説明

皮膚を通して投薬される外用組成物

【課題】皮膚を通して投薬される外用組成物
【解決手段】本発明は皮膚を通して投薬される外用組成物に関し、該組成物は主としてビタミンC、ビタミンB群、カロチン、ビタミンE、香料、表面活性剤により組成され、局部に使用されると共に皮膚の保養に用いられ、且つ座瘡、コメドー、にきびを治療改善及び抗酸化作用を有する薬物組成物である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は皮膚を通して投薬される外用組成物に関し、当該組成物は皮膚を保養するとともに、皮膚座瘡、コメドー、にきびを治療改善、及び抗酸化作用を有する、無ビタミンA酸の局部使用の薬物組成物である。
【背景技術】
【0002】
人体皮膚の組織は表皮、真皮、皮下脂肪組織、皮脂腺、汗腺、毛髪及び爪からなり、表皮下の一層は真皮と称し、毛髪は周囲の毛嚢により包囲され、その側面には皮脂腺がある。皮脂腺は皮脂を分泌でき、皮脂は毛髪及び毛嚢を経由して皮膚表面に浸透した後脂肪フィルムとなり、皮膚表面に付着して皮膚を保護する機能を有する。皮脂腺の多寡は皮膚の類型を影響し、通常油性皮膚、乾性皮膚及び混合性皮膚に分けられる。
【0003】
座瘡は通常コメドーと認識され、にきびは一種の毛嚢、皮脂腺の慢性炎症に属する。にきびは通常額・鼻翼周囲、両頬、甚だしくは背部、前胸、太股等全身の毛嚢のある所に出現し、その呈する症状の相違に応じてコメドー型、炎症型及び嚢腫型に区分される。青春期の男女は性腺が成熟を開始、睾丸及び卵巣、腎上腺の雄性ホルモン含量が高くなるので、人体皮膚の皮脂腺を刺激して肥大させ、大量の皮脂を分泌して皮脂腺及び毛嚢につみ重ね、細菌作用により炎症を引起す。通常先ず黒頭コメドー又は白頭コメドーを形成し、コメドーが再度細菌に感染されると丘疹、膿疱、結節、嚢腫等の症候、つまりにきびを形成する。そして男性ホルモンが多すぎると顔のT字部位及び眼皮下の皮膚に赤み、痒み、熱やけど、脱皮の現象が出現する恐れがあり、甚だしくは、時には脂漏性皮炎と称する毛細血管が出現する。
【0004】
上記問題を改善するために、通常皮膚への清潔、殺菌作用を有し、皮膚の水分蒸発の防止及び保湿作用等の効果を増進する外用剤を必要とする。例えばアメリカ特許第3,574,854号に皮膚の乳霜を柔軟にすることができる含塩化成分に関することが記載されてあり、ドイツ特許公開第3,327,840号の説明書に鉱物質塩類を含んで肌膚を衛生潔浄させることが開示されている。米国特許第3,859,436号にブドウ糖を混合して肌膚を潤滑させる糖類が記載され、そして米国特許3,777,597号公報にひげを剃る場合ブドウ糖水溶液を使用しなければならないと記載している。
【0005】
その中で、塩化ナトリウムは体液浸透圧を維持する主体となり、特に0.9%溶液は生理塩水と称されているが、高濃度塩化ナトリウムは皮膚より吸収できず、返って皮膚粘膜を刺激して脱水作用を引起す。したがって塩化ナトリウムの外用剤を添加すれば皮膚を刺激又は殺菌できるが、皮膚水分の蒸発を防止する湿気保持作用の促進は生じがたい。ブドウ糖は糖分原質を向上して全身の細胞機能を亢進させ、生物体代謝機能を増進する栄養剤である他、解毒作用をも有しているが、服薬補給として静脈注射又は肌肉注射を通して補給を提供しなければ、皮膚に直接塗る外用剤において、たとえブドウ糖を添加してもブドウ糖により呈される上記の特有効果に達しがたい。
【0006】
既に各種の治療剤及び化粧剤が多種の皮膚症状に用いられ、例えば異位性皮膚炎中の掻痒及び紅斑に対して用いられるアルゴン化コーチゾン、皮膚黴菌感染用のソルコナゾル ニトレート(Sulconazole nitrate)、光老化用のトレチノイン(tretinoin)、および乾癬及び皮膚癌用の5−フルオルウラシルが用いられる。皮膚病治療薬物には通常浸透促進剤、例えばジメチルスルホキシド(DMSO)、ジメチルホルムアミド、メチルデシルスルホキシド(米国特許第3,527,864号)、ジメチルアセトアミド(米国特許第3,472,931号)、及びN−アルキル−2−プロリドン(米国特許3,696,516号)が添加される。しかしながら上記浸透促進剤系はそれぞれ欠点があり、例えばジメチルスルオキシドには異味及び体臭があるので皮膚やけど及び紅斑を来して水晶体皮膚の透明性を低減させ、甚だしくは動物組織壊死を引起す(Martindale, The Extra Pharmacopoeia, Pages 1461-1463, Twenty-Seventh Edition, 1977)。ジメチルホルムアミド及びジメチルアセトアミドも焼灼感及び紅斑を引起す。
