説明

情報表示装置およびそのプログラム

【課題】 表示される情報リストに含まれている各情報について、各情報の大部分の文字が同じである場合にも、容易にそれの情報を区別すること。
【解決手段】 情報表示制御装置は、選択手段によって選択されている情報について、選択手段によって選択されていない他の情報の少なくとも1つと、先頭文字から同じ文字が連続する最後の文字を特定する文字特定手段と、選択手段によって選択された情報を、文字特定手段によって特定された文字が前記表示装置に表示されるまで、第1速度でスクロール表示させ、文字特定手段によって特定された文字が前記表示装置に表示された後、前記第1速度よりも低速である第2速度でスクロール表示させる表示制御手段とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報表示装置およびそのプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
HDDやフラッシュメモリなどに記録されている複数のオーディオファイルの中からユーザ操作によって選択されたオーディオファイルを再生するコンテンツ再生装置が利用されている。ユーザが複数のオーディオファイルの中から所望のオーディオファイルを探すために、コンテンツ再生装置の表示部には、オーディオファイルのコンテンツ情報の一覧であるコンテンツ情報リスト(アーティストリスト、アルバムリスト、曲リストなど)が表示される。
【0003】
コンテンツ再生装置の表示部は、コンテンツ情報リスト内の各コンテンツ情報(例えば、アルバムリストの場合、アルバム名であり、以下、アルバム名を例に説明する。)を一度に(つまりスクロールせずに)表示できる文字数に制限がある。例えば、アルバム名を一度に5文字しか表示できない。ここで、一般的にアルバムリストは、アルバム名が昇順又は降順に列挙されるので、表示されているアルバムリスト内の複数のアルバム名について、一度に表示できる文字数の文字列(例えば先頭から5文字)が同一である場合、ユーザはこれらの複数のアルバム名を区別することができない。例えば、図2(a)に示すように、アルバムリストの001番目のアルバム名が「ABCDEFGH3」であり、002番目のアルバム名が「ABCDEFG」であったとしても、共に「ABCDE」と表示されるので、これらを区別することができない。
【0004】
そこで、フォーカス(カーソル)が表示され選択されているアルバム名を左方向へとスクロール表示させることにより、すべての文字を順次表示する方法が採用されている。しかし、複数のアルバム名について、アルバム名の大部分が同一である場合には、アルバム名のスクロール表示をかなり注視しないと、アルバム名を区別することが困難であるという問題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2001−184152号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は上記従来の課題を解決するためになされたものであり、その目的は、表示される情報リストに含まれている各情報について、各情報の大部分の文字が同じである場合にも、容易にそれの情報を区別することができる情報表示制御装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の好ましい実施形態による情報表示制御装置は、複数の情報を含む情報リストを、各情報について所定文字数のみ一度に表示可能な表示装置に表示させる情報表示制御装置であって、前記表示装置に表示されている複数の情報の中から1つの情報を選択する選択手段と、前記選択手段によって選択されている情報について、前記選択手段によって選択されていない他の情報の少なくとも1つと、先頭文字から同じ文字が連続する最後の文字を特定する文字特定手段と、前記選択手段によって選択された情報を、前記文字特定手段によって特定された文字が前記表示装置に表示されるまで、第1速度でスクロール表示させ、前記文字特定手段によって特定された文字が前記表示装置に表示された後、前記第1速度よりも低速である第2速度でスクロール表示させる表示制御手段とを備える。
【0008】
選択手段によって選択された情報を、文字特定手段によって特定された文字が表示装置に表示されるまで、高速である第1速度でスクロール表示させる。また、文字特定手段によって特定された文字が表示装置に表示された後、低速である第2速度でスクロール表示させる。従って、選択された情報を一意に特定できる文字が表示装置に表示される際には、低速で情報がスクロール表示されるので、選択された情報を他の情報と容易に区別することができる。また、選択された情報を一意に特定できる文字が表示装置に表示されるまでは、高速で情報がスクロールされるので、選択された情報を一意に特定できる文字が表示装置に表示されるまでに時間がかかるという問題を解決できる。
