斜めに照射されるので、センサパネル11の第1縁端11E1から内側(走査方向B)に僅かに入った部分に影Ed1が形成され得るとともに、接着剤13の縁端13E1から内側(走査方向B)に僅かに入った部分に影Ed2が形成され得る。
【0025】
例えば、図9(図7におけるC3−C3線断面を示す)に示すように、斜めに照射される照明光RLがセンサパネル11の内側から第3縁端11E3を通過して移動(走査)する際に、その照明光RLがセンサパネル11の第3縁端11E3の角で乱反射してその乱反射光の一部がラインセンサカメラ50に入射し得るとともに、その照明光RLが、例えば、センサパネル11の第3縁端11E3からはみ出してオーバーフロー状態にある接着剤13の縁端13E3にて乱反射してその乱反射光の一部がラインセンサカメラ50に入射し得る。この場合、照明光RLが所定の入射角度αにて斜めに照射されるので、センサパネル11の第3縁端11E3から外側(走査方向B)に僅かに出た部分に影Ed3が形成され得るとともに、接着剤13の縁端13E3から外側(走査方向B)に僅かに出た部分に影Ed4が形成され得る。
【0026】
照明光RLは、例えば、図10に示すように、照明ユニット51から、走査方向Bと平行な中心線CLの両側に僅かな広がりをもって出射される。このような照明光RLがセンサパネル11の第2縁線11E2に沿って移動(走査)する際に、例えば、図11(図7におけるC2−C2線断面を示す)に示すように、その照明光RLがセンサパネル11の第2縁端11E2の角にて乱反射してその乱反射光の一部がラインセンサカメラ50に入射し得るとともに、その照明光RLが、例えば、センサパネル11の第2縁端11E2からはみ出してオーバーフロー状態にある接着剤13の縁端13E2にて乱反射してその乱反射光の一部がラインセンサカメラ50に入射し得る。この場合、照明光RLが照明ユニット51から僅かに外方に広がって斜めに照射されるので(図10参照)、センサパネル11の第2縁端11E2から外側(走査方向Bに直交する方向)に僅かに出た部分に影Ed5が形成され得るとともに、接着剤13の縁端13E2から外側(走査方向Bに直交する方向)に僅かに出た部分に影Ed6が形成され得る。
【0027】
また、照明光RLがセンサパネル11の前述した第2縁端11E2の逆側の第4縁端11E4に沿って移動(走査)する場合も同様に、例えば、図12(図7におけるC4−C4線断面を示す)に示すように、照明光RLがセンサパネル11の第4縁端11E4の角にて乱反射してその乱反射光の一部がラインセンサカメラ50に入射し得るとともに、その照明光RLが、例えば、センサパネル11の第4縁端11E4からはみ出してオーバーフロー状態にある接着剤13の縁端13E4にて乱反射してその乱反射光の一部がラインセンサカメラ50に入射し得る。この場合も、照明光RLが照明ユニット51から僅かに外方に広がって斜めに照射されるので(図10参照)、センサパネル11の第4縁端11E4から外側(走査方向Bに直交する方向)に僅かに出た部分に影Ed7が形成され得るとともに、接着剤13の縁端13E4から外側(走査方向Bに直交する方向)に僅かに出た部分に影Ed8が形成され得る。
【0028】
図8、図9、図11及び図12に示す例では、接着剤13がオーバーフロー状態であったが、接着剤13がアンダーフロー状態(図2C参照)であっても、同様に、センサパネル11を透過する照明光RLが接着剤13の縁端で乱反射してその乱反射光の一部がセンサパネル11を透過してラインセンサカメラ50に入射し得る。
【0029】
図5に戻って、処理ユニット70は、上述したように、照明ユニット51からの照明光RLによって照明がなされている状態でセンサパネルアッセンブリ10を走査するラインセンサカメラ50から出力される映像信号に基づいて画素単位(例えば、ラインセンサカメラ50の各CCD素子に対応)の濃淡値(例えば、256階調)からなる検査画像情報を生成する(S12)。処理ユニット70は、センサパネルアッセンブリ10全体について生成した検査画像情報を所定のメモリに格納する。前記検査画像情報により表される検査画像IEXには、接着剤13がオーバーフロー状態である場合、例えば、図13に示すように、センサパネル11の縁端の角での乱反射光の一部(図8参照)による第1明線部IPB1がその縁端に対応した位置に現れるとともに、接着剤13の縁端での乱反射光の一部による第2明線部IPB2がセンサパネル11の縁端より外側の接着剤13の縁端に対応した位置に現れる。また、接着剤13がアンダーフロー状態である場合、検査画像IEXには、例えば、図14に示すように、センサパネル11の縁端の角での乱反射光の一部による第1明線部IPB1がその縁端に対応した位置に現れるとともに、接着剤13の縁端での乱反射光の一部による第2明線部IPB2がセンサパネル11の縁端より内側の接着剤13の縁端に対応した位置に現れる。
【0030】
また、図14に明確に示されるように、検査画像IEXには、センサパネル11の縁端に対応した位置に形成される第1明線部IPB1の近傍に第1暗線部IBD1が現れるとともに、接着剤13の縁端に対応した位置に形成される第2明線部IPB2の近傍に第2暗線部IBD2が現れる。これは、図8、図9、図11及び図12を参照して説明したように、照明光RLが斜めに照射されることによりセンサパネル11の縁端の近傍及び接着剤13の縁端の近傍に影が形成されることに起因していると考えられる。
【0031】
このような検査画像IEX(検査画像情報)に設定されるセンサパネル11の縁端を横切る(例えば、直交する)検査ラインLEX上の濃淡値プロファイルPf(LEX)(走査ライン上の各位置(画素位置)に対応する濃淡値を表す)において、例えば、図14(接着剤13がアンダーフロー状態の例)に示すように、センサパネル11の縁端に対応した前記第1明線部IPB1を表す第1明ピークPB1、接着剤13の縁端に対応した前記第2明線部IPB2を表す第2ピークPB2、前記第1明線部IPB1に隣接する第1暗線部IBD1を表す第1暗ボトムBD1、及び前記第2明線部IPB2に隣接する第2暗線部IBD2を表す第2暗ボトムBD2が存在する。図13に示す例(接着剤13がオーバーフロー状態の例)においても、明確ではないが、検査画像IEX(検査画像)に設定されるセンサパネル11の縁端を横切る(例えば、直交する)検査ラインLEX上の濃淡値プロファイルPf(LEX)にも同様に、第1明ピークPB1、第1暗ボトムBD1、第2明ピークPB2及び第2暗ボトムBD2が存在する。
【0032】
図5に戻って、接着剤13がオーバーフロー状態及びアンダーフロー状態にあるセンサパネルアッセンブリ10の上述したような特徴(2つの明線部IPB1、IPB2、2つの暗線部IBD1、IBD2)を有する検査画像情報が生成され、所定のメモリに格納されると(S12)、処理ユニット70は、前記メモリに格納された検査画像情報(検査画像)において実際に処理すべき処理領域を設定する(S13)。例えば、図15に示す破線で囲まれ領域のように、センサパネル11の第1縁端11E1を含み、カバーガラス12の縁端から所定幅の領域に対応した第1処理領域E1が、センサパネル11の第2縁端11E2を含み、カバーガラス12の縁端から所定幅の領域に対応した第2処理領域E2が、センサパネル11の第3縁端11E3を含み、カバーガラス12の縁端から所定幅の領域に対応した第3処理領域E3が、及びセンサパネル11の第4縁端11E4を含み、カバーガラス12の縁端から所定幅の領域に対応した第4処理領域E4が、それぞれ設定される。
【0033】
センサパネルアッセンブリ10全体の検査画像情報において上述したような4つの処理領域E1、E2、E3、E4が設定されると(S13)、処理ユニット70は、次の手順(S14〜S16)に従って第1処理領域E1から順番に全ての処理領域E1〜E4に対する処理を実行する。
【0034】
第1処理領域E1において、センサパネル11の第1縁端11E1を横切る副走査方向Bに延びる検査ライン上での濃淡値プロファイルが抽出される(S14)。例えば、図16Aに示す第1処理領域E1で設定された検査ラインLEX1及びLEX2上において、例えば、図16Bに模式的に示すような濃淡値プロファイルPf(LEX1)、Pf(LEX2)が抽出される。接着剤13がオーバーフロー状態にある部分に設定された検査ラインLEX1上の濃淡値プロファイルPf(LEX1)には、センサパネル11の第1縁端11E1に対応した位置P(11E1)に第1明ピークPB1が、該第1明ピークPB1のセンサパネル11の内側(IN)方向に隣接して第1暗ボトムBD1がそれぞれ現れるともに、前記第1明ピークPB1からセンサパネル11の外側(OUT)方向に離れて接着剤13の縁端に対応した第2明ピークPB2が、該第2明ピークPB2のセンサパネル11の内側(IN)方向に隣接して第2暗ボトムBD2がそれぞれ現れる。また、接着剤13がアンダーフロー状態にある部分に設定された検査ラインLEX2上の濃淡値プロファイルPf(LEX2)には、センサパネル11の第1縁端11E1に対応した位置P(11E1)に第1明ピークPB1が、該第1明ピークPB1のセンサパネル11の内側(IN)に隣接して第1暗ボトムBD1がそれぞれ現れるとともに、前記第1明ピークPB1からセンサパネル11の内側(IN)方向に離れて接着剤13の縁端に対応した第2明ピークPB2が、該第2明ピークPB2のセンサパネル11の内側(IN)方向に隣接して第2暗ボトムBD2がそれぞれ現れる。
【0035】
上述したような検査ラインLEXi上での濃淡値プロファイルPf(LEXi)が抽出されると(S14)、その濃淡値プロファイルPf(LEXi)に基づいて、当該検査ラインLEXi上でのセンサパネル11の第1縁端11E1と接着剤13の縁端との間の距離が演算され、それら縁端の間隔を表す縁端間距離情報dが生成される(S15)。なお、縁端間距離情報dを生成するための具体的な処理については後述する。その後、同様にして、所定間隔ずつ検査ラインLEXiをずらしながら当該検査ラインLEXi上の濃淡値プロファイルPf(LEXi)を抽出し(S14)、その抽出した濃淡値プロファイルPf(LEXi)に基づいて前記縁間距離情報dを生成する(S15)処理が全ての処理領域E1〜E4(S16)について実行される。なお、その過程で、前述した第1処理領域E1と同様に、第2処理領域E2、第3処理領域E3、第4処理領域E4において、例えば、図17A、図17B、図18A、図18B及び図19A、図19Bに模式的に示すような濃淡値プロファイルPfが抽出される(S14)。
【0036】
第2処理領域E2において、センサパネル11の第2縁端11E2を横切る主走査方向(ラインセンサ50aの延びる方向)に延びる検査ライン上での濃淡値プロファイルが抽出される。例えば、図17Aに示す第2処理領域E2で設定された検査ラインLEX3及びLEX4上において、例えば、図17Bに模式的に示すような濃淡値プロファイルPf(LEX3)、Pf(LEX4)が抽出される。接着剤13がアンダーフロー状態にある部分に設定された検査ラインLEX3上の濃淡値プロファイルPf(LEX3)には、センサパネル11の第2縁端11E2に対応した位置P(11E2)に第1明ピークPB1が、該第1明ピークPB1のセンサパネル11の外側(OUT)方向に隣接して第1暗ボトムBD1がそれぞれ現れるとともに、前記第1明ピークPB1からセンサパネル11の内側(IN)方向に離れて接着剤13の縁端に対応した第2明ピークPB2が、該第2明ピークPB2のセンサパネル11の外側(OUT)方向に隣接して第2暗ボトムBD2がそれぞれ現れる。また、接着剤13がオーバーフロー状態にある部分に設定された検査ラインLEX4上の濃淡値プロファイルPf(LEX4)には、センサパネル11の第2縁端11E2に対応した位置P(11E2)に第1明ピークPB1が、該第1明ピークPB1のセンサパネル11の外側(OUT)方向に隣接して第1暗ボトムBD1がそれぞれ現れるとともに、前記第1明ピークPB1からセンサパネル11の外側(OUT)方向に離れて接着剤13の縁端に対応した第2明ピークPB2が、該第2明ピークPB2のセンサパネル11の外側(OUT)方向に隣接して第2暗ボトムBD2がそれぞれ現れる。
