着脱自在棚の支持構造及びその支持構造で用いられるストッパ
【課題】棚の挿入部と壁面の溝部との嵌合を介して壁面に着脱自在に取り付けられた棚の前端部に押し上げる力が作用しても、前記嵌合を維持することができる着脱自在棚の支持構造及びその支持構造で用いられるストッパを提供する。
【解決手段】棚板4と連結具5とを有する棚3を、連結具5の挿入部53と壁面W上のパネル1に備えられた取付レール2の溝部21との嵌合を介してパネル1に着脱自在に取り付ける。そして、棚板4の上面とパネル1との間に形成されるコーナー部に、棚板4の上面に対接する第1水平面部61と、第1水平面部61のパネル1側の端部から上方へ延びてパネル1に対接する垂直面部62と、垂直面部62から下方に延長された延長面部63と、延長面部63の下端部から前記第1水平面部61と平行に延びる第2水平面部64とを有し、棚板4に装着されるストッパ6を備える。
【解決手段】棚板4と連結具5とを有する棚3を、連結具5の挿入部53と壁面W上のパネル1に備えられた取付レール2の溝部21との嵌合を介してパネル1に着脱自在に取り付ける。そして、棚板4の上面とパネル1との間に形成されるコーナー部に、棚板4の上面に対接する第1水平面部61と、第1水平面部61のパネル1側の端部から上方へ延びてパネル1に対接する垂直面部62と、垂直面部62から下方に延長された延長面部63と、延長面部63の下端部から前記第1水平面部61と平行に延びる第2水平面部64とを有し、棚板4に装着されるストッパ6を備える。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、壁面における着脱自在棚の支持構造及びその支持構造で用いられるストッパに関し、家具の技術分野に属する。
【背景技術】
【0002】
室内の壁面を構成するパネルに対し、棚を着脱自在に取り付けることがある。例えば特許文献1には、図11に示すように、壁面W上のパネルAに取付レールBが備えられており、この取付レールBの溝部B′に、棚Cに固定された連結具Dの挿入部D′を嵌合させる構造が開示されている。これにより、棚Cは、前記挿入部D′と溝部B′との嵌合離脱を介してパネルAに着脱自在とされ、また、装着状態では、前述した嵌合構造と、棚Cの荷重Xが負荷されて連結具Dの下部とパネルAとの当接箇所に生じる反力X1とにより、棚CはパネルAに安定して支持されるようになる。
【0003】
一方、特許文献2には、前述したような挿入部と溝部との嵌合構造を介してパネルに着脱自在に吊下げて使用される部材に、押し上げる力が作用しても吊下部材が上方に移動しないようにする構造が開示されている。すなわち、前記溝部に嵌合する挿入部を有して前記パネルに装着されると共に前記吊下部材の上端面に上方から当接するストッパが設けられている。
【0004】
【特許文献1】特開2004−250870号公報
【特許文献2】特許第3768988号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、前記特許文献1に記載の支持構造の場合、図11に示すように、棚Cの前端部に押し上げる力Zが作用すると、棚Cは前記嵌合箇所を中心として矢印aで示すように上向きに回動する結果、挿入部D′が溝部B′から離脱する不具合が生じることがある。その対策として、特許文献2に記載の構造を適用することが考えられるが、その場合の想像線で示すストッパEは、棚Cの後端部の前記嵌合箇所に近接した部位に当接するものであるので、前述したような嵌合箇所を中心とする棚Cの回動を阻止することはできず、挿入部D′は溝部B′から離脱することがある。
【0006】
そこで、本発明は、棚の挿入部と壁面の溝部との嵌合を介して壁面に着脱自在に取り付けられた棚の前端部に押し上げる力が作用しても、前記嵌合を維持することができる着脱自在棚の支持構造及びその支持構造で用いられるストッパの提供を課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記課題を解決するため、本発明は次のように構成したことを特徴とする。
【0008】
まず、請求項1に記載の発明は、壁面に設けられた水平方向に延びる溝部に挿入される挿入部を有し、壁面に対して水平姿勢で着脱自在に取り付けられる着脱自在棚の支持構造であって、前記棚を壁面に取り付けた状態で該棚の上面と壁面との間に形成されるコーナー部に装着され、棚の上面に対接する水平面部と、該水平面部の壁面側の端部から上方へ延びて前記壁面に対接する垂直面部とを有するストッパが備えられていることを特徴とする。
【0009】
なお、前記壁面は、この壁面に配設される保護用途や装飾用途のパネルを含む。
【0010】
次に、請求項2に記載の発明は、前記請求項1に記載の着脱自在棚の支持構造において、前記ストッパには、前記水平面部と、前記垂直面部に設けられた下方への延長面部と、該延長面部の下端部から前記水平面部と平行に延びる第2水平面部とで断面コ字状とされた係合部が設けられ、ストッパは、該係合部が前記棚の後方縁部を挟み込むことにより前記棚に装着されることを特徴とする。
【0011】
また、請求項3に記載の発明は、前記請求項2に記載の着脱自在棚の支持構造において、前記棚の後方縁部の端面には、後方に開口する切込部が設けられており、前記ストッパに設けられた前記両水平面部のうちのいずれか一方が該切込部に挿入されることにより、該ストッパが前記棚に装着されることを特徴とする。
【0012】
また、請求項4に記載の発明は、前記請求項3に記載の着脱自在棚の支持構造において、前記棚は、棚板と、該棚板に固着され、前記挿入部が設けられた連結具とで構成されており、前記棚の切込部は、前記棚板に設けられ、前記連結具に設けられた棚板との結合用突起部が挿入される切込部であることを特徴とする。
【0013】
また、請求項5に記載の発明は、前記請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の着脱自在棚の支持構造において、前記ストッパには、前記水平面部と垂直面部とを連結する補強部が設けられていることを特徴とする。
【0014】
また、請求項6に記載の発明は、壁面に設けられた水平方向に延びる溝部に挿入される挿入部を有し、壁面に対して水平姿勢で着脱自在に取り付けられる着脱自在棚の支持構造で用いられるストッパであって、前記棚の上面に対接する第1水平面部と、該第1水平面部の壁面側の端部から上方へ延びて前記壁面に対接する垂直面部と、該垂直面部に設けられた下方への延長面部と、該延長面部の下端部から前記第1水平面部と平行に延びる第2水平面部とを有し、前記第1水平面部と延長面部と第2水平面部とで断面コ字状とされた係合部が前記棚の後方縁部を挟み込むことにより該棚に装着されることを特徴とする。
【0015】
また、請求項7に記載の発明は、前記請求項6に記載の着脱自在棚の支持構造で用いられるストッパにおいて、前記第1水平面部と垂直面部とを連結する補強部が設けられていることを特徴とする。
【0016】
そして、請求項8に記載の発明は、前記7に記載の着脱自在棚の支持構造で用いられるストッパにおいて、前記第1水平面部と垂直面部と補強部とで断面略三角形状とされていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
