把持する運動用具
【課題】手や足の指先を開いてトレーニングをすることで、効率的に体の内側の筋肉に負荷をかけ、広く全身を鍛えることができる運動用具を提供する。
【解決手段】略丸板状の本体1に貫通して手の指を挿通するための挿通孔4〜8を設ける。夫々の挿通孔4〜8に手の指がなるべく広がるように複数の指を挿通し運動を行う。
【解決手段】略丸板状の本体1に貫通して手の指を挿通するための挿通孔4〜8を設ける。夫々の挿通孔4〜8に手の指がなるべく広がるように複数の指を挿通し運動を行う。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、手の指や足の指を開いた状態でグリップを握ることができる運動用具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
両手でしっかりグリップを握り、バネを引っ張る、緩めるという筋力アップ用の運動用具や指を開いてトレーニングをするダンベルがあった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】 特願2007−114845号広報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
筋力アップ用の運動用具は、両手でしっかりグリップを握り、バネを引っ張る、緩めるというものであり、主に外側の筋肉を鍛えることを目的としたものである。また、指を開いてトレーニングをするダンベルは、指を中心に鍛え怪我を予防するための器具であった。
【0005】
本発明は、手の指の第3指から第4指までの指の付け根を広げて把持し、引っ張る、捻じる、伸ばす、緩める運動をすることで内側の筋肉を中心に鍛え、同時に外側の筋肉にも負荷をかけることができる運動用具を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に記載の本発明は、複数の孔を形成した把持する用具であり、複数の孔の位置は、把持する用具の平面縦の中心線に対して左右対称に形成し、複数の孔の間隔は、把持する用具の平面縦の中心線の近くに位置する孔と孔との間隔を広く形成し、中心線の近くに位置する孔と中心線から離れた側に位置する孔との間隔を狭く形成することを特徴とする。
【0007】
請求項2に記載の本発明は、把持する運動用具に複数形成する孔の位置は、中心線の近くに位置する孔と孔との間隔を狭く形成し、中心線の近くに位置する孔と中心線から離れた側に位置する孔との間隔を広く形成することを特徴とする。
【0008】
請求項3に記載の本発明は、把持する運動用具の平面上から1列目には、2つの孔を貫通形成し、2列目には4つの孔を貫通形成し、3列目には1つ乃至4つの孔を貫通形成することを特徴とする。
【0008】
請求項4に記載の本発明は、把持する運動用具の全体の形状は、略丸板状、略角板状、円柱状、球状、多角柱状に形成することを特徴とする。
【0009】
請求項5に記載の本発明は、把持する運動用具の素材は、木、鋳物、樹脂などの硬い素材、またはゴム、スポンジ、発泡素材、ゲルなどの柔らかい素材で形成することを特徴とする。
【0010】
請求項6に記載の本発明は、把持する運動用具には、連結部材を有し、前記連結部材には紐様又はバネ様の伸長性の弾力部材を取り付けることを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
請求項1に記載の本発明の把持する運動用具は、平面の中心線の近くに位置する孔と孔の間隔を広く形成することで、特定の指と指の付け根を広げて使用することができる。特定の指と指の付け根を広げることで、その指からつながる前腕、上腕、肩などの筋肉に負荷をかけ特定の部位の内側の筋肉を鍛えることができるという優れた効果を発揮する。
【0011】
筋力アップ用の運動用具は、両手でしっかりグリップを握り、バネを引っ張る、緩めるという行為により筋力を向上させるものである。しっかりグリップを握るために、手首、肘、肩の関節が緊張し、主に外側の筋肉しか鍛えることができない。外側の筋肉とは、体の表面に近い筋肉である。外側の筋肉は大きな力を出す時には効果を発揮する筋肉であるが、逆に細やかな動きや素早い動きをする際には内側の筋肉の運動が必要になってくる。この内側の筋肉とは俗にいうインナーマッスルといわれる筋肉であり、骨に近い部分にある筋肉である。本願の把持する運動用具は、この内側の筋肉を鍛えることで、同時に外側の筋肉にも負荷をかけることができるという用具である。
【0012】
また、特願2007−114845号は、指の怪我予防のためのトレーニング器具であり、手の指及び指の付け根を中心に鍛え、指先に負荷がかかるように孔の位置を設定している。本願の把持する運動用具は、第3指と第4指を始め、他の各指と指の付け根が開くように孔の位置を設定し、さらに、足の指も同様に指と指の付け根を開いて運動できるように孔を形成している。
【0013】
請求項2に記載の本発明の把持する運動用具は、平面中心線に近い孔と孔との間隔を狭くして、中心線に近い孔と中心線から遠くにある孔との間隔を広げることで、特定の指と指を広げて運動をすることができる。特定の指と指の付け根を広げることで、その指からつながる前腕、上腕、肩などの筋肉に負荷をかけ特定の部位の内側の筋肉を鍛えることができるという優れた効果を発揮する。また、手を広げて運動するということは、手首、肘、肩の関節を緩めた状態で大きく運動ができる効果を生み、各関節、筋肉の可動域を広げ、内側の筋肉に負荷をかけることができる。
【0013】
請求項3に記載の本発明の把持する運動用具は、平面上から1列目、2列目、3列目にそれぞれ孔を貫通形成することにより、さまざまな位置に指を入れることができる。限界まで指を開きたい場合は、離れた位置の孔に指を入れ手を開く、また、少しだけ指を開きたい場合は、近くの孔に指を入れるなど指の開きを調節することができる。指の開きを調節することで筋肉にかかる負荷の加減を調整することができる。また、1つの把持する運動用具を手の指で持ち、もう1つの把持する運動用具に足の指を入れ、把持する運動用具に取り付けられた弾力部材を引っ張る、捻じる、伸ばす、緩める等の運動をすることで、手の指、足の指の筋肉を起点とした全身につながる筋肉へと負荷をかけ、全身の内側の筋肉をまんべんなく鍛えることができるという優れた効果を発揮する。