【0007】
また、Trebosc等の米国特許第5,030,451号には含改良カフェイン派生物を活性剤とした化粧用組成物が開示され、該公開の処方は「良好及び長期効果の分解脂肪の性質を有しているので痩身及び皮膚粒の治療方面に有効である」ことが証明された。Mausner 米国特許第5,215,759号には、メチル シラノール テオフィリン アセテート アルギナート(methyl silanol theophylin acetate algrinate)及びメチル シラノール マンナロネート(methyl silanol mannuronate)を使用して脱脂肪の成分とすることが開示されている。例えばクリッグマン(Kligman)の米国特許第5,051,449号では局部的にレチノイド(retinoid)を施用することにより、有限的に脂肪粒を改善でき、皮膚増厚、新血管増加の他に、はさみテストにより中度ないし顕著な改善を観察できると強調している。
【0008】
米国特許出願第20020099094号にはアミノレビュリン酸光力学治療法(aminolevulinic acid-photodynamic therapy)が開示されている。またアメリカ特許出願第20020061855号には水、グリコールを使用して座瘡を治療する組成物が開示されている他、アメリカ特許出願第20010056071号にリスベラトロール(resveratrol)(3,4’,5-trihydroxy-trans-stilbene)、メラトニン(melatonin)、ビタミンD、E、Aを使用して座瘡を治療する組成物が開示されている。
【0009】
他に、ShapiroSS及びSaliouC.は2001年Nutrition第17巻第10期第839〜第844ページに、ビタミンA、ビタミンD及びその派生物にビタミンC、ビタミンE及び補酵素Q等の抗酸化物を取り組ませると、皮膚を改善し、座瘡を治療できると説明した。ビタミンA酸は又、トレチノイン(Tretinoin)、レチノイド(Retinoids)と称し、その構造はビタミンAの派生物に属するが、主たる作用は角質を除去することにあり、表皮の角質層最上層の角質を除去できるので、毛孔の閉塞を改善できる外、皮膚の皺及び顔周辺の血流循環を改善でき、角質合成を抑制してにきびの形成を防止できる。しかしながら、多数ビタミンA酸の製品は肌膚に光敏感を発生させ、過度に使用すると皮膚に乾燥、紅腫、発熱、発痒、皮炎等の副作用を引起す等の欠点が存在している。
【0010】
上記の説明から分かるように、従来の特許文献に記載されている外用組成物は座瘡の治療、脱脂肪、多種皮膚症状の治療等の効果を有するが、いずれも皮膚に対して傷害を生ずる欠点がある。
【発明の開示】
【発明の内容】
【0011】
本発明の目的は皮膚を保養すると共に皮膚の座瘡、コメドー、にきびを改善治療して抗酸化作用を具備した無ビタミンA酸の組成物、即ち皮膚を通して投薬される外用組成物を提供することにある。
【0012】
本発明により提供される、皮膚を通して投薬される外用組成物において、その主要成分はビタミンC1〜45%w/w、ビタミンB群1〜5%w/w、カロチン1〜3%w/w、及びビタミンE2〜90%w/wを包含する。
【0013】
また本発明により提供される、皮膚を通して投薬される外用組成物において、その主要成分はビタミンC4〜15%w/w、ビタミンB群1〜3%w/w、カロチン1〜2%w/w、及びビタミンE20〜65%w/wを包含する;上記の外用組成物において、その組成は更に香料0.1〜2%w/w、増稠剤1〜5%w/w、表面活性剤w/w及び適量の蒸留水を含む。
【0014】