まず、請求項1に記載の発明によれば、棚の上面と壁面との間に形成されるコーナー部には、棚の上面に対接する水平面部と壁面に対接する垂直面部とを有するストッパが備えられている。したがって、棚の前端部を押し上げる力が作用すると、壁面に対接する垂直面部が壁面からの反力を受けるので、垂直面部と水平面部とにより、挿入部と溝部との嵌合箇所を中心とする棚の前端部の上向きの回動が阻止される。すなわち、ストッパを備えた支持構造とすることにより、棚の挿入部と壁面の溝部との嵌合を介して壁面に着脱自在に取り付けられた棚の前端部に押し上げる力が作用しても、前記嵌合を維持することができる。
【0018】
次に、請求項2に記載の発明によれば、ストッパには、水平面部と延長面部と第2水平面部とで構成される係合部が設けられており、係合部が棚の後方縁部を挟み込むことによりストッパは棚に着脱自在に装着されるので、壁面への棚の装着位置を変更する場合には容易に対応することができる。
【0019】
また、請求項3に記載の発明によれば、棚の後方縁部の端面に切込部が設けられており、ストッパに設けられた両水平面部のうちのいずれか一方が、この切込部に挿入されるので、ストッパを棚に安定して装着することができる。特に、上側の水平面部が切込部に挿入される構成とすれば、棚の上方から水平面部がなくなり、外観がすっきりする。一方、第2水平面部が切込部に挿入される構成とすれば、第2水平面部が棚の下面に係合する構成に比較して両水平面部の間隔が短縮されるので、つまり延長面部が短縮されるので、ストッパの小型化が図られ、ストッパ機能を維持しつつ使用材料を削減することができる。
【0020】
また、請求項4に記載の発明によれば、棚が棚板と連結具とで構成されている場合に、前述した切込部は、連結具を棚板に結合するための突起部が挿入されるものであるので、共通の切込部で、棚板と連結具との結合と、ストッパの装着とが実現する。
【0021】
また、請求項5に記載の発明によれば、棚の左右両側にストッパが備えられているので、棚の前端部を押し上げる力が作用した場合には、棚が左右でこじれないように均等に上向きの回動が阻止される。
【0022】
また、請求項6に記載の発明によれば、着脱自在棚の支持構造で用いられるストッパは、棚の上面に対接する第1水平面部と、第1水平面部の壁面側の端部から上方へ延びて壁面に対接する垂直面部と、垂直面部に設けられた下方への延長面部と、延長面部の下端部から第1水平面部と平行に延びる第2水平面部とを有し、第1水平面部と延長面部と第2水平面部とで断面コ字状とされた係合部が棚の後方縁部を挟み込むことにより棚に装着される。
【0023】
その場合、棚の前端部を押し上げる力が作用すると、壁面に対接する垂直面部が壁面からの反力を受けるので、垂直面部と第1水平面部とにより、棚の挿入部と壁面の溝部との嵌合箇所を中心とする棚の前端部の上向きの回動が阻止される。すなわち、着脱自在棚の支持構造に前記ストッパを備えることにより、棚の挿入部と壁面の溝部との嵌合を介して壁面に着脱自在に取り付けられた棚の前端部に押し上げる力が作用しても、前記嵌合を維持することができる。
【0024】
また、請求項7に記載の発明によれば、ストッパには、水平面部と垂直面部とを連結する補強部が設けられているので、これらで形成される部位が強度面で補強される。すなわち、水平面部と垂直面部とでL字状に形成されている場合に比較して、棚の前端部を押し上げる力が作用したとき堅固に抗することができ、ストッパの耐久性が向上する。
【0025】
そして、請求項8に記載の発明によれば、ストッパは、水平面部と垂直面部と補強部とで略三角形状とされているので、例えば四角形状とされている場合に比較して、軽量化が図られ、剛性を維持しつつ使用材料を削減することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
以下、本発明の実施の形態に係る着脱自在棚の支持構造について説明する。なお、その場合に用いられるストッパは、本発明に係るストッパの実施の形態を構成する。
【0027】
図1に示すように、壁面Wにパネル1が配設されており、パネル1には、正面視で水平方向つまり横方向に延びる取付レール2が備えられている。また、パネル1には、棚3が水平姿勢で取り付けられている。また、棚3は、棚板4と連結具5とで構成されている。そして、棚3つまり棚板4の上面と壁面Wつまりパネル1との間に形成されるコーナー部には、左右に本発明の特徴部分であるストッパ6,6が備えられている。
【0028】
図2及び図3に示すように、壁面W上のパネル1には、例えばMDF(中密度繊維板)やLVL(単板積層材)等の木質材料が使用されており、また、所定箇所に正面視で水平方向つまり横方向に延びる凹部11が設けられており、この凹部11に、上下外面に抜け止め対策が施されたアルミニウムのような金属材料製の取付レール2が嵌入保持されている。そして、取付レール2には、前方になるほど下方に傾斜すると共に下方に若干凸状とされ、前方に開口する溝部21が設けられている。
【0029】
棚板4には、木質材料が使用されており、また、前端部の下部が切り欠かれた形状とされている。そして、棚板4の後方縁部は、後方に開口する切込部41により上側部分4aと下側部分4bとに二分されている。
【0030】
連結具5には、アルミニウムのような金属材料が使用されており、図示しない止着部材により前記棚板4に固着されることにより棚3が構成されている。連結具5は、棚板4に比較して横方向の寸法が狭い形状とされており(図1参照)、上下に延びる垂直面部51と、垂直面部51の上端部から棚板4の上面に沿って前方に延びる水平面部52と、水平面部52とは逆の後方に延びて、後方になるほど上方に傾斜すると共に下方に若干凸状とされた挿入部53と、水平面部51より少し下方に設けられて前方に延びる抜け止め用の断面鋸歯状の突起部54と、垂直面部51の下部に設けられて棚板4の下方を前方に延びる中空略三角形状とされた下方支持部55とを有している。
【0031】
その場合、垂直面部51は、棚板4の後方縁部の端面とパネル1の前面との隙間Gに位置し、水平面部52は、棚板4の上面に上方から係合し、挿入部53は、取付レール2の溝部21に嵌入し、突起部54は、棚板4の切込部41に挿入され、そして、下方支持部55は、その前端部近傍を介して棚板4を下方から支持する。
【0032】
これにより、棚板4ひいては棚3は、連結具5の挿入部53と取付レール2の溝部21との嵌合離脱を介してパネル1に着脱自在とされる。また、棚3がパネル1に取り付けられた状態では、棚3の荷重Xにより前端部に挿入部53と溝部21との嵌合箇所を中心として下向きのモーメントが作用するため、挿入部53が溝部21の上壁に強く押し付けられて嵌合状態が強化されると共に、連結具5の垂直面部51の下部51aとパネル1の前面との当接を介し、棚3はパネル1に安定して支持される。
【0033】