【0014】
請求項4に記載の本発明の把持する運動用具は、上から1列目、2列目の孔は中心線側に近い孔と孔との間隔を広くし、間隔を広くした孔にそれぞれ第3指と第4指を入れ指の付け根を広げて運動することができる。第3指と第4指の付け根の間を意図的に広げて運動をすることで、第3指及び第4指の指伸筋からつながる前腕の内側の筋肉、さらに上腕、肩につながる内側の筋肉にまで広く負荷をかけることができ、大きな可動域をつくることができるという優れた効果を発揮する。
【0015】
第3指と第4指には自由自在に動くための独立した筋肉がないために、指自体を自由に伸ばす、縮めるなどの運動が難しい。特に第4指の指伸筋は第3指と第5指の指伸筋にくっついているため、自由に動かすことが困難であり、よって、第4指は、第3指と第5指の動く方向におのずと引っ張られて動くような状態になっている。この第3指と第4指の指の付け根を意図的に広げて伸ばし運動をすることで、第3指と第4指の指伸筋に圧力をかけウエートを乗せることが可能となる。ウエートを乗せた状態で、引っ張る、捻じる、伸ばす、緩めるなどの運動をすることで、第3指と第4指の指伸筋からつながる前腕の内側の筋肉がおのずと大きく運動させられ、さらに前腕からつながる上腕、肩などの内側の筋肉にまで広く負荷をかけることが可能となってくる。第3指と第4指の指の付け根を広げるだけで、指にウエートが乗り、通常の運動域より大きく運動をすることが可能となるため、指からつながる前腕、上腕、肩、背中などの内側の小さな筋肉に負荷をかけ、速い動きや細かい動きに対応できる筋肉をつくることができるという優れた効果を発揮する。
【0016】
請求項4に記載の本発明の把持する運動用具は、孔を形成することができるものであればどのような形状にも成形することができ、成形する形状により重量の調整ができるという優れた効果を発揮する。
【0017】
請求項5に記載の本発明の把持する運動用具は、板、鋳物、樹脂などの硬い素材で形成する場合は、トレーニング用として使用でき、また、ゴム、スポンジ、発泡素材、ゲルなどの柔らかい素材で形成する場合は、機能回復のためのリハビリテーションなどに利用できるという優れた効果を発揮する。
【0018】
請求項6に記載の本発明の把持する運動用具は、伸長性のある弾力部材を2つの把持する運動用具に取り付け、両手で引っ張る、捻じる、伸ばす、緩めるなどの運動をすることが可能である。また、一方の把持する運動用具の孔に手の指を入れ、他方の把持する運動用具の孔に足の指を入れ、引っ張る、捻じる、伸ばすなどの運動をすることで、上半身と下半身とを連動させて運動することができ、1つの動きで上下半身の内側の筋肉の運動ができるという優れた効果を発揮する。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】 本発明の把持する運動用具の平面図である。
【図2】 本発明の把持する運動用具の平面図の中心線を描いた図である。
【図3】 本発明の把持する運動用具のA−A線断面図である。
【図4】 本発明の把持する運動用具のB−B線断面図である。
【図5】 本発明の把持する運動用具のC−C線断面図である。
【図6】 本発明の把持する運動用具の第2の実施例である。
【図7】 本発明の把持する運動用具の第2の実施例のD−D断面図である。
【図8】 本発明の把持する運動用具の第3の実施例である。
【図9】 本発明の把持する運動用具の第4の実施例である。
【図10】 本発明の把持する運動用具の実施例である。
【図11】 本発明の把持する運動用具の指の入れ方の一例である。
【図12】 本発明の把持する運動用具を使った運動の一例である。
【図13】 本発明の把持する運動用具を使った運動の一例である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、本発明を図面に示す実施形態図1〜13に基づき説明をする。ただし、以下の実施するための形態は、本発明を把持する運動用具の一例として説明するものであり、この説明の図の項に限定されるものではない。
【0020】
図1は、本発明の把持する運動用具1の半面図である。把持する運動用具1、上から1列目に形成する孔2、3、2列目に形成する孔4、5、6、7、3列目に形成する孔8、切断面A−A線、B−B線、C−C線から構成される。把持する運動用具1は、例えば、肉厚の円形状に形成しているが、形状は楕円状、四角形状、円柱状、角柱状、球状などでも形成することができる。また、孔2、3、4、5、6、7、8の形状は、円筒状に真っ直ぐ形成することもできるが、一方面の孔の径より他方面の孔の径を大きくしテーパー状に貫通形成することもできる。把持する運動用具1の直径、肉厚、各孔の大きさはユーザーの手の大きさや指の太さに応じて適宜決定される。
【0021】
図2は、本発明の把持する運動用具1の平面図に中心線Eを表した図である。中心線Eを中心に上から1列目の孔2、3、2列目の孔4、5、6、7は対称に貫通形成される。特に肝要とされる部分は中心線E側に近い1列目の孔2、3、2列目の孔4、5の間隔を他の孔より離すことである。例えば、孔6に第2指を入れ、孔4に第3指を入れ、孔5に第4指を入れ、孔7に第5指を入れて運動をした場合、自由に動かすことが難しいとされる第3指、第4指を広げて運動をさせることで、指の指伸筋からつながる前腕、上腕、肩などの筋肉に広く負荷がかかり、通常以上に大きな可動域をつくることができる。可動域が大きくなることで、内側の筋肉を始め、外側の筋肉にまでその負荷が伝わり効率的に全身の筋肉を鍛えることが可能となる。
【0022】
