説明

操舵制御装置

【課題】操舵輪の振動を防止できる操舵制御装置を提供する。
【解決手段】制御部16は、操舵輪(W)の操舵角の目標舵角を設定する目標舵角設定部110と、操舵輪(W)の実舵角を検出する実舵角検出部21と、目標舵角設定部110によって設定された目標舵角と、実舵角検出部21によって検出された実舵角との偏差を算出し、偏差に基づく積分値に基づいて算出される操舵部の動作量を制御する操舵制御値を、操舵部に出力する操舵制御値演算部120と、操舵制御値演算部120によって算出される積分値の上限を制限する積分値制限部205と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両の進行方向を決定する操舵角を制御する操舵制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、駐車支援装置にあっては、たとえば、電動パワーステアリング装置を利用して、駐車モードのスイッチがオンされると、運転者のブレーキ解除で駐車を補助する補助機能が作動し、車両の前進、停止および後退といった駐車に必要な指示を運転者に与えつつ、車両の移動距離に応じた舵角で操舵輪を自動操舵し、車両を駐車場所へ半自動的に駐車させることができるものがある(たとえば、特許文献1、2参照)。
【0003】
また、駐車場所の幅Lを計測する計測手段を設け、計測された幅Lに基づいて左最大舵角θLと右最大舵角θRとを求め、当該左最大舵角と右最大舵角と予め決められた走行距離および走行方向でなる走行パターンに基づいて操舵輪の目標舵角を求め、目標舵角に基づいて舵角を制御する駐車支援装置が知られている(特許文献3参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平03−74256号公報
【特許文献2】特開平04−55168号公報
【特許文献3】特開2010−285028号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
このように、目標舵角に基づいて舵角を制御する場合において、一般的に目標舵角と実舵角との偏差に基づいて微分値、比例値、積分値に基づくPID制御制御を行っている。目標舵角と実舵角との偏差が大きい場合には、積分値が累積されて操舵制御値を大きく制御させて目標舵角への追従を早めている。
【0006】
ところで、実舵角は操舵輪等に設けたセンサにより検出しているが、このセンサの検出タイミングが粗い場合には、操舵制御値に基づいて動作した操舵輪の実舵角に対して慣性等によるオーバーシュートの影響により目標舵角と実舵角との偏差が収束せず、さらにこの偏差に基づく積分値が累積することにより、実舵角が振動してしまうという問題があった。
【0007】
本発明は、このような問題点に鑑みてなされたものであり、操舵輪の制御を行う操舵制御装置において、操舵輪の振動を防止できる操舵制御装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、車両の操舵輪の動作によって操舵角を変更する操舵部と、操舵輪の動作を制御する制御部とを備える操舵制御装置であって、制御部は、操舵輪の操舵角の目標舵角を設定する目標舵角設定部と、操舵輪の実舵角を検出する実舵角検出部と、目標舵角設定部によって設定された目標舵角と、実舵角検出部によって検出された実舵角との偏差を算出し、偏差に基づいた積分値によって算出される操舵部の動作量を制御する操舵指令値を操舵部に出力する操舵制御値演算部と、操舵制御値演算部によって算出された積分値の上限を制限する積分値制限部と、を備える。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、目標舵角と実舵角との偏差に基づいた積分値によって演算される操舵指令値における積分値の上限を制限することによって、積分値が累積することを防止して、目標舵角に対する実舵角を早期に収束させることができ、実舵角が振動してしまうことを防止する。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の実施形態の駐車支援装置全体の模式図である。
【図2】本発明の実施形態の駐車支援制御の説明図である。
【図3】本発明の実施形態の制御部の制御ブロック図である。
【図4】従来の、目標舵角と実舵角との偏差を示す比較図である
【図5】本発明の実施形態の制御部の動作を示すフローチャートである。
【図6】本発明の実施形態の傾き制限部による制御を示す説明図である。
【図7】本発明の実施形態の積分リミッタ部、傾き制限部それぞれにおける制御の結果を示す説明図である。
【図8】本発明の実施形態の制御部における制御の結果を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下に、本発明の実施形態について、図面を参照して説明する。
【0012】
図1は、本発明の実施形態の駐車支援装置100全体の模式図である。