そして、図3に示すように、ストッパ6には、合成樹脂材料が使用されており、側面視で概ね逆F字状とされている。すなわち、ストッパ6は、棚板4の後方縁部の上面に沿って前方に延びて棚板4の上面に対接する第1水平面部61と、第1水平面部61のパネル1側の端部から上方へ延びてパネル1の前面に対接する垂直面部62と、垂直面部62から下方に延びる延長面部63と、延長面部63の下端部から第1水平面部61と平行に延びると共に棚板4の切込部41に挿入される第2水平面部64とを有し、第1及び第2水平面部61,64と延長面部63とで、前記棚板4の後方縁部つまり上側部分4aを挟み込む断面コ字状の係合部が設けられている。また、第1及び第2水平面部61,64の間隔は、前記上側部分4aの厚みtに略等しいので、棚板4に装着されたストッパ6はがたつかない。
【0034】
なお、延長面部63は、前記隙間Gに位置する。また、ストッパ6のパネル1側においては、パネル1の凹部11から若干突出する取付レール2に干渉しないように、所定範囲に亘り切り欠かれている。
【0035】
以上のように構成したことにより、まず、棚3の上面と壁面Wとの間に形成されるコーナー部には、棚3の上面に対接する第1水平面部61と壁面Wに対接する垂直面部62とを有するストッパ6が備えられている。したがって、棚3の前端部を押し上げる力が作用すると、壁面Wに対接する垂直面部62が壁面Wからの反力を受けるので、垂直面部62と第1水平面部61とにより、挿入部53と溝部21との嵌合箇所を中心とする棚3の前端部の上向きの回動が阻止される。すなわち、ストッパ6を備えた支持構造とすることにより、棚3の挿入部53と壁面Wの溝部21との嵌合を介して壁面Wに着脱自在に取り付けられた棚3の前端部に押し上げる力が作用しても、前記嵌合を維持することができる。
【0036】
次に、ストッパ6には、第1水平面部61と延長面部63と第2水平面部64とで構成される係合部が設けられており、係合部が棚3の後方縁部つまり上側部分4aを挟み込むことによりストッパ6は棚3に着脱自在に装着されるので、壁面Wへの棚3の装着位置を変更する場合には容易に対応することができる。
【0037】
また、棚3の後方縁部の端面に切込部41が設けられており、ストッパ6に設けられた第2水平面部64が、この切込部41に挿入されるので、ストッパ6を棚3に安定して装着することができる。そして、第2水平面部が棚3の下面に係合する構成に比較して両水平面部61,64の間隔が短縮されるので、つまり延長面部63が短縮されるので、ストッパ6の小型化が図られ、ストッパ機能を維持しつつ使用材料を削減することができる。
【0038】
また、棚3が棚板4と連結具5とで構成されており、前述した切込部41は、連結具5を棚板4に結合するための突起部54が挿入されるものであるので、共通の切込部41で、棚板4と連結具5との結合と、ストッパ6の装着とが実現する。
【0039】
そして、棚3の左右両側にストッパ6,6が備えられているので、棚3の前端部を押し上げる力が作用した場合には、棚3が左右でこじれないように均等に上向きの回動が阻止される。
【0040】
ここで、ストッパ6の基本的な作用につき図4を用いて補足説明する。棚板4の前端部に押し上げる力Zが作用すると、この棚板4は、図示しない連結具5の挿入部53と取付レール2の溝部21との嵌合箇所を中心として矢印aで示すように回動しようとする。その場合に、ストッパ6を備えたため、パネル1の前面に対接する垂直面部62に作用するパネル1からの反力Z1と、棚板4の上面に対接する第1水平面部61からの反力Z2とにより、棚板4の回動が阻止されるのである。
【0041】
次に、棚板がガラス製の場合について説明する。
【0042】
ガラス製の棚板では、通常は木質材料製の棚板4におけるような後方縁部の切込部41は設けられていない。その場合には、図5に示すように、前述したと同様のストッパ6は、パネル1に取り付けられた棚板4Aの後方縁部を、第1及び第2水平面部61,64と延長面部63とで挟み込むように備えられる。なお、水平面部61,64の間隔を棚板4Aの板厚tに略等しくすることにより、ストッパ6をがたつきなく棚板4Aに装着することができる。
【0043】
次に、ストッパを別なる形態で棚板に装着した場合について説明する。
【0044】
図6に示すストッパ6Bは、前記ストッパ6と略同様に、第1水平面部61B、垂直面部62B、延長面部63B、及び第2水平面部64Bを有しているが、第1水平面部61Bが棚板4の切込部41に挿入され、第2水平面部64Bが棚板4の下面に係合する点で、前記ストッパ6とは異なる。なお、第1及び第2水平面部61B,64Bの間隔を、上側部分4aと下側部分4bとに二分されたうちの下側部分4bの厚みt1に略等しくすることにより、ストッパ6Bをがたつきなく棚板4に装着することができる。
【0045】
詳細な説明は省略するが、この場合にも、棚板4の前端部に押し上げる力が作用して、棚板4が、図示しない連結具5と取付レール2との嵌合箇所を中心として上向きに回動しようとするのに対し、パネル1の前面に対接する垂直面部62Bと切込部41に挿入された第1水平面部61とにより、前述した回動が阻止される。したがって、連結具5と取付レール2との嵌合が維持される。なお、この場合、切込部41の下壁も、請求項1に記載の発明における棚の上面に含まれる。
【0046】
そして、上側の第1水平面部61Bが切込部41に挿入される構成であるので、棚板4つまり棚3の上方から第1水平面部61Bがなくなり、外観がすっきりする。
【0047】
次に、ストッパの別なる形状例について説明する。すなわち、前述したストッパ6における第1水平面部61と垂直面部62との境界付近の剛性向上を図りたい場合には、例えば以下の構成が好ましい。
【0048】
まず、図7に示すストッパ6Cは、第1水平面部61C、垂直面部62C、延長面部63C、及び第2水平面部64Cを有し、さらに、第1水平面部61Cと垂直面部62Cとが補強部65Cで連結され、第1水平面部61Cと垂直面部62Cと補強部65Cとで断面略四角形状とされている。
【0049】
これにより、第1水平面部61Cより上方の部位が剛性面で補強される。すなわち、このストッパ6Cは、前記ストッパ6のような第1水平面部61と垂直面部62とでL字状に形成されている場合に比較して、棚3の前端部を押し上げる力が作用したとき堅固に抗することができ、耐久性が向上する。
【0050】
次に、図8に示すストッパ6Dは、第1水平面部61D、垂直面部62D、延長面部63D、及び第2水平面部64Dを有し、さらに、第1水平面部61Dと垂直面部62Dとが後方になるほど直線状に上方に傾斜する補強部65Dで連結され、第1水平面部61Dと垂直面部62Dと補強部65Dとで断面略三角形状とされている。
【0051】
これにより、このストッパ6Dも、補強部65Dが設けられているので、耐久性が向上する。さらに、前記三部位61D,62D,65Dで略三角形状とされているので、例えば四角形状とされている前記ストッパ6Cに比較して、軽量化が図られ、剛性を維持しつつ使用材料を削減することができる。
【0052】
そして、図9に示すストッパ6Eは、第1水平面部61E、垂直面部62E、延長面部63E、及び第2水平面部64Eを有し、さらに、第1水平面部61Eと垂直面部62Eとが上方に向けて凸状に湾曲する補強部65Eで連結されている。