上記の外用組成物は皮膚の局部位置に応用される。
【0015】
本発明は更に、座瘡、コメドー、にきびに対して治療作用を有する薬物の製備に用いられ、且つ皮膚の保養に用いられると共に抗酸化作用を有する、皮膚を通して投薬される外用組成物を提供する。この組成物の主要成分はビタミンC1〜45%w/w、ビタミンB群1〜5%w/w、カロチン1〜3%w/w、ビタミンE2〜90%w/w、香料0.1〜2%w/w、増稠剤1〜5%w/w、表面活性剤1〜8%w/w及び適量の蒸留水である。
【0016】
本発明により提供される外用組成物において、その主要成分は1〜45%w/wのビタミンC、1〜5%w/wのビタミンB群、1〜3%w/wのカロチン、2〜90%w/wのビタミンE、0.1〜2%w/wの香料、1〜5%w/wの増稠剤、1〜8%w/wの表面活性剤及び適量の蒸留水により組成される。各組成の含量の和は100%である。
【0017】
本発明により提供される組成物は皮膚を保養できる外、皮膚の座瘡、コメドー、にきびを治療改善できると共に抗酸化作用を有する。ビタミンA酸を含まないので、肌膚に光敏感を発生させず、皮膚病状を改善すると同時に皮膚の乾燥、紅腫、発熱、発痒、皮炎等の副作用を回避でき、長期使用しても過量問題を生じない。
【0018】
以下、具体的な実施例を挙げて添付図面を参照しながら説明する。より容易に本発明の目的、技術内容、特点及び効果が了解されるであろう。
【発明の実施の形態】
【0019】
本発明はビタミンA酸を含まず、皮膚を保養できると共に座瘡、コメドー、にきび等の皮膚症状を治療改善できる組成物、即ち皮膚を通して投薬される外用組成物を提供する。
【0020】
本発明の外用組成物は主としてビタミンC、ビタミンB群、カロチン、ビタミンE、香料、増稠剤及び表面活性剤により組成されてなる。該組成物成分は人体に不可欠なビタミンであり、且つその主要成分にはビタミンA酸を含まず、長期使用しても過量問題を生じない。ビタミンは体内における需要量は少ないが、その働きは極めて重要であり、人体において自己合成できないので外界から吸収しなければならない。その中でビタミンCは人体中に過酸化の発生を防止する脂質を有し、膠原質(collagen)の形成を促進して多種の酵素を補助すると共に、細胞老化の機能を遅緩させ、且つ血液循環を促進して黒色素を徐々に還元させることができる。したがって普遍的に皮膚の再生を助け、黒色素の再生を抑制して免疫力を増強できると認定されている。
【0021】
ビタミンB群は単一でなく、数種を一緒に合せてなるビタミンであり、ビタミンB1(thiamin)、ビタミンB2(riboflavin)、ニアシン、ビタミンB5(pantothenic acid)、ビタミンB6(Pyridoxal)、葉酸(folic acid)、ビタミンB12(cobalamin)及び生物素(biotin)等の成分からなり、その主要成分はブドウ糖の酸化を促進する助酵素(coenzyme)であり、脂肪及び蛋白質はエネルギーを放出して神経系統の正常機能を維持するものであることから、細胞の成長、再生、血球生成及び核蛋白とミエリンとの合成に不可欠であり、且つ葉酸を活性化して酵素を補助し赤血球の生成を促進することができる。
【0022】
ビタミンEは抗酸化剤として認定され、血小板の凝集を抑制し、赤血球細胞膜が酸化して破壊されたために貧血を引起すのを防止することができ、組織内で細胞膜の完備を維持すると共に亜麻油酸の正常機能を促進して、肌肉及び神経組織の構造と機能とを保護することにより端末血管の血流量を増加し、効果的に血流状況を改善することができる。ビタミンEは上記の活性を具備しているが、目前市販の銘柄中例えばビタミンEにWal Greenを取り組ませた商品、又はビタミンEを含んだL’oreal Furtur Eには皮膚の保養を有していること、又は座瘡、コメドー、にきびを治療すること、及び抗酸化の機能を有していることが記載されていない。本発明による組成物の活性実験から、該組成物の処方比例の主要成分は良好な効果を有していることが顕示されている。したがって、本発明による組成物はビタミンC、ビタミンB群、カロチン、ビタミンE、香料、増稠剤、表面活性剤により組成されているが、従来の技術より暗示又は推定できない。