【0013】
駐車支援装置100は、車両の操舵輪3を操舵する電動パワーステアリング装置2と、電動パワーステアリング装置2を制御する制御装置(操舵制御装置)1とを備える。
【0014】
電動パワーステアリング装置2は、操舵輪3と、操舵輪3に軸4を介して連結されるピニオンギア5と、モータMと、モータMのロータの軸に連結されるピニオンギア6と、各ピニオンギア5、6にそれぞれに噛合されるラック7と、ラック7の両端にタイロッド8およびナックルアーム9を介して連結される操向輪Wとを備える。
【0015】
操舵輪3は、運転者により軸4を中心に回転され、軸4を介してピニオンギア5を回転させる。ピニオンギア5の回転運動は、噛合するラック7において直線運動に変換される。ラック7の直線運動は、タイロッド8及びナックルアーム9を介して操向輪Wに伝達される。ナックルアーム9を介して伝達された直線運動によって、操向輪Wが、操向輪Wに設定されるキングピンを軸として回動され、車両の進行方向が制御される。
【0016】
制御装置(操舵制御装置)1は、モータMに印加する電圧及び又は電流量を制御して、モータMの回転を制御する。これにより、後述するように、運転者の操舵を補助する補助トルクを出力する。また、制御装置1は、運転者による操舵の操作を受けることなく、操向輪Wの操舵角を自動的に制御することができる。
【0017】
なお、電動パワーステアリング装置2は、軸4の中間部にユニバーサルジョイント等を介装することによって軸4の取付け位置及び角度を変更して、軸4がエンジンルーム等の空間を占拠しないように構成してもよい。
【0018】
また、電動パワーステアリング装置2は、操舵輪3とラック7とを機械的に連結するのではなく、操舵輪3の操舵角に応じてモータMを駆動することによってラック7を駆動させるステアバイワイヤ方式を採用してもよい。また、操舵輪3は、その中心部に連結される軸4を介してピニオンギア5が連結されているが、軸4の途中に減速機を設けて操舵輪3の回転速度を減速して、ラック7に伝達するようにしてもよい。
【0019】
制御装置1は、車両の走行速度を検出する速度センサ10と、モータMの図示しない巻線に流れる電流を検出する電流センサ11と、操舵輪3の舵角を検出する舵角センサ21と、車両の前端の左右に設けられて、車両の側方に障害物がある場合にこれを検知する障害物検知センサ12、13と、車両の後端の左右に設けられて、車両の後方に障害物がある場合これを検知する後方障害物検知センサ14、15と、を備える。
【0020】
また、制御装置1は、速度センサ10、電流センサ11、舵角センサ21、障害物検知センサ12、13及び後方障害物検知センサ14、15から入力される信号を処理してモータMを制御する制御部16と、制御部16によって制御されるスピーカ17と、運転者に押されると駐車支援制御の開始のトリガとなる信号を制御部16へ入力するスイッチ19と、運転者が駐車形式の選択を行うための切換スイッチ20と備える。
【0021】
これら各センサ、制御部16、スピーカ17、スイッチ19、切換スイッチ20は、CANバス30を介して相互に接続されている。CANバス30は、CAN(Controller Area Network)規格に準拠したネットワーク構成を有している。
【0022】
電動パワーステアリング装置2は、車両が通常走行を行っており駐車支援を要しない場合には、モータMに運転者の操舵を補助する補助トルクを出力させて運転者の操舵をアシストする。制御部16は、運転者が操舵輪3を操作した際の操舵トルクをトルクセンサ18で検出して、トルクセンサ18で検出したトルクに基づいて補助トルクを求めて、モータMを駆動する。トルクセンサ18は、軸4の途中に取付けられており、操舵輪3が回転操作されたときの操舵トルクを検出する。
【0023】
なお、トルクセンサ18は、操舵輪3に作用するトルクを検出することができるものであればよく、例えば、軸4の中間に設けたトーションバーの捩れ角度を検出して、この捩れ角度に応じた電圧、電流等の信号として出力するように構成されている。
【0024】
また、モータMが出力する補助トルクをラックピニオン機構によってラック7の軸方向の力に変換してラック7に伝達するようにしているが、ラック7の一部を螺子軸とし、この螺子軸に螺合されるボール螺子ナットにモータMの補助トルクを伝達するようにして、補助トルクをラック7の軸方向の力に変換してラック7に伝達するようにしてもよい。
【0025】
速度センサ10は、車両の操向輪Wを含む四つの車輪のうちいずれか一つにおける回転速度を検知する。制御部16は、速度センサ10で検知した回転速度と車輪外径とから、車両の速度及び走行距離を求める。
【0026】
舵角センサ21は、軸4等に取付けられていて、操舵輪3の舵角θを検出して、舵角θに応じた信号を制御部16へ出力する。なお、操舵輪3の舵角θは、操向輪Wの操向角に一対一で対応しているので、操向輪Wの操向角を検出することで操舵輪3の舵角θを得てもよい。
【0027】