【0053】
これにより、前記ストッパ6Dと同様の作用効果が得られた上で、ストッパ6Eに意匠性を付与することができる。
【0054】
そして、いずれのストッパ6C,6D,6Eにおいてにも、図中想像線で示すように、第1水平面部61C,61D,61Eより上方の部位を中空構造とすることにより、剛性を維持しつつさらなる使用材料の削減を図ることができる。
【0055】
なお、本発明は、具体的に詳述した前記実施の形態に限定されない。
【0056】
例えば、前記実施の形態では、取付レール2の溝部21に嵌入される挿入部53は連結具5に設けられていたが、棚板4に一体に挿入部を設けた構成としてもよい。
【0057】
また、前記実施の形態では、ストッパ6は、棚3の左右両側に備えられていたが、例えば横幅寸法が狭い棚の場合には、片側のみに備えてもよい。
【0058】
また、ストッパ6,6B〜6Eには、合成樹脂材料の他に、木質材料、金属材料、複合材料等、ストッパ機能を示すのに必要な強度を有しているものであればよい。
【0059】
ところで、壁面Wに取り付けられた棚3が不用意に左右に横滑りすることにより、取付レール2が損傷されるおそれがある場合には、例えば、図10に示すような合成樹脂製のストッパ6を使用することができる。すなわち、このストッパ6では、自然状態で、対向する第1及び第2水平面部61,64の先端部が互いに若干近接し、かつ、垂直面部62は、若干後傾している。このストッパ6を棚板4に装着するときには、棚板4の後方縁部の上側部分4aで第1及び第2水平面部61,64を押し広げながら装着する。
【0060】
こうすることにより、第1及び第2水平面部61,64による弾性反発力により棚板4の上側部分4aは強固に挟持され、ストッパ6は容易には横方向に移動しない。その上で、垂直面部62による弾性反発力により垂直面部62とパネル1との間に摩擦力が生じ、棚3の横滑り防止に効果的となる。その場合、図1に示したように、ストッパ6を、棚3の左右両側つまり連結具5の左右端面に隣接するように備えるのが好ましい。
【0061】
なお、前述した構成は、このストッパ6の着脱性を阻害しない範囲で適用されるのが望ましい。また、自然状態で、第1及び第2水平面部61,64の先端部を互いに若干近接させるか、垂直面部62を若干後傾させるか、いずれか一方の措置を取ってもよい。
【0062】
そして、別なる横滑り防止策として、ストッパの第1及び第2水平面部の棚板を挟み込む側の面や垂直面部のパネルに対接する側の面に対し、粗面化処理やゴムのような摩擦材貼付等の適宜の高摩擦化処理を施してもよい。
【産業上の利用可能性】
【0063】
以上説明したように、本発明によれば、棚の挿入部と壁面の溝部との嵌合を介して壁面に着脱自在に取り付けられた棚の前端部に押し上げる力が作用しても、前記嵌合を維持することができる着脱自在棚の支持構造及びその支持構造で用いられるストッパが提供され、本発明は、家具の技術分野に広く利用される可能性がある。
【図面の簡単な説明】
【0064】
【図1】本発明の実施の形態に係る着脱自在棚の支持構造を示す斜視図である。
【図2】図1のI−I線による拡大断面図である。
【図3】図1のII−II線による拡大断面図である。
【図4】作用を説明するための簡略化した側面図であり、取付レールや連結具を省略して示す。
【図5】ストッパをガラス製の棚板に装着した場合の簡略化した側面図であり、取付レールや連結具を省略して示す。
【図6】ストッパを別なる形態で装着した場合の簡略化した側面図であり、取付レールや連結具を省略して示す。
【図7】剛性向上を図り得る形状とされたストッパの側面図である。
【図8】同じく別なるストッパの側面図である。
【図9】同じく別なるストッパの側面図である。
【図10】棚の横滑りを防止し得る構成の簡略化した側面図であり、取付レールや連結具を省略して示す。
【図11】従来の着脱自在棚の支持構造を示す断面図である。
【符号の説明】
【0065】
3 棚
4,4A 棚板
5 連結具
6,6B〜6E ストッパ
21 溝部
41 切込部
53 挿入部
54 突起部
61,61B〜61E 第1水平面部(水平面部)
62,62B〜62E 垂直面部
63,63B〜63E 延長面部
64,64B〜64E 第2水平面部
65C〜65E 補強部
W 壁面
【技術分野】
【0001】
本発明は、壁面における着脱自在棚の支持構造及びその支持構造で用いられるストッパに関し、家具の技術分野に属する。
【背景技術】
【0002】
室内の壁面を構成するパネルに対し、棚を着脱自在に取り付けることがある。例えば特許文献1には、図11に示すように、壁面W上のパネルAに取付レールBが備えられており、この取付レールBの溝部B′に、棚Cに固定された連結具Dの挿入部D′を嵌合させる構造が開示されている。これにより、棚Cは、前記挿入部D′と溝部B′との嵌合離脱を介してパネルAに着脱自在とされ、また、装着状態では、前述した嵌合構造と、棚Cの荷重Xが負荷されて連結具Dの下部とパネルAとの当接箇所に生じる反力X1とにより、棚CはパネルAに安定して支持されるようになる。
【0003】
一方、特許文献2には、前述したような挿入部と溝部との嵌合構造を介してパネルに着脱自在に吊下げて使用される部材に、押し上げる力が作用しても吊下部材が上方に移動しないようにする構造が開示されている。すなわち、前記溝部に嵌合する挿入部を有して前記パネルに装着されると共に前記吊下部材の上端面に上方から当接するストッパが設けられている。
【0004】
【特許文献1】特開2004−250870号公報
【特許文献2】特許第3768988号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、前記特許文献1に記載の支持構造の場合、図11に示すように、棚Cの前端部に押し上げる力Zが作用すると、棚Cは前記嵌合箇所を中心として矢印aで示すように上向きに回動する結果、挿入部D′が溝部B′から離脱する不具合が生じることがある。その対策として、特許文献2に記載の構造を適用することが考えられるが、その場合の想像線で示すストッパEは、棚Cの後端部の前記嵌合箇所に近接した部位に当接するものであるので、前述したような嵌合箇所を中心とする棚Cの回動を阻止することはできず、挿入部D′は溝部B′から離脱することがある。
【0006】
そこで、本発明は、棚の挿入部と壁面の溝部との嵌合を介して壁面に着脱自在に取り付けられた棚の前端部に押し上げる力が作用しても、前記嵌合を維持することができる着脱自在棚の支持構造及びその支持構造で用いられるストッパの提供を課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記課題を解決するため、本発明は次のように構成したことを特徴とする。
【0008】
まず、請求項1に記載の発明は、壁面に設けられた水平方向に延びる溝部に挿入される挿入部を有し、壁面に対して水平姿勢で着脱自在に取り付けられる着脱自在棚の支持構造であって、前記棚を壁面に取り付けた状態で該棚の上面と壁面との間に形成されるコーナー部に装着され、棚の上面に対接する水平面部と、該水平面部の壁面側の端部から上方へ延びて前記壁面に対接する垂直面部とを有するストッパが備えられていることを特徴とする。