【0037】
また、第3処理領域E3において、センサパネル11の第3縁端11E3を横切る副走査方向Bに延びる検査ライン上での濃淡値プロファイルが抽出される。例えば、図18Aに示す第3処理領域E3で設定された検査ラインLEX5及びLEX6上において、例えば、図18Bに模式的に示すような濃淡値プロファイルPf(LEX5)、Pf(LEX6)が抽出される。接着剤13がアンダーフロー状態にある部分に設定された検査ラインLEX5上の濃淡値プロファイルPf(LEX5)には、センサパネル11の第3縁端11E3に対応した位置P(11E3)に第1明ピークPB1が、該第1明ピークPB1のセンサパネル11の外側(OUT)方向に隣接して第1暗ボトムBD1がそれぞれ現れるともに、前記第1明ピークPB1からセンサパネル11の内側(IN)方向に離れて接着剤13の縁端に対応した第2明ピークPB2が、該第2明ピークPB2のセンサパネル11の外側(OUT)方向に隣接して第2暗ボトムBD2がそれぞれ現れる。また、接着剤13がオーバーフロー状態にある部分に設定された検査ラインLEX6上の濃淡値プロファイルPf(LEX6)には、センサパネル11の第3縁端11E3に対応した位置P(11E3)に第1明ピークPB1が、該第1明ピークPB1のセンサパネル11の外側(OUT)に隣接して第1暗ボトムBD1がそれぞれ現れるとともに、前記第1明ピークPB1からセンサパネル11の外側(OUT)方向に離れて接着剤13の縁端に対応した第2明ピークPB2が、該第2明ピークPB2のセンサパネル11の外側(OUT)方向に隣接して第2暗ボトムBD2がそれぞれ現れる。
【0038】
更に、第4処理領域E4では、前述した第2処理領域E2の場合と同様、図19A及び図19Bに模式的に示すように、センサパネル11の第4縁端11E4を横切る主走査方向(ラインセンサ50aの延びる方向)に延びる検査ライン上での濃淡値プロファイルが抽出される。例えば、第4処理領域E4で接着剤13がアンダーフロー状態及びオーバーフロー状態となる部分に設定された検査ラインLEX7及びLEX8上において、それぞれ第1明ピークPB1、第1暗ボトムBD1、第2明ピークPB2、及び第2暗ボトムBD2が現れる濃淡値プロファイルPf(LEX7)、Pf(LEX8)が抽出される。
【0039】
前述したように抽出される濃淡値プロファイルに基づいて縁端間距離情報dを生成するための処理(図5におけるS15)は、具体的に、図6A及び図6Bに従ってなされる。なお、処理ユニット70には、検査対象のセンサパネルアッセンブリ10(センサパネル11、カバーガラス12)の形状データ及び搬送路上のセンサパネルアッセンブリ10の姿勢情報等が予め登録されている。
【0040】
図6Aにおいて、処理ユニット70は、センサパネルアッセンブリ10の前記形状データ及び姿勢情報等に基づいて前記濃淡値プロファイルPfにおいてセンサパネル11の縁端に対応する位置と見込まれる位置(画素位置)を探し、その位置を含む当該濃淡値プロファイルPfの所定範囲内で最大濃淡値となる第1明ピークPB1を決定する(S1501)。そして、処理ユニット70は、現在の処理領域が第1処理領域E1、第2処理領域E2、第3処理領域E3及び第4処理領域E4(図15参照)のいずれであるかを判定する(S1502)。
【0041】
現在の処理領域が、濃淡値プロファイルにおいて第1明ピークPB1のセンサパネル11の内側方向に隣接して第1暗ボトムBD1が現れ得る(図16B参照)第1処理領域E1である場合、処理ユニット70は、例えば、図20A(図16A及び図16B参照)に模式的に示すように、濃淡値プロファイルPf(LEXi)において上記のようにして決定した第1明ピークPB1の位置よりセンサパネル11の内側(IN)方向(図20Aに示す濃淡値プロファイルにおいて左方向)の所定範囲内で最小濃淡値となる第1暗ボトムBD1を決定する(S1503)。一方、現在の処理領域が、濃淡値プロファイルにおいて第1明ピークPB1のセンサパネル11の外側方向に隣接して第1暗ボトムBD1が現れ得る(図17B、図18B、図19B参照)第2処理領域E2、第3処理領域E3及び第4処理領域E4のいずれかである場合、処理ユニット70は、例えば、図20B(図17A、図17B、図18A、図18B、図19A、図19B参照)に模式的に示すように、濃淡値プロファイルPf(LEXi)において上記のようにして決定した第1明ピークPB1の位置よりセンサパネル11の外側(OUT)方向(図20Bに示す濃淡値プロファイルにおいて右方向)の所定範囲内で最小濃淡値となる第1暗ボトムBD1を決定する(S1504)。
【0042】
このようにして、濃淡値プロファイルPf(LEXi)において、第1明ピークPB1と第1暗ボトムBD1とが決まると、処理ユニット70は、当該濃淡値プロファイルPf(LEXi)において前記第1明ピークPB1の位置(画素位置)と前記第1暗ボトムBD1の位置(画素位置)との間の位置をセンサパネル11の縁端に対応する第1位置P1として決定する(S1505)。具体的には、図20A及び図20Bに示すように、濃淡値プロファイルPf(LEXi)において、前記第1明ピークPB1の濃淡値の位置(画素位置)と前記第1暗ボトムBD1の位置(画素位置)との間の前記第1明ピークPB1の濃淡値と前記第1暗ボトム1の濃淡値との中間値((PB1−BD1)/2)に対応する位置(画素位置)が第1位置P1として決定される(S1505)。
【0043】
濃淡値プロファイルPf(LEXi)においてセンサパネル11の縁端に対応する第1位置P1を決定すると、処理ユニット70は、図6Bに示す手順に従って処理を継続する。
【0044】
図6Bにおいて、処理ユニット70は、濃淡値プロファイルPf(LEXi)において前記第1明ピークPB1を含む所定範囲を除いた範囲で最大濃淡値となる第2明ピークPB2を決定する(S1506)。そして、処理ユニット70は、現在の処理領域が第1処理領域E1、第2処理領域E2、第3処理領域E3及び第4処理領域E4のいずれであるかを判定する(S1507)。
【0045】
現在の処理領域が、濃淡値プロファイルにおいて第2明ピークPB2のセンサパネル11の内側(IN)方向に隣接して第2暗ボトムBD2が現れ得る(図16B参照)第1処理領域E1である場合、処理ユニット70は、例えば、図20A(図16A及び図16B参照)に模式的に示すように、濃淡値プロファイルPf(LEXi)において上記のようにして決定した第2明ピークPB2の位置よりセンサパネル11の内側(IN)方向(図20Aに示す濃淡値プロファイルにおいて左方向)の所定範囲内で最小濃淡値となる第2暗ボトムBD2を決定する(S1508)。一方、現在の処理領域が、濃淡値プロファイルにおいて第2明ピークPB2のセンサパネル11の外側方向に隣接して第2暗ボトムBD2が現れ得る(図17B、図18B、図19B参照)第2処理領域E2、第3処理領域E3及び第4処理領域E4のいずれかである場合、処理ユニット70は、例えば、図20B(図17A、図17B、図18A、図18B、図19A、図19B参照)に模式的に示すように、濃淡値プロファイルPf(LEXi)において上記のようにして決定した第2明ピークPB2の位置よりセンサパネル11の外側(OUT)方向(図20Bに示す濃淡値プロファイルにおいて右方向)の所定範囲内で最小濃淡値となる第2暗ボトムBD2を決定する(S1509)。
【0046】
その後、処理ユニット70は、上記のように決定した第2明ピークPB2の濃淡値と第2暗ボトムBD2の濃淡値との差が所定値Thより大きいか否かを判定する(S1510)。前記差が所定値Thより大きい場合(S1510でYES)、前記第2明ピークPB2及び第2暗ボトムBD2が接着剤13の縁端によるものであるとして、処理ユニット70は、濃淡値プロファイルPf(LEXi)において前記第2明ピークPB2の位置(画素位置)と前記第2暗ボトムBD2の位置(画素位置)との間の位置を接着剤13の縁端に対応する第2位置P2として決定する(S1511)。具体的には、図20A及び図20Bに示すように、濃淡値プロファイルPf(LEXi)において、前記第2明ピークPB2の濃淡値の位置(画素位置)と前記第2暗ボトムBD2の濃淡値の位置(画素位置)との間の前記第2明ピークPB2の濃淡値と前記第2暗ボトムBD2の濃淡値との中間値((PB2−BD2)/2)に対応した位置(画素位置)が第2位置P2として決定される(S1511)。
【0047】
そして、処理ユニット70は、前述したようにして決定された接着剤13の縁端に対応する第2位置P2とセンサパネル11の縁端に対応する第1位置P1との差分(P2−P1)を算出し、その差分(P2−P1)をセンサパネル11の縁端と接着剤13の縁端との間隔を表す縁端間距離情報dとして検査ラインLEXi(センサパネル11の縁端上の位置)に対応付けて所定のメモリに格納する(S1512)。この縁端間距離情報dは、例えば、接着剤13がオーバーフロー状態(図2B参照)にある場合、正の値とし、接着材13がアンダーフロー状態(図2C参照)にある場合、負の値とすることができる。これにより、縁端間距離情報dは、その値の正負によって、オーバーフロー状態とアンダーフロー状態とを区別して表すことができる。
【0048】
一方、前記第2明ピークPB2の濃淡値と前記第2暗ボトムBD2の濃淡値との差が所定値Thより大きくない場合(S1510でNO)、前記第2明ピークPB2及び第2暗ボトムBD2が接着剤13の縁端によるものではなく、例えば、図13及び図14に示す濃淡値プロファイルPf(LEX)におけるノイズ等の細かい濃淡振動であるとして、処理ユニット70は、縁端間距離情報dをゼロ(d=0)として検査ラインLEXi(センサパネル11の縁端上の位置)に対応付けて所定のメモリに格納する(S1513)。この場合、濃淡値プロファイルPf(LEXi)からは、接着剤13の縁端が検出されないとして、接着剤13がセンサパネル11とカバーガラス12との間に適正に充填されている(図2A参照)と判断することができる。
【0049】
図5に戻って、上記のようにしてセンサパネル11の縁端と接着剤13の縁端との間隔を表す縁端間距離情報dの生成が、全ての処理領域E1、E2、E3、E4から抽出される全ての濃淡値プロファイルについて終了すると(S16でYES)、処理ユニット70は、各検査ラインに対応付けてメモリに格納された縁端間距離情報dに基づいて、検査結果情報を生成して表示ユニット71に表示させる(S17)。例えば、センサパネル11の縁端の各位置での当該縁端と接着剤13の縁端までの距離を、表形式、グラフ形式、センサパネルアッセンブリ10の画像上にそれぞれ検査結果として表示ユニット71に表示させることができる。この場合、その検査結果からセンサパネル11の縁端の各位置での接着剤13の縁端の位置を個別的に知ることができる。また、全検査ラインに対応した縁端間距離情報dの平均値、標準偏差等を検査結果として表示ユニット71に表示させることができる。この場合、センサパネルアッセンブリ10における接着剤13の全体的な充填状態を知ることができる。なお、出力すべき検査結果情報は、前述したものに限られることなく、センサパネル11の縁端の各位置に対応づけられた縁端間距離情報dに基づいて、検査の目的に応じて種々に生成することができる。
【0050】
前述したセンサパネルアッセンブリ検査装置では、センサパネルアッセンブリ10のセンサパネル11側から照明ユニット51が当該センサパネルアッセンブリ10を照明している状態でセンサパネル11に対向して配置されたラインセンサカメラ50がそのセンサパネルアッセンブリ10を走査する際に、ラインセンサカメラ50から出力される映像信号に基づいて画素単位の濃淡値からなる検査画像情報が生成される。そして、この検査画像情報から得られるセンサパネル11の縁端を横切る検査ライン上の濃淡値プロファイルに基づいて、その検査ライン上でのセンサパネル11の縁端と接着剤13の縁端との間隔を表す縁端間距離情報dが生成され、その縁端間距離情報に基づいた検査結果が表示ユニット71に表示されるようになる。そのため、センサパネルアッセンブリ10におけるセンサパネル11の縁端と接着剤13の縁端との間の間隔を比較的容易に検査することができるようになる。
【0051】