【0009】
好ましい実施形態においては、前記選択手段によって選択されている情報について、先頭文字から前記所定文字数の文字が同じである前記選択手段によって選択されていない他の情報が存在しない場合、前記表示制御手段が、前記選択手段によって選択されている情報を常時前記第1速度でスクロール表示させる。
【0010】
この場合、選択された情報をスクロールさせる前から、選択された情報を一意に特定できる文字が表示装置に表示されている。従って、途中でスクロール速度を変更する必要がないので、選択された情報を常に高速でスクロールさせることにより、迅速に選択された情報の全体を表示装置に表示させることができる。
【0011】
本発明の別の好ましい別の実施形態による情報表示制御装置は、複数の情報を含む情報リストを、各情報について所定文字数のみ一度に表示可能な表示装置に表示させる情報表示制御装置であって、前記表示装置に表示されている複数の情報の中から1つの情報を選択する選択手段と、前記選択手段によって選択されている情報について、前記選択手段によって選択されていない他の情報の少なくとも1つと、先頭文字から同じ文字が連続する最後の文字を特定する文字特定手段と、前記選択手段によって選択された情報を、前記文字特定手段によって特定された文字の次の文字から最後尾の文字までのいずれも前記表示装置に表示されていないとき、第1速度でスクロール表示させ、前記文字特定手段によって特定された文字の次の文字から最後尾の文字までのいずれかが前記表示装置に表示されているとき、前記第1速度よりも低速である第2速度でスクロール表示させる表示制御手段とを備える。
【発明の効果】
【0012】
表示される情報リストに含まれている各情報について、各情報の大部分の文字が同じである場合にも、容易にそれの情報を区別することができる情報表示装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の好ましい実施形態によるコンテンツ再生装置1の構成を示すブロック図である。
【図2】表示部7に表示されるアルバムリストのスクロールの遷移を示す図である。
【図3】図2のアルバムリストに表示される各アルバム名を説明する図である。
【図4A】制御部2の処理(情報表示制御処理)を説明するフローチャートである。
【図4B】制御部2の処理(情報表示制御処理)を説明するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の好ましい実施形態による情報表示制御装置が適用されるコンテンツ再生装置について、図面を参照して具体的に説明するが、本発明はこれらの実施形態には限定されない。
【0015】
図1は、コンテンツ再生装置1を示す概略ブロック図である。コンテンツ再生装置1は、制御部2と、HDD(又はフラッシュメモリ)等の記録デバイス3と、ROM4と、RAM5と、DSP等の再生部6と、表示部7と、操作部8とを概略備える。
【0016】
HDD3には複数のコンテンツが記録されている。コンテンツは、映像データ、音楽データ、静止画データ等の総称であり、本例では、オーディオファイルである。HDD3に記録されているオーディオファイルは、制御部2の指示によって再生部6によって読み出され、再生(例えば、デコード、DA変換、増幅処理等)される。再生されたオーディオ信号は図示しないスピーカー出力端子を介してスピーカー100に出力される。
【0017】
HDD3には、コンテンツ情報データベースが格納されている。コンテンツ情報データベースは、HDD3に記録されている全オーディオファイルについてのコンテンツ情報(メタデータであり、例えば、アーティスト名、アルバム名、曲名、ジャンル名、再生時間等)を管理する。また、HDD3には、コンテンツ情報リストが格納されている。コンテンツ情報リストは、ユーザが所望のオーディオファイルを探すために表示部7に表示される情報リストである。コンテンツ情報リストには、複数のアーティスト名の一覧であるアーティストリスト、複数のアルバム名の一覧であるアルバムリスト、複数の曲名の一覧である曲リスト、複数のジャンル名の一覧であるジャンルリスト等が存在する。これらのコンテンツ情報リストは、一般的に、アルファベット順、又は、五十音順に、昇順または降順でコンテンツ情報が一覧化されている。
【0018】
表示部7は、コンテンツ情報リストを表示するものであり、LCD(液晶ディスプレイ)等が採用され得る。表示部7は、コンテンツ再生装置1自体に内蔵されていなくてもよく、外部接続されるものでもよい。表示部7は、コンテンツ情報リストを表示する際に、コンテンツ情報リストに列挙されている各コンテンツ情報について一度に(「一度に」とは「スクロール表示せずに」という意味である。)表示できる文字数が制限されている。例えば、図2に示すように、表示部7は、各コンテンツ情報について一度に5文字しか表示することができない。なお、図2は、アルバムリストを示しているが、アルバムリストに含まれる複数のアルバム名の内の5つのアルバム名が表示されている。
