履物
【課題】テンポよく歩行、走行ができ、速く、疲れず、且つ股関節を使った美しい姿勢で歩ける履物を提供する。
【解決手段】履物1を形成するにあたり、本底は、踵7周辺からつま先6に至る途中部分に、一方が高く、他方が低くなるように段部2を形成し、且つ土踏まず周辺から指先方向に向かって本底側に孤ができるように履物のつま先6を上方向が反るように形成する。
【解決手段】履物1を形成するにあたり、本底は、踵7周辺からつま先6に至る途中部分に、一方が高く、他方が低くなるように段部2を形成し、且つ土踏まず周辺から指先方向に向かって本底側に孤ができるように履物のつま先6を上方向が反るように形成する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スポーツシューズ、ジョギングシューズ、ウォーキングシューズ、通勤靴、サンダル、スリッパなど履物全般に関するものである。
【背景技術】
【0002】
自然に背筋が伸ばされ、美しい姿勢になり、土踏まずへの指圧効果が得られるというシューズがあった。(例えば特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特願平10−150736号広報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載のシューズは、靴底の土踏まずの中心に半円状の硬質材の凸部を形成することで、健康機能を向上させ、リズム感を味わえるものであった。
【0005】
本発明は、スポーツシューズ、ウォーキングシューズ、通勤靴、サンダル、スリッパなどを履いて走行、歩行する際に、踵がよく上がることで歩幅が広がり、疲れず、且つ姿勢を矯正できる履物を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に記載の本発明は、履物を形成するにあたり、本底は、踵周辺からつま先に至る途中部分に、一方が高く、他方が低くなるように段部を形成し、且つ土踏まず周辺から指先方向に向かって本底側に孤ができるように履物のつま先を上方向が反るように形成することを特徴とする。
【0007】
請求項2に記載の本発明は、段部は、踵側よりつま先側を高くすることを特徴とする。
【0008】
請求項3に記載の本発明は、段部は、つま先側より踵側を高くすることを特徴とする。
【0009】
請求項4に記載の本発明は、段部と地面との接点となる支点の位置を歩行、走行の目的により土踏まず周辺、指先周辺、踵周辺など任意の位置に形成することができることを特徴とする。
【0010】
請求項5に記載の本発明は、中底に形成する反りの位置は、土踏まず周辺から拇指球ないし指先周辺までとすることを特徴とする。
【0011】
請求項6に記載の本発明は、段部には履物の縦方向に沿って1本以上のスリットを形成することを特徴とする。
【0012】
請求項7に記載の本発明は、段部には履物の横方向に沿って1本以上のスリット又は、1個以上の空気室を形成することを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
請求項1に記載の本発明の履物は、1、2のテンポで疲れず、姿勢よく、速く歩くことができるものである。人間の歩行は、1、2、3のテンポで歩くのが通常の歩き方と言われている。1、2、3のテンポとは、歩行時に最初に地面に着地する部分が踵1、次に着地する部分が土踏まず周辺2、最後に着地する部分が親指側の拇指球であり、その後親指で蹴り上げる動作が3となる。土踏まず周辺2の動作を一つ減らして1、3のテンポで歩けるようにしたのが本発明の履物である。なぜならば、本底に反りを形成することで容易に足首がローリングできるとともに、本底に高さの異なる段部を形成することで、踵と土踏まず周辺が同時に地面に着地できるように形成しているからである。
【0014】
指先側の段部を高く、踵側の段部を低く形成することで、踵と土踏まずを同時に着地させることが可能となり、通常の歩くテンポの1、2の動作を一つにまとめることができる。その後、つま先側の高いほうの段部で蹴り上げる動作を2とすることで、1、2、3のテンポを1、2のテンポで速く、効率よく歩くことができるという優れた効果を発揮する。
【0015】
請求項2に記載の本発明の履物は、段部のつま先側を高く形成することで、必然的に足首、フクラハギ、太ももの裏、腰、背中が伸ばされ、真っ直ぐな姿勢で股関節を使った綺麗な歩行、走行ができるという優れた効果を発揮する。
【0016】