図3は、本発明の把持する運動用具1のA−A線断面図である。指を入れる上から1列目の孔2、3、孔2と孔3との距離aから構成される。例えば、1列目に貫通形成する孔2と3は一方の面の径を大きく形成し、他方の面の孔の径を小さく形成しテーパー状に貫通形成することもでき、また、真っ直ぐ平行に貫通形成することもできる。例えば、孔2、3の一方の大きな孔側から、第2指を孔3に入れ、第3指を孔2に入れてシャドウピッチングなどのトレーニングをすることで、第2指、第3指からつながる手首、前腕、上腕、肩、背中などピッチングに必要な筋肉に負荷をかけ鍛えることができるというトレーニングが可能である。
【0023】
図4は、本発明の把持する運動用具1のB−B線断面図である。2列目に貫通形成する孔4、5、6、7、孔4と孔5との距離a、孔4と孔6及び孔5と孔7の距離bから構成される。孔4と5の距離aは、孔4と孔6及び孔5と孔7の距離bよりも広く形成することが肝要である。例えば、孔4に第3指を入れ、孔5に第4指を入れて使用することで、第3指と第4指の指の付け根を広げることができる。
【0024】
解剖学的に第3指と第4指は単独で指を動かす筋肉が発達していないため、自由に伸ばすことが困難とされている。この第3指と第4指の指の間を意図的に広げて伸ばし、捻じる運動を行うことで第3指と第4指からつながる内側の筋肉の可動域を大きく広げることができ、筋肉や腱、骨などに負荷をかけて鍛えることができる。
【0025】
また、径が小さい他方の孔から指を入れた場合は、指先に力を入れて把持する運動用具1の孔を掴むことになり、手首、前腕部、上腕部、肩に力が入り、外側の筋肉に負荷をかけやすくなる。指先を入れる孔の径の大小により、内側の筋肉、外側の筋肉、腱、骨など鍛える部位が異なり多彩な運動ができる。
【0026】
図5は、本発明の把持する運動用具1のC−C線断面図である。上から3列目に貫通形成する孔8は1列目、2列目に貫通形成する各孔より大きく形成することができ、足の指を挿入できるような形状にすることができる。孔8の形状は、一方の面の径を大きく形成し、他方の面の孔の径を小さく形成しテーパー状に貫通させることができるが、テーパー状ではなく孔を並行に真っ直ぐ貫通させることも可能である。また、一方の孔の径と他方の孔の径を同径にし、内側の貫通孔の径を小さくすることも可能である。
【0027】
また、図3の1列目の孔が2つ、図4の2列目の孔が4つ、図5の3列目の孔は1つに形成されているが、例えば、1〜3列目の孔の数は上中下段入れ替わることも可能である。例えば、1列目に孔を4つ、2列目に孔を1つ、3列目に孔を2つなど、組み合わせは随意である。また、各孔の位置は、秩序良く並ぶことも可能であり、ランダムに任意の位置に貫通形成することも可能である。
【0028】
図6は、本発明の把持する運動用具の第2の実施例9の平面図である。各孔10、11、12、13、14、15、16、17、切断面D−D線から構成される。孔16、17は手の指、足の指どちらも入れることが可能であり、他の孔より大きめに貫通形成する。
【0029】
例えば孔16に足の第3指、孔17に足の第4指を入れてトレーニングをする方法、または、孔16に親指を入れ、孔17に残りの指を入れる方法など、入れる指により鍛える部位が異なり、さまざまな部位の筋肉に負荷をかけることができる。足の指の筋肉は、足首、ふくらはぎ、ひざ、もも、尻、腰、腹筋などへつながっており、足の指の筋肉に負荷をかけることで、全身の筋肉に負荷をかけることができる。特にも足の各指に意識を集中し広げる、縮める、回内、回外することで、各部位の内側の筋肉にまで負荷をかけることができしなやかな筋肉をつくることが可能である。
【0030】
図7は、本発明の把持する運動用具の第2の実施例9のD−D線断面図である。孔16、17、指止め部18から構成される。指止め部18は、孔16、17を2等分にして形成することもでき、3対1の大きさで形成することもでき、孔16と17の大きさの比率は任意に決定することができる。指止め部18は、指を入れた時に指と指の間に挟まるように指の形状を考慮して形成する。また、指止め部18は、指と指の間を広げる役割と指を入れた時に把持部9が安定するように形成するものでもある。
【0031】
図8は、本発明の運動用具の第3の実施例の平面図である。平面上から1列目には、指を入れる孔を2つ乃至3つ、上から2列目には孔を4つ、上から3列目には孔を4つ、上から4列目には孔を1つ乃至4つそれぞれ形成することができる。この孔の配列により、例えば、上から1列目の孔20、21、22には第3指、第4指、第5指をそれぞれ入れ、指と指の付け根を広げながら、引っ張る、捻じる、伸ばす、緩めるなどの運動をすることで、各3本の指を起点とした前腕へとつながる腱、筋肉へと負荷がかかり、3本の指を中心に握力を向上させる筋肉を鍛えることができる。3本の指と握力を鍛えることで、ゴルフ、野球、テニス、剣道などグリップを握り打撃をするスポーツにおいて、最も主要な3本の指を効果的に使えるようになる。
【0032】
また、平面上から1列目の3つの孔に、例えば第2指、第3指、第4指をそれぞれ入れ、引っ張る、捻じる、伸ばす、緩めるなどの運動をすることで、第2指、第3指、第4指の3本の指を起点とした上腕部へつながる腱、筋肉へと負荷をかけることができ、投手に必要な指の力を鍛えることができる。
【0033】
また、平面上から2列目の4つの孔は、孔23と孔24の間隔を広く形成し、孔23と孔25及び孔24と孔26間隔を狭く形成する。例えば、孔23には第3指を入れ、孔24には第4指を入れて使用する。
【0034】
また、平面上から3列目の4つの孔は、孔27と孔28の間隔を狭く形成し、孔27と孔29及び孔28と孔30の間隔を広く形成する。例えば第2指を孔29に、第3指を孔27に、第4指を孔28に、第5指を孔30にそれぞれ入れる。孔27と孔29、孔28と孔30の間隔が広く形成されているために、意図的に第2指と第5指の指の付け根を広げることができる。指の付け根を広げることで、指が引っ張られ第2指と第5指に圧力が加えられ、指にウエートが乗りやすくなる。指にウエートが乗った状態で、引っ張る、捻じる、伸ばす、緩めるなどの運動をすることで、効率的に第2指と第5指に負荷がかかり、第2指と第5指を起点とした前腕、上腕などにつながる外側の筋肉が運動され鍛えられる。