【0019】
操作部8は、ユーザ操作を受け付けるものであり、コンテンツ再生装置1の筺体に設けられた操作ボタンや、リモコン送受信装置等である。操作部8によるユーザ操作によって、表示部7に表示されるコンテンツ情報リスト内の1つのコンテンツ情報にフォーカス(カーソル)を表示させ、1つのコンテンツ情報を選択することができる。図2(a)では、001番のアルバム名にフォーカスが表示されている。フォーカスが表示されているコンテンツ情報は、左方向にスクロール表示させることによって、全文字列を表示させることができる。
【0020】
制御部2は、ROM4等に格納されている情報表示制御プログラムをRAM5に読み出して実行することにより、後述する各処理(情報表示制御処理)を実行するものであり、マイコンやCPU等である。制御部2は、フォーカスが表示されているコンテンツ情報について、先頭の文字から表示部7に一度に表示可能な文字数の文字までの文字列(本例では5文字)が、選択されていないコンテンツ情報の文字列と同じであるか否かを判断する。同じであれば、制御部2は、フォーカスが表示されているコンテンツ情報について、選択されていないコンテンツ情報の文字列と区別することができない(同一である)文字の最後の文字を特定する。
【0021】
制御部2は、区別することができない最後の文字が表示されるまでは、フォーカスが表示されているコンテンツ情報を、高速である第1速度でスクロール表示する。一方、制御部2は、区別することができない文字が表示された後は(つまり、選択されたコンテンツ情報を一意に特定できる文字が表示されるようになると)、フォーカスが表示されているコンテンツ情報を、第1速度よりも低速の第2速度でスクロール表示する。
【0022】
より具体的には、区別することができない最後の文字の次の文字から最後尾の文字までのいずれも表示部7に表示されていないときに、フォーカスが表示されているコンテンツ情報を第1速度でスクロール表示させ、区別することができない最後の文字の次の文字から最後尾の文字までのいずれかが表示部7に表示されているとき、フォーカスが表示されているコンテンツ情報を第2速度でスクロール表示させる。
【0023】
以下、コンテンツ再生装置1のコンテンツ情報表示制御処理を説明する。図2は、表示部7に表示されるアルバムリストを示し、フォーカスが表示されている001番のアルバム名が図2(a)から図2(f)に進むにつれてスクロール表示される状態を示す。図3は、図2のアルバムリストに表示される各アルバム名の全体の文字列を説明する図である。例えば、001番のアルバム名は「ABCDEFGH3」であり、002番のアルバム名は「ABCDEFG」である。図4Aおよび図4Bは、制御部2の情報表示制御処理を示すフローチャートである。以下、コンテンツ情報がアルバム名である場合を説明するが、他の情報についても同様である。
【0024】
制御部2は、表示部7に表示されているアルバム名(以下、文字列という。)に、例えばユーザ操作によって、フォーカスが表示されたか否かを判断している(S1)。本例では、図2の通り、001番の文字列にフォーカスが表示される。フォーカスが表示された場合(S1でYES)、表示部7に表示される1つの文字列(つまりアルバムリストの1行分、1つのアルバム名)の一度に表示可能な文字数の情報を取得し、maxStrLenに代入する(S2)。本例では、maxStrLenは5である。1つの文字列を1度に表示可能な文字数は、画面毎に予め定めれており、その情報はROM5に記憶されている。次に、制御部2は、フォーカスが表示された文字列の全文字数がmaxStrLenより大であるか否かを判断する(S3)。フォーカスが表示された文字列の全文字数がmaxStrLen以下の場合(S3でNO)、文字列をスクロールしなくても文字列全体を表示可能であるので、スクロール表示を実行せずに、処理を終了する。
【0025】
本例では、フォーカスが表示された001番の文字列の文字数は9文字である。フォーカスが表示された文字列の全文字数がmaxStrLenより大であるので(S3でYES)、制御部2は、表示されている画面がリスト画面であるか(つまり、複数の文字列が表示されているか)否かを判断する(S4)。リスト画面でない場合(S4でNO)、例えば、再生画面において1つのアルバム名のみが表示されている等、1つの文字列しか表示されていない場合、フォーカスが表示されている文字列を選択されていない文字列と区別できないという問題が生じないので、高速である第1速度で文字列を左方向にスクロール表示する(つまり、通常のスクロール表示を実行する)(S20)。
【0026】