【0009】
なお、前記壁面は、この壁面に配設される保護用途や装飾用途のパネルを含む。
【0010】
次に、請求項2に記載の発明は、前記請求項1に記載の着脱自在棚の支持構造において、前記ストッパには、前記水平面部と、前記垂直面部に設けられた下方への延長面部と、該延長面部の下端部から前記水平面部と平行に延びる第2水平面部とで断面コ字状とされた係合部が設けられ、ストッパは、該係合部が前記棚の後方縁部を挟み込むことにより前記棚に装着されることを特徴とする。
【0011】
また、請求項3に記載の発明は、前記請求項2に記載の着脱自在棚の支持構造において、前記棚の後方縁部の端面には、後方に開口する切込部が設けられており、前記ストッパに設けられた前記両水平面部のうちのいずれか一方が該切込部に挿入されることにより、該ストッパが前記棚に装着されることを特徴とする。
【0012】
また、請求項4に記載の発明は、前記請求項3に記載の着脱自在棚の支持構造において、前記棚は、棚板と、該棚板に固着され、前記挿入部が設けられた連結具とで構成されており、前記棚の切込部は、前記棚板に設けられ、前記連結具に設けられた棚板との結合用突起部が挿入される切込部であることを特徴とする。
【0013】
また、請求項5に記載の発明は、前記請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の着脱自在棚の支持構造において、前記ストッパには、前記水平面部と垂直面部とを連結する補強部が設けられていることを特徴とする。
【0014】
また、請求項6に記載の発明は、壁面に設けられた水平方向に延びる溝部に挿入される挿入部を有し、壁面に対して水平姿勢で着脱自在に取り付けられる着脱自在棚の支持構造で用いられるストッパであって、前記棚の上面に対接する第1水平面部と、該第1水平面部の壁面側の端部から上方へ延びて前記壁面に対接する垂直面部と、該垂直面部に設けられた下方への延長面部と、該延長面部の下端部から前記第1水平面部と平行に延びる第2水平面部とを有し、前記第1水平面部と延長面部と第2水平面部とで断面コ字状とされた係合部が前記棚の後方縁部を挟み込むことにより該棚に装着されることを特徴とする。
【0015】
また、請求項7に記載の発明は、前記請求項6に記載の着脱自在棚の支持構造で用いられるストッパにおいて、前記第1水平面部と垂直面部とを連結する補強部が設けられていることを特徴とする。
【0016】
そして、請求項8に記載の発明は、前記7に記載の着脱自在棚の支持構造で用いられるストッパにおいて、前記第1水平面部と垂直面部と補強部とで断面略三角形状とされていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
まず、請求項1に記載の発明によれば、棚の上面と壁面との間に形成されるコーナー部には、棚の上面に対接する水平面部と壁面に対接する垂直面部とを有するストッパが備えられている。したがって、棚の前端部を押し上げる力が作用すると、壁面に対接する垂直面部が壁面からの反力を受けるので、垂直面部と水平面部とにより、挿入部と溝部との嵌合箇所を中心とする棚の前端部の上向きの回動が阻止される。すなわち、ストッパを備えた支持構造とすることにより、棚の挿入部と壁面の溝部との嵌合を介して壁面に着脱自在に取り付けられた棚の前端部に押し上げる力が作用しても、前記嵌合を維持することができる。
【0018】
次に、請求項2に記載の発明によれば、ストッパには、水平面部と延長面部と第2水平面部とで構成される係合部が設けられており、係合部が棚の後方縁部を挟み込むことによりストッパは棚に着脱自在に装着されるので、壁面への棚の装着位置を変更する場合には容易に対応することができる。
【0019】
また、請求項3に記載の発明によれば、棚の後方縁部の端面に切込部が設けられており、ストッパに設けられた両水平面部のうちのいずれか一方が、この切込部に挿入されるので、ストッパを棚に安定して装着することができる。特に、上側の水平面部が切込部に挿入される構成とすれば、棚の上方から水平面部がなくなり、外観がすっきりする。一方、第2水平面部が切込部に挿入される構成とすれば、第2水平面部が棚の下面に係合する構成に比較して両水平面部の間隔が短縮されるので、つまり延長面部が短縮されるので、ストッパの小型化が図られ、ストッパ機能を維持しつつ使用材料を削減することができる。
【0020】
また、請求項4に記載の発明によれば、棚が棚板と連結具とで構成されている場合に、前述した切込部は、連結具を棚板に結合するための突起部が挿入されるものであるので、共通の切込部で、棚板と連結具との結合と、ストッパの装着とが実現する。
【0021】
また、請求項5に記載の発明によれば、棚の左右両側にストッパが備えられているので、棚の前端部を押し上げる力が作用した場合には、棚が左右でこじれないように均等に上向きの回動が阻止される。
【0022】
また、請求項6に記載の発明によれば、着脱自在棚の支持構造で用いられるストッパは、棚の上面に対接する第1水平面部と、第1水平面部の壁面側の端部から上方へ延びて壁面に対接する垂直面部と、垂直面部に設けられた下方への延長面部と、延長面部の下端部から第1水平面部と平行に延びる第2水平面部とを有し、第1水平面部と延長面部と第2水平面部とで断面コ字状とされた係合部が棚の後方縁部を挟み込むことにより棚に装着される。
【0023】
その場合、棚の前端部を押し上げる力が作用すると、壁面に対接する垂直面部が壁面からの反力を受けるので、垂直面部と第1水平面部とにより、棚の挿入部と壁面の溝部との嵌合箇所を中心とする棚の前端部の上向きの回動が阻止される。すなわち、着脱自在棚の支持構造に前記ストッパを備えることにより、棚の挿入部と壁面の溝部との嵌合を介して壁面に着脱自在に取り付けられた棚の前端部に押し上げる力が作用しても、前記嵌合を維持することができる。
【0024】
また、請求項7に記載の発明によれば、ストッパには、水平面部と垂直面部とを連結する補強部が設けられているので、これらで形成される部位が強度面で補強される。すなわち、水平面部と垂直面部とでL字状に形成されている場合に比較して、棚の前端部を押し上げる力が作用したとき堅固に抗することができ、ストッパの耐久性が向上する。
【0025】
そして、請求項8に記載の発明によれば、ストッパは、水平面部と垂直面部と補強部とで略三角形状とされているので、例えば四角形状とされている場合に比較して、軽量化が図られ、剛性を維持しつつ使用材料を削減することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
以下、本発明の実施の形態に係る着脱自在棚の支持構造について説明する。なお、その場合に用いられるストッパは、本発明に係るストッパの実施の形態を構成する。
【0027】