モータMは、電流センサ11が備えられ、モータM内に設けた巻線に流れる電流を検出する。モータMは、補助トルクで運転者の操舵をアシストするだけでなく、後述する駐車支援の際には、制御部16の指令によってラック7を図1中左右方向に駆動して、運転者の操舵なくして操向輪Wを操舵することができるように構成されている。
【0028】
なお、モータMは、直流モータ、交流モータ等、操舵輪Wの操舵角、操舵速度を制御できるものであれば、どのようなモータを用いてもよい。また、モータMのシャフトにラック7に歯合するピニオンギア6を設けているが、減速機を介してモータMのロータの回転速度を減速してピニオンギア6に伝達してもよい。
【0029】
障害物検知センサ12、13は、図1に示すように、車両の前端の左右にそれぞれ取付けられており、車両の左右側方に設定された検知範囲内に障害物がある場合これを検知する。
【0030】
また、後方障害物検知センサ14、15は、図1に示すように、車両の後端の左右にそれぞれ取付けられており、車両の左右後方に設定された検知範囲内に障害物がある場合これを検知する。障害物検知センサ12、13及び後方障害物検知センサ14、15は、例えば、超音波センサやレーザ光センサによって構成される。
【0031】
制御部16は、モータMを駆動する図示しない駆動回路を備えており、この駆動回路によりモータMへ駆動電流を供給してモータMの駆動を制御する。通常走行時には、運転者の操舵輪3の操舵をアシストする補助トルクをモータMに出力させる制御を実施する一方、駐車支援を実施する際には、モータMを駆動して操向輪Wを操舵することにより、車両を駐車場所に誘導する制御を行う。
【0032】
次に、駐車支援装置100における駐車支援の制御を説明する。
【0033】
図2は、本実施形態の駐車支援制御の説明図である。
【0034】
制御装置1は、運転者から駐車支援の要求があった場合に、駐車支援制御を開始する。運転手によってスイッチ19が押されて駐車支援を要求する操作がされた場合に、駐車支援制御の開始指令が制御部16に与えられる。
【0035】
また、運転者は、切換スイッチ20による操作によって、車両の右側にある駐車場所へ駐車するのか、左側にある駐車場所へ駐車するのか、駐車場所が道路と垂直方向の車庫入れ型か、道路と平行方向の縦列型か、を選択する。制御部16は、切換スイッチ20からの信号によって、車両の左側に駐車するか右側に駐車するか、車庫入れ型か縦列型か、を判定し、この判定に基づいて駐車支援制御を行う。
【0036】
制御部16は、左右の障害物検知センサ12、13のうち切換スイッチ20よって選択された側に設置された障害物検知センサ12(13)によって障害物の有無を検知する。
【0037】
具体的には、車庫入れ型の場合、運転者による駐車支援制御の開始指令後、制御部16は、運転者に、駐車場所に対して所定間隔を空けて道路方向(駐車場所の幅方向)に平行に車両を直進走行させる旨を通知する。車両が直進を開始したとき、制御部16は、選択された障害物検知センサ12(13)によって、障害物を継続的に検知して、障害物を検知しない距離を計測する。
【0038】
制御部16は、車両が直進中に速度センサ10で検知した速度と車輪の外径とから走行距離を把握しつつ、選択された障害物検知センサ12(13)で障害物を検知することで、駐車場所の幅を検出して、これを幅Lとして記憶する。
【0039】
駐車場所の幅Lの計測が終了すると、制御部16は、運転者に車両の停車を促すとともに、幅Lが車両の駐車が可能な最低幅以上であるか否かを判断する。幅Lが駐車可能な最低幅以上であれば、後述する走行パターンの直線区間Aにおいて、車両が直進走行する距離aを求める。なお、制御部16は、幅Lが最低幅以上でない場合には、駐車支援制御を中止し、その旨を運転者に通知する。
【0040】
この距離aは、例えば車両の諸元(全長、全幅、ホイールベース等)によって予めマップ化又はテーブル化として記憶されており、計測された幅Lの長さからマップ又はテーブルを参照して演算によって求める。また、車庫入れ型の駐車であれば、車両の全幅を、縦列型の駐車であれば車両の全長を、基準として最低幅が決められている。なお、距離aは、たとえば、ベテラン運転手による駐車時の走行軌跡を計測するなどして、駐車場所の幅Lに応じた最適値をマップ化又はテーブル化しておけばよい。
【0041】
次に、制御部16は、駐車場所の幅Lの計測が終了し、駐車場所の幅Lが駐車可能である場合は、駐車場所の幅Lから、図2(B)に示す車両の現在位置から駐車場所に至る走行経路における左最大舵角θLと右最大舵角θRとを求め、駐車に際しての走行パターンと求めた左右の最大舵角とに基づいて、操舵輪3の目標舵角を求めて、操舵輪3の舵角θを制御して車両を駐車場所へ誘導する。
【0042】
なお、左最大舵角θLと右最大舵角θRとにあっても、距離aを求める場合と同様に、例えば、ベテラン運転手による駐車時の走行軌跡を計測するなどして、駐車場所の幅Lに応じた舵角の最適値を、図2(A)に示すようなマップ又はテーブルとして制御部16が記憶しておく。制御部16は、このマップ又はテーブルを用いて、左最大舵角θLと右最大舵角θRとを演算する。