また、前記センサパネルアッセンブリ検査装置では、濃淡値プロファイルPf(LEXi)において、第1明ピークPB1の濃淡値の位置(画素位置)と第1暗ボトムBD1の濃淡値の位置(画素位置)との間の前記第1明ピークPB1の濃淡値と前記第1暗ボトムBD1の濃淡値との中間値(PB1−BD1)/2に対応する位置(画素位置)をセンサパネル11の縁端に対応した位置とし、第2明ピークPB2の濃淡値の位置と第2暗ボトムBD2の濃淡値の位置との間の前記第2明ピークPB2の濃淡値と前記第2暗ボトムBD2の濃淡値との中間値(PB2−BD2)/2に対応する位置(画素位置)を接着剤13の縁端に対応した位置として、それらの位置間の距離から縁端間距離情報dを生成している。
【0052】
接着剤13の縁端部分に対応して現れる濃淡値プロファイルPfの第2明ピークPB2から第2暗ボトムBD2にかけての領域の濃淡値は、センサパネルアッセンブリ10に斜めに照射される照明光RLの当該接着剤13の縁端部分での乱反射光がラインセンサカメラ50に入射することにより得られるものであるので、接着剤13の縁端部分の表面形状の影響を多分に受けている。つまり、その領域の濃淡値は、接着剤13の縁端部分の表面の傾きや凹凸によって発生した乱反射光等が合成されることにより得られる値であって、例えば、第2明ピークPB2の濃淡値は、接着剤13の縁端で単純に発生した乱反射光に起因したものではなく、接着剤13の縁端部分の表面の傾きや凹凸によって、ラインセンサカメラ50の方向に反射した乱反射光等が合成されることにより得られた濃淡値であると考えられる。このため、実際の接着剤13の縁端は、第2明ピークPB2の位置に正確に対応しないことが考えられる。そこで、本実施の形態では、第2明ピークPB2の濃淡値の位置と第2暗ボトムBD2の濃淡値の位置との間の第2明ピークPB2の濃淡値と第2暗ボトムBD2の濃淡値との中間値(PB2−BD2)/2に対応する位置を、接着剤13の縁端に対応した位置P2として決定している。
【0053】
また、センサパネル11の縁端部分に対応して現れる濃淡値プロファイルPfの第1明ピークPB1から第1暗ボトムBD1にかけての領域の濃淡値も、センサパネル11の縁端部分に形成されている面取りや、側面の表面状態の影響を多分に受けている。つまり、その領域の濃淡値は、センサパネル11の縁端部分に形成されている面取りや、側面の表面の凹凸によって発生した乱反射光等が合成されることにより得られる値であって、例えば、第1明ピークPB1の濃淡値は、センサパネル11の縁端で単純に発生した乱反射光に起因したものではなく、センサパネル11の縁端に形成されている面取りや、側面の表面の凹凸によって、ラインセンサカメラ50の方向に反射した乱反射光や接着剤13の表面からの乱反射光等が合成されることにより得られた濃淡値であると考えられる。このため、実際のセンサパネル11の縁端は、第1明ピークPB1の位置に正確に対応しないことが考えられる。そこで、本実施の形態では、第1明ピークPB1の濃淡値の位置と第1暗ボトムBD1の濃淡値の位置との間の第1明ピークPB1の濃淡値と第1暗ボトムBD1の濃淡値との中間値(PB1−BD1)/2に対応する位置を、センサパネル11の縁端に対応した位置P1として決定し、この位置P1と上記接着剤13の縁端に対応した位置P2とに基づいて縁端間距離情報dを生成している。
【0054】
上述した縁端間距離情報dの生成について検証してみる。図21において、横軸は、照明ユニット51からの照明光RLの照明位置を表し、縦軸は、照明位置を変えたときの主走査方向(LEXi)と副走査方向(LEXj)の縁端間距離情報dと、明ピークPBの濃淡値と暗ボトムBD濃淡値との差分DR(ダイナミックレンジ)の値とを示している。この図21によると、照明位置がカメラ直下より離れるに従って、明ピークPBの濃淡値と暗ボトムBD濃淡値との差分DRが増大しても、縁端間距離情報dの変動が僅かなことを示している。従って、検査対象であるセンサパネルアッセンブリ10に対する照明位置やダイナミックレンジが変動しても、安定した縁端間距離情報dを得ることができることが判る。
【0055】
なお、濃淡値プロファイルPf(LEXi)において、第1明ピークPB1の濃淡値の位置(画素位置)と第1暗ボトムBD1の濃淡値の位置(画素位置)との間の前記第1明ピークPB1の濃淡値と前記第1暗ボトムBD1の濃淡値との中間値(PB1−BD1)/2に対応する位置(画素位置)をセンサパネル11の縁端に対応した位置としたが、前記第1明ピークPB1の位置(画素位置)と前記第1暗ボトムBD1の位置(画素位置)との間において所定の規則に従って決めた位置であれば、センサパネル11の縁端に対応した位置とすることができる。また、同様に、第2明ピークPB2の濃淡値の位置(画素位置)と第2暗ボトムBD2の濃淡値の位置(画素位置)との間の前記第2明ピークPB2の濃淡値と前記第2暗ボトムBD2の濃淡値との中間値(PB2−BD2)/2に対応する位置(画素位置)を接着剤13の縁端に対応した位置としたが、前記第2明ピークPB2の位置(画素位置)と前記第2暗ボトムBD2の位置(画素位置)との間において所定の規則に従って決めた位置であれば、接着剤13の縁端の位置とすることができる。この場合、センサパネル11の縁端の位置として決められた位置と接着剤13の縁端の位置として決められた位置との間の距離を縁端間距離情報dとすることができる。
【0056】
更に、光学条件が安定的に維持され、また、センサパネルアッセンブリ10の形状が安定したものであれば、濃淡値プロファイルPf(LEXi)から決められた第1明ピークPB1(センサパネル11の縁端に対応)と第2明ピークPB2(接着剤13の縁端に対応)との間の距離を縁端間距離情報dとすることもできる。
【0057】
また、特にセンサパネル11の縁端形状(例えば、面取りや側面の状態)が安定したものであるならば、センサパネル11の縁端に対応した位置を第1明ピークPB1の濃淡値の位置とし、第2明ピークPB2の位置と第2暗ボトムBD2の位置との間において所定の規則に従って決めた位置、例えば、第2明ピークPB2の位置と第2暗ボトムBD2の濃淡値との中間値(PB2−BD2)/2に対応する位置を接着剤13の縁端に対応した位置として、それらの位置間の距離を縁端間距離情報dとしてもよい。
【0058】
また、前記センサパネルアッセンブリ検査装置では、センサパネルアッセンブリ10全体について生成された検査画像情報において設定された処理領域E1、E2、E3、E4(図15参照)に対してだけ処理(S14、S15(S1501〜S1513))がなされるので、センサパネル11とカバーガラス12との間に充填された接着剤13の状態を効率的に検査することができる。
【0059】
なお、上述した実施の形態では、第1板状体としてセンサパネル11、第2板状体としてカバーガラス12を例にあげたが、これに限られるものではなく、接着剤により貼り合わされる板状体であれば本発明を適用できる。
【符号の説明】
【0060】
10 センサパネルアッセンブリ(貼り合せ板状体)
11 センサパネル(第1板状体)
12 カバーガラス(第2板状体)
12a 透光領域
12b 不透光領域
13、15 接着剤
20 液晶パネルアッセンブリ
50 ラインセンサカメラ
50a ラインセンサ
51 照明ユニット(照明手段)
52 反射板
60 移動機構
70 処理ユニット
71 表示ユニット
72 操作ユニット
【技術分野】
【0001】
本発明は、2枚の板状体が接着剤にて貼り合わされてなる貼り合せ板状体を撮影して検査する貼り合せ板状体検査装置及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
タッチパネル式の液晶表示パネルには、例えば、図1A及び図1Bに示すようなセンサパネルアッセンブリ10(貼り合せ板状体)が用いられる。なお、図1Aは、センサパネルアッセンブリ10の構造を示す断面図であり、図1Bは、センサパネルアッセンブリ10の構造を示す平面図である。このセンサパネルアッセンブリ10は、センサ素子やグリッド等の回路部品が配列形成されたセンサパネル11(第1板状体)とカバーガラス12(第2板状体)とが当該センサパネル11の全面に塗布された透光性を有する接着剤13(レジン)によって貼り合わされた構造となっている。センサパネル11は、ガラス基板上に回路部品が形成された構造となり、全体的に透光性を有する透光領域(ただし、回路部品の部分は不透光)となっている。また、カバーガラス12は、周辺部が所定の幅の不透光領域12b(黒色領域)となっており、その内側の領域が透光性を有する透光領域12aとなっている。
【0003】
このような構造のセンサパネルアッセンブリ10は、図1Cに示すように、液晶パネルアッセンブリ20(液晶パネル、色フィルタ、偏光板等で構成される)に透光性を有する接着剤15によって接着されている。このように形成されたタッチパネル式の液晶表示パネルでは、液晶パネルアッセンブリ20によって画像表示がなされるとともに、指でタッチされたカバーガラス12上の位置に対応するセンサパネル11上のセンサ素子から信号が出力されるようになっている。そして、このセンサパネル11の各センサ素子から出力される信号によって液晶パネルアッセンブリ20による画像表示を制御することができる。
【0004】
ところで、上述したような構造のセンサパネルアッセンブリ10(貼り合せ板状体)を製造する過程で、例えば、図2Aに拡大して示すように、接着剤13がセンサパネル11とカバーガラス12との間に正常に充填される場合だけではなく、例えば、図2Bに拡大して示すように、接着剤13がカバーガラス12の縁端より内側にあるセンサパネル11の縁端からからはみ出してしまう場合(以下、オーバーフロー状態という)や、例えば、図2Cに拡大して示すように、接着剤13がセンサパネル11の縁端に達せずにセンサパネル11とカバーガラス12との間に十分に充填されない場合(以下、アンダーフロー状態という)がある。
【0005】
センサパネルアッセンブリ10(貼り合せ板状体)において、上述したように接着剤13のオーバーフロー状態(図2B参照)やアンダーフロー状態(図2C参照)が発生し得るセンサパネル11の縁端(エッジ部分)前後の部分を検査する検査装置が有用である。このような検査装置(貼り合せ板状体検査装置)に、例えば、特許文献1に開示されるような技術を利用することが考えられる。
【0006】
特許文献1に開示される技術は、被測定部材に対向させた撮像センサ(光量センサ)をステップ状に移動させる際の各ステップ位置における撮像センサの視野の全部または一部の領域の信号強度を平均化し、被測定部材のエッジを含む領域での複数のステップ位置での平均化信号強度のパターンに応じて当該エッジ位置を算出するものである。このような技術を用いることにより、センサパネルアッセンブリ10におけるセンサパネル11の縁端の位置を検出し得るようになる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2007−180171号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
前述したセンサパネルアッセンブリ10(貼り合せ板状体)の検査装置に、前記従来の技術(特許文献1参照)を適用した場合、センサパネル11(板状体)における1つのエッジ位置(縁端の位置)を検出するために多くの微小な領域についての信号強度の平均化処理を行わなければならず、その板状体において複数のエッジ位置(縁端の位置)を検出するために多くの時間を要してしまう。また、前記従来の技術は、比較的精度の高い形状の撥水板のエッジを検出することは可能であっても、形状が定まっていない前記オーバーフロー状態やアンダーフロー状態の接着剤13の縁端を検出することは難しい。従って、前述したセンサパネルアッセンブリ10(貼り合せ板状体)の検査装置に、前記従来の技術(特許文献1参照)を適用したとしても、センサパネル11(板状体)の端縁と接着剤13の縁端との間の間隔を適正に表し得る情報を容易に得ることができない。即ち、センサパネル11(板状体)の端縁と接着剤13の縁端との間の間隔を容易に検査(評価)することができない。