【0023】
本発明による組成物の主要成分はビタミンC1〜45%w/w、ビタミンB群1〜5%w/w、カロチン1〜3%w/w、ビタミンE2〜90%w/w、香料0.1〜2%w/w、増稠剤1〜5%w/w、表面活性剤1〜8%w/w及び適量の蒸留水に組成されてなる。その主要成分の比例はビタミンC4〜15%w/w、ビタミンB群1〜3%w/w、カロチン1〜2%w/w、ビタミンE20〜65%w/wが優先的に選択される。
【0024】
本発明は局部的に投薬して座瘡、コメドー、にきびを治療できる組成物、即ちビタミン酸Aを含まない組成物を提供する。本発明の組成物はビタミンC、ビタミンB群、カロチン、ビタミンE、香料、増稠剤及び表面活性剤により組成されるので、皮膚を通して投薬して皮膚・顔面等の肢体の局部位置に施用され、皮膚の保養、座瘡、コメドー、にきび等の症状を治療改善して抗皮膚酸化の効果を達成することができる。
【0025】
その中、該局部に投薬する組成物は必要な場合、各種賦形剤、担体又は希釈剤を添加して直接患部に塗布する軟膏剤型、乳剤、洗剤又は貼剤を提供することができる。該剤型は本分野における従来の製剤方法において澱粉、カルボキシメチルセルロース・ナトリウム等の粘合剤を添加し、又は燐酸塩等の緩衝液で酸アルカリ度を調整してそのpH値を適当な程度に達しさせる。該剤型は又、従来の方法に基づいて浸透促進剤を添加できる他、甘草等の天然植物抽出物を選択使用できる。
【0026】
実施例1
処方 L0−108
ビタミンE 65
ビタミンC 4
ビタミンB群−complex 1
カロチン(carotene) 1
香料(Flavor) 1
表面活性剤(Surfactant) 6.5
増稠剤(Thickenig agent) 4
蒸留水 30
上記原料ビタミンC、ビタミンB群−complexを少量の蒸留水に溶解し、カロチン(carotene)、ビタミンE、香料(Flavor)、表面活性剤(Surfactant)及び増稠剤(Thickening agent)を混合した。しかる後両溶液を混合すると共に蒸留水量を補足した。
【0027】
実施例2
処方 L0−110
ビタミンE 20
ビタミンC 20
ビタミンB群−complex 2
カロチン(carotene) 2
香料(Flavor) 2
表面活性剤(Surfactant) 8
増稠剤(Thickenig agent) 1
蒸留水 20
上記原料ビタミンC、ビタミンB群−complexを少量の蒸留水に溶解し、他にカロチン(carotene)、ビタミンE、香料(Flavor)、表面活性剤(Surfactant)及び増稠剤を混合した。しかる後両溶液を混合すると共に蒸留水量を補足した。
【0028】
実施例3
処方 L0−122
ビタミンE 85
ビタミンC 2
ビタミンB群−complex 1
カロチン(carotene) 1
香料(Flavor) 0.1
表面活性剤(Surfactant) 3
増稠剤(Thickenig agent) 2
浸透促進剤 0.5
蒸留水 15
上記原料ビタミンC、ビタミンB群−complexを少量の蒸留水中に溶解し、他にカロチン(carotene)、ビタミンE、香料(Flavor)、表面活性剤(Surfactant)及び増稠剤を混合した。しかる後両溶液を混合すると共に蒸留水量を補足した。
【0029】
実施例4
処方 L0−130
ビタミンE 40
ビタミンC 10
ビタミンB群−complex 3
カロチン(carotene) 2
香料(Flavor) 2
表面活性剤(Surfactant) 10
増稠剤(Thickenig agent) 5
蒸留水 20
上記原料ビタミンC、ビタミンB群−complexを少量の蒸留水中に溶解し、他にカロチン(carotene)、ビタミンE、香料(Flavor)、表面活性剤(Surfactant)及び増稠剤を混合した。しかる後、両溶液を混合すると共に蒸留水量を補足した。
【0030】
実施例5
処方 L0−18
ビタミンE 90
ビタミンC 1
ビタミンB群−complex 1