請求項3に記載の本発明は、段部の踵側を高く形成することで、ハイヒールを履いた時のように背筋が伸ばされ、腹筋を使った姿勢の良い綺麗な歩行ができるとともに、最初に着地する踵側の段部が高くなっていることで、踵が高く上がり歩幅が伸び、速く歩行、走行ができるという優れた効果を発揮する。
【0017】
請求項4に記載の本発明は、歩行、走行の目的により土踏まず周辺、指先周辺、踵周辺など任意の位置に小さな支点を設定することができる。例えば土踏まず周辺に支点を設定した場合には、シーソーのように前にも後ろにもたやすく足首をローリングさせることができ、特に上り傾斜の道などを容易に歩行することができ、ジョギング用、散歩用として好適である。また、支点をつま先周辺に設定した場合には、力点となる足の重心位置から支点が離れるために、歩行、走行時に力を必要とし、筋力強化のトレーニング用に好適である。また、踵周辺に支点を設定した場合には、力点となる足の重心位置と支点が近いために、力をあまり使わなくても容易に踵が上がり、歩幅が大きくなることからマラソン、短距離走行用に好適である。以上のように、支点の位置を変えることで歩行、走行に適した段部を有する履物を製作できるという優れた効果を発揮する。
【0018】
請求項5に記載の本発明の履物は、本底に形成する反りの位置は、土踏まず周辺から拇指球ないしつま先周辺とすることで、体重をつま先側に置いた時に容易に足首をローリングさせることが可能となり、歩行、走行を円滑に行うことができるという優れた効果を発揮する。
【0019】
請求項6に記載の本発明の履物は、段部の縦方向に沿って1本以上のスリットを形成することにより、本底に弾力を作ることができ、歩行、走行をする際に地面から足の裏に伝わる振動、衝撃を吸収することができ、歩行、走行時の疲労を軽減することができるという優れた効果を発揮する。
【0020】
請求項7に記載の本発明の履物は、段部の横方向に1つ以上のスリット又は空気室を形成することにより、着地時に地面を押しつける足の力と地面からの反発力を利用して、歩行、走行時に弾力効果を生み出すことができる。この弾力効果を生み出すことにより、より踵が高く上がり、歩幅が大きくなるとともに、その上がった足を着地する際の、振動、衝撃を軽減することができるという優れた効果を発揮する。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】 本発明の履物の側面図である。
【図2】 本発明の履物の底面図である。
【図3】 本発明の履物の正面図である。
【図4】 本発明の履物を履いた足の着地の瞬間の側面図である。
【図5】 本発明の履物を履いた足の着地時の側面図である。
【図6】 本発明の履物を履いた足が地面から離れる瞬間の側面図である。
【図7】 本発明の履物の第2の実施例の側面図である。
【図8】 本発明の履物の第2の実施例の底面図である。
【図9】 本発明の履物の第2の実施例の正面図である。
【図10】 本発明の履物の第2の実施例の履物を履いた足の着地の瞬間の側面図である。
【図11】 本発明の履物の第2の実施例の履物を履いた足の着地時の側面図である。
【図12】 本発明の履物の第2の実施例の履物を履いた足が地面から離れる瞬間の側面図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
以下、本発明を図面に示す実施形態図1〜12に基づき説明をする。ただし、以下の実施するための形態は、本発明を履物の一例として説明するものであり、この説明の図の項に限定されるものではない。
【0023】
図1は、本発明の履物の側面図である。履物1、つま先側段部2、空気室3、踵側段部4、縦方向のスリット5、つま先6、踵7、反り部分8、支点aから構成される。つま先側の段部2を高く形成し、踵側段部4と踵7を低く形成する。支点aとなる位置は、足関節の縦アーチの指先側の根元周辺に設定することが望ましい。足の縦アーチの根元周辺は体重を支える部位であり、例えるならアーチ橋のたもとに相当する部位である。運動を行う際に体重がかかり、足を蹴り上げる時に親指同様に力を発揮する部位でもある。この足関節の縦アーチの指先側の根元周辺に支点aを置くことと、本底に形成する反り部分8の構造により、足首が容易にローリングでき、軽々と踵を上げることができるようになる。なぜならば、支点aが踵7より高くなっていることで、支点aがテコの役割を担い、足首が容易にローリングされ、つま先側と踵側を交互に持ち上げてくれるからである。また、空気室3とスリット5は、着地時に地面を押しつける足の力と地面からの反発力を利用して、歩行、走行時に弾力効果を生み出すことができる。この弾力効果を生み出すことにより、より足が高く上がり、歩幅を大きくすることが可能となる。