【0009】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、2つの板状体が接着剤により貼り合わされてなる貼り合せ板状体における板状体の縁端と接着剤の縁端との間の間隔を比較的容易に検査することのできる貼り合せ板状体検査装置及び方法を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明に係る貼り合せ板状体検査装置は、第1板状体と第2板状体とが接着剤により貼り合わされてなる貼り合せ板状体を撮影して検査する貼り合せ板状体検査装置であって、前記貼り合せ板状体の前記第1板状体に対向して配置されるラインセンサカメラと、前記貼り合せ板状体の前記第1板状体側から斜めに当該貼り合せ板状体を照明する照明手段と、該照明手段により照明がなされている状態で前記貼り合せ板状体を走査する前記ラインセンサカメラから出力される映像信号を処理する処理ユニットとを有し、前記処理ユニットは、前記ラインセンサカメラから出力される映像信号に基づいて画素単位の濃淡値からなる検査画像情報を生成する検査画像情報生成手段と、前記検査画像情報生成手段により生成された前記検査画像情報から得られる前記第1板状体の縁端を横切る検査ライン上の濃淡値プロファイルに基づいて、前記検査ライン上での前記第1板状体の縁端と前記接着剤の縁端との間隔を表す縁端間距離情報を生成する縁端間距離情報生成手段とを有し、前記縁端間距離情報生成手段にて生成される前記縁端間距離情報に基づいた検査結果を提供する構成となる。
【0011】
また、本発明に係る貼り合せ板状体検査方法は、第1板状体と第2板状体とが接着剤により貼り合わされてなる貼り合せ板状体を撮影して検査する貼り合せ板状体検査方法であって、前記貼り合せ板状体の前記第1板状体側から照明手段が当該貼り合せ板状体を照明している状態で前記貼り合せ板状体の第1板状体に対向して配置されたラインセンサカメラが前記貼り合せ板状体を走査する際に、前記ラインセンサカメラから出力される映像信号に基づいて画素単位の濃淡値からなる検査画像情報を生成する検査画像情報生成ステップと、前記検査画像情報生成ステップにより生成された前記検査画像情報から得られる前記第1板状体の縁端を横切る検査ライン上の濃淡値プロファイルに基づいて、前記検査ライン上での前記第1板状体の縁端と前記接着剤の縁端との間隔を表す縁端間距離情報を生成する縁端間距離情報生成ステップとを有し、前記縁端間距離情報生成ステップにて生成される前記縁端間距離情報に基づいた検査結果を提供する構成となる。
【0012】
これら本発明に係る貼り合せ板状体検査装置及び方法では、貼り合せ板状体の第1板状体側から照明手段が当該貼り合せ板状体を照明している状態で前記貼り合せ板状体の第1板状体に対向して配置されたラインセンサカメラが当該貼り合せ板状体を走査する際に、前記ラインセンサカメラから出力される映像信号に基づいて画素単位の濃淡値からなる検査画像情報が生成され、この検査画像情報から得られる第1板状体の縁端を横切る検査ライン上の濃淡値プロファイルに基づいて、その検査ライン上での前記第1板状体の縁端と接着剤の縁端との間隔を表す縁端間距離情報が生成され、その縁端間距離情報に基づいた検査結果が提供されるようになる。
【発明の効果】
【0013】
本発明に係る貼り合せ板状体検査装置及び方法によれば、2つの板状体が接着剤により貼り合わされてなる貼り合せ板状体における板状体の縁端と接着剤の縁端との間の間隔を比較的容易に検査することができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1A】貼り合せ板状体の一例であるセンサパネルアッセンブリの構造を示す断面図である。
【図1B】貼り合せ板状体の一例であるセンサパネルアッセンブリの構造を示す平面図である。
【図1C】図1A及び図1Bに示すセンサパネルアッセンブリと液晶パネルアッセンブリとを接着剤により貼り合せた構造のタッチパネル式の液晶表示パネルの構造を示す断面図である。
【図2A】接着剤が適正な状態にあるセンサパネルアッセンブリの縁端部の構造を拡大して示す断面図である。
【図2B】接着剤がセンサパネルからはみ出した状態(オーバーフロー)にあるセンサパネルアッセンブリの縁端部の構造を拡大して示す断面図である。
【図2C】接着剤がセンサパネルとカバーガラスとの間に十分充填されていない状態(アンダーフロー)にあるセンサパネルアッセンブリの縁端部の構造を拡大して示す断面図である。
【図3A】本発明の実施の一形態に係る貼り合せ板状体検査装置(センサパネルアッセンブリ検査装置)の側方から見た基本的な構成を示す図である。
【図3B】本発明の実施の一形態に係る貼り合せ板状体検査装置(センサパネルアッセンブリ検査装置)の上方から見た基本的な構成を示す図である。
【図4】本発明の実施の一形態に係る貼り合せ板状体検査装置(センサパネルアッセンブリ検査装置)の処理系の基本構成を示す図である。
【図5】センサパネルアッセンブリにおける接着剤の縁端部の状態を検査するための処理手順を示すフローチャートである。
【図6A】図5に示す検査処理における縁間距離算出に係る処理の具体的な手順(その1)を示すフローチャートである。
【図6B】図5に示す検査処理における縁間距離算出に係る処理の具体的な手順(その2)を示すフローチャートである。
【図7】センサパネルアッセンブリを示す平面図である。
【図8】図7におけるセンサパネルの縁線11E1を横切る方向C1−C1線での当該センサパネルアッセンブリの断面構造と照明光との関係を拡大して示す図である。
【図9】図7におけるセンサパネルの縁線11E3を横切る方向のC3−C3線での当該センサパネルアッセンブリの断面構造と照明光との関係を拡大して示す図である。
【図10】照明ユニットからの照明光の広がりを模式的に示す図である。
【図11】図7におけるセンサパネルの縁線11E2を横切る方向のC2−C2線での当該センサパネルアッセンブリの断面構造と照明光との関係を拡大して示す図である。
【図12】図7におけるセンサパネルの縁線11E4を横切る方向のC4−C4線での当該センサパネルアッセンブリの断面構造と照明光との関係を拡大して示す図である。
【図13】接着剤がオーバーフローとなるセンサパネルアッセンブリの端部(図7におけるセンサパネルの縁線11E1を含む)の検査画像の一例及びその検査画像における検査ライン上の濃淡値プロファイルを示す図である。
【図14】接着剤がアンダーフローとなるセンサパネルアッセンブリの端部(図7におけるセンサパネルの縁線11E1を含む)の検査画像の一例及びその検査画像における検査ライン上の濃淡値プロファイルを示す図である。
【図15】センサパネルアッセンブリの検査画像に設定される4つの処理領域を示す図である。
【図16A】センサパネルアッセンブリの検査画像に設定される第1処理領域と、該第1処理領域の検査ラインの例を示す図である。
【図16B】図16Aに示す第1処理領域における各検査ライン上での濃淡値プロファイルの例を模式的に示す図である。
【図17A】センサパネルアッセンブリの検査画像に設定される第2処理領域と、該第2処理領域の検査ラインの例を示す図である。
【図17B】図17Aに示す第2処理領域における各検査ライン上での濃淡値プロファイルの例を模式的に示す図である。
【図18A】センサパネルアッセンブリの検査画像に設定される第3処理領域と、該第3処理領域の検査ラインの例を示す図である。
【図18B】図18Aに示す第3処理領域における各検査ライン上での濃淡値プロファイルの例を模式的に示す図である。
【図19A】センサパネルアッセンブリの検査画像に設定される第4処理領域と、該第4処理領域の検査ラインの例を示す図である。
【図19B】図19Aに示す第4処理領域における各検査ライン上での濃淡値プロファイルの例を模式的に示す図である。
【図20A】第1処理領域の検査ライン上での濃淡値プロファイルから得られる縁端間距離情報dを示す図である。
【図20B】第4処理領域の検査ライン上での濃淡値プロファイルから得られる縁端間距離情報dを示す図である。
【図21】照明ユニットによるセンサパネルアッセンブリに対する照明位置と、濃淡値プロファイルにおける明ピーク値と暗ボトム値との差分(PB−BD:ダイナミックレンジ)との関係及びその差分に基づいて求められた縁端間距離情報dとの関係を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明の実施の形態について図面を用いて説明する。
【0016】
本発明の実施の一形態に係る貼り合せ板状体検査装置は、図3A及び図3Bに示すように構成される。この貼り合せ板状体検査装置は、前述したように(図1A、図1B、図2A、図2B及び図2C参照)、センサパネル11(第1板状体)とカバーガラス12(第2板状体)とが接着剤13にて貼り合わされてなるセンサパネルアッセンブリ10(貼り合せ板状体)を検査するセンサパネルアッセンブリ検査装置である。なお、図3Aは、センサパネルアッセンブリ検査装置の側方から見た基本的な構成を示し、図3Bは、センサパネルアッセンブリ検査装置の上方から見た基本的な構成を示している。
【0017】
図3A及び図3Bにおいて、このセンサパネルアッセンブリ検査装置は、ラインセンサカメラ50、照明ユニット51(照明手段)、反射板52、及び移動機構60を有している。移動機構60は、センサパネル11を上方に、カバーガラス12を下方にそれぞれ向けて移動経路上にセットされたセンサパネルアッセンブリ10を所定の速度にて直線移動させる。ラインセンサカメラ50は、例えばCCD素子列にて構成されたラインセンサ50a及びレンズ等の光学系(図示略)を含み、移動経路上のセンサパネルアッセンブリ10のセンサパネル11に対向するように固定配置されている。そして、ラインセンサカメラ50の姿勢が、ラインセンサ50aの延びる方向がセンサパネルアッセンブリ10の移動方向Aを横切り(例えば、移動方向Aと直交し)、かつ、その光軸AOPT1がセンサパネルアッセンブリ10(センサパネル11)の表面に直交するように調整されている。反射板52は、入射光を乱反射するように加工された反射面を有しており、移動経路上のセンサパネルアッセンブリ10の近傍で、その反射面がセンサパネルアッセンブリ10のカバーガラス12に対向するように固定配置されている。このように配置された反射板52(反射面)での反射光(照明光)により、センサパネルアッセンブリ10のカバーガラス12側からラインセンサカメラ50に向けて照明がなされるようになる。
【0018】
照明ユニット51は、移動経路上のセンサパネルアッセンブリ10の移動方向Aにおけるラインセンサカメラ50の下流側、即ち、後述するラインセンサカメラ50の走査方向Bにおける当該ラインセンサカメラ50の上流側に、センサパネル11に対向するように配置されている。照明ユニット51の姿勢は、センサパネルアッセンブリ10の斜め上方から、具体的には、センサパネルアッセンブリ10(センサパネル11)の表面の法線方向に対してその光軸AOPT2が所定角度αとなる方向からラインセンサカメラ50の光軸AOPT1を横切ることなくセンサパネルアッセンブリ10の表面を照明するように調整されている。
【0019】
このようにして、照明ユニット51が、センサパネルアッセンブリ10のセンサパネル11側から斜めに当該センサパネルアッセンブリ10を照明することにより、カバーガラス12に接着剤13を介して重ねられるセンサパネル11の縁端部や接着剤13の縁端部での乱反射光の一部をラインセンサカメラ50で受光することができる。また、同時に、センサパネルアッセンブリ10を斜めに透過して反射板52にて乱反射した光の一部により、センサパネルアッセンブリ10のカバーガラス12側からラインセンサカメラ50に向けて照明がなされるようになる。この反射板52からの反射光によるセンサパネルアッセンブリ10のカバーガラス12側からの照明により、センサパネルアッセンブリ10(センサパネル11、カバーガラス12)の欠陥や、接着剤13内の気泡をラインセンサカメラ50に投影することが可能になる
【0020】
センサパネルアッセンブリ検査装置の処理系は、図4に示すように構成される。
【0021】