カロチン(carotene) 1
香料(Flavor) 0.5
表面活性剤(Surfactant) 3
増稠剤(Thickenig agent) 3
蒸留水 qs
上記原料ビタミンC、ビタミンB群−complexを少量の蒸留水中に溶解し、他にカロチン(carotene)、ビタミンE、香料(Flavor)、表面活性剤(Surfactant)及び増稠剤を混合した。しかる後両溶液を混合すると共に蒸留水量を補足した。
【0031】
実施例6
処方 L0−27
ビタミンE 30
ビタミンC 45
ビタミンB群−complex 1
カロチン(carotene) 2
香料(Flavor) 2
表面活性剤(Surfactant) 8
増稠剤(Thickenig agent) 1
浸透促進剤 0.1
蒸留水 qs
上記原料ビタミンC、ビタミンB群−complexを少量の蒸留水中に溶解し、他にカロチン(carotene)、ビタミンE、香料(Flavor)、表面活性剤(Surfactant)及び増稠剤を混合した。しかる後、両溶液を混合すると共に蒸留水量を補足した。
【0032】
実施例7
処方 L0−22
ビタミンE 80
ビタミンC 8
ビタミンB群−complex 4
カロチン(carotene) 3
香料(Flavor) 0.1
表面活性剤(Surfactant) 3
増稠剤(Thickenig agent) 2
蒸留水 qs
上記原料ビタミンC、ビタミンB群−complexを少量の蒸留水中に溶解し、他にカロチン(carotene)、ビタミンE、香料(Flavor)、表面活性剤(Surfactant)及び増稠剤を混合した。しかる後両溶液を混合すると共に蒸留水量を補足した。
【0033】
実施例8
処方 L0−39
ビタミンE 30
ビタミンC 10
ビタミンB群−complex 5
カロチン(carotene) 2
香料(Flavor) 2
表面活性剤(Surfactant) 10
増稠剤(Thickenig agent) 5
浸透促進剤 1.5
蒸留水 qs
上記原料ビタミンC、ビタミンB群−complexを少量の蒸留水中に溶解し、他にカロチン(carotene)、ビタミンE、香料(Flavor)、表面活性剤(Surfactant)及び増稠剤を混合した。しかる後、両溶液を混合すると共に蒸留水量を補足した。
【0034】
活性実験:
試験1:座瘡患者がLo−108を使用した場合の治療効果の評価
材料及び方法:本試験は開放式臨床効能評価方法を採用し、2001年2月から8月までの半年内の外来患者中の座瘡患者60名(男性30名,女性30名)を選択した。患者の年齢は17〜42才、平均25才である。Lo−108を使用して合計6ヵ月の間局部的な塗布治療を行い、毎日3時間ないし8時間(夜通し)塗布した。2週間毎に一回受診し、座瘡数量及び性質の変改を記録した。以下にその方法を示す。
【0035】
1.先ず患部を洗いミルク(ソープ)で洗い、洗浄した後、皮膚が乾燥すれば再度薬を塗布する。
【0036】
2.塗布薬量は2ml左右、さらに包帯で被せる。
【0037】
3.薬の塗布が3時間以上経た後洗浄し、どんな保湿乳液(クリーム)をも拭いてはいけない。
【0038】
4.もし膿疱があれば先に押つぶしてから薬を塗布する。
【0039】
もし患者に膿疱があれば、抗生物質例えばテトラサイクリン又はバイブラマイシン(Vibramycin)を配合して一週間治療し、余の時間は他種座瘡療法、例えばビタミンA酸経口又は外用、又はホルモン治療法を禁用する。
【0040】
結果医者及び患者本人を通してそのコメドー数、丘疹数、膿疱数、紅腫程度の如何により厳格グレード及び改善程度百分比を制定して評価する。
【表1】

【0041】
結果表1に示すように黒頭及び白頭コメドーは8週間治療した後数量が明らかに減少し、平均43.5個から平均20.1個(p<0.01)に降下した他、毛口開口が縮小した発赤性丘疹の数量が減少したことに顕著性差異が現われ、平均21.0個から2.1個(P<0.001)に降下している。膿疱及び嚢腫の紅腫現象の消失は平均数8.9及び0.8から0に降下し、僅かに部分的に紅斑及び凹陥した傷跡が残留した。評価中Lo−108が消炎、降温及び消腫の能力を有していることを発見した他、皮膚に対する過度角質化増殖の現象も又減少の傾向があり、皮膚を更にスムースにさせる。凹陥した傷跡の改善は僅に紅腫を有しているもののみがいくらか改善されている。これは消腫以後に得られた印象と見受ける。