【0043】
なお、本実施形態では、舵角θは、操舵輪3を中立から右へ回転させると正の値をとり、操舵輪3を中立から左へ回転させると負の値をとるように設定される。従って、右最大舵角θRは正の値となり、左最大舵角θLは負の値となる。
【0044】
図2(B)に示すように、走行パターンは、予め決められた操舵方向、走行距離および走行方向の組み合わせでなる複数の走行区間の集合からなる。
【0045】
制御部16は、走行パターンにおける各走行区間と、左最大舵角θLと右最大舵角θRとに基づいて操舵輪3の目標舵角θ*を求め、走行パターンにおける各走行区間における目標舵角θ*に基づいて、操舵輪3の舵角θを制御する。
【0046】
走行パターンは、予め制御部16で記憶している。具体的には、図2(B)に示すように、走行区間は、直線区間A、前進操舵増加区間B、前進舵角保持区間C、前進舵角減少区間D、後退舵角増加区間E、後退舵角保持区間F及び後退舵角減少区間Gから成る。
【0047】
直線区間Aは、車両の左側にある駐車場所へ車庫入れ型の駐車する場合、操舵輪3の舵角θを中立に保って駐車場所の幅Lに基づいて求められる距離aだけ車両を前方へ直進させる直線区間である。
【0048】
前進操舵増加区間Bは、直線区間Aの後に操舵輪3の舵角θを右最大舵角θRまで増加させつつ、車両を予め決められた距離bだけ前進させる区間である。
【0049】
前進舵角保持区間Cは、前進舵角増加区間Bの後に操舵輪3の舵角θを右最大舵角θRのまま保持しつつ、車両を予め決められた距離cだけ前進させる区間である。
【0050】
前進舵角減少区間Dは、前進舵角保持区間Cの後に操舵輪3の舵角θを中立に戻しつつ、車両を予め決められた距離dだけ前進させる区間である。
【0051】
後退舵角増加区間Eは、前進舵角減少区間Dの後に操舵輪3の舵角θを左最大舵角θLまで増加させつつ、車両を予め決められた距離eだけ後退させる区間である。
【0052】
後退舵角保持区間Fは、後退舵角増加区間Eの後に操舵輪3の舵角θを左最大舵角θLのまま保持しつつ、車両を予め決められた距離fだけ後退させる区間である。
【0053】
後退舵角減少区間Gは、後退舵角保持区間Fの後に操舵輪3の舵角θを中立に戻しつつ車両を、予め決められた距離gだけ後退させる区間である。
【0054】
制御部16は、このように舵角θを設定しながら、車両を駐車位置へと導く。なお、車両の前進、後進は、エンジンをアイドル状態としてクリープ走行で行うものとする。また、前進舵角減少区間Dにおいて、区間の終端部で制御部16がブレーキを制御して車両を停止させ、スピーカ17により運転者にリバースギヤへの変更を促す通知を行う。
【0055】
次に、このような駐車支援制御における制御部16の動作を説明する。
【0056】
制御部16は、舵角センサ21で検出した操舵輪3の舵角θをフィードバックして、目標舵角θ*との偏差を採り、PID制御によってモータMを制御する。
【0057】
図3は、本発明の実施形態の制御部16の制御ブロック図である。
【0058】
制御部16は、前述のように、速度センサ10、障害物検知センサ12、13、後方障害物検知センサ14、15、舵角センサ21等が検出した値に基づいて決定した目標舵角θ*と操舵輪3の実舵角θとの偏差とに基づいたフィードバック制御を行い、モータMの回転を制御する。
【0059】
制御部16は、目標舵角設定部110、フィードバック制御部120及び異常判定部130を備える。
【0060】
目標舵角設定部110は、速度センサ10、障害物検知センサ12、13、後方障害物検知センサ14、15等が検出した値に基づいて目標舵角θ*を算出する。
【0061】
フィードバック制御部120は、目標舵角設定部110で算出された目標舵角θ*と、舵角センサ21によって検出された操舵輪3の実舵角θとの偏差に基づいてPID制御を行い、モータMの動作を制御する制御ゲインを出力する。
【0062】
異常判定部130は、速度センサ10、障害物検知センサ12、13、後方障害物検知センサ14、15等の検出信号に基づいて、車両の状態に異常が発生したか否かを判定する。例えば、速度センサ10によって検出された車速が駐車支援制御における許容速度を超えた場合や、障害物検知センサ12、13、後方障害物検知センサ14、15によって車両が障害物に接近したことを検出した場合などに、異常判定部130が車両に異常が発生したと判定する。異常判定部130は、車両に異常が発生した場合に、後述する遮断部131を制御して、モータMへの指令信号を遮断してモータMの動作を停止させる。
【0063】
次に、フィードバック制御部120について説明する。
【0064】
フィードバック制御部120、偏差演算部201、目標舵角微分演算部202、微分ゲイン出力部203、比例ゲイン出力部204、積分リミッタ部205、目標舵角積分演算部206、積分ゲイン出力部207、加算部208、傾き制限部209、出力リミッタ部210及び加算部211を備える。