【0024】
また、つま先6が踵7より高くなっていることで、足首、フクラハギ、腰、背筋が伸ばされ、頭、腰、足を同軸上に位置させることができる。これにより、姿勢が真っ直ぐに保たれ、股関節を使った歩行が可能となる。この歩行方法により内転筋や内側広筋などの通常運動量が少ない筋肉にまで負荷をかけることができ、O脚改善にも効果が表れる。
【0025】
図2は、本発明の履物1の底面図である。つま先側段部2、空気室3、縦方向のスリット5、支点aから構成される。空気室3は、体の重心に近い位置に設定することで、自分の体重を空気室3に有効に伝えることができ弾力性を生み出すことができる。また、弾力を制御する場合は、体の重心から離して空気室3を形成することもできる。空気室3の形状、大きさは目的に合わせて任意に形成することができ、略楕円状、菱形、円状など目的に合わせて適宜決定する。さらに、縦方向のスリット14があることで、地面と履物の接触面積が小さくなり、これにより本底の弾力性をより高めることができる。
【0026】
図3は、本発明の履物1の正面図である。つま先側段部2、空気室3、縦方向のスリット5、支点aから構成される。支点aは、つま先側段部2の大きさ、形状、取り付ける位置により任意の位置に設定することができる。支点aの位置を変える目的は、トレーニング用、ジョギング用、ウォーキング用、姿勢矯正用など目的に合わせて履物を形成するためである。
【0027】
図4は、本発明の履物を履いた足の着地の瞬間の側面図である。つま先側段部2、空気室3、踵側段部4、つま先6、踵7から構成される。踵側段部4は、足を踏み込む直前まで地面との間に隙間ができるように形成することが肝要である。また、つま先側段部2を踵7より高く形成することで足首、フクラハギ、腰が伸ばされ、歩くだけでストレッチ効果をもたらし姿勢の矯正を行いながら、体全体の筋力のバランスを整えることができる。
【0028】
図5は、本発明の履物を履いた足の着地時の側面図である。つま先側段部2、空気室3、踵側段部4、つま先6、踵7から構成される。踵側段部4は、図4では地面との間に隙間があったが、着地時には体重の圧力で地面との隙間がなくなっている。この隙間を形成することにより、足を踏み込んだ瞬間に弾力性が生まれ、後側に傾いていた足首が自然に前傾状態になり、股関節を使って軽々と体重移動ができるようになる。また、空気室3と相まって、着地時に地面を押しつける足の力と地面からの反発力を利用して、容易につま先側段部2で地面を蹴り上げることができ踵7も高く上がるようになる。
【0029】
図6は、本発明の履物を履いた足が地面から離れる瞬間の側面図である。つま先側段部2、つま先6、支点aから構成される。例えば短距離走の場合、つま先だけで蹴り上げるようなフォームで走るが、その場合地面と踵7の上がりの角度が、例えば50度だとするとその50度の角度に踵が上がるようにつま先側段部2の形状や大きさを設定することができる。また、姿勢良く歩きたい場合は地面と踵7の上がりの角度を45度、散歩用は25度等、地面と踵7の上がりの角度を20度から50度の間で設定することができる。
【0030】
図7は、本発明の履物の第2の実施例の側面図である。履物9、つま先側段部10、踵側段部11、空気室12、横方向のスリット13、縦方向のスリット14、つま先15、踵16から構成される。踵側段部11は、つま先側段部10より高く形成される。空気室12と横方向スリット13は、足を地面につけた時に弾力を作るためのものである。着地時に地面を押しつける足の力と地面からの反発力を利用して、歩行、走行時に弾力効果を生み出すことができる。この弾力効果を生み出すことにより、より足が高く上がり、歩幅を大きくすることが可能となる。また、足の裏から体に入ってくる振動、衝撃を軽減することができるので、歩行、走行時の疲労度も軽減される。
【0031】
つま先側段部10、踵側段部11の高さは、目的により1cmから10cmの範囲で決定することができる。また、つま先側段部10と踵側段部11を形成する場合において、一体に形成することもできるが、つま先側段部10と踵側11を別々に形成してもよい。
素材は、耐久性が高く伸縮性に富んだ弾力部材を使用し、例えばゴムなどで形成してもよい。また、つま先側段部10、踵側段部11とも硬軟の弾力部材を使用し多重構造に形成することもできる。
【0032】