リスト画面である場合(S4でYES)、制御部2は、表示部7に表示され選択されていない文字列の中で、先頭文字からmaxStrLenまでの文字が、フォーカスが表示された文字列focusStrの先頭文字からmaxStrLenまでの文字と一致する文字列が少なくとも1つ存在するか否かを判断する(S5)。つまり、フォーカスが表示された文字列をスクロールする前は、フォーカスが表示された文字列を、選択されていない文字列と区別できないか否かが判断される。存在しなければ(S5でNO)、フォーカスが表示されている文字列を、スクロール表示する前から、フォーカスが表示されていない文字列と区別することができるので、選択された文字列を第1速度で左方向にスクロール表示する(通常のスクロール表示を実行する)(S20)。
【0027】
S5で存在すると判断された場合(S5でYES)、以下の処理で、制御部2は、フォーカスが表示されている文字列について、選択されていない文字列の少なくとも1つと、先頭文字から同じ文字が連続する最後の文字を特定する。まず、制御部2は、一致する文字列の個数をNとし、一致する文字列のアルバムリスト上の番号をリストラインナンバー配列line[i]に代入する(但し、i=0,1,2、・・・)(S6)。本例では、番号が002、003、005の文字列がフォーカスが表示されている文字列と一致するので、N=3、line[0]=002、line[1]=003、line[2]=005となる。
【0028】
制御部2は、フォーカスが表示されている文字列focusStr に対して、フォーカスが表示されていない文字列の同じである文字数をsameLenに代入する。ここでは、初期値として、sameLen=maxStrLenに設定される(S7)。本例では、sameLen=5となる。
【0029】
制御部2は、リストラインナンバー配列line[i]の添え字iを0に初期化し、line[i]で特定される文字列のmaxStrLen以降の文字を特定するための添え字jを1に初期化する(S8)。次に、制御部2は、文字列変数Strに、line[i]の文字列を代入する(S9)。ここでは、i=0であるので、line[0]=002の文字列である「ABCDEFG」がStrに代入される。
【0030】
制御部2は、maxStrLen+j 番目の文字について、フォーカスが表示されている文字列の文字と、line[i]で特定される文字列の文字とが同じであるか、つまり、focusStr[maxStrLen+j]=Str[maxStrLen+j]であるかを判断する(S10)。ここでは、フォーカスが表示されている001番目の文字列の6番目の文字がFであり、line[0]=002の文字列の6番目の文字がFであるので、同じである。同じでなければ(S10でNO)、次の文字列についてチェックするために、iをインクリメントし、jを1に初期化する(S14)。同じである場合(S10でYES)、制御部2は、sameLenがmaxStren+jよりも小であるか否かを判断する(S11)。ここでは、sameLenが5であり、maxStren+j=6よりも小であるので(S11でYES)、sameLenをインクリメントし、6にする(S12)。
【0031】
制御部2は、フォーカスが表示されている文字列focusStrの最後の文字までチェックしたか否かを判断する(S13)。ここでは、まだチェックし終えていないので(S12でNO)、制御部2は、jを2にインクリメントし(S16)、S10に戻る。つまり、各文字について順番にS10〜S13の処理を繰り返す。ここでは、j=2のときにフォーカスが表示されている001番の文字列の7番目の文字がGであり、line[0]=002の文字列の7番目の文字がGであり、同じであるので(S10でYES、S11でYES)、sameLenが7にインクリメントされる。次に、j=3のときにフォーカスが表示されている001番の文字列の8番目の文字がHであり、line[0]=002の文字列の8番目の文字が存在せず、異なるので(S10でNO)、iが1にインクリメントされ、jが1に初期化される(S14)。すなわち、line[0]=002の文字列をチェックし終えた時点で7文字が同じであることが特定されている。
【0032】
制御部2は、iがNよりも小であるか(つまり、未だチェックしていない文字列が存在するか)を判断する(S15)。ここでは、iが1であり、N=3よりも小であるので、制御部2は、文字列変数Strに、line[1]=003の文字列である「ABCDEFGP」を代入する(S9)。
【0033】
制御部2は、maxStrLen+j 文字目について、フォーカスが表示されている文字列の文字と、line[i]で特定される文字列の文字とが同じであるかを判断する(S10)。ここでは、フォーカスが表示されている001番の文字列の6番目の文字がFであり、line[1]=003の文字列の6番目の文字がFであるので、同じである(S10でYES)。しかし、sameLen=7であり、maxStren+j=6以上であるので(S11でNO)、sameLenをインクリメントしない。同様に、フォーカスが表示されている001番の文字列の7番目の文字がGであり、line[1]=003の文字列の7番目の文字がGであるので、同じである(S10でYES)。しかし、sameLen=7であり、maxStren+j=7以上であるので(S11でNO)、sameLenをインクリメントしない。フォーカスが表示されている001番の文字列の8番目の文字がHであり、line[1]=003の文字列の8番目の文字がPであるので、異なっている(S10でNO)。すなわち、line[1]=003の文字列をチェックし終えた時点で7文字が同じであることが特定されている。