【0042】
過去に使用した脱角質外用薬又は抗生素外用薬はときどき皮膚の乾燥、脱皮、痛み、甚だしくは紅腫等の副作用を引起す。これに対し、Lo−108は保湿機能を兼ねているので上記のような欠陥が発生していない。
【0043】
上記データを総合すれば、Lo−108は座瘡を治療する効果を有しており、甚だしくは脱角質を有している他、皮脂分泌量を減少して、殺菌消炎且つ角質含水量を増加する等の作用を有する。
【0044】
試験2:皮脂排せつの抑制能力の対照評価
20人の健康な志願者がこの臨床試験に参加した。年齢は18〜15才の間にあり、受験者の前額部の皮膚を左右両側に分け、片側はLo−108を塗抹し、他の片側はLo−108を塗抹しないで両側を対照した。塗抹の方式は毎夜約1ml−2mlのLo−108を塗抹して3時間後洗浄し、合計4週間継続した。毎週診察を受け、左右両額各自の皮脂量を検出した。毎回の検出時間は固定時間区間である。
【0045】
皮脂排せつ量の試験は皮脂測量儀Sebometer 810PC(Courage and Khazaka Ltd. Germany)を用いて皮膚表面の油脂量を測定した。左右両側の皮脂量百分比差を測定することにより、多くの干渉変量を最低までに減ずることができた。皮脂測量の原理は器具前の厚さ0.1mm、面積64mm2の不透明プラスチック物質を利用して皮膚表面を30秒間押圧した後、皮脂の吸収により透明度が増加され、且つ皮脂量と線性を形成して増加、つまり皮脂と透明度とが表2に示すように正比例をなし、光度計で測量して公式によりミリグラム/平方ミリメートルに転換された。
【表2】

【0046】
本試験組及び対照組は同一人前額部の左右側皮膚であるので、温度、湿度の変化、受験人の運動程度、流汗程度等の干渉因素はいずれも排除して計算しなかった。ANOVA(Analysis of Vanance)の統計方法を利用して、試験組の前額部油脂が明らかに制御組よりも低いことを知り、統計学上の顕著性(Pr>F0.0001)意義を表わした。添付図1に示すように、毎週の平均差異は明確な傾向に走り、ANOVA統計法により、下記表3に示すLo−108の皮脂量データ表から、施用一週間後皮脂量の増減が既に統計学上の顕著差異(Pr>F0.2854)があることが見られた。また表4に示されるように、使用が長ければ長いほど、結果が相似しており、時間に伴って増加していない(Pr>F0.0001)。以上の結果から、Lo−108は効果的に油脂分泌を12時間以上除去又は抑制して、皮脂腺の開口皮脂量(座瘡の発生主因の一つ)を暫時的に緩和させることができる。このような功用は短期内に達成でき、毎日使用すると、その皮脂の抑制効果を4週間以上維持することができる。
【表3】

【表4】

【0047】
試験3:やけど及び傷跡回復の動物実験
本実験に用いられるラットは年齢が8週大きさの雄性ラット(Wistar種)であり、平日成功大学動物中心にて飼われ、該中心は南部唯一の国外要求(SPF)に符号した動物培養単位である。ラットは25±1℃の空気調節を有する動物室中で飼養され、凡てのラットはいずれも自由に飲食できる。
【0048】
やけど実験:
本ステップは主としてKistlerらの実験方法を参照し、動物自体を使用して対照比較、観察している。毎頭のラットは先ず65mg/kgのペントバルビタールで麻酔し、それが昏睡してから、背部を4個の固定区域(各区域約4cm2)に分け、かみそりで各区域内をきれいに剃った。しかる後、それぞれ赤く焼いた鉄片(温度約80〜85℃左右)を背部の4個固定区域に約10秒間置き、ラットの背部にやけどをもたらした。上記ステップが結束した後に、鉄片を取り去り、オキシドール(37%)で簡単に消毒して傷口を清潔にした。しかる後、区域の区分により不同の処理が施される。対照用の区域に塗布薬を給与しないのを除いた外、余の3区域はそれぞれビタミンE、製品の基剤及びテスト産品を給与し、給与量は傷口面積を均一に塗抹できるのを基準とした。塗布した後、すぐ包帯で緊密にくるんで傷口を保護し、傷口が細菌に感染されないように確保した。毎日定時的に薬を一回換えると共にラットの傷口の変化を観察し、毎日定期的にカメラで証明用として写真をとった。7日連続した後、動物を殺して4個区域の組織を取って処理切片とし、新光医学中心の病理専門家李進成博士に委託して創面病理学の変化を評価してもらった。