図8は、本発明の履物の第2の実施例の底面図である。つま先側段部10、踵側段部11、空気室12、縦方向のスリット14、つま先15、踵16から構成される。図7からも分かるように、本底のつま先15は、最後の蹴り上げの時に、補助的に使われる程度であり、必要以外には地面に接触することがない。つま先15が必要以上に使われないことで、体重移動の際に指先にかかる圧力が小さくなり、従来の履物と比較して疲労度が大幅に軽減される。疲労度が軽減されることにより、長距離を歩く、走るなどの行為に大いに役に立つ。
【0033】
図9は、本発明の履物の第2の実施例の正面図である。つま先側段部10、空気室12、縦方向のスリット14から構成される。つま先側段部10の大きさ、取り付ける位置は目的により任意の位置を設定することができる。空気室12の位置も同様に、任意の位置に形成でき、例えば土踏まずの周辺に相当する部分に形成することも可能であり、さらに後ろの踵側に形成することも可能である。また、空気室12は、略楕円状、菱形、円状などに形成することができる。また、縦方向のスリット14は、直線状に1本以上形成しているが、底面から見て波状、山状など任意の形状に複数形成することもできる。
【0034】
図10は、木発明の第2の実施例の履物を履いた足の着地の瞬間の側面図である。つま先側段部10、踵側段部11、つま先15、踵16から構成される。踵側段部11で着地し、つま先側段部10で蹴り上げる1、2のテンポで歩行が可能な形状である。つま先15はつま先側段部10で蹴り上げる時に、補助的に必要最低限の範囲で地面に接触する。
【0035】
図11は、本発明の履物の第2の実施例を履いた足の着地時の側面図である。つま先側段部10、踵側段部11、空気室12、横方向のスリット13、つま先15、踵16から構成される。踵側段部11で着地した際に、地面を押しつける力と、地面からの反発力により、空気室12で大きな弾力性を作ることができるが、さらにその弾力を増幅させる部分が横方向のスリット13である。大きくなった弾力効果で踵が通常の履物より大きく上がり、歩行、走行時に大きな歩幅で速く歩く、又は走ることが可能となる。
【0036】
図12は、本発明の履物を履いた足が地面から離れる瞬間の側面図である。つま先側段部10、踵側段部11、空気室12、横方向のスリット13、つま先15、踵16から構成される。つま先側段部10の支点は、拇指球と称される足の指の付け根周辺の一番高く盛り上がった部分から1ミリ〜10ミリの範囲で下側に位置させるように設定する。この拇指球に相当する周辺に支点を置くことで、上からかかる体重を利用してテコのように踵16を高く持ち上げることができ、高く持ち上げた踵16を大きく前へ押しす歩行、走行ができる。また、前へ大きく足を押し出せることにより歩幅も速度も飛躍的に向上する。
【0037】
【産業上の利用可能性】
【0038】
ジョギング愛好家、ウォーキング愛好家など、走る、歩く行為がワンランク上がり、且つ老若男女全ての人の姿勢が綺麗になり、疲れずに歩くことができ体力アップができる。
【符号の説明】
【0039】
1 履物
2、10 つま先側段部
3、12 空気室
4、11 踵側段部
5、14 縦方向のスリット
6、15 つま先
7、16 踵
8 反り部
9 第2の実施例
13 横方向のスリット
a 支点
【技術分野】
【0001】
本発明は、スポーツシューズ、ジョギングシューズ、ウォーキングシューズ、通勤靴、サンダル、スリッパなど履物全般に関するものである。
【背景技術】
【0002】
自然に背筋が伸ばされ、美しい姿勢になり、土踏まずへの指圧効果が得られるというシューズがあった。(例えば特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特願平10−150736号広報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載のシューズは、靴底の土踏まずの中心に半円状の硬質材の凸部を形成することで、健康機能を向上させ、リズム感を味わえるものであった。
【0005】
本発明は、スポーツシューズ、ウォーキングシューズ、通勤靴、サンダル、スリッパなどを履いて走行、歩行する際に、踵がよく上がることで歩幅が広がり、疲れず、且つ姿勢を矯正できる履物を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に記載の本発明は、履物を形成するにあたり、本底は、踵周辺からつま先に至る途中部分に、一方が高く、他方が低くなるように段部を形成し、且つ土踏まず周辺から指先方向に向かって本底側に孤ができるように履物のつま先を上方向が反るように形成することを特徴とする。
【0007】
請求項2に記載の本発明は、段部は、踵側よりつま先側を高くすることを特徴とする。
【0008】