図4において、ラインセンサカメラ50、表示ユニット71及び操作ユニット72が処理ユニット70に接続されている。また、処理ユニット70は、移動機構60によるセンサパネルアッセンブリ10の移動に同期してセンサパネルアッセンブリ10を光学的に走査するラインセンサカメラ50からの映像信号に基づいてセンサパネルアッセンブリ10の画像を表す検査画像情報を生成する。そして、処理ユニット70は、前記検査画像情報に基づいてセンサパネルアッセンブリ10の検査画像を表示ユニット71に表示させる。この検査画像には、センサパネルアッセンブリ10の接着剤13中の気泡、異物、センサパネル11の回路部品の他、後述するように、接着剤13の縁端部(正常状態(図2A参照)、オーバーフロー状態(図2B参照)またはアンダーフロー状態(図2C参照))が現れ得る。なお、処理ユニット70は、操作ユニット72の操作に応じた各種指示に係る情報を取得するとともに、前記検査画像から各種情報(気泡や異物のサイズ、接着剤13の縁端部の位置等)を生成し、それを検査結果として表示ユニット71に表示させることができる。
【0022】
処理ユニット70は、図5に示す手順に従って、センサパネルアッセンブリ10の接着剤13の縁端部の状態を検査するための処理を実行する。
【0023】
図5において、処理ユニット70は、照明ユニット51からの照明がなされている状態で、移動機構60によってセンサパネルアッセンブリ10を移動させて、ラインセンサカメラ50が図7に示すセンサパネルアッセンブリ10をセンサパネル11の縁端11E1の側から対向する縁端11E3に向かう方向Bに光学的に走査するように制御する(S11)。その過程で、センサパネル11の表面に所定角度αをもって斜めに入射する(図3A参照)照明ユニット51からの照明光RLが、図8、図9、図11、図12に示すように、センサパネル11の各縁端11E1、11E2、11E3、11E4の部分に入射する。
【0024】
例えば、図8(図7におけるC1−C1線断面を示す)に示すように、斜めに照射される照明光RLがセンサパネル11の外側から第1縁端11E1を通過して移動(走査)する際に、その照明光RLが、例えば、センサパネル11の第1縁端11E1からはみ出してオーバーフロー状態にある接着剤13の縁端13E1にて乱反射してその乱反射光の一部がラインセンサカメラ50に入射し得るとともに、その照明光RLがセンサパネル11の第1縁端11E1の角にて乱反射してその乱反射光の一部がラインセンサカメラ50に入射し得る。この場合、照明光RLが所定の入射角度α(図3A参照)にて斜めに照射されるので、センサパネル11の第1縁端11E1から内側(走査方向B)に僅かに入った部分に影Ed1が形成され得るとともに、接着剤13の縁端13E1から内側(走査方向B)に僅かに入った部分に影Ed2が形成され得る。
【0025】
例えば、図9(図7におけるC3−C3線断面を示す)に示すように、斜めに照射される照明光RLがセンサパネル11の内側から第3縁端11E3を通過して移動(走査)する際に、その照明光RLがセンサパネル11の第3縁端11E3の角で乱反射してその乱反射光の一部がラインセンサカメラ50に入射し得るとともに、その照明光RLが、例えば、センサパネル11の第3縁端11E3からはみ出してオーバーフロー状態にある接着剤13の縁端13E3にて乱反射してその乱反射光の一部がラインセンサカメラ50に入射し得る。この場合、照明光RLが所定の入射角度αにて斜めに照射されるので、センサパネル11の第3縁端11E3から外側(走査方向B)に僅かに出た部分に影Ed3が形成され得るとともに、接着剤13の縁端13E3から外側(走査方向B)に僅かに出た部分に影Ed4が形成され得る。
【0026】
照明光RLは、例えば、図10に示すように、照明ユニット51から、走査方向Bと平行な中心線CLの両側に僅かな広がりをもって出射される。このような照明光RLがセンサパネル11の第2縁線11E2に沿って移動(走査)する際に、例えば、図11(図7におけるC2−C2線断面を示す)に示すように、その照明光RLがセンサパネル11の第2縁端11E2の角にて乱反射してその乱反射光の一部がラインセンサカメラ50に入射し得るとともに、その照明光RLが、例えば、センサパネル11の第2縁端11E2からはみ出してオーバーフロー状態にある接着剤13の縁端13E2にて乱反射してその乱反射光の一部がラインセンサカメラ50に入射し得る。この場合、照明光RLが照明ユニット51から僅かに外方に広がって斜めに照射されるので(図10参照)、センサパネル11の第2縁端11E2から外側(走査方向Bに直交する方向)に僅かに出た部分に影Ed5が形成され得るとともに、接着剤13の縁端13E2から外側(走査方向Bに直交する方向)に僅かに出た部分に影Ed6が形成され得る。
【0027】
また、照明光RLがセンサパネル11の前述した第2縁端11E2の逆側の第4縁端11E4に沿って移動(走査)する場合も同様に、例えば、図12(図7におけるC4−C4線断面を示す)に示すように、照明光RLがセンサパネル11の第4縁端11E4の角にて乱反射してその乱反射光の一部がラインセンサカメラ50に入射し得るとともに、その照明光RLが、例えば、センサパネル11の第4縁端11E4からはみ出してオーバーフロー状態にある接着剤13の縁端13E4にて乱反射してその乱反射光の一部がラインセンサカメラ50に入射し得る。この場合も、照明光RLが照明ユニット51から僅かに外方に広がって斜めに照射されるので(図10参照)、センサパネル11の第4縁端11E4から外側(走査方向Bに直交する方向)に僅かに出た部分に影Ed7が形成され得るとともに、接着剤13の縁端13E4から外側(走査方向Bに直交する方向)に僅かに出た部分に影Ed8が形成され得る。
【0028】
図8、図9、図11及び図12に示す例では、接着剤13がオーバーフロー状態であったが、接着剤13がアンダーフロー状態(図2C参照)であっても、同様に、センサパネル11を透過する照明光RLが接着剤13の縁端で乱反射してその乱反射光の一部がセンサパネル11を透過してラインセンサカメラ50に入射し得る。
【0029】
図5に戻って、処理ユニット70は、上述したように、照明ユニット51からの照明光RLによって照明がなされている状態でセンサパネルアッセンブリ10を走査するラインセンサカメラ50から出力される映像信号に基づいて画素単位(例えば、ラインセンサカメラ50の各CCD素子に対応)の濃淡値(例えば、256階調)からなる検査画像情報を生成する(S12)。処理ユニット70は、センサパネルアッセンブリ10全体について生成した検査画像情報を所定のメモリに格納する。前記検査画像情報により表される検査画像IEXには、接着剤13がオーバーフロー状態である場合、例えば、図13に示すように、センサパネル11の縁端の角での乱反射光の一部(図8参照)による第1明線部IPB1がその縁端に対応した位置に現れるとともに、接着剤13の縁端での乱反射光の一部による第2明線部IPB2がセンサパネル11の縁端より外側の接着剤13の縁端に対応した位置に現れる。また、接着剤13がアンダーフロー状態である場合、検査画像IEXには、例えば、図14に示すように、センサパネル11の縁端の角での乱反射光の一部による第1明線部IPB1がその縁端に対応した位置に現れるとともに、接着剤13の縁端での乱反射光の一部による第2明線部IPB2がセンサパネル11の縁端より内側の接着剤13の縁端に対応した位置に現れる。
【0030】
また、図14に明確に示されるように、検査画像IEXには、センサパネル11の縁端に対応した位置に形成される第1明線部IPB1の近傍に第1暗線部IBD1が現れるとともに、接着剤13の縁端に対応した位置に形成される第2明線部IPB2の近傍に第2暗線部IBD2が現れる。これは、図8、図9、図11及び図12を参照して説明したように、照明光RLが斜めに照射されることによりセンサパネル11の縁端の近傍及び接着剤13の縁端の近傍に影が形成されることに起因していると考えられる。
【0031】
このような検査画像IEX(検査画像情報)に設定されるセンサパネル11の縁端を横切る(例えば、直交する)検査ラインLEX上の濃淡値プロファイルPf(LEX)(走査ライン上の各位置(画素位置)に対応する濃淡値を表す)において、例えば、図14(接着剤13がアンダーフロー状態の例)に示すように、センサパネル11の縁端に対応した前記第1明線部IPB1を表す第1明ピークPB1、接着剤13の縁端に対応した前記第2明線部IPB2を表す第2ピークPB2、前記第1明線部IPB1に隣接する第1暗線部IBD1を表す第1暗ボトムBD1、及び前記第2明線部IPB2に隣接する第2暗線部IBD2を表す第2暗ボトムBD2が存在する。図13に示す例(接着剤13がオーバーフロー状態の例)においても、明確ではないが、検査画像IEX(検査画像)に設定されるセンサパネル11の縁端を横切る(例えば、直交する)検査ラインLEX上の濃淡値プロファイルPf(LEX)にも同様に、第1明ピークPB1、第1暗ボトムBD1、第2明ピークPB2及び第2暗ボトムBD2が存在する。
【0032】
図5に戻って、接着剤13がオーバーフロー状態及びアンダーフロー状態にあるセンサパネルアッセンブリ10の上述したような特徴(2つの明線部IPB1、IPB2、2つの暗線部IBD1、IBD2)を有する検査画像情報が生成され、所定のメモリに格納されると(S12)、処理ユニット70は、前記メモリに格納された検査画像情報(検査画像)において実際に処理すべき処理領域を設定する(S13)。例えば、図15に示す破線で囲まれ領域のように、センサパネル11の第1縁端11E1を含み、カバーガラス12の縁端から所定幅の領域に対応した第1処理領域E1が、センサパネル11の第2縁端11E2を含み、カバーガラス12の縁端から所定幅の領域に対応した第2処理領域E2が、センサパネル11の第3縁端11E3を含み、カバーガラス12の縁端から所定幅の領域に対応した第3処理領域E3が、及びセンサパネル11の第4縁端11E4を含み、カバーガラス12の縁端から所定幅の領域に対応した第4処理領域E4が、それぞれ設定される。
【0033】
センサパネルアッセンブリ10全体の検査画像情報において上述したような4つの処理領域E1、E2、E3、E4が設定されると(S13)、処理ユニット70は、次の手順(S14〜S16)に従って第1処理領域E1から順番に全ての処理領域E1〜E4に対する処理を実行する。
【0034】
第1処理領域E1において、センサパネル11の第1縁端11E1を横切る副走査方向Bに延びる検査ライン上での濃淡値プロファイルが抽出される(S14)。例えば、図16Aに示す第1処理領域E1で設定された検査ラインLEX1及びLEX2上において、例えば、図16Bに模式的に示すような濃淡値プロファイルPf(LEX1)、Pf(LEX2)が抽出される。接着剤13がオーバーフロー状態にある部分に設定された検査ラインLEX1上の濃淡値プロファイルPf(LEX1)には、センサパネル11の第1縁端11E1に対応した位置P(11E1)に第1明ピークPB1が、該第1明ピークPB1のセンサパネル11の内側(IN)方向に隣接して第1暗ボトムBD1がそれぞれ現れるともに、前記第1明ピークPB1からセンサパネル11の外側(OUT)方向に離れて接着剤13の縁端に対応した第2明ピークPB2が、該第2明ピークPB2のセンサパネル11の内側(IN)方向に隣接して第2暗ボトムBD2がそれぞれ現れる。また、接着剤13がアンダーフロー状態にある部分に設定された検査ラインLEX2上の濃淡値プロファイルPf(LEX2)には、センサパネル11の第1縁端11E1に対応した位置P(11E1)に第1明ピークPB1が、該第1明ピークPB1のセンサパネル11の内側(IN)に隣接して第1暗ボトムBD1がそれぞれ現れるとともに、前記第1明ピークPB1からセンサパネル11の内側(IN)方向に離れて接着剤13の縁端に対応した第2明ピークPB2が、該第2明ピークPB2のセンサパネル11の内側(IN)方向に隣接して第2暗ボトムBD2がそれぞれ現れる。
【0035】
