説明

インスリン誘導体

本発明は、生理学的pH値で可溶性であり、長時間にわたる作用プロファイルを有する、新規のヒトインスリン誘導体に関する。また、本発明は、このような誘導体を提供するための方法、それらを含有する薬学的組成物、本発明のインスリン誘導体を使用する糖尿病及び高血糖症を処置する方法、及び糖尿病及び高血糖症の処置におけるこのようなインスリン誘導体の使用に関する。


Notice: Undefined index: DEJ in /mnt/www/gzt_disp.php on line 298

【特許請求の範囲】
【請求項1】
次の式:
【化1】

[上式中:
Insは親インスリン部分であり、Q-Q-[CH]-X-[CH]-Q-[CH]-X-[CH]-Q-[CH]-X-[CH]-Q-[CH]-Zは置換基であり、ここで、Insは、InsのB鎖のN-末端アミノ酸残基のα-アミノ基、又はInsのA又はB鎖に存在するLys残基のε-アミノ基と、置換基のQ又はQ中のCO基との間のアミド結合を介して置換基に結合しており;
各nは独立して、0、1、2、3、4、5又は6であり;
は:
・側鎖にカルボン酸を持つアミノ酸、又は無電荷側鎖を持つアミノ酸のアミノ酸アミドであって、そのカルボン酸基と共に、InsのB鎖のN-末端アミノ酸残基のα-アミノ基、又はInsのA又はB鎖に存在するLys残基のε-アミノ基と共同して、アミド基を形成する残基、又は
・アミド結合を介して結合した2、3又は4の上に特定したα-アミノ酸アミド又はアミノ酸残基からなる鎖であって、アミド結合を介して、InsのB鎖のN-末端アミノ酸残基のα-アミノ基、又はInsのA又はB鎖に存在するLys残基のε-アミノ基に結合している鎖、又は
・結合、
であり;
は:
・-COCH(CONH)-
・-COCHN(CHCONH)-
・-COCHN(CHCONH)COCHN(CHCONH)
・-COCHCHN(CHCHCONH)-
・-COCHCHN(CHCHCONH)-COCHCHN(CHCHCONH)-
・-COCHN(CHCHCONH)-
・-COCHCHN(CHCONH)-
・-COCHOCHCONH-
・-CO-((CR)1−6-NH-CO)1−4-;
・-CO-((CR)1−6-CO-NH)1−4-で、Rは独立して、H、-CH、-(CH)1−6CH又は-CONHとすることができ、Rは独立して、H、-CH、-(CH)1−6CHとすることができるもの;又は
・結合;
であり;
但し、
−Q又はQの少なくとも一は結合でなく、
−nが0又は1であり、Xが結合であり、Qが(CHCHO)-、(CHCHO)-又は(CHCHOCHCHCHCHO)-である場合、Qは-CO-(CH)-CO-NH-ではなく、
−Q又はQ中のアミンが、残りの置換基と結合を形成するならば、アミンは、カルボニル基を介して残りの置換基に結合していなくてはならず;
、Q及びQは互いに独立して、
・mが6〜32の範囲の整数である-(CH)-;
・1、2又は3の-CH=CH-基、及び鎖中の炭素原子の全数が4〜32の範囲となるのに十分な数の-CH-基を有する二価の炭化水素鎖;
・-CO-((CR)1−6-NH-CO)-;
・-(CO-(CR)1−6-CO-NH)1−4-で、Rが独立して、H、-CH、-(CH)1−6CH又は-CONHとすることができ、Rが独立して、H、-CH、-(CH)1−6CHとすることができるもの;
・Arがアリーレン又はヘテロアリーレンとすることができ、また-CH、-(CH)1−6-CH、-CONR又は-SONRからなる群から選択される1又は2の基で置換されていてもよく、ここでR及びRが互いに独立して、H、-CH又は-(CH)1−6-CHとすることができる、-CO-(CH)0−3-Ar-(CH)0−3-;
・yが1-20である、(CHCHO)-;(CHCHCHO)-;(CHCHCHCHO)-;(CHCHOCHCHCHCHO)-又は(CHCHCHOCHCHCHCHO)-;-(CHOCH)-;
・R及びRが互いに独立して、H、-CH又は-(CH)1−6-CHとすることができる、-CH、-(CH)1−6-CH、-CONR又は-SONRからなる群から選択される1又は2の基で置換されていてもよいアリーレン又はヘテロアリーレン;
・Arが上述したものであり、Y-Yが互いに独立して、O、S、S=O、SO又は結合とすることができ;s、w、t及びzが互いに独立して、s、w、t及びzの合計が4〜30の範囲となるような、0又は1〜10の整数であり、v、v及びvが互いに独立して、0又は1とすることができ、但し、Y-Yは互いに結合しておらず、構造-O-(CH)-O-は生じない、次の式:
-(CH)s--(Ar)v1-Y-(CH)-Y-(Ar)v2-Y-(CH)-Y-(Ar)v3-Y-(CH)-
の鎖;又は
・結合;
とすることができ、但し、Q-Qの少なくとも一は結合ではなく;
、X及びXは互いに独立して、
・O;
・-C=O
・結合;
・RがH、-CH又は-(CH)1−6-CHとすることができる、NCOR;又は
・次の式:
【化2】