請求項3に記載の本発明は、段部は、つま先側より踵側を高くすることを特徴とする。
【0009】
請求項4に記載の本発明は、段部と地面との接点となる支点の位置を歩行、走行の目的により土踏まず周辺、指先周辺、踵周辺など任意の位置に形成することができることを特徴とする。
【0010】
請求項5に記載の本発明は、中底に形成する反りの位置は、土踏まず周辺から拇指球ないし指先周辺までとすることを特徴とする。
【0011】
請求項6に記載の本発明は、段部には履物の縦方向に沿って1本以上のスリットを形成することを特徴とする。
【0012】
請求項7に記載の本発明は、段部には履物の横方向に沿って1本以上のスリット又は、1個以上の空気室を形成することを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
請求項1に記載の本発明の履物は、1、2のテンポで疲れず、姿勢よく、速く歩くことができるものである。人間の歩行は、1、2、3のテンポで歩くのが通常の歩き方と言われている。1、2、3のテンポとは、歩行時に最初に地面に着地する部分が踵1、次に着地する部分が土踏まず周辺2、最後に着地する部分が親指側の拇指球であり、その後親指で蹴り上げる動作が3となる。土踏まず周辺2の動作を一つ減らして1、3のテンポで歩けるようにしたのが本発明の履物である。なぜならば、本底に反りを形成することで容易に足首がローリングできるとともに、本底に高さの異なる段部を形成することで、踵と土踏まず周辺が同時に地面に着地できるように形成しているからである。
【0014】
指先側の段部を高く、踵側の段部を低く形成することで、踵と土踏まずを同時に着地させることが可能となり、通常の歩くテンポの1、2の動作を一つにまとめることができる。その後、つま先側の高いほうの段部で蹴り上げる動作を2とすることで、1、2、3のテンポを1、2のテンポで速く、効率よく歩くことができるという優れた効果を発揮する。
【0015】
請求項2に記載の本発明の履物は、段部のつま先側を高く形成することで、必然的に足首、フクラハギ、太ももの裏、腰、背中が伸ばされ、真っ直ぐな姿勢で股関節を使った綺麗な歩行、走行ができるという優れた効果を発揮する。
【0016】
請求項3に記載の本発明は、段部の踵側を高く形成することで、ハイヒールを履いた時のように背筋が伸ばされ、腹筋を使った姿勢の良い綺麗な歩行ができるとともに、最初に着地する踵側の段部が高くなっていることで、踵が高く上がり歩幅が伸び、速く歩行、走行ができるという優れた効果を発揮する。
【0017】
請求項4に記載の本発明は、歩行、走行の目的により土踏まず周辺、指先周辺、踵周辺など任意の位置に小さな支点を設定することができる。例えば土踏まず周辺に支点を設定した場合には、シーソーのように前にも後ろにもたやすく足首をローリングさせることができ、特に上り傾斜の道などを容易に歩行することができ、ジョギング用、散歩用として好適である。また、支点をつま先周辺に設定した場合には、力点となる足の重心位置から支点が離れるために、歩行、走行時に力を必要とし、筋力強化のトレーニング用に好適である。また、踵周辺に支点を設定した場合には、力点となる足の重心位置と支点が近いために、力をあまり使わなくても容易に踵が上がり、歩幅が大きくなることからマラソン、短距離走行用に好適である。以上のように、支点の位置を変えることで歩行、走行に適した段部を有する履物を製作できるという優れた効果を発揮する。
【0018】
請求項5に記載の本発明の履物は、本底に形成する反りの位置は、土踏まず周辺から拇指球ないしつま先周辺とすることで、体重をつま先側に置いた時に容易に足首をローリングさせることが可能となり、歩行、走行を円滑に行うことができるという優れた効果を発揮する。
【0019】
請求項6に記載の本発明の履物は、段部の縦方向に沿って1本以上のスリットを形成することにより、本底に弾力を作ることができ、歩行、走行をする際に地面から足の裏に伝わる振動、衝撃を吸収することができ、歩行、走行時の疲労を軽減することができるという優れた効果を発揮する。
【0020】
請求項7に記載の本発明の履物は、段部の横方向に1つ以上のスリット又は空気室を形成することにより、着地時に地面を押しつける足の力と地面からの反発力を利用して、歩行、走行時に弾力効果を生み出すことができる。この弾力効果を生み出すことにより、より踵が高く上がり、歩幅が大きくなるとともに、その上がった足を着地する際の、振動、衝撃を軽減することができるという優れた効果を発揮する。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】 本発明の履物の側面図である。