【0065】
偏差演算部201は、目標舵角設定部110及び舵角センサ21からの入力を受けて、演算結果を比例ゲイン出力部204及び加算部211に出力する。目標舵角微分演算部202は、目標舵角設定部110からの入力を受けて、演算結果を微分ゲイン出力部203に出力する。加算部211は、偏差演算部201及び目標舵角積分演算部206からの入力を受けて、演算結果を積分リミッタ部205に出力する。積分リミッタ部205は、加算部211からの入力を受けて、演算結果を目標舵角積分演算部206及び積分ゲイン出力部207に出力する。微分ゲイン出力部203、比例ゲイン出力部204及び積分リミッタ部205からの出力は加算部208に入力され、加算部208による演算結果が傾き制限部209に出力される。傾き制限部209の演算結果は出力リミッタ部210に出力される。
【0066】
偏差演算部201は、目標舵角設定部110が算出した目標舵角θ*から、舵角センサ21が検出した実舵角θを減算することにより、目標舵角θ*と実舵角θとの偏差を算出する。
【0067】
目標舵角微分演算部202は、目標舵角設定部110が算出した目標舵角θ*を所定サイクルで微分することにより微分値を演算する。微分ゲイン出力部203は、この微分値に微分ゲインKdを乗算して、微分ゲイン値として出力する。
【0068】
比例ゲイン出力部204は、偏差演算部201により算出された偏差に比例ゲインKpを乗算して比例ゲイン値として出力する。
【0069】
目標舵角積分演算部206は、偏差演算部201により算出された偏差を所定サイクルで積分することにより積分値を演算する。この積分値は、積分リミッタ部205が出力する積分リミッタ値により積分ゲイン出力部207に出力される。積分ゲイン出力部207は、積分値に積分ゲインKiを乗算して積分ゲイン値として出力する。積分リミッタ部205は、偏差の大きさに対応して積分値の上限を設定するかを制御するものである。この積分リミッタ部205の動作の詳細は、後述する。
【0070】
加算部208は、微分ゲイン出力部203、比例ゲイン出力部204及び積分ゲイン出力部207からそれぞれ出力される微分ゲイン値、比例ゲイン値及び積分ゲイン値を加算して、モータMの動作を制御するための指令値を出力する。
【0071】
傾き制限部209は、加算部208から出力される操舵制御値の所定サイクルあたりの出力変動が所定の制限値を超えないように制御して、指令値の変動の傾きを緩やかにする。この傾き制限部209の動作の詳細は、後述する。
【0072】
出力リミッタ部210は、操舵制御値がモータMの動作範囲を超えるような値となった場合に、この値が出力されることを制限する。
【0073】
出力リミッタ部210が出力する操舵制御値は、遮断部131を介して、CANバス30を介してモータMに出力される。遮断部131は、異常判定部130が異常を検出したときに、制御部16から操舵制御値が出力されることを遮断する。
【0074】
このように構成された制御部16において、従来、次のような問題が生じ得た。
【0075】
前述のように、各センサは、車両のCANバス30を介して制御部16に接続されている。各センサはこのCANバス30を介してフレームと呼ばれるデータを送信して検出値を制御部16に送る。CANバス30はライン型構造であり、各センサから送られるフレームは、予め設定されたタイミングで送信される。例えば、舵角センサ21が検出した実舵角θのデータは、100ms周期でCANバス30を介して制御部16に送信される。
【0076】
この周期の幅により、目標舵角θ*と実舵角θとの偏差に基づいて算出される操舵制御値によりモータMを動作させた結果の実舵角θに対して、前回の周期で取得した実舵角θにより算出した目標舵角θ*との時間差が生じる。また、モータMやラック7、操舵輪W等の慣性重量の影響により、実舵角θのオーバーシュート、アンダーシュートが生じうる。
【0077】
図4は、従来の、目標舵角θ*と実舵角θとの偏差を示す比較図である。なお、縦軸は舵角[deg]を、横軸は時間[sec]を示し、目標舵角θ*を点線で、実舵角θを実線で、それぞれ示す。
【0078】
図4において、初期状態として、目標舵角θ*及び実舵角θが共に0[deg]である状態において、タイミングt1において目標舵角θ*が180[deg]に設定された場合における目標舵角θ*と実舵角θとの関係を示す。
【0079】
タイミングt1において目標舵角θ*が180[deg]に設定された場合、制御部16は、目標舵角θ*と実舵角θとの偏差に基づいて、モータMの操舵制御値を出力し、モータMを動作させる。モータMの動作の結果、タイミングt1以降、実舵角θが徐々に上昇する。このとき、モータMやラック7、操舵輪W等の慣性重量の影響により、実舵角θが目標舵角θ*に対してオーバーシュートする(タイミングt2)。このオーバーシュートにおける実舵角θと目標舵角θ*との偏差に基づいて、新たな操舵制御値を出力する。この操舵制御値に基づいてモータMを動作させた結果、実舵角θが目標舵角θ*に対してアンダーシュートする(タイミングt3)。