図1に示すように、壁面Wにパネル1が配設されており、パネル1には、正面視で水平方向つまり横方向に延びる取付レール2が備えられている。また、パネル1には、棚3が水平姿勢で取り付けられている。また、棚3は、棚板4と連結具5とで構成されている。そして、棚3つまり棚板4の上面と壁面Wつまりパネル1との間に形成されるコーナー部には、左右に本発明の特徴部分であるストッパ6,6が備えられている。
【0028】
図2及び図3に示すように、壁面W上のパネル1には、例えばMDF(中密度繊維板)やLVL(単板積層材)等の木質材料が使用されており、また、所定箇所に正面視で水平方向つまり横方向に延びる凹部11が設けられており、この凹部11に、上下外面に抜け止め対策が施されたアルミニウムのような金属材料製の取付レール2が嵌入保持されている。そして、取付レール2には、前方になるほど下方に傾斜すると共に下方に若干凸状とされ、前方に開口する溝部21が設けられている。
【0029】
棚板4には、木質材料が使用されており、また、前端部の下部が切り欠かれた形状とされている。そして、棚板4の後方縁部は、後方に開口する切込部41により上側部分4aと下側部分4bとに二分されている。
【0030】
連結具5には、アルミニウムのような金属材料が使用されており、図示しない止着部材により前記棚板4に固着されることにより棚3が構成されている。連結具5は、棚板4に比較して横方向の寸法が狭い形状とされており(図1参照)、上下に延びる垂直面部51と、垂直面部51の上端部から棚板4の上面に沿って前方に延びる水平面部52と、水平面部52とは逆の後方に延びて、後方になるほど上方に傾斜すると共に下方に若干凸状とされた挿入部53と、水平面部51より少し下方に設けられて前方に延びる抜け止め用の断面鋸歯状の突起部54と、垂直面部51の下部に設けられて棚板4の下方を前方に延びる中空略三角形状とされた下方支持部55とを有している。
【0031】
その場合、垂直面部51は、棚板4の後方縁部の端面とパネル1の前面との隙間Gに位置し、水平面部52は、棚板4の上面に上方から係合し、挿入部53は、取付レール2の溝部21に嵌入し、突起部54は、棚板4の切込部41に挿入され、そして、下方支持部55は、その前端部近傍を介して棚板4を下方から支持する。
【0032】
これにより、棚板4ひいては棚3は、連結具5の挿入部53と取付レール2の溝部21との嵌合離脱を介してパネル1に着脱自在とされる。また、棚3がパネル1に取り付けられた状態では、棚3の荷重Xにより前端部に挿入部53と溝部21との嵌合箇所を中心として下向きのモーメントが作用するため、挿入部53が溝部21の上壁に強く押し付けられて嵌合状態が強化されると共に、連結具5の垂直面部51の下部51aとパネル1の前面との当接を介し、棚3はパネル1に安定して支持される。
【0033】
そして、図3に示すように、ストッパ6には、合成樹脂材料が使用されており、側面視で概ね逆F字状とされている。すなわち、ストッパ6は、棚板4の後方縁部の上面に沿って前方に延びて棚板4の上面に対接する第1水平面部61と、第1水平面部61のパネル1側の端部から上方へ延びてパネル1の前面に対接する垂直面部62と、垂直面部62から下方に延びる延長面部63と、延長面部63の下端部から第1水平面部61と平行に延びると共に棚板4の切込部41に挿入される第2水平面部64とを有し、第1及び第2水平面部61,64と延長面部63とで、前記棚板4の後方縁部つまり上側部分4aを挟み込む断面コ字状の係合部が設けられている。また、第1及び第2水平面部61,64の間隔は、前記上側部分4aの厚みtに略等しいので、棚板4に装着されたストッパ6はがたつかない。
【0034】
なお、延長面部63は、前記隙間Gに位置する。また、ストッパ6のパネル1側においては、パネル1の凹部11から若干突出する取付レール2に干渉しないように、所定範囲に亘り切り欠かれている。
【0035】
以上のように構成したことにより、まず、棚3の上面と壁面Wとの間に形成されるコーナー部には、棚3の上面に対接する第1水平面部61と壁面Wに対接する垂直面部62とを有するストッパ6が備えられている。したがって、棚3の前端部を押し上げる力が作用すると、壁面Wに対接する垂直面部62が壁面Wからの反力を受けるので、垂直面部62と第1水平面部61とにより、挿入部53と溝部21との嵌合箇所を中心とする棚3の前端部の上向きの回動が阻止される。すなわち、ストッパ6を備えた支持構造とすることにより、棚3の挿入部53と壁面Wの溝部21との嵌合を介して壁面Wに着脱自在に取り付けられた棚3の前端部に押し上げる力が作用しても、前記嵌合を維持することができる。
【0036】
次に、ストッパ6には、第1水平面部61と延長面部63と第2水平面部64とで構成される係合部が設けられており、係合部が棚3の後方縁部つまり上側部分4aを挟み込むことによりストッパ6は棚3に着脱自在に装着されるので、壁面Wへの棚3の装着位置を変更する場合には容易に対応することができる。
【0037】
また、棚3の後方縁部の端面に切込部41が設けられており、ストッパ6に設けられた第2水平面部64が、この切込部41に挿入されるので、ストッパ6を棚3に安定して装着することができる。そして、第2水平面部が棚3の下面に係合する構成に比較して両水平面部61,64の間隔が短縮されるので、つまり延長面部63が短縮されるので、ストッパ6の小型化が図られ、ストッパ機能を維持しつつ使用材料を削減することができる。
【0038】
また、棚3が棚板4と連結具5とで構成されており、前述した切込部41は、連結具5を棚板4に結合するための突起部54が挿入されるものであるので、共通の切込部41で、棚板4と連結具5との結合と、ストッパ6の装着とが実現する。
【0039】
そして、棚3の左右両側にストッパ6,6が備えられているので、棚3の前端部を押し上げる力が作用した場合には、棚3が左右でこじれないように均等に上向きの回動が阻止される。
【0040】
ここで、ストッパ6の基本的な作用につき図4を用いて補足説明する。棚板4の前端部に押し上げる力Zが作用すると、この棚板4は、図示しない連結具5の挿入部53と取付レール2の溝部21との嵌合箇所を中心として矢印aで示すように回動しようとする。その場合に、ストッパ6を備えたため、パネル1の前面に対接する垂直面部62に作用するパネル1からの反力Z1と、棚板4の上面に対接する第1水平面部61からの反力Z2とにより、棚板4の回動が阻止されるのである。
【0041】
次に、棚板がガラス製の場合について説明する。
【0042】
ガラス製の棚板では、通常は木質材料製の棚板4におけるような後方縁部の切込部41は設けられていない。その場合には、図5に示すように、前述したと同様のストッパ6は、パネル1に取り付けられた棚板4Aの後方縁部を、第1及び第2水平面部61,64と延長面部63とで挟み込むように備えられる。なお、水平面部61,64の間隔を棚板4Aの板厚tに略等しくすることにより、ストッパ6をがたつきなく棚板4Aに装着することができる。
【0043】
次に、ストッパを別なる形態で棚板に装着した場合について説明する。
【0044】