【0049】
結果
やけどの回復状況から見れば、産品処理の部位において、炎症の変化は比較的低減している。結果、対照部位の炎症と産品基剤処理部位とはたいした差異がないことが示されている。
【0050】
傷口回復実験:
本実験は8週大きさのラット(Wistar種)を使用して上記の実験ステップに従って、麻酔されたラットの背部を4個の固定区域(毎区域約4cm2)に分け、かみそりで各区域の毛をきれいに剃った。しかる後、それぞれ手術刀を用いて背部の各区域で長さが約1cm、深さが肌肉層が見える傷跡を切開した後、オキシドール(37%)で消毒したと共に傷口を清潔にした。同様に、再度区分区域によってそれぞれ不同の処理を施し、対照区域に塗布薬を給与しないのを除いた外、余の3区域はそれぞれビタミンE、製品の基剤及びテスト産品を給与し、給与量は傷口面積を均一の塗抹できるのを基準とした。塗布した後、すぐ包帯で緊密にくるんで、細菌に感染されないように確保した。毎日定時的に薬を一回換えると共にラットの傷口の回復状況を観察し、毎日定期的にカメラで証明用として写真をとった。最後に、正常に回復するのに必要な日数に従って相互比較した。日数が少なければ少ない程、回復の速度が益々早いことを示す。
【0051】
結果
傷の回復状況によれば、産品処理の部位において、回復の時間が短く、約7.13+1.27日(N=8)である。対照部位の傷跡は11.00+2.24日(N=8)であり、産品基剤処理部位の10.13+1.62(N=8)と顕著な差異がない(P>0.05)。
【0052】
試験4 菌発育阻止の実験
本実験は金葡萄球菌(Staphylococcus aureus、 Methicilin Restant(ATCC6919))、Staphylococcus aureus、座瘡菌(Propionibacteriu acnes(ATCC6919))の3種の菌株を使用した。各自適用の培養基を培養した後、0.03μl/ml、0.1μl/ml、0.3μl/ml、1μl/ml、3μl/ml、10μl/ml、30μl/ml、100μl/mlのLo−110でその菌発育阻止を分析した。その菌発育阻止濃度は100μl/mlである。
【0053】
上記本発明の実施の形態は本発明の技術的手段をより具体的に説明するためにあり、したがって本発明の技術的思想はこれに限定されず、添付のクレームの範囲を逸脱しない限り、当業者による単純な設計変更、付加等はいずれも本発明の技術的範囲に属する。
【図面の簡単な説明】
【0054】
【図1】図1は本発明の外用組成物を皮膚に施用した後に生じた皮脂量の差異図であり、その横軸は時間(週)、縦軸は皮脂量(μg/cm2)である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
主要成分がビタミンC1〜45%w/w、ビタミンB群1〜5%w/w、カロチン1〜3%w/w、ビタミンE2〜90%w/wを包含する、皮膚を通して投薬される外用組成物。
【請求項2】
主要成分がビタミンC4〜15%w/w、ビタミンB群1〜3%w/w、カロチン1〜2%w/w、ビタミンE20〜65%w/wである請求項1に記載の外用組成物。
【請求項3】
組成がさらに香料0.1〜2%w/w、増稠剤1〜5%w/w、表面活性剤1〜8%w/w及び適量蒸留水を包含する、請求項1又は2に記載の外用組成物。
【請求項4】
前記組成物が皮膚の局部位置に応用される請求項1に記載の外用組成物。
【請求項5】