【0080】
特に、制御部16が繰り返し実行する制御の繰り返し周期である制御サイクルと比較して、前述のようなCANバスの周期に基づく舵角センサ21による実舵角θの取得サイクルが大きい場合は、これらオーバーシュート及びアンダーシュートにより操舵輪Wの舵角θが振動し、この振動が直ぐに収束しない場合が起こりうる。操舵輪Wが振動することによって運転者に不快感を与える。
【0081】
本発明の実施形態は、このようにして発生する操舵輪Wの振動を防止する為に、次のような特徴的な構成を備える。
【0082】
図3に示すように、制御部16は、積分リミッタ部205を備える。積分リミッタ部205は、目標舵角積分演算部206によって演算された目標舵角θ*と実舵角θとの偏差の積分値の上限値を制御する。
【0083】
より具体的には、目標舵角積分演算部206が偏差の積分値を演算するとき、舵角センサ21が検出した実舵角θに応じて、積分値の上限を設定する。これにより、実舵角θが大きく変動して目標舵角θ*との偏差が大きくなった場合にも、偏差の積分値の上限を設定することにより、積分ゲイン値が大きく変化することを防いで、操舵輪Wを制御するモータMの動作量を少なくする。
【0084】
図5は、本実施形態の制御部16の動作を示すフローチャートである。このフローチャートは、制御部16において通常実行される動作と共に、周期的に実行される。
【0085】
まず、偏差演算部201は、目標舵角設定部110が算出した目標舵角θ*と舵角センサ21が検出した実舵角θとの偏差を算出する(ステップS11)。
【0086】
次に、目標舵角積分演算部206は、ステップS11で算出された偏差が偏差リミット値を超えているか否かを判定する(ステップS12)。偏差リミット値は、偏差が大きすぎる場合に、モータMに対する制御量が必要以上に大きくなってしまうことを制限するために用いられる。偏差が偏差リミット値を超えている場合のみ、ステップS11で算出された偏差を偏差リミット値に置き換えて(ステップS13)、ステップS14に移行する。
【0087】
ステップS14では、目標舵角積分演算部206は、ステップS11で算出された偏差に基づいて積分値を演算する処理を行う。具体的には、偏差が設定値以上であるか否かを判定し、設定値以上である場合に、積分値を加算する(ステップS15)。積分値の加算は、偏差が正であれば前回の積分値に+1を加算し、偏差が負の値であれば前回の積分値に−1を加算する。なお、ステップS14における設定値は、操舵輪Wの舵角θの応答性やモータMの特性によって適宜設定すればよい。また、加算する積分値は、+1、−1に限定されるものではなく、適宜設定することができる。
【0088】
次に、目標舵角積分演算部206は、ステップS11において取得した実舵角θの絶対値を算出し(ステップS16)、この実舵角θの絶対値に応じて、積分値の変動の上限値を設定するための積分リミット値を決定する。
【0089】
具体的には、目標舵角積分演算部206は、ステップS17において、実舵角θの絶対値が所定値未満であるか否かを判定する。実舵角θの絶対値が所定値未満でない場合は、ステップS18において、実舵角θの絶対値が所定値を超えているか否かを判定する。なお、このステップS17及びS18における所定値は、目標舵角設定部110によって設定される目標舵角θ*と実舵角θとがどれだけ近づいたかを判定する値である。所定値は、目標舵角θ*と同じ値に設定してもよいし、目標舵角θ*にヒステリシスを持たせた値としてもよい。
【0090】
ステップS17において実舵角θの絶対値が所定値未満である場合は、ステップS20に移行して、目標舵角積分演算部206は、積分リミッタ部205の積分リミット値に、積分リミット1の値を設定する。
【0091】
実舵角θの絶対値が所定値未満であるとき、すなわち、実舵角θの値が目標舵角θ*に近いときは、操舵輪Wを動作させるモータMの動作量は小さくなるはずである。このとき、実舵角θの検出サイクルにより実舵角θと目標舵角θ*との乖離が大きくなると、偏差の積分値が増加し、実舵角θを目標舵角θ*に追従させるための制御量が大きくなって、実舵角θが収束しない。
【0092】
そこで、実舵角θの値が所定値未満であるときは、積分値の上限値を比較的小さく制限する積分リミット1を設定して、積分値を比較的小さい値で頭打ちさせるように設定した。
【0093】
また、ステップS18において実舵角θの絶対値が所定値を超えている場合は、ステップS21に移行して、目標舵角積分演算部206は、積分リミッタ部205の積分リミット値に、積分リミット2の値を設定する。実舵角θの絶対値が所定値を超えたとき、すなわち、実舵角θの値が目標舵角θ*と乖離しているときは、偏差を積分した結果の積分値に積分リミット2を設定する。
【0094】