【図2】 本発明の履物の底面図である。
【図3】 本発明の履物の正面図である。
【図4】 本発明の履物を履いた足の着地の瞬間の側面図である。
【図5】 本発明の履物を履いた足の着地時の側面図である。
【図6】 本発明の履物を履いた足が地面から離れる瞬間の側面図である。
【図7】 本発明の履物の第2の実施例の側面図である。
【図8】 本発明の履物の第2の実施例の底面図である。
【図9】 本発明の履物の第2の実施例の正面図である。
【図10】 本発明の履物の第2の実施例の履物を履いた足の着地の瞬間の側面図である。
【図11】 本発明の履物の第2の実施例の履物を履いた足の着地時の側面図である。
【図12】 本発明の履物の第2の実施例の履物を履いた足が地面から離れる瞬間の側面図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
以下、本発明を図面に示す実施形態図1〜12に基づき説明をする。ただし、以下の実施するための形態は、本発明を履物の一例として説明するものであり、この説明の図の項に限定されるものではない。
【0023】
図1は、本発明の履物の側面図である。履物1、つま先側段部2、空気室3、踵側段部4、縦方向のスリット5、つま先6、踵7、反り部分8、支点aから構成される。つま先側の段部2を高く形成し、踵側段部4と踵7を低く形成する。支点aとなる位置は、足関節の縦アーチの指先側の根元周辺に設定することが望ましい。足の縦アーチの根元周辺は体重を支える部位であり、例えるならアーチ橋のたもとに相当する部位である。運動を行う際に体重がかかり、足を蹴り上げる時に親指同様に力を発揮する部位でもある。この足関節の縦アーチの指先側の根元周辺に支点aを置くことと、本底に形成する反り部分8の構造により、足首が容易にローリングでき、軽々と踵を上げることができるようになる。なぜならば、支点aが踵7より高くなっていることで、支点aがテコの役割を担い、足首が容易にローリングされ、つま先側と踵側を交互に持ち上げてくれるからである。また、空気室3とスリット5は、着地時に地面を押しつける足の力と地面からの反発力を利用して、歩行、走行時に弾力効果を生み出すことができる。この弾力効果を生み出すことにより、より足が高く上がり、歩幅を大きくすることが可能となる。
【0024】
また、つま先6が踵7より高くなっていることで、足首、フクラハギ、腰、背筋が伸ばされ、頭、腰、足を同軸上に位置させることができる。これにより、姿勢が真っ直ぐに保たれ、股関節を使った歩行が可能となる。この歩行方法により内転筋や内側広筋などの通常運動量が少ない筋肉にまで負荷をかけることができ、O脚改善にも効果が表れる。
【0025】
図2は、本発明の履物1の底面図である。つま先側段部2、空気室3、縦方向のスリット5、支点aから構成される。空気室3は、体の重心に近い位置に設定することで、自分の体重を空気室3に有効に伝えることができ弾力性を生み出すことができる。また、弾力を制御する場合は、体の重心から離して空気室3を形成することもできる。空気室3の形状、大きさは目的に合わせて任意に形成することができ、略楕円状、菱形、円状など目的に合わせて適宜決定する。さらに、縦方向のスリット14があることで、地面と履物の接触面積が小さくなり、これにより本底の弾力性をより高めることができる。
【0026】
図3は、本発明の履物1の正面図である。つま先側段部2、空気室3、縦方向のスリット5、支点aから構成される。支点aは、つま先側段部2の大きさ、形状、取り付ける位置により任意の位置に設定することができる。支点aの位置を変える目的は、トレーニング用、ジョギング用、ウォーキング用、姿勢矯正用など目的に合わせて履物を形成するためである。
【0027】
図4は、本発明の履物を履いた足の着地の瞬間の側面図である。つま先側段部2、空気室3、踵側段部4、つま先6、踵7から構成される。踵側段部4は、足を踏み込む直前まで地面との間に隙間ができるように形成することが肝要である。また、つま先側段部2を踵7より高く形成することで足首、フクラハギ、腰が伸ばされ、歩くだけでストレッチ効果をもたらし姿勢の矯正を行いながら、体全体の筋力のバランスを整えることができる。
【0028】
図5は、本発明の履物を履いた足の着地時の側面図である。つま先側段部2、空気室3、踵側段部4、つま先6、踵7から構成される。踵側段部4は、図4では地面との間に隙間があったが、着地時には体重の圧力で地面との隙間がなくなっている。この隙間を形成することにより、足を踏み込んだ瞬間に弾力性が生まれ、後側に傾いていた足首が自然に前傾状態になり、股関節を使って軽々と体重移動ができるようになる。また、空気室3と相まって、着地時に地面を押しつける足の力と地面からの反発力を利用して、容易につま先側段部2で地面を蹴り上げることができ踵7も高く上がるようになる。