皮膚を通して投薬される組成物であって、該組成物は座瘡、コメドー、にきびに対して治療作用を有する薬物の製造に用いられ、該組成物の主要成分はビタミンC1〜45%w/w、ビタミンB群1〜5%w/w、カロチン1〜3%w/w、ビタミンE2〜90%、香料0.1〜2%w/w、増稠剤1〜5%w/w、表面活性剤1〜8%w/w及び適量蒸留水である外用組成物。
【請求項6】
皮膚を通して投薬される外用組成物であって、該組成物は皮膚の保養に用いられ、その主要成分はビタミンC1〜45%w/w、ビタミンB群1〜5%w/w、カロチン1〜3%w/w、ビタミンE2〜90%w/w、香料0.1〜2%w/w、増稠剤1〜5%w/w、表面活性剤1〜8%w/w及び適量蒸留水である外用組成物。
【請求項7】
皮膚を通して投薬される外用組成物であって、該組成物は抗酸化作用を有し、その主要成分はビタミンC1〜45%w/w、ビタミンB群1〜5%w/w、カロチン1〜3%w/w、ビタミンE2〜90%w/w、香料0.1〜2%w/w、増稠剤1〜5%w/w、表面活性剤1〜8%w/w及び適量蒸留水である外用組成物。
【請求項8】
座瘡、コメドー、にきび方面の治療に応用される請求項1に記載の外用組成物。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ビタミンC1〜45%w/w、ビタミンB群1〜5%w/w、カロチン1〜3%w/w、及びビタミンE2〜90%w/wを包含してなる、皮膚に用いられる組成物。
【請求項2】
前記組成物は更に香料0.1〜2%w/w、増稠剤1〜5%w/w、表面活性剤1〜8%w/w及び適量蒸留水を包含してなる、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
前記組成物は好適にはビタミンC4〜15%w/w、ビタミンB群1〜3%w/w、カロチン1〜2%w/w、及びビタミンE20〜65%w/wを包含してなる、請求項1に記載の組成物。
【請求項4】
前記組成物は更に0.1〜2%w/w、増稠剤1〜5%w/w、表面活性剤1〜8%w/w及び適量蒸留水を包含してなる、請求項3に記載の組成物。
【請求項5】
前記皮膚は人類の皮膚である請求項1に記載の組成物。
【請求項6】
前記組成物は外用である請求項1に記載の組成物。
【請求項7】
前記外用は皮膚を通して投薬することを指していう、請求項1に記載の組成物。
【請求項8】
前記組成物は座瘡(acne)、コメドー、にきびの治療に用いられる請求項1に記載の組成物。
【請求項9】
前記組成物は更に、香料0.1〜2%w/w、増稠剤1〜5%w/w、表面活性剤1〜8%w/w及び適量蒸留水を包含してなる、請求項8に記載の組成物。
【請求項10】
前記組成物は皮膚の保養に用いられる請求項1に記載の組成物。
【請求項11】
前記組成物は更に香料0.1〜2%w/w、増稠剤1〜5%w/w、表面活性剤1〜8%w/w及び適量蒸留水を包含してなる、請求項10記載の組成物。
【請求項12】
前記組成物は抗酸化作用を有する請求項1に記載の組成物。
【請求項13】
前記組成物は更に香料0.1〜2%w/w、増稠剤1〜5%w/w、表面活性剤1〜8%w/w及び適量蒸留水を包含してなる、請求項12に記載の組成物。
【請求項14】
請求項1記載の組成物を使用して座瘡(acne)、コメドー、にきびを治療する方法。
【請求項15】
請求項1記載の組成物を使用して皮膚を保養する方法。
【請求項16】
請求項1記載の組成物を使用して皮膚の抗酸化作用を増加する方法。

【図1】
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【公表番号】特表2006−525945(P2006−525945A)
【公表日】平成18年11月16日(2006.11.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−571754(P2004−571754)
【出願日】平成15年5月16日(2003.5.16)
【国際出願番号】PCT/CN2003/000358
【国際公開番号】WO2004/100923
【国際公開日】平成16年11月25日(2004.11.25)
【出願人】(505424608)美時化学製薬股▲ふん▼有限公司 (4)
【Fターム(参考)】