【0035】
図9は、本発明の把持する運動用具1の第4の実施例33である。孔34、35、36、37、孔34と孔35の距離c、孔34と孔36及び孔35と孔37の距離dから構成される。孔34と35の距離cは、孔34と孔36の距離dより広く形成することが肝要である。例えば、孔36に第2指を、孔34に第3指を、孔35に第4指を、孔37に第5指をそれぞれ入れる。dよりcの間隔が広いことで第3指と第4指の指の間が広げられ、第3指と第4指が広げられた状態で運動をすることにより、指からつながる筋肉や腱の可動域が広がり、内側の筋肉を起点に、外側の筋肉にまで負荷をかけることができる。また、33の両端には、おもりを取り付けてダンベル状に使用することもできるが、おもりを取り外し軽くして、機能回復を目的に指の運動用としても使用することができる。
【0036】
図10は、本発明の把持する運動用具の実施例である。把持する運動用具1、9、3列目の孔8、16、17から構成される。把持する運動用具1の3列目の孔は、手の指又は足の指が入る程度の形状、大きさに貫通形成する。また、把持する運動用具9の3列目の孔16、17は手の指又は足の指の付け根で挟むことができるように1つ乃至4つの孔を貫通形成し、大きさ、形状は任意である。把持する運動用具1、9の形状は円形の他に、孔を貫通形成することができるものであれば、球状、多角形、楕円形など、形状は任意である。また、素材に関しても、板、鋳物、樹脂などの硬い素材、またはゴム、スポンジ、発泡素材などの柔らかい素材で形成することができる。
【0037】
図11は、本発明の運動用具の使い方の一例である。上から1列目の孔2、3、2列目の孔6、7、3列目の孔8を使って手の指を入れた状態である。このように、使用者は指と指の間を広げるために任意の孔に指を入れ、指を広げた状態で、連結部材38、40を介して弾力部材39、41を引っ張る、捻じる、伸ばす、緩めるなど多彩な運動をすることができる。指を広げて運動をすることで、各関節や筋肉から力を抜くことができ、力を抜くことで手首、肘、肩を大きく回転運動をさせることができる。各関節、各筋肉の可動域が広がり、運動の負荷が内側の筋肉を始め、腱、骨、外側の筋肉など広範囲に渡ることで効率的に全身の筋肉や骨に負荷をかけることができる。また、図11の弾力部材39、41は2本連結されているが、1本でも3本でも4本でも可能である。
【0038】
図12は、本発明の把持する運動用具の使い方の一例である。上から2列目の孔にそれぞれ手の指を広げて差し込み、弾力部材を引っ張る、捻じる、伸ばす、緩めるなどの運動を簡単に行うことができる。立ちながら両手で把持する運動用具を引っ張る、捻じりながら伸ばす運動の他に、一方の把持する運動用具には足の指先を入れ、他方の把持する運動用具には手の指を入れ、横臥しながら手で弾力部材を引っ張る、足で引っ張る、捻じる、伸ばす、緩めるなどの運動をすることができる。
【0039】
図13は、本発明の把持する運動用具9の使い方の一例である。上から3列目に形成した2つの孔に任意の足の指と指の間を広げて挟み、引っ張る、捻じる、伸ばす、緩めるなどの運動をすることができる。足の指を広げて運動をすることにより、足の指先、足首、アキレス腱、ふくらはぎ、膝関節、股関節、腰、腹筋など幅広い範囲に負荷をかけることができ、内側の筋肉を中心に、外側の筋肉にまで効率的に負荷をかけることができる。
【産業上の利用可能性】
【0040】
手の指、足の指を開きながら手と足を連動させた運動をすることにより、内側の筋肉に効率的に負荷をかけることができ、さまざまなスポーツやトレーニング、機能回復に活用できる。
【符号の説明】
【0041】
1 運動用具
2、3 平面上から1列目の孔
4、5、6、7 平面上から2列目の孔
8 平面上から3列目の孔
9 運動用具第2の実施例
10、11 平面上から1列目の孔
12、13、14、15 平面上から2列目の孔
16、17 平面上から3列目の孔
18 指止め部
19 運動用具第3の実施例
20〜30、34〜37 手の指を入れる孔
31、32 手の指、足の指を入れる孔
38、40 連結部材
39、41 弾力部材
A−A 切断線
B−B 切断線
C−C 切断線
D 中心線
a、b、c、d 孔と孔の距離
【技術分野】
【0001】
本発明は、手の指や足の指を開いた状態でグリップを握ることができる運動用具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
両手でしっかりグリップを握り、バネを引っ張る、緩めるという筋力アップ用の運動用具や指を開いてトレーニングをするダンベルがあった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】 特願2007−114845号広報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
筋力アップ用の運動用具は、両手でしっかりグリップを握り、バネを引っ張る、緩めるというものであり、主に外側の筋肉を鍛えることを目的としたものである。また、指を開いてトレーニングをするダンベルは、指を中心に鍛え怪我を予防するための器具であった。
【0005】
本発明は、手の指の第3指から第4指までの指の付け根を広げて把持し、引っ張る、捻じる、伸ばす、緩める運動をすることで内側の筋肉を中心に鍛え、同時に外側の筋肉にも負荷をかけることができる運動用具を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に記載の本発明は、複数の孔を形成した把持する用具であり、複数の孔の位置は、把持する用具の平面縦の中心線に対して左右対称に形成し、複数の孔の間隔は、把持する用具の平面縦の中心線の近くに位置する孔と孔との間隔を広く形成し、中心線の近くに位置する孔と中心線から離れた側に位置する孔との間隔を狭く形成することを特徴とする。
【0007】