【0029】
図6は、本発明の履物を履いた足が地面から離れる瞬間の側面図である。つま先側段部2、つま先6、支点aから構成される。例えば短距離走の場合、つま先だけで蹴り上げるようなフォームで走るが、その場合地面と踵7の上がりの角度が、例えば50度だとするとその50度の角度に踵が上がるようにつま先側段部2の形状や大きさを設定することができる。また、姿勢良く歩きたい場合は地面と踵7の上がりの角度を45度、散歩用は25度等、地面と踵7の上がりの角度を20度から50度の間で設定することができる。
【0030】
図7は、本発明の履物の第2の実施例の側面図である。履物9、つま先側段部10、踵側段部11、空気室12、横方向のスリット13、縦方向のスリット14、つま先15、踵16から構成される。踵側段部11は、つま先側段部10より高く形成される。空気室12と横方向スリット13は、足を地面につけた時に弾力を作るためのものである。着地時に地面を押しつける足の力と地面からの反発力を利用して、歩行、走行時に弾力効果を生み出すことができる。この弾力効果を生み出すことにより、より足が高く上がり、歩幅を大きくすることが可能となる。また、足の裏から体に入ってくる振動、衝撃を軽減することができるので、歩行、走行時の疲労度も軽減される。
【0031】
つま先側段部10、踵側段部11の高さは、目的により1cmから10cmの範囲で決定することができる。また、つま先側段部10と踵側段部11を形成する場合において、一体に形成することもできるが、つま先側段部10と踵側11を別々に形成してもよい。
素材は、耐久性が高く伸縮性に富んだ弾力部材を使用し、例えばゴムなどで形成してもよい。また、つま先側段部10、踵側段部11とも硬軟の弾力部材を使用し多重構造に形成することもできる。
【0032】
図8は、本発明の履物の第2の実施例の底面図である。つま先側段部10、踵側段部11、空気室12、縦方向のスリット14、つま先15、踵16から構成される。図7からも分かるように、本底のつま先15は、最後の蹴り上げの時に、補助的に使われる程度であり、必要以外には地面に接触することがない。つま先15が必要以上に使われないことで、体重移動の際に指先にかかる圧力が小さくなり、従来の履物と比較して疲労度が大幅に軽減される。疲労度が軽減されることにより、長距離を歩く、走るなどの行為に大いに役に立つ。
【0033】
図9は、本発明の履物の第2の実施例の正面図である。つま先側段部10、空気室12、縦方向のスリット14から構成される。つま先側段部10の大きさ、取り付ける位置は目的により任意の位置を設定することができる。空気室12の位置も同様に、任意の位置に形成でき、例えば土踏まずの周辺に相当する部分に形成することも可能であり、さらに後ろの踵側に形成することも可能である。また、空気室12は、略楕円状、菱形、円状などに形成することができる。また、縦方向のスリット14は、直線状に1本以上形成しているが、底面から見て波状、山状など任意の形状に複数形成することもできる。
【0034】
図10は、木発明の第2の実施例の履物を履いた足の着地の瞬間の側面図である。つま先側段部10、踵側段部11、つま先15、踵16から構成される。踵側段部11で着地し、つま先側段部10で蹴り上げる1、2のテンポで歩行が可能な形状である。つま先15はつま先側段部10で蹴り上げる時に、補助的に必要最低限の範囲で地面に接触する。
【0035】
図11は、本発明の履物の第2の実施例を履いた足の着地時の側面図である。つま先側段部10、踵側段部11、空気室12、横方向のスリット13、つま先15、踵16から構成される。踵側段部11で着地した際に、地面を押しつける力と、地面からの反発力により、空気室12で大きな弾力性を作ることができるが、さらにその弾力を増幅させる部分が横方向のスリット13である。大きくなった弾力効果で踵が通常の履物より大きく上がり、歩行、走行時に大きな歩幅で速く歩く、又は走ることが可能となる。
【0036】
図12は、本発明の履物を履いた足が地面から離れる瞬間の側面図である。つま先側段部10、踵側段部11、空気室12、横方向のスリット13、つま先15、踵16から構成される。つま先側段部10の支点は、拇指球と称される足の指の付け根周辺の一番高く盛り上がった部分から1ミリ〜10ミリの範囲で下側に位置させるように設定する。この拇指球に相当する周辺に支点を置くことで、上からかかる体重を利用してテコのように踵16を高く持ち上げることができ、高く持ち上げた踵16を大きく前へ押しす歩行、走行ができる。また、前へ大きく足を押し出せることにより歩幅も速度も飛躍的に向上する。