上述したような検査ラインLEXi上での濃淡値プロファイルPf(LEXi)が抽出されると(S14)、その濃淡値プロファイルPf(LEXi)に基づいて、当該検査ラインLEXi上でのセンサパネル11の第1縁端11E1と接着剤13の縁端との間の距離が演算され、それら縁端の間隔を表す縁端間距離情報dが生成される(S15)。なお、縁端間距離情報dを生成するための具体的な処理については後述する。その後、同様にして、所定間隔ずつ検査ラインLEXiをずらしながら当該検査ラインLEXi上の濃淡値プロファイルPf(LEXi)を抽出し(S14)、その抽出した濃淡値プロファイルPf(LEXi)に基づいて前記縁間距離情報dを生成する(S15)処理が全ての処理領域E1〜E4(S16)について実行される。なお、その過程で、前述した第1処理領域E1と同様に、第2処理領域E2、第3処理領域E3、第4処理領域E4において、例えば、図17A、図17B、図18A、図18B及び図19A、図19Bに模式的に示すような濃淡値プロファイルPfが抽出される(S14)。
【0036】
第2処理領域E2において、センサパネル11の第2縁端11E2を横切る主走査方向(ラインセンサ50aの延びる方向)に延びる検査ライン上での濃淡値プロファイルが抽出される。例えば、図17Aに示す第2処理領域E2で設定された検査ラインLEX3及びLEX4上において、例えば、図17Bに模式的に示すような濃淡値プロファイルPf(LEX3)、Pf(LEX4)が抽出される。接着剤13がアンダーフロー状態にある部分に設定された検査ラインLEX3上の濃淡値プロファイルPf(LEX3)には、センサパネル11の第2縁端11E2に対応した位置P(11E2)に第1明ピークPB1が、該第1明ピークPB1のセンサパネル11の外側(OUT)方向に隣接して第1暗ボトムBD1がそれぞれ現れるとともに、前記第1明ピークPB1からセンサパネル11の内側(IN)方向に離れて接着剤13の縁端に対応した第2明ピークPB2が、該第2明ピークPB2のセンサパネル11の外側(OUT)方向に隣接して第2暗ボトムBD2がそれぞれ現れる。また、接着剤13がオーバーフロー状態にある部分に設定された検査ラインLEX4上の濃淡値プロファイルPf(LEX4)には、センサパネル11の第2縁端11E2に対応した位置P(11E2)に第1明ピークPB1が、該第1明ピークPB1のセンサパネル11の外側(OUT)方向に隣接して第1暗ボトムBD1がそれぞれ現れるとともに、前記第1明ピークPB1からセンサパネル11の外側(OUT)方向に離れて接着剤13の縁端に対応した第2明ピークPB2が、該第2明ピークPB2のセンサパネル11の外側(OUT)方向に隣接して第2暗ボトムBD2がそれぞれ現れる。
【0037】
また、第3処理領域E3において、センサパネル11の第3縁端11E3を横切る副走査方向Bに延びる検査ライン上での濃淡値プロファイルが抽出される。例えば、図18Aに示す第3処理領域E3で設定された検査ラインLEX5及びLEX6上において、例えば、図18Bに模式的に示すような濃淡値プロファイルPf(LEX5)、Pf(LEX6)が抽出される。接着剤13がアンダーフロー状態にある部分に設定された検査ラインLEX5上の濃淡値プロファイルPf(LEX5)には、センサパネル11の第3縁端11E3に対応した位置P(11E3)に第1明ピークPB1が、該第1明ピークPB1のセンサパネル11の外側(OUT)方向に隣接して第1暗ボトムBD1がそれぞれ現れるともに、前記第1明ピークPB1からセンサパネル11の内側(IN)方向に離れて接着剤13の縁端に対応した第2明ピークPB2が、該第2明ピークPB2のセンサパネル11の外側(OUT)方向に隣接して第2暗ボトムBD2がそれぞれ現れる。また、接着剤13がオーバーフロー状態にある部分に設定された検査ラインLEX6上の濃淡値プロファイルPf(LEX6)には、センサパネル11の第3縁端11E3に対応した位置P(11E3)に第1明ピークPB1が、該第1明ピークPB1のセンサパネル11の外側(OUT)に隣接して第1暗ボトムBD1がそれぞれ現れるとともに、前記第1明ピークPB1からセンサパネル11の外側(OUT)方向に離れて接着剤13の縁端に対応した第2明ピークPB2が、該第2明ピークPB2のセンサパネル11の外側(OUT)方向に隣接して第2暗ボトムBD2がそれぞれ現れる。
【0038】
更に、第4処理領域E4では、前述した第2処理領域E2の場合と同様、図19A及び図19Bに模式的に示すように、センサパネル11の第4縁端11E4を横切る主走査方向(ラインセンサ50aの延びる方向)に延びる検査ライン上での濃淡値プロファイルが抽出される。例えば、第4処理領域E4で接着剤13がアンダーフロー状態及びオーバーフロー状態となる部分に設定された検査ラインLEX7及びLEX8上において、それぞれ第1明ピークPB1、第1暗ボトムBD1、第2明ピークPB2、及び第2暗ボトムBD2が現れる濃淡値プロファイルPf(LEX7)、Pf(LEX8)が抽出される。
【0039】
前述したように抽出される濃淡値プロファイルに基づいて縁端間距離情報dを生成するための処理(図5におけるS15)は、具体的に、図6A及び図6Bに従ってなされる。なお、処理ユニット70には、検査対象のセンサパネルアッセンブリ10(センサパネル11、カバーガラス12)の形状データ及び搬送路上のセンサパネルアッセンブリ10の姿勢情報等が予め登録されている。
【0040】
図6Aにおいて、処理ユニット70は、センサパネルアッセンブリ10の前記形状データ及び姿勢情報等に基づいて前記濃淡値プロファイルPfにおいてセンサパネル11の縁端に対応する位置と見込まれる位置(画素位置)を探し、その位置を含む当該濃淡値プロファイルPfの所定範囲内で最大濃淡値となる第1明ピークPB1を決定する(S1501)。そして、処理ユニット70は、現在の処理領域が第1処理領域E1、第2処理領域E2、第3処理領域E3及び第4処理領域E4(図15参照)のいずれであるかを判定する(S1502)。
【0041】
現在の処理領域が、濃淡値プロファイルにおいて第1明ピークPB1のセンサパネル11の内側方向に隣接して第1暗ボトムBD1が現れ得る(図16B参照)第1処理領域E1である場合、処理ユニット70は、例えば、図20A(図16A及び図16B参照)に模式的に示すように、濃淡値プロファイルPf(LEXi)において上記のようにして決定した第1明ピークPB1の位置よりセンサパネル11の内側(IN)方向(図20Aに示す濃淡値プロファイルにおいて左方向)の所定範囲内で最小濃淡値となる第1暗ボトムBD1を決定する(S1503)。一方、現在の処理領域が、濃淡値プロファイルにおいて第1明ピークPB1のセンサパネル11の外側方向に隣接して第1暗ボトムBD1が現れ得る(図17B、図18B、図19B参照)第2処理領域E2、第3処理領域E3及び第4処理領域E4のいずれかである場合、処理ユニット70は、例えば、図20B(図17A、図17B、図18A、図18B、図19A、図19B参照)に模式的に示すように、濃淡値プロファイルPf(LEXi)において上記のようにして決定した第1明ピークPB1の位置よりセンサパネル11の外側(OUT)方向(図20Bに示す濃淡値プロファイルにおいて右方向)の所定範囲内で最小濃淡値となる第1暗ボトムBD1を決定する(S1504)。
【0042】
このようにして、濃淡値プロファイルPf(LEXi)において、第1明ピークPB1と第1暗ボトムBD1とが決まると、処理ユニット70は、当該濃淡値プロファイルPf(LEXi)において前記第1明ピークPB1の位置(画素位置)と前記第1暗ボトムBD1の位置(画素位置)との間の位置をセンサパネル11の縁端に対応する第1位置P1として決定する(S1505)。具体的には、図20A及び図20Bに示すように、濃淡値プロファイルPf(LEXi)において、前記第1明ピークPB1の濃淡値の位置(画素位置)と前記第1暗ボトムBD1の位置(画素位置)との間の前記第1明ピークPB1の濃淡値と前記第1暗ボトム1の濃淡値との中間値((PB1−BD1)/2)に対応する位置(画素位置)が第1位置P1として決定される(S1505)。
【0043】
濃淡値プロファイルPf(LEXi)においてセンサパネル11の縁端に対応する第1位置P1を決定すると、処理ユニット70は、図6Bに示す手順に従って処理を継続する。
【0044】
図6Bにおいて、処理ユニット70は、濃淡値プロファイルPf(LEXi)において前記第1明ピークPB1を含む所定範囲を除いた範囲で最大濃淡値となる第2明ピークPB2を決定する(S1506)。そして、処理ユニット70は、現在の処理領域が第1処理領域E1、第2処理領域E2、第3処理領域E3及び第4処理領域E4のいずれであるかを判定する(S1507)。
【0045】
現在の処理領域が、濃淡値プロファイルにおいて第2明ピークPB2のセンサパネル11の内側(IN)方向に隣接して第2暗ボトムBD2が現れ得る(図16B参照)第1処理領域E1である場合、処理ユニット70は、例えば、図20A(図16A及び図16B参照)に模式的に示すように、濃淡値プロファイルPf(LEXi)において上記のようにして決定した第2明ピークPB2の位置よりセンサパネル11の内側(IN)方向(図20Aに示す濃淡値プロファイルにおいて左方向)の所定範囲内で最小濃淡値となる第2暗ボトムBD2を決定する(S1508)。一方、現在の処理領域が、濃淡値プロファイルにおいて第2明ピークPB2のセンサパネル11の外側方向に隣接して第2暗ボトムBD2が現れ得る(図17B、図18B、図19B参照)第2処理領域E2、第3処理領域E3及び第4処理領域E4のいずれかである場合、処理ユニット70は、例えば、図20B(図17A、図17B、図18A、図18B、図19A、図19B参照)に模式的に示すように、濃淡値プロファイルPf(LEXi)において上記のようにして決定した第2明ピークPB2の位置よりセンサパネル11の外側(OUT)方向(図20Bに示す濃淡値プロファイルにおいて右方向)の所定範囲内で最小濃淡値となる第2暗ボトムBD2を決定する(S1509)。
【0046】
その後、処理ユニット70は、上記のように決定した第2明ピークPB2の濃淡値と第2暗ボトムBD2の濃淡値との差が所定値Thより大きいか否かを判定する(S1510)。前記差が所定値Thより大きい場合(S1510でYES)、前記第2明ピークPB2及び第2暗ボトムBD2が接着剤13の縁端によるものであるとして、処理ユニット70は、濃淡値プロファイルPf(LEXi)において前記第2明ピークPB2の位置(画素位置)と前記第2暗ボトムBD2の位置(画素位置)との間の位置を接着剤13の縁端に対応する第2位置P2として決定する(S1511)。具体的には、図20A及び図20Bに示すように、濃淡値プロファイルPf(LEXi)において、前記第2明ピークPB2の濃淡値の位置(画素位置)と前記第2暗ボトムBD2の濃淡値の位置(画素位置)との間の前記第2明ピークPB2の濃淡値と前記第2暗ボトムBD2の濃淡値との中間値((PB2−BD2)/2)に対応した位置(画素位置)が第2位置P2として決定される(S1511)。
【0047】
そして、処理ユニット70は、前述したようにして決定された接着剤13の縁端に対応する第2位置P2とセンサパネル11の縁端に対応する第1位置P1との差分(P2−P1)を算出し、その差分(P2−P1)をセンサパネル11の縁端と接着剤13の縁端との間隔を表す縁端間距離情報dとして検査ラインLEXi(センサパネル11の縁端上の位置)に対応付けて所定のメモリに格納する(S1512)。この縁端間距離情報dは、例えば、接着剤13がオーバーフロー状態(図2B参照)にある場合、正の値とし、接着材13がアンダーフロー状態(図2C参照)にある場合、負の値とすることができる。これにより、縁端間距離情報dは、その値の正負によって、オーバーフロー状態とアンダーフロー状態とを区別して表すことができる。
【0048】
一方、前記第2明ピークPB2の濃淡値と前記第2暗ボトムBD2の濃淡値との差が所定値Thより大きくない場合(S1510でNO)、前記第2明ピークPB2及び第2暗ボトムBD2が接着剤13の縁端によるものではなく、例えば、図13及び図14に示す濃淡値プロファイルPf(LEX)におけるノイズ等の細かい濃淡振動であるとして、処理ユニット70は、縁端間距離情報dをゼロ(d=0)として検査ラインLEXi(センサパネル11の縁端上の位置)に対応付けて所定のメモリに格納する(S1513)。この場合、濃淡値プロファイルPf(LEXi)からは、接着剤13の縁端が検出されないとして、接着剤13がセンサパネル11とカバーガラス12との間に適正に充填されている(図2A参照)と判断することができる。