図6に示すストッパ6Bは、前記ストッパ6と略同様に、第1水平面部61B、垂直面部62B、延長面部63B、及び第2水平面部64Bを有しているが、第1水平面部61Bが棚板4の切込部41に挿入され、第2水平面部64Bが棚板4の下面に係合する点で、前記ストッパ6とは異なる。なお、第1及び第2水平面部61B,64Bの間隔を、上側部分4aと下側部分4bとに二分されたうちの下側部分4bの厚みt1に略等しくすることにより、ストッパ6Bをがたつきなく棚板4に装着することができる。
【0045】
詳細な説明は省略するが、この場合にも、棚板4の前端部に押し上げる力が作用して、棚板4が、図示しない連結具5と取付レール2との嵌合箇所を中心として上向きに回動しようとするのに対し、パネル1の前面に対接する垂直面部62Bと切込部41に挿入された第1水平面部61とにより、前述した回動が阻止される。したがって、連結具5と取付レール2との嵌合が維持される。なお、この場合、切込部41の下壁も、請求項1に記載の発明における棚の上面に含まれる。
【0046】
そして、上側の第1水平面部61Bが切込部41に挿入される構成であるので、棚板4つまり棚3の上方から第1水平面部61Bがなくなり、外観がすっきりする。
【0047】
次に、ストッパの別なる形状例について説明する。すなわち、前述したストッパ6における第1水平面部61と垂直面部62との境界付近の剛性向上を図りたい場合には、例えば以下の構成が好ましい。
【0048】
まず、図7に示すストッパ6Cは、第1水平面部61C、垂直面部62C、延長面部63C、及び第2水平面部64Cを有し、さらに、第1水平面部61Cと垂直面部62Cとが補強部65Cで連結され、第1水平面部61Cと垂直面部62Cと補強部65Cとで断面略四角形状とされている。
【0049】
これにより、第1水平面部61Cより上方の部位が剛性面で補強される。すなわち、このストッパ6Cは、前記ストッパ6のような第1水平面部61と垂直面部62とでL字状に形成されている場合に比較して、棚3の前端部を押し上げる力が作用したとき堅固に抗することができ、耐久性が向上する。
【0050】
次に、図8に示すストッパ6Dは、第1水平面部61D、垂直面部62D、延長面部63D、及び第2水平面部64Dを有し、さらに、第1水平面部61Dと垂直面部62Dとが後方になるほど直線状に上方に傾斜する補強部65Dで連結され、第1水平面部61Dと垂直面部62Dと補強部65Dとで断面略三角形状とされている。
【0051】
これにより、このストッパ6Dも、補強部65Dが設けられているので、耐久性が向上する。さらに、前記三部位61D,62D,65Dで略三角形状とされているので、例えば四角形状とされている前記ストッパ6Cに比較して、軽量化が図られ、剛性を維持しつつ使用材料を削減することができる。
【0052】
そして、図9に示すストッパ6Eは、第1水平面部61E、垂直面部62E、延長面部63E、及び第2水平面部64Eを有し、さらに、第1水平面部61Eと垂直面部62Eとが上方に向けて凸状に湾曲する補強部65Eで連結されている。
【0053】
これにより、前記ストッパ6Dと同様の作用効果が得られた上で、ストッパ6Eに意匠性を付与することができる。
【0054】
そして、いずれのストッパ6C,6D,6Eにおいてにも、図中想像線で示すように、第1水平面部61C,61D,61Eより上方の部位を中空構造とすることにより、剛性を維持しつつさらなる使用材料の削減を図ることができる。
【0055】
なお、本発明は、具体的に詳述した前記実施の形態に限定されない。
【0056】
例えば、前記実施の形態では、取付レール2の溝部21に嵌入される挿入部53は連結具5に設けられていたが、棚板4に一体に挿入部を設けた構成としてもよい。
【0057】
また、前記実施の形態では、ストッパ6は、棚3の左右両側に備えられていたが、例えば横幅寸法が狭い棚の場合には、片側のみに備えてもよい。
【0058】
また、ストッパ6,6B〜6Eには、合成樹脂材料の他に、木質材料、金属材料、複合材料等、ストッパ機能を示すのに必要な強度を有しているものであればよい。
【0059】
ところで、壁面Wに取り付けられた棚3が不用意に左右に横滑りすることにより、取付レール2が損傷されるおそれがある場合には、例えば、図10に示すような合成樹脂製のストッパ6を使用することができる。すなわち、このストッパ6では、自然状態で、対向する第1及び第2水平面部61,64の先端部が互いに若干近接し、かつ、垂直面部62は、若干後傾している。このストッパ6を棚板4に装着するときには、棚板4の後方縁部の上側部分4aで第1及び第2水平面部61,64を押し広げながら装着する。
【0060】
こうすることにより、第1及び第2水平面部61,64による弾性反発力により棚板4の上側部分4aは強固に挟持され、ストッパ6は容易には横方向に移動しない。その上で、垂直面部62による弾性反発力により垂直面部62とパネル1との間に摩擦力が生じ、棚3の横滑り防止に効果的となる。その場合、図1に示したように、ストッパ6を、棚3の左右両側つまり連結具5の左右端面に隣接するように備えるのが好ましい。
【0061】
なお、前述した構成は、このストッパ6の着脱性を阻害しない範囲で適用されるのが望ましい。また、自然状態で、第1及び第2水平面部61,64の先端部を互いに若干近接させるか、垂直面部62を若干後傾させるか、いずれか一方の措置を取ってもよい。
【0062】
そして、別なる横滑り防止策として、ストッパの第1及び第2水平面部の棚板を挟み込む側の面や垂直面部のパネルに対接する側の面に対し、粗面化処理やゴムのような摩擦材貼付等の適宜の高摩擦化処理を施してもよい。
【産業上の利用可能性】
【0063】
以上説明したように、本発明によれば、棚の挿入部と壁面の溝部との嵌合を介して壁面に着脱自在に取り付けられた棚の前端部に押し上げる力が作用しても、前記嵌合を維持することができる着脱自在棚の支持構造及びその支持構造で用いられるストッパが提供され、本発明は、家具の技術分野に広く利用される可能性がある。
【図面の簡単な説明】
【0064】
【図1】本発明の実施の形態に係る着脱自在棚の支持構造を示す斜視図である。
【図2】図1のI−I線による拡大断面図である。
【図3】図1のII−II線による拡大断面図である。
【図4】作用を説明するための簡略化した側面図であり、取付レールや連結具を省略して示す。
【図5】ストッパをガラス製の棚板に装着した場合の簡略化した側面図であり、取付レールや連結具を省略して示す。
【図6】ストッパを別なる形態で装着した場合の簡略化した側面図であり、取付レールや連結具を省略して示す。
【図7】剛性向上を図り得る形状とされたストッパの側面図である。
【図8】同じく別なるストッパの側面図である。
【図9】同じく別なるストッパの側面図である。
【図10】棚の横滑りを防止し得る構成の簡略化した側面図であり、取付レールや連結具を省略して示す。
【図11】従来の着脱自在棚の支持構造を示す断面図である。
【符号の説明】
【0065】
3 棚
4,4A 棚板
5 連結具
6,6B〜6E ストッパ
21 溝部
41 切込部
53 挿入部
54 突起部
61,61B〜61E 第1水平面部(水平面部)
62,62B〜62E 垂直面部
63,63B〜63E 延長面部
64,64B〜64E 第2水平面部