請求項2に記載の本発明は、把持する運動用具に複数形成する孔の位置は、中心線の近くに位置する孔と孔との間隔を狭く形成し、中心線の近くに位置する孔と中心線から離れた側に位置する孔との間隔を広く形成することを特徴とする。
【0008】
請求項3に記載の本発明は、把持する運動用具の平面上から1列目には、2つの孔を貫通形成し、2列目には4つの孔を貫通形成し、3列目には1つ乃至4つの孔を貫通形成することを特徴とする。
【0008】
請求項4に記載の本発明は、把持する運動用具の全体の形状は、略丸板状、略角板状、円柱状、球状、多角柱状に形成することを特徴とする。
【0009】
請求項5に記載の本発明は、把持する運動用具の素材は、木、鋳物、樹脂などの硬い素材、またはゴム、スポンジ、発泡素材、ゲルなどの柔らかい素材で形成することを特徴とする。
【0010】
請求項6に記載の本発明は、把持する運動用具には、連結部材を有し、前記連結部材には紐様又はバネ様の伸長性の弾力部材を取り付けることを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
請求項1に記載の本発明の把持する運動用具は、平面の中心線の近くに位置する孔と孔の間隔を広く形成することで、特定の指と指の付け根を広げて使用することができる。特定の指と指の付け根を広げることで、その指からつながる前腕、上腕、肩などの筋肉に負荷をかけ特定の部位の内側の筋肉を鍛えることができるという優れた効果を発揮する。
【0011】
筋力アップ用の運動用具は、両手でしっかりグリップを握り、バネを引っ張る、緩めるという行為により筋力を向上させるものである。しっかりグリップを握るために、手首、肘、肩の関節が緊張し、主に外側の筋肉しか鍛えることができない。外側の筋肉とは、体の表面に近い筋肉である。外側の筋肉は大きな力を出す時には効果を発揮する筋肉であるが、逆に細やかな動きや素早い動きをする際には内側の筋肉の運動が必要になってくる。この内側の筋肉とは俗にいうインナーマッスルといわれる筋肉であり、骨に近い部分にある筋肉である。本願の把持する運動用具は、この内側の筋肉を鍛えることで、同時に外側の筋肉にも負荷をかけることができるという用具である。
【0012】
また、特願2007−114845号は、指の怪我予防のためのトレーニング器具であり、手の指及び指の付け根を中心に鍛え、指先に負荷がかかるように孔の位置を設定している。本願の把持する運動用具は、第3指と第4指を始め、他の各指と指の付け根が開くように孔の位置を設定し、さらに、足の指も同様に指と指の付け根を開いて運動できるように孔を形成している。
【0013】
請求項2に記載の本発明の把持する運動用具は、平面中心線に近い孔と孔との間隔を狭くして、中心線に近い孔と中心線から遠くにある孔との間隔を広げることで、特定の指と指を広げて運動をすることができる。特定の指と指の付け根を広げることで、その指からつながる前腕、上腕、肩などの筋肉に負荷をかけ特定の部位の内側の筋肉を鍛えることができるという優れた効果を発揮する。また、手を広げて運動するということは、手首、肘、肩の関節を緩めた状態で大きく運動ができる効果を生み、各関節、筋肉の可動域を広げ、内側の筋肉に負荷をかけることができる。
【0013】
請求項3に記載の本発明の把持する運動用具は、平面上から1列目、2列目、3列目にそれぞれ孔を貫通形成することにより、さまざまな位置に指を入れることができる。限界まで指を開きたい場合は、離れた位置の孔に指を入れ手を開く、また、少しだけ指を開きたい場合は、近くの孔に指を入れるなど指の開きを調節することができる。指の開きを調節することで筋肉にかかる負荷の加減を調整することができる。また、1つの把持する運動用具を手の指で持ち、もう1つの把持する運動用具に足の指を入れ、把持する運動用具に取り付けられた弾力部材を引っ張る、捻じる、伸ばす、緩める等の運動をすることで、手の指、足の指の筋肉を起点とした全身につながる筋肉へと負荷をかけ、全身の内側の筋肉をまんべんなく鍛えることができるという優れた効果を発揮する。
【0014】
請求項4に記載の本発明の把持する運動用具は、上から1列目、2列目の孔は中心線側に近い孔と孔との間隔を広くし、間隔を広くした孔にそれぞれ第3指と第4指を入れ指の付け根を広げて運動することができる。第3指と第4指の付け根の間を意図的に広げて運動をすることで、第3指及び第4指の指伸筋からつながる前腕の内側の筋肉、さらに上腕、肩につながる内側の筋肉にまで広く負荷をかけることができ、大きな可動域をつくることができるという優れた効果を発揮する。
【0015】
第3指と第4指には自由自在に動くための独立した筋肉がないために、指自体を自由に伸ばす、縮めるなどの運動が難しい。特に第4指の指伸筋は第3指と第5指の指伸筋にくっついているため、自由に動かすことが困難であり、よって、第4指は、第3指と第5指の動く方向におのずと引っ張られて動くような状態になっている。この第3指と第4指の指の付け根を意図的に広げて伸ばし運動をすることで、第3指と第4指の指伸筋に圧力をかけウエートを乗せることが可能となる。ウエートを乗せた状態で、引っ張る、捻じる、伸ばす、緩めるなどの運動をすることで、第3指と第4指の指伸筋からつながる前腕の内側の筋肉がおのずと大きく運動させられ、さらに前腕からつながる上腕、肩などの内側の筋肉にまで広く負荷をかけることが可能となってくる。第3指と第4指の指の付け根を広げるだけで、指にウエートが乗り、通常の運動域より大きく運動をすることが可能となるため、指からつながる前腕、上腕、肩、背中などの内側の小さな筋肉に負荷をかけ、速い動きや細かい動きに対応できる筋肉をつくることができるという優れた効果を発揮する。
【0016】
請求項4に記載の本発明の把持する運動用具は、孔を形成することができるものであればどのような形状にも成形することができ、成形する形状により重量の調整ができるという優れた効果を発揮する。
【0017】
請求項5に記載の本発明の把持する運動用具は、板、鋳物、樹脂などの硬い素材で形成する場合は、トレーニング用として使用でき、また、ゴム、スポンジ、発泡素材、ゲルなどの柔らかい素材で形成する場合は、機能回復のためのリハビリテーションなどに利用できるという優れた効果を発揮する。