【0037】
【産業上の利用可能性】
【0038】
ジョギング愛好家、ウォーキング愛好家など、走る、歩く行為がワンランク上がり、且つ老若男女全ての人の姿勢が綺麗になり、疲れずに歩くことができ体力アップができる。
【符号の説明】
【0039】
1 履物
2、10 つま先側段部
3、12 空気室
4、11 踵側段部
5、14 縦方向のスリット
6、15 つま先
7、16 踵
8 反り部
9 第2の実施例
13 横方向のスリット
a 支点
【特許請求の範囲】
【請求項1】
履物を形成するにあたり、本底は、踵周辺からつま先に至る途中部分に、一方が高く、他方が低くなるように段部を形成し、且つ土踏まず周辺からつま先方向に向かって本底側に孤ができるように履物のつま先を上方向に反るように形成することを特徴とする。
【請求項2】
前記段部は、前記踵側より前記つま先側を高くすることを特徴とする請求項1に記載の履物。
【請求項3】
前記段部は、前記つま先側より前記踵側を高くすることを特徴とする請求項1に記載の履物。
【請求項4】
前記段部には、前記段部と地面との接点となる支点の位置を歩行、走行の目的により土踏まず周辺、指先周辺、踵周辺など任意の位置に形成することができることを特徴とする請求項1乃至請求項3に記載の履物。
【請求項5】
前記段部には、前記段部に形成する反りの位置は、土踏まず周辺から拇指球ないし指先周辺までとすることを特徴とする請求項1乃至請求項4に記載の履物。
【請求項6】
前記段部には、前記履物の縦方向に沿って1本以上のスリットを形成することを特徴とする請求項1乃至請求項5に記載の履物。
【請求項7】
前記段部には、前記履物の横方向に沿って1本以上のスリット又は、1個以上の空気室を形成することを特徴とする請求項1乃至請求項6に記載の履物。
【請求項1】
履物を形成するにあたり、本底は、踵周辺からつま先に至る途中部分に、一方が高く、他方が低くなるように段部を形成し、且つ土踏まず周辺からつま先方向に向かって本底側に孤ができるように履物のつま先を上方向に反るように形成することを特徴とする。
【請求項2】
前記段部は、前記踵側より前記つま先側を高くすることを特徴とする請求項1に記載の履物。
【請求項3】
前記段部は、前記つま先側より前記踵側を高くすることを特徴とする請求項1に記載の履物。
【請求項4】
前記段部には、前記段部と地面との接点となる支点の位置を歩行、走行の目的により土踏まず周辺、指先周辺、踵周辺など任意の位置に形成することができることを特徴とする請求項1乃至請求項3に記載の履物。
【請求項5】
前記段部には、前記段部に形成する反りの位置は、土踏まず周辺から拇指球ないし指先周辺までとすることを特徴とする請求項1乃至請求項4に記載の履物。
【請求項6】
前記段部には、前記履物の縦方向に沿って1本以上のスリットを形成することを特徴とする請求項1乃至請求項5に記載の履物。
【請求項7】
前記段部には、前記履物の横方向に沿って1本以上のスリット又は、1個以上の空気室を形成することを特徴とする請求項1乃至請求項6に記載の履物。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2013−99491(P2013−99491A)
【公開日】平成25年5月23日(2013.5.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−258246(P2011−258246)
【出願日】平成23年11月7日(2011.11.7)
【出願人】(399043417)有限会社内田販売システム (24)
【出願人】(592047663)
【出願人】(597030637)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年5月23日(2013.5.23)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年11月7日(2011.11.7)
【出願人】(399043417)有限会社内田販売システム (24)
【出願人】(592047663)
【出願人】(597030637)
【Fターム(参考)】
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