65C〜65E 補強部
W 壁面
【特許請求の範囲】
【請求項1】
壁面に設けられた水平方向に延びる溝部に挿入される挿入部を有し、壁面に対して水平姿勢で着脱自在に取り付けられる着脱自在棚の支持構造であって、
前記棚を壁面に取り付けた状態で該棚の上面と壁面との間に形成されるコーナー部に装着され、棚の上面に対接する水平面部と、該水平面部の壁面側の端部から上方へ延びて前記壁面に対接する垂直面部とを有するストッパが備えられていることを特徴とする着脱自在棚の支持構造。
【請求項2】
前記請求項1に記載の着脱自在棚の支持構造において、
前記ストッパには、前記水平面部と、前記垂直面部に設けられた下方への延長面部と、該延長面部の下端部から前記水平面部と平行に延びる第2水平面部とで断面コ字状とされた係合部が設けられ、
ストッパは、該係合部が前記棚の後方縁部を挟み込むことにより前記棚に装着されることを特徴とする着脱自在棚の支持構造。
【請求項3】
前記請求項2に記載の着脱自在棚の支持構造において、
前記棚の後方縁部の端面には、後方に開口する切込部が設けられており、
前記ストッパに設けられた前記両水平面部のうちのいずれか一方が該切込部に挿入されることにより、該ストッパが前記棚に装着されることを特徴とする着脱自在棚の支持構造。
【請求項4】
前記請求項3に記載の着脱自在棚の支持構造において、
前記棚は、棚板と、該棚板に固着され、前記挿入部が設けられた連結具とで構成されており、
前記棚の切込部は、前記棚板に設けられ、前記連結具に設けられた棚板との結合用突起部が挿入される切込部であることを特徴とする着脱自在棚の支持構造。
【請求項5】
前記請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の着脱自在棚の支持構造において、
前記ストッパは、前記棚の左右両側にそれぞれ備えられていることを特徴とする着脱自在棚の支持構造。
【請求項6】
壁面に設けられた水平方向に延びる溝部に挿入される挿入部を有し、壁面に対して水平姿勢で着脱自在に取り付けられる着脱自在棚の支持構造で用いられるストッパであって、
前記棚の上面に対接する第1水平面部と、該第1水平面部の壁面側の端部から上方へ延びて前記壁面に対接する垂直面部と、該垂直面部に設けられた下方への延長面部と、該延長面部の下端部から前記第1水平面部と平行に延びる第2水平面部とを有し、
前記第1水平面部と延長面部と第2水平面部とで断面コ字状とされた係合部が前記棚の後方縁部を挟み込むことにより該棚に装着されることを特徴とする着脱自在棚の支持構造で用いられるストッパ。
【請求項7】
前記請求項6に記載の着脱自在棚の支持構造で用いられるストッパにおいて、
前記第1水平面部と垂直面部とを連結する補強部が設けられていることを特徴とする着脱自在棚の支持構造で用いられるストッパ。
【請求項8】
前記請求項7に記載の着脱自在棚の支持構造で用いられるストッパにおいて、
前記第1水平面部と垂直面部と補強部とで断面略三角形状とされていることを特徴とする着脱自在棚の支持構造で用いられるストッパ。
【請求項1】
壁面に設けられた水平方向に延びる溝部に挿入される挿入部を有し、壁面に対して水平姿勢で着脱自在に取り付けられる着脱自在棚の支持構造であって、
前記棚を壁面に取り付けた状態で該棚の上面と壁面との間に形成されるコーナー部に装着され、棚の上面に対接する水平面部と、該水平面部の壁面側の端部から上方へ延びて前記壁面に対接する垂直面部とを有するストッパが備えられていることを特徴とする着脱自在棚の支持構造。
【請求項2】
前記請求項1に記載の着脱自在棚の支持構造において、
前記ストッパには、前記水平面部と、前記垂直面部に設けられた下方への延長面部と、該延長面部の下端部から前記水平面部と平行に延びる第2水平面部とで断面コ字状とされた係合部が設けられ、
ストッパは、該係合部が前記棚の後方縁部を挟み込むことにより前記棚に装着されることを特徴とする着脱自在棚の支持構造。
【請求項3】
前記請求項2に記載の着脱自在棚の支持構造において、
前記棚の後方縁部の端面には、後方に開口する切込部が設けられており、
前記ストッパに設けられた前記両水平面部のうちのいずれか一方が該切込部に挿入されることにより、該ストッパが前記棚に装着されることを特徴とする着脱自在棚の支持構造。
【請求項4】
前記請求項3に記載の着脱自在棚の支持構造において、
前記棚は、棚板と、該棚板に固着され、前記挿入部が設けられた連結具とで構成されており、
前記棚の切込部は、前記棚板に設けられ、前記連結具に設けられた棚板との結合用突起部が挿入される切込部であることを特徴とする着脱自在棚の支持構造。
【請求項5】
前記請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の着脱自在棚の支持構造において、
前記ストッパは、前記棚の左右両側にそれぞれ備えられていることを特徴とする着脱自在棚の支持構造。
【請求項6】
壁面に設けられた水平方向に延びる溝部に挿入される挿入部を有し、壁面に対して水平姿勢で着脱自在に取り付けられる着脱自在棚の支持構造で用いられるストッパであって、
前記棚の上面に対接する第1水平面部と、該第1水平面部の壁面側の端部から上方へ延びて前記壁面に対接する垂直面部と、該垂直面部に設けられた下方への延長面部と、該延長面部の下端部から前記第1水平面部と平行に延びる第2水平面部とを有し、
前記第1水平面部と延長面部と第2水平面部とで断面コ字状とされた係合部が前記棚の後方縁部を挟み込むことにより該棚に装着されることを特徴とする着脱自在棚の支持構造で用いられるストッパ。
【請求項7】
前記請求項6に記載の着脱自在棚の支持構造で用いられるストッパにおいて、
前記第1水平面部と垂直面部とを連結する補強部が設けられていることを特徴とする着脱自在棚の支持構造で用いられるストッパ。
【請求項8】
前記請求項7に記載の着脱自在棚の支持構造で用いられるストッパにおいて、
前記第1水平面部と垂直面部と補強部とで断面略三角形状とされていることを特徴とする着脱自在棚の支持構造で用いられるストッパ。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2009−191440(P2009−191440A)
【公開日】平成21年8月27日(2009.8.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−30007(P2008−30007)
【出願日】平成20年2月12日(2008.2.12)
【出願人】(000000413)永大産業株式会社 (243)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年8月27日(2009.8.27)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年2月12日(2008.2.12)
【出願人】(000000413)永大産業株式会社 (243)
【Fターム(参考)】
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