【0018】
請求項6に記載の本発明の把持する運動用具は、伸長性のある弾力部材を2つの把持する運動用具に取り付け、両手で引っ張る、捻じる、伸ばす、緩めるなどの運動をすることが可能である。また、一方の把持する運動用具の孔に手の指を入れ、他方の把持する運動用具の孔に足の指を入れ、引っ張る、捻じる、伸ばすなどの運動をすることで、上半身と下半身とを連動させて運動することができ、1つの動きで上下半身の内側の筋肉の運動ができるという優れた効果を発揮する。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】 本発明の把持する運動用具の平面図である。
【図2】 本発明の把持する運動用具の平面図の中心線を描いた図である。
【図3】 本発明の把持する運動用具のA−A線断面図である。
【図4】 本発明の把持する運動用具のB−B線断面図である。
【図5】 本発明の把持する運動用具のC−C線断面図である。
【図6】 本発明の把持する運動用具の第2の実施例である。
【図7】 本発明の把持する運動用具の第2の実施例のD−D断面図である。
【図8】 本発明の把持する運動用具の第3の実施例である。
【図9】 本発明の把持する運動用具の第4の実施例である。
【図10】 本発明の把持する運動用具の実施例である。
【図11】 本発明の把持する運動用具の指の入れ方の一例である。
【図12】 本発明の把持する運動用具を使った運動の一例である。
【図13】 本発明の把持する運動用具を使った運動の一例である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、本発明を図面に示す実施形態図1〜13に基づき説明をする。ただし、以下の実施するための形態は、本発明を把持する運動用具の一例として説明するものであり、この説明の図の項に限定されるものではない。
【0020】
図1は、本発明の把持する運動用具1の半面図である。把持する運動用具1、上から1列目に形成する孔2、3、2列目に形成する孔4、5、6、7、3列目に形成する孔8、切断面A−A線、B−B線、C−C線から構成される。把持する運動用具1は、例えば、肉厚の円形状に形成しているが、形状は楕円状、四角形状、円柱状、角柱状、球状などでも形成することができる。また、孔2、3、4、5、6、7、8の形状は、円筒状に真っ直ぐ形成することもできるが、一方面の孔の径より他方面の孔の径を大きくしテーパー状に貫通形成することもできる。把持する運動用具1の直径、肉厚、各孔の大きさはユーザーの手の大きさや指の太さに応じて適宜決定される。
【0021】
図2は、本発明の把持する運動用具1の平面図に中心線Eを表した図である。中心線Eを中心に上から1列目の孔2、3、2列目の孔4、5、6、7は対称に貫通形成される。特に肝要とされる部分は中心線E側に近い1列目の孔2、3、2列目の孔4、5の間隔を他の孔より離すことである。例えば、孔6に第2指を入れ、孔4に第3指を入れ、孔5に第4指を入れ、孔7に第5指を入れて運動をした場合、自由に動かすことが難しいとされる第3指、第4指を広げて運動をさせることで、指の指伸筋からつながる前腕、上腕、肩などの筋肉に広く負荷がかかり、通常以上に大きな可動域をつくることができる。可動域が大きくなることで、内側の筋肉を始め、外側の筋肉にまでその負荷が伝わり効率的に全身の筋肉を鍛えることが可能となる。
【0022】
図3は、本発明の把持する運動用具1のA−A線断面図である。指を入れる上から1列目の孔2、3、孔2と孔3との距離aから構成される。例えば、1列目に貫通形成する孔2と3は一方の面の径を大きく形成し、他方の面の孔の径を小さく形成しテーパー状に貫通形成することもでき、また、真っ直ぐ平行に貫通形成することもできる。例えば、孔2、3の一方の大きな孔側から、第2指を孔3に入れ、第3指を孔2に入れてシャドウピッチングなどのトレーニングをすることで、第2指、第3指からつながる手首、前腕、上腕、肩、背中などピッチングに必要な筋肉に負荷をかけ鍛えることができるというトレーニングが可能である。
【0023】
図4は、本発明の把持する運動用具1のB−B線断面図である。2列目に貫通形成する孔4、5、6、7、孔4と孔5との距離a、孔4と孔6及び孔5と孔7の距離bから構成される。孔4と5の距離aは、孔4と孔6及び孔5と孔7の距離bよりも広く形成することが肝要である。例えば、孔4に第3指を入れ、孔5に第4指を入れて使用することで、第3指と第4指の指の付け根を広げることができる。
【0024】
解剖学的に第3指と第4指は単独で指を動かす筋肉が発達していないため、自由に伸ばすことが困難とされている。この第3指と第4指の指の間を意図的に広げて伸ばし、捻じる運動を行うことで第3指と第4指からつながる内側の筋肉の可動域を大きく広げることができ、筋肉や腱、骨などに負荷をかけて鍛えることができる。
【0025】
また、径が小さい他方の孔から指を入れた場合は、指先に力を入れて把持する運動用具1の孔を掴むことになり、手首、前腕部、上腕部、肩に力が入り、外側の筋肉に負荷をかけやすくなる。指先を入れる孔の径の大小により、内側の筋肉、外側の筋肉、腱、骨など鍛える部位が異なり多彩な運動ができる。
【0026】
図5は、本発明の把持する運動用具1のC−C線断面図である。上から3列目に貫通形成する孔8は1列目、2列目に貫通形成する各孔より大きく形成することができ、足の指を挿入できるような形状にすることができる。孔8の形状は、一方の面の径を大きく形成し、他方の面の孔の径を小さく形成しテーパー状に貫通させることができるが、テーパー状ではなく孔を並行に真っ直ぐ貫通させることも可能である。また、一方の孔の径と他方の孔の径を同径にし、内側の貫通孔の径を小さくすることも可能である。
【0027】
また、図3の1列目の孔が2つ、図4の2列目の孔が4つ、図5の3列目の孔は1つに形成されているが、例えば、1〜3列目の孔の数は上中下段入れ替わることも可能である。例えば、1列目に孔を4つ、2列目に孔を1つ、3列目に孔を2つなど、組み合わせは随意である。また、各孔の位置は、秩序良く並ぶことも可能であり、ランダムに任意の位置に貫通形成することも可能である。