【0034】
再び、制御部2は、iをインクリメントし、文字列変数Strに、line[2]=005の文字列である「ABCDEFGH2」を代入する(S9)。
【0035】
制御部2は、maxStrLen+j 文字目について、フォーカスが表示されている文字列の文字と、line[i]で特定される文字列の文字とが同じであるかを判断する(S10)。ここでは、フォーカスが表示されている001番の文字列の6番目の文字がFであり、line[2]=005の文字列の6番目の文字がFであるので、同じである(S10でYES)。しかし、sameLen=7であり、maxStren+j=6以上であるので(S11でNO)、sameLenをインクリメントしない。同様に、フォーカスが表示されている001番の文字列の7番目の文字がGであり、line[2]=005の文字列の7番目の文字がGであるので、同じである(S10でYES)。しかし、sameLen=7であり、maxStren+j=7以上であるので(S11でNO)、sameLenをインクリメントしない。
【0036】
フォーカスが表示されている001番の文字列の8番目の文字がHであり、line[2]=005の文字列の8番目の文字がHであるので、同じである(S10でYES)。そして、sameLen=7であり、maxStren+j=8よりも小であるので(S11でYES)、sameLenを8にインクリメントする(S12)。次に、フォーカスが表示されている001番の文字列の9番目の文字が3であり、line[2]=005の文字列の9番目の文字が2であるので、異なっている(S10でNO)。すなわち、line[2]=005の文字列をチェックし終えた時点で8文字が同じであることが特定されている。
【0037】
その後、iが3にインクリメントされると、iがNと等しくなるので(S15でNO)、制御部2は、フォーカスが表示されている文字列について、選択されていない文字列と、先頭文字から同じ文字が連続する最後の文字を8番目の文字に特定する。制御部2は、フォーカスが表示されている文字列を第1速度で左方向(表示されていない文字が順次表示される方向)にスクロール表示させる(S17)。つまり、図2(a)から(d)に向かってアルバムリストの表示が第1速度で移り変わる。
【0038】
制御部2は、sameLenで特定される文字が表示されたか否かを判断する(S18)。つまり、選択されていない文字列と先頭文字から同じ文字が連続する最後の文字である8番目の文字(ここではH)を表示し終えたか否かが判断される。さらに言い換えると、選択されていない文字列と一意に区別できない文字を全て表示し終え、次の文字がスクロール表示されることにより、フォーカスが表示されている文字を一意に特定できるかを判断する。図2(d)のように8番目の文字であるHが表示されると(S18でYES)、制御部2は、スクロール速度を第2速度(第1速度よりも低速)に変更し、第2速度でフォーカスが表示されている文字列を左方向にスクロール表示させる(S19)。つまり、図2(e)〜(f)に向かっては第2速度でスクロール表示される。
【0039】
このように、フォーカスが表示されている文字列がスクロール表示される際に、フォーカスが表示されていない文字列と異なる文字が表示されるまでは高速でスクロールし、フォーカスが表示されていない文字列と異なる文字が表示されると低速でスクロールされる。従って、ユーザはフォーカスが表示されていない文字列と異なる文字をより確実に注視することができるので、フォーカスが表示されている文字と、フォーカスが表示されていない文字とをより確実に区別することができる。しかも、最初から低速である第2速度で文字列をスクロールさせると、フォーカスが表示されていない文字列と異なる文字が表示されるまでに時間がかかり、その結果、フォーカスが表示されている文字と、フォーカスが表示されていない文字とをより確実に区別するまでに時間がかかってしまう。しかし、フォーカスが表示されていない文字列と異なる文字が表示されるまでは高速である第1速度でスクロールさせることによって、この問題を解決できる。
【0040】