実舵角θの絶対値が所定値を超えているとき、すなわち、実舵角θの値が目標舵角θ*と乖離しているときは、操舵輪Wを動作させるモータMの動作量を大きくする必要がある。
【0095】
そこで、実舵角θの値が目標舵角θ*と乖離しているときは、積分値の上限値の制限を積分リミット1と比較して緩くした積分リミット2を設定して、積分値を比較的大きく算出するように設定した。
【0096】
ステップS18において実舵角θの絶対値が所定値を超えていない場合、すなわち、実舵角θの値が目標舵角θ*に十分近い場合は、ステップS22に移行して、目標舵角積分演算部206によって演算された積分値に積分リミッタ部205による制限を行うことなく積分値を出力する。
【0097】
ステップS20、S21、S22の処理後、本フローチャートによる処理が一旦終了し、制御部16における他の処理に戻る。
【0098】
このような制御によって、目標舵角積分演算部206が出力する積分値の上限が、積分リミッタ部25によって制限される。
【0099】
また、制御部16において、傾き制限部209を備える。傾き制限部209は、目標舵角θ*と実舵角θとの偏差に基づいたPID制御による操舵制御値が,所定時間内に所定値以上変化しないように制御する。
【0100】
より具体的には、傾き制限部209は、所定時間Δt内での操舵制御値の変化が、予め設定した制限値DIを超えている場合は、操舵制御値を制限値DIに置き換えて出力する。これにより、所定時間Δtにおける操舵制御値の変動を制限値DI以内に制限することができる。
【0101】
図6は、本発明の実施形態の傾き制限部209による制御を示す説明図である。
【0102】
図6において、縦軸は舵角[deg]を、横軸は時間[sec]を示し、加算部208から出力される操舵制御値θ*を一点鎖線で、傾き制限部209によって制限された操舵制御値θを実線で、それぞれ示す。
【0103】
図6において、所定時間Δtの間に、操舵制御値の変化量が制限値DIを超えるような場合は、傾き制限部209は、操舵制御値の変化量を制限値DIに制限して出力する。この制御が繰り返されることによって、操舵制御値が、所定時間Δtと制限値DIとによって段階的に操舵制御値が変化する。すなわち、この操舵制御値の段階的な変化をプロットすることによる緩やかな傾きでモータMの動作を制御することによって、操舵制御値が短時間に急変することを防ぐことができる。
【0104】
なお、制限値DIは、モータMの特性や車両の速度に対する必要な舵角に基づいて適宜決めうる値である。例えば駐車支援制御においては車両はアイドル時のクリープ走行速度であり、この速度と図2(A)におけるマップとに対応する舵角の変化速度を満たす程度に制限値DIを設定すればよい。駐車支援制御以外の操舵制御(レーンキープ等)では舵角の変化量がより速くなるように、車速やエンジン回転数等に基づいて、制限値DIを変更するようにしてもよい。また、所定時間Δtは、制御部16の処理サイクル等に基づいて設定され、例えば2msに設定される。
【0105】
図7は、本実施形態の積分リミッタ部205、傾き制限部209それぞれにおける制御の結果を示す説明図である。
【0106】
図7において、縦軸は舵角[deg]を、横軸は時間[sec]を示し、加算部208から出力される操舵制御値θ*を一点鎖線で、傾き制限部209によって制限された操舵制御値θを実線で、それぞれ示す。また、初期状態として、目標舵角θ*及び実舵角θが共に0[deg]である状態において、タイミングt1において目標舵角θ*が180[deg]に設定された場合における目標舵角θ*と実舵角θとの関係を示す。
【0107】
図7(A)は、積分リミッタ部205による制御の結果である。図7(A)に示すように、制御の初期では若干のオーバーシュートが発生するものの、積分値の上限を制限することにより積分残差が減少し、オーバーシュート及びアンダーシュートが暫時収束して、実舵角θの振動が抑えられていることが示されている。
【0108】
図7(B)は、傾き制限部209による制御の結果である。図7(B)に示すように、制御の初期では、傾き制限部209の制御により目標舵角θ*に対して緩やかな傾きで実舵角θが追従する様子が示されている。
【0109】
図8は、本実施形態の制御部16における制御の結果を示す説明図である。
【0110】
図8においても、同様に、縦軸は舵角[deg]を、横軸は時間[sec]を示し、加算部208から出力される操舵制御値θ*を一点鎖線で、積分リミッタ部205及び傾き制限部209によって制限された操舵制御値θを実線で、それぞれ示す。また、初期状態として、目標舵角θ*及び実舵角θが共に0[deg]である状態において、タイミングt1において目標舵角θ*が180[deg]に設定された場合における目標舵角θ*と実舵角θとの関係を示す。
【0111】
まず、制御の初期では、傾き制限部209の制御により、目標舵角θ*に対して緩やかな傾きで実舵角θが追従している。また、その後は、積分リミッタ部205のよって積分値の上限が制限されることにより積分残差が減少し、オーバーシュート及びアンダーシュートが暫時収束していることが示されている。