【0049】
図5に戻って、上記のようにしてセンサパネル11の縁端と接着剤13の縁端との間隔を表す縁端間距離情報dの生成が、全ての処理領域E1、E2、E3、E4から抽出される全ての濃淡値プロファイルについて終了すると(S16でYES)、処理ユニット70は、各検査ラインに対応付けてメモリに格納された縁端間距離情報dに基づいて、検査結果情報を生成して表示ユニット71に表示させる(S17)。例えば、センサパネル11の縁端の各位置での当該縁端と接着剤13の縁端までの距離を、表形式、グラフ形式、センサパネルアッセンブリ10の画像上にそれぞれ検査結果として表示ユニット71に表示させることができる。この場合、その検査結果からセンサパネル11の縁端の各位置での接着剤13の縁端の位置を個別的に知ることができる。また、全検査ラインに対応した縁端間距離情報dの平均値、標準偏差等を検査結果として表示ユニット71に表示させることができる。この場合、センサパネルアッセンブリ10における接着剤13の全体的な充填状態を知ることができる。なお、出力すべき検査結果情報は、前述したものに限られることなく、センサパネル11の縁端の各位置に対応づけられた縁端間距離情報dに基づいて、検査の目的に応じて種々に生成することができる。
【0050】
前述したセンサパネルアッセンブリ検査装置では、センサパネルアッセンブリ10のセンサパネル11側から照明ユニット51が当該センサパネルアッセンブリ10を照明している状態でセンサパネル11に対向して配置されたラインセンサカメラ50がそのセンサパネルアッセンブリ10を走査する際に、ラインセンサカメラ50から出力される映像信号に基づいて画素単位の濃淡値からなる検査画像情報が生成される。そして、この検査画像情報から得られるセンサパネル11の縁端を横切る検査ライン上の濃淡値プロファイルに基づいて、その検査ライン上でのセンサパネル11の縁端と接着剤13の縁端との間隔を表す縁端間距離情報dが生成され、その縁端間距離情報に基づいた検査結果が表示ユニット71に表示されるようになる。そのため、センサパネルアッセンブリ10におけるセンサパネル11の縁端と接着剤13の縁端との間の間隔を比較的容易に検査することができるようになる。
【0051】
また、前記センサパネルアッセンブリ検査装置では、濃淡値プロファイルPf(LEXi)において、第1明ピークPB1の濃淡値の位置(画素位置)と第1暗ボトムBD1の濃淡値の位置(画素位置)との間の前記第1明ピークPB1の濃淡値と前記第1暗ボトムBD1の濃淡値との中間値(PB1−BD1)/2に対応する位置(画素位置)をセンサパネル11の縁端に対応した位置とし、第2明ピークPB2の濃淡値の位置と第2暗ボトムBD2の濃淡値の位置との間の前記第2明ピークPB2の濃淡値と前記第2暗ボトムBD2の濃淡値との中間値(PB2−BD2)/2に対応する位置(画素位置)を接着剤13の縁端に対応した位置として、それらの位置間の距離から縁端間距離情報dを生成している。
【0052】
接着剤13の縁端部分に対応して現れる濃淡値プロファイルPfの第2明ピークPB2から第2暗ボトムBD2にかけての領域の濃淡値は、センサパネルアッセンブリ10に斜めに照射される照明光RLの当該接着剤13の縁端部分での乱反射光がラインセンサカメラ50に入射することにより得られるものであるので、接着剤13の縁端部分の表面形状の影響を多分に受けている。つまり、その領域の濃淡値は、接着剤13の縁端部分の表面の傾きや凹凸によって発生した乱反射光等が合成されることにより得られる値であって、例えば、第2明ピークPB2の濃淡値は、接着剤13の縁端で単純に発生した乱反射光に起因したものではなく、接着剤13の縁端部分の表面の傾きや凹凸によって、ラインセンサカメラ50の方向に反射した乱反射光等が合成されることにより得られた濃淡値であると考えられる。このため、実際の接着剤13の縁端は、第2明ピークPB2の位置に正確に対応しないことが考えられる。そこで、本実施の形態では、第2明ピークPB2の濃淡値の位置と第2暗ボトムBD2の濃淡値の位置との間の第2明ピークPB2の濃淡値と第2暗ボトムBD2の濃淡値との中間値(PB2−BD2)/2に対応する位置を、接着剤13の縁端に対応した位置P2として決定している。
【0053】
また、センサパネル11の縁端部分に対応して現れる濃淡値プロファイルPfの第1明ピークPB1から第1暗ボトムBD1にかけての領域の濃淡値も、センサパネル11の縁端部分に形成されている面取りや、側面の表面状態の影響を多分に受けている。つまり、その領域の濃淡値は、センサパネル11の縁端部分に形成されている面取りや、側面の表面の凹凸によって発生した乱反射光等が合成されることにより得られる値であって、例えば、第1明ピークPB1の濃淡値は、センサパネル11の縁端で単純に発生した乱反射光に起因したものではなく、センサパネル11の縁端に形成されている面取りや、側面の表面の凹凸によって、ラインセンサカメラ50の方向に反射した乱反射光や接着剤13の表面からの乱反射光等が合成されることにより得られた濃淡値であると考えられる。このため、実際のセンサパネル11の縁端は、第1明ピークPB1の位置に正確に対応しないことが考えられる。そこで、本実施の形態では、第1明ピークPB1の濃淡値の位置と第1暗ボトムBD1の濃淡値の位置との間の第1明ピークPB1の濃淡値と第1暗ボトムBD1の濃淡値との中間値(PB1−BD1)/2に対応する位置を、センサパネル11の縁端に対応した位置P1として決定し、この位置P1と上記接着剤13の縁端に対応した位置P2とに基づいて縁端間距離情報dを生成している。
【0054】
上述した縁端間距離情報dの生成について検証してみる。図21において、横軸は、照明ユニット51からの照明光RLの照明位置を表し、縦軸は、照明位置を変えたときの主走査方向(LEXi)と副走査方向(LEXj)の縁端間距離情報dと、明ピークPBの濃淡値と暗ボトムBD濃淡値との差分DR(ダイナミックレンジ)の値とを示している。この図21によると、照明位置がカメラ直下より離れるに従って、明ピークPBの濃淡値と暗ボトムBD濃淡値との差分DRが増大しても、縁端間距離情報dの変動が僅かなことを示している。従って、検査対象であるセンサパネルアッセンブリ10に対する照明位置やダイナミックレンジが変動しても、安定した縁端間距離情報dを得ることができることが判る。
【0055】
なお、濃淡値プロファイルPf(LEXi)において、第1明ピークPB1の濃淡値の位置(画素位置)と第1暗ボトムBD1の濃淡値の位置(画素位置)との間の前記第1明ピークPB1の濃淡値と前記第1暗ボトムBD1の濃淡値との中間値(PB1−BD1)/2に対応する位置(画素位置)をセンサパネル11の縁端に対応した位置としたが、前記第1明ピークPB1の位置(画素位置)と前記第1暗ボトムBD1の位置(画素位置)との間において所定の規則に従って決めた位置であれば、センサパネル11の縁端に対応した位置とすることができる。また、同様に、第2明ピークPB2の濃淡値の位置(画素位置)と第2暗ボトムBD2の濃淡値の位置(画素位置)との間の前記第2明ピークPB2の濃淡値と前記第2暗ボトムBD2の濃淡値との中間値(PB2−BD2)/2に対応する位置(画素位置)を接着剤13の縁端に対応した位置としたが、前記第2明ピークPB2の位置(画素位置)と前記第2暗ボトムBD2の位置(画素位置)との間において所定の規則に従って決めた位置であれば、接着剤13の縁端の位置とすることができる。この場合、センサパネル11の縁端の位置として決められた位置と接着剤13の縁端の位置として決められた位置との間の距離を縁端間距離情報dとすることができる。
【0056】
更に、光学条件が安定的に維持され、また、センサパネルアッセンブリ10の形状が安定したものであれば、濃淡値プロファイルPf(LEXi)から決められた第1明ピークPB1(センサパネル11の縁端に対応)と第2明ピークPB2(接着剤13の縁端に対応)との間の距離を縁端間距離情報dとすることもできる。
【0057】
また、特にセンサパネル11の縁端形状(例えば、面取りや側面の状態)が安定したものであるならば、センサパネル11の縁端に対応した位置を第1明ピークPB1の濃淡値の位置とし、第2明ピークPB2の位置と第2暗ボトムBD2の位置との間において所定の規則に従って決めた位置、例えば、第2明ピークPB2の位置と第2暗ボトムBD2の濃淡値との中間値(PB2−BD2)/2に対応する位置を接着剤13の縁端に対応した位置として、それらの位置間の距離を縁端間距離情報dとしてもよい。
【0058】
また、前記センサパネルアッセンブリ検査装置では、センサパネルアッセンブリ10全体について生成された検査画像情報において設定された処理領域E1、E2、E3、E4(図15参照)に対してだけ処理(S14、S15(S1501〜S1513))がなされるので、センサパネル11とカバーガラス12との間に充填された接着剤13の状態を効率的に検査することができる。
【0059】
なお、上述した実施の形態では、第1板状体としてセンサパネル11、第2板状体としてカバーガラス12を例にあげたが、これに限られるものではなく、接着剤により貼り合わされる板状体であれば本発明を適用できる。
【符号の説明】
【0060】
10 センサパネルアッセンブリ(貼り合せ板状体)
11 センサパネル(第1板状体)
12 カバーガラス(第2板状体)
12a 透光領域
12b 不透光領域
13、15 接着剤
20 液晶パネルアッセンブリ
50 ラインセンサカメラ
50a ラインセンサ
51 照明ユニット(照明手段)
52 反射板
60 移動機構
70 処理ユニット
71 表示ユニット
72 操作ユニット
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1板状体と第2板状体とが接着剤により貼り合わされてなる貼り合せ板状体を撮影して検査する貼り合せ板状体検査装置であって、
前記貼り合せ板状体の前記第1板状体に対向して配置されるラインセンサカメラと、
前記貼り合せ板状体の前記第1板状体側から斜めに当該貼り合せ板状体を照明する照明手段と、
該照明手段により照明がなされている状態で前記貼り合せ板状体を走査する前記ラインセンサカメラから出力される映像信号を処理する処理ユニットとを有し、
前記処理ユニットは、前記ラインセンサカメラから出力される映像信号に基づいて画素単位の濃淡値からなる検査画像情報を生成する検査画像情報生成手段と、
前記検査画像情報生成手段により生成された前記検査画像情報から得られる前記第1板状体の縁端を横切る検査ライン上の濃淡値プロファイルに基づいて、前記検査ライン上での前記第1板状体の縁端と前記接着剤の縁端との間隔を表す縁端間距離情報を生成する縁端間距離情報生成手段とを有し、
前記縁端間距離情報生成手段にて生成される前記縁端間距離情報に基づいた検査結果を提供する貼り合せ板状体検査装置。
【請求項2】
前記第1板状体の縁端は、前記第2板状体の縁端より内側にあり、
前記縁端間距離情報生成手段は、前記接着剤が前記第1板状体の縁端からはみ出している場合と前記接着剤が前記第1板状体の縁端に達していない場合とを区別して、前記縁端間距離情報を生成する請求項1記載の貼り合せ板状体検査装置。
【請求項3】
前記縁端間距離情報生成手段は、前記検査画像情報から得られる前記第1板状体の縁端を横切る前記ラインセンサカメラの副走査方向または主走査方向に延びる検査ライン上の濃淡値プロファイルに基づいて前記縁端間距離情報を生成する請求項1または2記載の貼り合せ板状体検査装置。
【請求項4】
前記縁端間距離情報生成手段は、前記検査画像情報において、前記第1板状体の縁端を含む所定領域に対応した処理領域を設定する手段を有し、
前記処理領域から得られる前記検査ライン上の濃淡値プロファイルに基づいて前記縁端間距離情報を生成する請求項1乃至3のいずれかに記載の貼り合せ板状体検査装置。