なお、図2(f)の後、継続してスクロール表示が実行され、先頭の文字が再度表示されるようになるが、最後尾の文字である3が表示されなくなると(つまり、sameLenで特定される文字から最後尾の文字までの文字(フォーカスが表示されている文字を一意に特定できる文字)のいずれもが表示されなくなると)、第2速度から第1速度に再び変更されるとよい。すなわち、フォーカスが表示されている文字列について、選択されていない文字列の少なくとも1つと、先頭文字から同じ文字が連続する最後の文字の次の文字から最後尾の文字までを表示している間だけ第2速度でスクロール表示され、その他の期間は第1速度でスクロール表示される。
【0041】
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明はこれらの実施形態には限定されない。情報表示装置はコンテンツ再生装置内に設けられていなくてもよく、例えば、コンテンツ再生装置を制御するコントローラに設けられてもよい。また、サーバに記録されたコンテンツをクライアントがネットワーク経由で取得して再生するネットワークAVシステムにおいて、クライアントに情報表示装置が設けられてもよい。また、クライアントを制御するコントローラに情報表示装置が設けられてもよい。情報表示装置が表示する情報はコンテンツ情報に限定されず、例えば、商品の在庫管理システムにおいてリスト表示される製品コードであってもよい。情報表示装置の上記処理をコンピュータに実行させるためのプログラムおよびこれを記録した記録媒体という形態で提供されてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0042】
本発明は、HDDレコーダやDAP等のコンテンツ再生装置に好適に採用され得る。
【符号の説明】
【0043】
1 コンテンツ再生装置
2 制御部
3 HDD
4 ROM
5 RAM
6 再生部
7 表示部
8 操作部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の情報を含む情報リストを、各情報について所定文字数のみ一度に表示可能な表示装置に表示させる情報表示制御装置であって、
前記表示装置に表示されている複数の情報の中から1つの情報を選択する選択手段と、
前記選択手段によって選択されている情報について、前記選択手段によって選択されていない他の情報の少なくとも1つと、先頭文字から同じ文字が連続する最後の文字を特定する文字特定手段と、
前記選択手段によって選択された情報を、前記文字特定手段によって特定された文字が前記表示装置に表示されるまで、第1速度でスクロール表示させ、前記文字特定手段によって特定された文字が前記表示装置に表示された後、前記第1速度よりも低速である第2速度でスクロール表示させる表示制御手段とを備える、情報表示制御装置。
【請求項2】
前記選択手段によって選択されている情報について、先頭文字から前記所定文字数の文字が同じである前記選択手段によって選択されていない他の情報が存在しない場合、前記表示制御手段が、前記選択手段によって選択されている情報を常時前記第1速度でスクロール表示させる、請求項1に記載の情報表示制御装置。
【請求項3】
複数の情報を含む情報リストを、各情報について所定文字数のみ一度に表示可能な表示装置に表示させる情報表示制御装置であって、
前記表示装置に表示されている複数の情報の中から1つの情報を選択する選択手段と、
前記選択手段によって選択されている情報について、前記選択手段によって選択されていない他の情報の少なくとも1つと、先頭文字から同じ文字が連続する最後の文字を特定する文字特定手段と、
前記選択手段によって選択された情報を、前記文字特定手段によって特定された文字の次の文字から最後尾の文字までのいずれも前記表示装置に表示されていないとき、第1速度でスクロール表示させ、前記文字特定手段によって特定された文字の次の文字から最後尾の文字までのいずれかが前記表示装置に表示されているとき、前記第1速度よりも低速である第2速度でスクロール表示させる表示制御手段とを備える、情報表示制御装置。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれかに記載の情報表示制御装置の各手段をコンピュータに実行させる、情報表示制御プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4A】
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【図4B】
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【公開番号】特開2011−76555(P2011−76555A)
【公開日】平成23年4月14日(2011.4.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−230047(P2009−230047)
【出願日】平成21年10月2日(2009.10.2)
【出願人】(000000273)オンキヨーサウンド&ビジョン株式会社 (502)
【Fターム(参考)】