【0112】
以上のように本発明の実施形態の駐車支援装置100は、操舵輪Wの操舵角を制御する際に、目標舵角θ*と実舵角θとの偏差をPID制御を行ってモータMの操舵制御値を算出する制御において、積分要素の積分値を積分リミッタ部205によって制限するように構成した。
【0113】
従来、実舵角θの検出サイクルが大きい場合に、実舵角θと目標舵角θ*の偏差に基づく積分値が累積することによる積分残差が増大することによって、目標舵角θ*に対する実舵角θが収束せず、操舵輪Wが振動してしまうという問題があった。
【0114】
本発明の実施形態では、積分値の上限を積分リミッタ部205によって制限することによって積分値が累積することを防止して、目標舵角θ*に対する実舵角θを早期に収束させることができる。
【0115】
また、実舵角θが所定値よりも小さい場合は、実舵角θが所定値を超えた場合よりも、積分値の上限を小さくするように設定したので、実舵角θが大きい場合には操舵制御値を大きくするために積分値の制限を緩くすることで目標舵角θ*に追従を早める一方、実舵角θが小さい場合には積分値の上限を制限して目標舵角θ*との偏差を収束させ、操舵輪Wが振動することを抑制する。
【0116】
なお、以上説明した本発明の実施形態では、駐車支援制御におけるモータMの舵角を制御する例を説明したがこれに限られない。例えば、駐車位置に停車するのではなく、車両をある位置から別の位置に所定の走行経路をたどって自動運転するような制御においても、本発明を適用することができる。また、車両走行中のレーンキープ処理に、本発明を適用することができる。
【0117】
本発明は上記した実施形態に限定されるものではなく、その技術的思想の範囲内でなしうるさまざまな変更、改良が含まれることは言うまでもない。
【符号の説明】
【0118】
1 制御装置(操舵制御装置)
2 電動パワーステアリング
3 操舵輪
4 軸
5、6 ピニオンギア
7 ラック
10 速度センサ
12、13 障害物検知センサ
14、15 後方障害物検知センサ
16 制御部
17 スピーカ
18 トルクセンサ
19 スイッチ
20 切換スイッチ
21 舵角センサ
M モータ
W 操向輪
110 目標舵角設定部
120 フィードバック制御部
201 偏差演算部
202 目標舵角微分演算部
203 微分ゲイン出力部
204 比例ゲイン出力部
205 積分リミッタ部
206 目標舵角積分演算部
207 積分ゲイン出力部
208 加算部
209 傾き制限部
210 出力リミッタ部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両の操舵輪の操舵角を変更する操舵部と、前記操舵部の動作を制御する制御部とを備える操舵制御装置であって、
前記制御部は、
前記操舵輪の操舵角の目標舵角を設定する目標舵角設定部と、
前記操舵輪の実舵角を検出する実舵角検出部と、
前記目標舵角設定部によって設定された前記目標舵角と、前記実舵角検出部によって検出された前記実舵角との偏差を算出し、前記偏差に基づく積分値によって算出される、前記操舵部の動作量を制御する操舵制御値を、前記操舵部に出力する操舵制御値演算部と、
前記操舵制御値演算部によって算出される前記積分値の上限を制限する積分値制限部と、を備えることを特徴とする操舵制御装置。
【請求項2】
前記積分値制限部は、前記実舵角検出部によって検出された実舵角が所定値未満である場合は、前記実舵角検出部によって検出された実舵角が所定値を超えた場合よりも、前記積分値の上限を小さくすることを特徴とする請求項1に記載の操舵制御装置。
【請求項3】
車両に対する障害物を検知する障害物検知センサを備え、
前記制御部は、
車両を一定の速度で前進させたときの前記障害物検知センサの検知結果から駐車場所の幅を演算し、
前記演算された前記駐車場所の幅と、前記幅に基づいて決定される前記駐車場所に至る走行区間とから、前記駐車場所に前記車両を導く操舵角を制御する前記操舵制御値を出力することを特徴とする請求項1又は2に記載の操舵制御装置。
【請求項4】
前記制御部は、前記操舵制御値演算部によって算出される所定時間当たりの前記操舵制御値の変化量を制限する傾き制限部を備えることを特徴とする請求項1から3のいずれか一つに記載の操舵制御装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2013−112187(P2013−112187A)
【公開日】平成25年6月10日(2013.6.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−260658(P2011−260658)
【出願日】平成23年11月29日(2011.11.29)
【出願人】(000000929)カヤバ工業株式会社 (2,151)
【Fターム(参考)】