【0028】
図6は、本発明の把持する運動用具の第2の実施例9の平面図である。各孔10、11、12、13、14、15、16、17、切断面D−D線から構成される。孔16、17は手の指、足の指どちらも入れることが可能であり、他の孔より大きめに貫通形成する。
【0029】
例えば孔16に足の第3指、孔17に足の第4指を入れてトレーニングをする方法、または、孔16に親指を入れ、孔17に残りの指を入れる方法など、入れる指により鍛える部位が異なり、さまざまな部位の筋肉に負荷をかけることができる。足の指の筋肉は、足首、ふくらはぎ、ひざ、もも、尻、腰、腹筋などへつながっており、足の指の筋肉に負荷をかけることで、全身の筋肉に負荷をかけることができる。特にも足の各指に意識を集中し広げる、縮める、回内、回外することで、各部位の内側の筋肉にまで負荷をかけることができしなやかな筋肉をつくることが可能である。
【0030】
図7は、本発明の把持する運動用具の第2の実施例9のD−D線断面図である。孔16、17、指止め部18から構成される。指止め部18は、孔16、17を2等分にして形成することもでき、3対1の大きさで形成することもでき、孔16と17の大きさの比率は任意に決定することができる。指止め部18は、指を入れた時に指と指の間に挟まるように指の形状を考慮して形成する。また、指止め部18は、指と指の間を広げる役割と指を入れた時に把持部9が安定するように形成するものでもある。
【0031】
図8は、本発明の運動用具の第3の実施例の平面図である。平面上から1列目には、指を入れる孔を2つ乃至3つ、上から2列目には孔を4つ、上から3列目には孔を4つ、上から4列目には孔を1つ乃至4つそれぞれ形成することができる。この孔の配列により、例えば、上から1列目の孔20、21、22には第3指、第4指、第5指をそれぞれ入れ、指と指の付け根を広げながら、引っ張る、捻じる、伸ばす、緩めるなどの運動をすることで、各3本の指を起点とした前腕へとつながる腱、筋肉へと負荷がかかり、3本の指を中心に握力を向上させる筋肉を鍛えることができる。3本の指と握力を鍛えることで、ゴルフ、野球、テニス、剣道などグリップを握り打撃をするスポーツにおいて、最も主要な3本の指を効果的に使えるようになる。
【0032】
また、平面上から1列目の3つの孔に、例えば第2指、第3指、第4指をそれぞれ入れ、引っ張る、捻じる、伸ばす、緩めるなどの運動をすることで、第2指、第3指、第4指の3本の指を起点とした上腕部へつながる腱、筋肉へと負荷をかけることができ、投手に必要な指の力を鍛えることができる。
【0033】
また、平面上から2列目の4つの孔は、孔23と孔24の間隔を広く形成し、孔23と孔25及び孔24と孔26間隔を狭く形成する。例えば、孔23には第3指を入れ、孔24には第4指を入れて使用する。
【0034】
また、平面上から3列目の4つの孔は、孔27と孔28の間隔を狭く形成し、孔27と孔29及び孔28と孔30の間隔を広く形成する。例えば第2指を孔29に、第3指を孔27に、第4指を孔28に、第5指を孔30にそれぞれ入れる。孔27と孔29、孔28と孔30の間隔が広く形成されているために、意図的に第2指と第5指の指の付け根を広げることができる。指の付け根を広げることで、指が引っ張られ第2指と第5指に圧力が加えられ、指にウエートが乗りやすくなる。指にウエートが乗った状態で、引っ張る、捻じる、伸ばす、緩めるなどの運動をすることで、効率的に第2指と第5指に負荷がかかり、第2指と第5指を起点とした前腕、上腕などにつながる外側の筋肉が運動され鍛えられる。
【0035】
図9は、本発明の把持する運動用具1の第4の実施例33である。孔34、35、36、37、孔34と孔35の距離c、孔34と孔36及び孔35と孔37の距離dから構成される。孔34と35の距離cは、孔34と孔36の距離dより広く形成することが肝要である。例えば、孔36に第2指を、孔34に第3指を、孔35に第4指を、孔37に第5指をそれぞれ入れる。dよりcの間隔が広いことで第3指と第4指の指の間が広げられ、第3指と第4指が広げられた状態で運動をすることにより、指からつながる筋肉や腱の可動域が広がり、内側の筋肉を起点に、外側の筋肉にまで負荷をかけることができる。また、33の両端には、おもりを取り付けてダンベル状に使用することもできるが、おもりを取り外し軽くして、機能回復を目的に指の運動用としても使用することができる。
【0036】
図10は、本発明の把持する運動用具の実施例である。把持する運動用具1、9、3列目の孔8、16、17から構成される。把持する運動用具1の3列目の孔は、手の指又は足の指が入る程度の形状、大きさに貫通形成する。また、把持する運動用具9の3列目の孔16、17は手の指又は足の指の付け根で挟むことができるように1つ乃至4つの孔を貫通形成し、大きさ、形状は任意である。把持する運動用具1、9の形状は円形の他に、孔を貫通形成することができるものであれば、球状、多角形、楕円形など、形状は任意である。また、素材に関しても、板、鋳物、樹脂などの硬い素材、またはゴム、スポンジ、発泡素材などの柔らかい素材で形成することができる。
【0037】
図11は、本発明の運動用具の使い方の一例である。上から1列目の孔2、3、2列目の孔6、7、3列目の孔8を使って手の指を入れた状態である。このように、使用者は指と指の間を広げるために任意の孔に指を入れ、指を広げた状態で、連結部材38、40を介して弾力部材39、41を引っ張る、捻じる、伸ばす、緩めるなど多彩な運動をすることができる。指を広げて運動をすることで、各関節や筋肉から力を抜くことができ、力を抜くことで手首、肘、肩を大きく回転運動をさせることができる。各関節、各筋肉の可動域が広がり、運動の負荷が内側の筋肉を始め、腱、骨、外側の筋肉など広範囲に渡ることで効率的に全身の筋肉や骨に負荷をかけることができる。また、図11の弾力部材39、41は2本連結されているが、1本でも3本でも4本でも可能である。