【請求項5】
前記縁端間距離情報生成手段は、前記ラインセンサカメラの副走査方向が前記第1板状体の縁端を横切る所定領域に対応した処理領域では、当該処理領域から得られる前記副走査方向に延びる検査ライン上の濃淡値プロファイルに基づいて前記縁端間距離情報を生成する請求項4記載の貼り合せ板状体検査装置。
【請求項6】
前記縁端間距離情報生成手段は、前記ラインセンサカメラの主走査方向が前記第1板状体の縁端を横切る所定領域に対応した処理領域では、当該処理領域から得られる前記主走査方向に延びる検査ライン上の濃淡値プロファイルに基づいて前記縁端間距離情報を生成する請求項4または5記載の貼り合せ板状体検査装置。
【請求項7】
前記縁端間距離情報生成手段は、前記濃淡値プロファイルにおいて、前記第1板状体の縁端に対応した第1明ピークの位置と、当該第1明ピークの位置から前記第1板状体の縁端の外側方向または内側方向の所定範囲内にある第1暗ボトムの位置との間で前記第1板状体の縁端に対応する第1位置を決定する第1位置決定手段と、
前記濃淡値プロファイルにおいて、前記第1明ピークから離れた第2明ピークの位置と、当該第2明ピークの位置から前記接着剤の縁端の外側方向または内側方向の所定範囲内にある第2暗ボトムの位置との間で前記接着剤の縁端に対応した第2位置を決定する第2位置決定手段と、
前記第1位置と前記第2位置との間の距離を演算する距離演算手段とを有し、
該距離演算手段にて得られた距離を表す前記縁端間距離情報を生成する請求項1乃至6のいずれかに記載の貼り合せ板状体検査装置。
【請求項8】
前記第2位置決定手段は、前記第2明ピークの濃淡値と前記第2暗ボトムの濃淡値との差が所定値より大きいとき、当該第2明ピークの位置と当該第2暗ボトムの位置との間で前記第2位置を決定する請求項7記載の貼り合せ板状体検査装置。
【請求項9】
前記第1位置決定手段は、前記濃淡値プロファイルにおいて、前記第1明ピークの濃淡値の位置と前記第1暗ボトムの濃淡値の位置との間の前記第1明ピークの濃淡値と前記第1暗ボトムの濃淡値との中間値に対応する位置を前記第1位置として決定する請求項7または8記載の貼り合せ板状体検査装置。
【請求項10】
前記第2位置決定手段は、前記濃淡値プロファイルにおいて、前記第2明ピークの濃淡値の位置と前記第2暗ボトムの濃淡値の位置との間の前記第2明ピークの濃淡値と前記第2暗ボトムの濃淡値との中間値に対応する位置を前記第2位置として決定する請求項7乃至9のいずれかに記載の貼り合せ板状体検査装置。
【請求項11】
第1板状体と第2板状体とが接着剤により貼り合わされてなる貼り合せ板状体を撮影して検査する貼り合せ板状体検査方法であって、
前記貼り合せ板状体の前記第1板状体側から照明手段が当該貼り合せ板状体を照明している状態で前記貼り合せ板状体の第1板状体に対向して配置されたラインセンサカメラが前記貼り合せ板状体を走査する際に、前記ラインセンサカメラから出力される映像信号に基づいて画素単位の濃淡値からなる検査画像情報を生成する検査画像情報生成ステップと、
前記検査画像情報生成ステップにより生成された前記検査画像情報から得られる前記第1板状体の縁端を横切る検査ライン上の濃淡値プロファイルに基づいて、前記検査ライン上での前記第1板状体の縁端と前記接着剤の縁端との間隔を表す縁端間距離情報を生成する縁端間距離情報生成ステップとを有し、
前記縁端間距離情報生成ステップにて生成される前記縁端間距離情報に基づいた検査結果を提供する貼り合せ板状体検査方法。
【請求項12】
前記第1板状体の縁端は、前記第2板状体の縁端より内側にあり、
前記縁端間距離情報生成ステップは、前記接着剤が前記第1板状体の縁端からはみ出している場合と前記接着剤が前記第1板状体の縁端に達していない場合とを区別して、前記縁端間距離情報を生成する請求項11記載の貼り合せ板状体検査方法。
【請求項13】
前記縁端間距離情報生成ステップは、前記検査画像情報から得られる前記第1板状体の縁端を横切る前記ラインセンサカメラの副走査方向または主走査方向に延びる検査ライン上の濃淡値プロファイルに基づいて前記縁端間距離情報を生成する請求項11または12記載の貼り合せ板状体検査方法。
【請求項1】
第1板状体と第2板状体とが接着剤により貼り合わされてなる貼り合せ板状体を撮影して検査する貼り合せ板状体検査装置であって、
前記貼り合せ板状体の前記第1板状体に対向して配置されるラインセンサカメラと、
前記貼り合せ板状体の前記第1板状体側から斜めに当該貼り合せ板状体を照明する照明手段と、
該照明手段により照明がなされている状態で前記貼り合せ板状体を走査する前記ラインセンサカメラから出力される映像信号を処理する処理ユニットとを有し、
前記処理ユニットは、前記ラインセンサカメラから出力される映像信号に基づいて画素単位の濃淡値からなる検査画像情報を生成する検査画像情報生成手段と、
前記検査画像情報生成手段により生成された前記検査画像情報から得られる前記第1板状体の縁端を横切る検査ライン上の濃淡値プロファイルに基づいて、前記検査ライン上での前記第1板状体の縁端と前記接着剤の縁端との間隔を表す縁端間距離情報を生成する縁端間距離情報生成手段とを有し、
前記縁端間距離情報生成手段にて生成される前記縁端間距離情報に基づいた検査結果を提供する貼り合せ板状体検査装置。
【請求項2】
前記第1板状体の縁端は、前記第2板状体の縁端より内側にあり、
前記縁端間距離情報生成手段は、前記接着剤が前記第1板状体の縁端からはみ出している場合と前記接着剤が前記第1板状体の縁端に達していない場合とを区別して、前記縁端間距離情報を生成する請求項1記載の貼り合せ板状体検査装置。
【請求項3】
前記縁端間距離情報生成手段は、前記検査画像情報から得られる前記第1板状体の縁端を横切る前記ラインセンサカメラの副走査方向または主走査方向に延びる検査ライン上の濃淡値プロファイルに基づいて前記縁端間距離情報を生成する請求項1または2記載の貼り合せ板状体検査装置。
【請求項4】
前記縁端間距離情報生成手段は、前記検査画像情報において、前記第1板状体の縁端を含む所定領域に対応した処理領域を設定する手段を有し、
前記処理領域から得られる前記検査ライン上の濃淡値プロファイルに基づいて前記縁端間距離情報を生成する請求項1乃至3のいずれかに記載の貼り合せ板状体検査装置。
【請求項5】
前記縁端間距離情報生成手段は、前記ラインセンサカメラの副走査方向が前記第1板状体の縁端を横切る所定領域に対応した処理領域では、当該処理領域から得られる前記副走査方向に延びる検査ライン上の濃淡値プロファイルに基づいて前記縁端間距離情報を生成する請求項4記載の貼り合せ板状体検査装置。
【請求項6】
前記縁端間距離情報生成手段は、前記ラインセンサカメラの主走査方向が前記第1板状体の縁端を横切る所定領域に対応した処理領域では、当該処理領域から得られる前記主走査方向に延びる検査ライン上の濃淡値プロファイルに基づいて前記縁端間距離情報を生成する請求項4または5記載の貼り合せ板状体検査装置。
【請求項7】
前記縁端間距離情報生成手段は、前記濃淡値プロファイルにおいて、前記第1板状体の縁端に対応した第1明ピークの位置と、当該第1明ピークの位置から前記第1板状体の縁端の外側方向または内側方向の所定範囲内にある第1暗ボトムの位置との間で前記第1板状体の縁端に対応する第1位置を決定する第1位置決定手段と、
前記濃淡値プロファイルにおいて、前記第1明ピークから離れた第2明ピークの位置と、当該第2明ピークの位置から前記接着剤の縁端の外側方向または内側方向の所定範囲内にある第2暗ボトムの位置との間で前記接着剤の縁端に対応した第2位置を決定する第2位置決定手段と、
前記第1位置と前記第2位置との間の距離を演算する距離演算手段とを有し、
該距離演算手段にて得られた距離を表す前記縁端間距離情報を生成する請求項1乃至6のいずれかに記載の貼り合せ板状体検査装置。
【請求項8】
前記第2位置決定手段は、前記第2明ピークの濃淡値と前記第2暗ボトムの濃淡値との差が所定値より大きいとき、当該第2明ピークの位置と当該第2暗ボトムの位置との間で前記第2位置を決定する請求項7記載の貼り合せ板状体検査装置。
【請求項9】
前記第1位置決定手段は、前記濃淡値プロファイルにおいて、前記第1明ピークの濃淡値の位置と前記第1暗ボトムの濃淡値の位置との間の前記第1明ピークの濃淡値と前記第1暗ボトムの濃淡値との中間値に対応する位置を前記第1位置として決定する請求項7または8記載の貼り合せ板状体検査装置。
【請求項10】
前記第2位置決定手段は、前記濃淡値プロファイルにおいて、前記第2明ピークの濃淡値の位置と前記第2暗ボトムの濃淡値の位置との間の前記第2明ピークの濃淡値と前記第2暗ボトムの濃淡値との中間値に対応する位置を前記第2位置として決定する請求項7乃至9のいずれかに記載の貼り合せ板状体検査装置。
【請求項11】
第1板状体と第2板状体とが接着剤により貼り合わされてなる貼り合せ板状体を撮影して検査する貼り合せ板状体検査方法であって、
前記貼り合せ板状体の前記第1板状体側から照明手段が当該貼り合せ板状体を照明している状態で前記貼り合せ板状体の第1板状体に対向して配置されたラインセンサカメラが前記貼り合せ板状体を走査する際に、前記ラインセンサカメラから出力される映像信号に基づいて画素単位の濃淡値からなる検査画像情報を生成する検査画像情報生成ステップと、
前記検査画像情報生成ステップにより生成された前記検査画像情報から得られる前記第1板状体の縁端を横切る検査ライン上の濃淡値プロファイルに基づいて、前記検査ライン上での前記第1板状体の縁端と前記接着剤の縁端との間隔を表す縁端間距離情報を生成する縁端間距離情報生成ステップとを有し、
前記縁端間距離情報生成ステップにて生成される前記縁端間距離情報に基づいた検査結果を提供する貼り合せ板状体検査方法。
【請求項12】
前記第1板状体の縁端は、前記第2板状体の縁端より内側にあり、
前記縁端間距離情報生成ステップは、前記接着剤が前記第1板状体の縁端からはみ出している場合と前記接着剤が前記第1板状体の縁端に達していない場合とを区別して、前記縁端間距離情報を生成する請求項11記載の貼り合せ板状体検査方法。
【請求項13】
前記縁端間距離情報生成ステップは、前記検査画像情報から得られる前記第1板状体の縁端を横切る前記ラインセンサカメラの副走査方向または主走査方向に延びる検査ライン上の濃淡値プロファイルに基づいて前記縁端間距離情報を生成する請求項11または12記載の貼り合せ板状体検査方法。
【図1A】
【図1B】
【図1C】
【図2A】
【図2B】
【図2C】
【図3A】
【図3B】
【図4】
【図5】
【図6A】
【図6B】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16A】
【図16B】
【図17A】
【図17B】
【図18A】
【図18B】
【図19A】
【図19B】
【図20A】
【図20B】
【図21】
【図1B】
【図1C】
【図2A】
【図2B】
【図2C】
【図3A】
【図3B】
【図4】
【図5】
【図6A】
【図6B】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16A】
【図16B】
【図17A】
【図17B】
【図18A】
【図18B】
【図19A】
【図19B】
【図20A】
【図20B】
【図21】
【公開番号】特開2013−83628(P2013−83628A)
【公開日】平成25年5月9日(2013.5.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−175895(P2012−175895)
【出願日】平成24年8月8日(2012.8.8)
【出願人】(000002428)芝浦メカトロニクス株式会社 (907)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年5月9日(2013.5.9)
【国際特許分類】
【出願日】平成24年8月8日(2012.8.8)
【出願人】(000002428)芝浦メカトロニクス株式会社 (907)
【Fターム(参考)】
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