【0038】
図12は、本発明の把持する運動用具の使い方の一例である。上から2列目の孔にそれぞれ手の指を広げて差し込み、弾力部材を引っ張る、捻じる、伸ばす、緩めるなどの運動を簡単に行うことができる。立ちながら両手で把持する運動用具を引っ張る、捻じりながら伸ばす運動の他に、一方の把持する運動用具には足の指先を入れ、他方の把持する運動用具には手の指を入れ、横臥しながら手で弾力部材を引っ張る、足で引っ張る、捻じる、伸ばす、緩めるなどの運動をすることができる。
【0039】
図13は、本発明の把持する運動用具9の使い方の一例である。上から3列目に形成した2つの孔に任意の足の指と指の間を広げて挟み、引っ張る、捻じる、伸ばす、緩めるなどの運動をすることができる。足の指を広げて運動をすることにより、足の指先、足首、アキレス腱、ふくらはぎ、膝関節、股関節、腰、腹筋など幅広い範囲に負荷をかけることができ、内側の筋肉を中心に、外側の筋肉にまで効率的に負荷をかけることができる。
【産業上の利用可能性】
【0040】
手の指、足の指を開きながら手と足を連動させた運動をすることにより、内側の筋肉に効率的に負荷をかけることができ、さまざまなスポーツやトレーニング、機能回復に活用できる。
【符号の説明】
【0041】
1 運動用具
2、3 平面上から1列目の孔
4、5、6、7 平面上から2列目の孔
8 平面上から3列目の孔
9 運動用具第2の実施例
10、11 平面上から1列目の孔
12、13、14、15 平面上から2列目の孔
16、17 平面上から3列目の孔
18 指止め部
19 運動用具第3の実施例
20〜30、34〜37 手の指を入れる孔
31、32 手の指、足の指を入れる孔
38、40 連結部材
39、41 弾力部材
A−A 切断線
B−B 切断線
C−C 切断線
D 中心線
a、b、c、d 孔と孔の距離
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の孔を形成した把持する用具であり、前記複数の孔の位置は、前記把持する用具の平面縦の中心線に対して左右対称に形成し、前記複数の孔の間隔は、前記把持する用具の平面縦の中心線の近くに位置する孔と孔との間隔を広く形成し、前記中心線の近くに位置する孔と前記中心線から離れた側に位置する孔との間隔を狭く形成することを特徴とする把持する運動用具。
【請求項2】
前記把持する運動用具に複数形成する孔の位置は、前記中心線の近くに位置する孔と孔との間隔を狭く形成し、前記中心線の近くに位置する孔と前記中心線から離れた側に位置する孔との間隔を広く形成することを特徴とする請求項1に記載の把持する運動用具。
【請求項3】
前記把持する運動用具の平面上から1列目には、2つの孔を貫通形成し、2列目には4つの孔を貫通形成し、3列目には1つ乃至4つの孔を貫通形成することを特徴とする請求項1乃至請求項2に記載の把持する運動用具。
【請求項4】
前記把持する用具の全体の形状は、略丸板状、略角扱状、円柱状、球状、多角柱状に形成することを特徴とする請求項1乃至請求項3に記載の運動用具。
【請求項5】
前記把持する用具の素材は、木、鋳物、樹脂などの硬い素材、またはゴム、スポンジ、発泡素材、ゲルなどの柔らかい素材で形成することを特徴とする請求項1乃至請求項4に記載の運動用具。
【請求項6】
前記把持する用具には、連結部材を有し、前記連結部材には紐様又はバネ様の伸長性の弾力部材を取り付けることを特徴とする請求項1乃至請求項4に記載の運動用具。
【請求項1】
複数の孔を形成した把持する用具であり、前記複数の孔の位置は、前記把持する用具の平面縦の中心線に対して左右対称に形成し、前記複数の孔の間隔は、前記把持する用具の平面縦の中心線の近くに位置する孔と孔との間隔を広く形成し、前記中心線の近くに位置する孔と前記中心線から離れた側に位置する孔との間隔を狭く形成することを特徴とする把持する運動用具。
【請求項2】
前記把持する運動用具に複数形成する孔の位置は、前記中心線の近くに位置する孔と孔との間隔を狭く形成し、前記中心線の近くに位置する孔と前記中心線から離れた側に位置する孔との間隔を広く形成することを特徴とする請求項1に記載の把持する運動用具。
【請求項3】
前記把持する運動用具の平面上から1列目には、2つの孔を貫通形成し、2列目には4つの孔を貫通形成し、3列目には1つ乃至4つの孔を貫通形成することを特徴とする請求項1乃至請求項2に記載の把持する運動用具。
【請求項4】
前記把持する用具の全体の形状は、略丸板状、略角扱状、円柱状、球状、多角柱状に形成することを特徴とする請求項1乃至請求項3に記載の運動用具。
【請求項5】
前記把持する用具の素材は、木、鋳物、樹脂などの硬い素材、またはゴム、スポンジ、発泡素材、ゲルなどの柔らかい素材で形成することを特徴とする請求項1乃至請求項4に記載の運動用具。
【請求項6】
前記把持する用具には、連結部材を有し、前記連結部材には紐様又はバネ様の伸長性の弾力部材を取り付けることを特徴とする請求項1乃至請求項4に記載の運動用具。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2012−239861(P2012−239861A)
【公開日】平成24年12月10日(2012.12.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−127727(P2011−127727)
【出願日】平成23年5月20日(2011.5.20)
【出願人】(399043417)有限会社内田販売システム (24)
【出願人】(592047663)
【出願人】(597030637)
【公開日】平成24年12月10日(2012.12.10)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年5月20日(2011.5.20)
【出願人】(399043417)有限会社内田販売システム (24)
【出願人】(592047663)
【出願人】(597030637)
[ Back to top ]