(上式中:Rは、水素、C1−3-アルキル、C2−3-アルケニル又はC2−3-アルキニルである)
のものであり;
但し、
−X、X及びXはZに結合できず、
−X、X及びXがOである場合、X、X及びXは、Q、Q及びQ中のOに直接結合せず;及び
Zは:
-COOH;
-CO-Asp;
-CO-Glu;
-CO-Gly;
-CO-Sar;
-CH(COOH)
-N(CHCOOH)
-SO
-OSO
-OPO3H
-PO、又は
-テトラゾール-5-イル、又は
-O-W
であり、
ここでWは、R及びRが互いに独立して、H、-(CH)1−6-SOH、又は-(CH)1−6-O-POとすることができる、テトラゾ-5-リル、-COOH、-SOH、-(CH)1−6-SOH、-(CH)1−6-O-PO、-CONR又は-SONRからなる群から選択される1又は2の基で置換されていてもよいアリーレン又はヘテロアリーレンであり;但し、Zが-O-Wである場合、Qは存在しなければならない]
を有するインスリン誘導体とその任意のZn2+錯体。
【請求項2】
が、
・-COCH(CONH)-
・-COCHN(CHCONH)-
・-COCHN(CHCONH)COCHN(CHCONH)
・-COCHCHN(CHCHCONH)-
・-COCHCHN(CHCHCONH)-COCHCHN(CHCHCONH)-
・-COCHN(CHCHCONH)-
・-COCHCHN(CHCONH)-
・-COCHOCHCONH-;
・-CO-((CR)1−6-NH-CO)1−4-;又は
・-CO-((CR)1−6-CO-NH)1−4−で、Rが独立して、H、-CH、-(CH)1−6CH又は-CONHとすることができ、Rが独立してH、-CH、-(CH)1−6CHとすることができるもの;
からなる群から選択される請求項1に記載のインスリン誘導体。
【請求項3】
が-(CH)-であり、ここで、mが6〜32又は8〜20の範囲の整数であるか、又はmが12、13、14、15又は16である請求項1又は2に記載のインスリン誘導体。
【請求項4】
、Q、Q、X、X及びXが結合であり、nが0である請求項1から3のいずれか1項に記載のインスリン誘導体。
【請求項5】
、Q又はQの一つが、(CHCHO)-;(CHCHCHO)-;(CHCHCHCHO)-;(CHCHOCHCHCHCHO)-又は(CHCHCHOCHCHCHCHO)-;-(CHOCH)-であり、ここでyが1-20である請求項1に記載のインスリン誘導体。
【請求項6】
が、
・-CO-((CR)1−6-NH-CO)-;
・-(CO-(CR)1−6-CO-NH)1−4-で、Rが独立して、H、-CH、-(CH)1−6CH又は-CONHとすることができ、Rが独立してH、-CH、-(CH)1−6CHとすることができるもの;
・Arがアリーレン又はヘテロアリーレンとすることができ、また-CH、-(CH)1−6-CH、-CONR又は-SONRからなる群から選択される1又は2の基で置換されていてもよく、ここでR及びRが互いに独立して、H、-CH又は-(CH)1−6-CHとすることができる、-CO-(CH)0−3-Ar-(CH)0−3-;又は
・結合;
であり;
が、
・mが4〜22の整数である-(CH)-;
・1、2又は3の-CH=CH-基、及び鎖中の炭素原子の全数が4〜22の範囲となるのに十分な数の-CH-基を有する二価の炭化水素鎖;
・R及びRが互いに独立して、H、-CH又は-(CH)1−6-CHとすることができる、-CH、-(CH)1−6-CH、-CONR又は-SONRからなる群から選択される1又は2の基で置換されていてもよいアリーレン又はヘテロアリーレン;
・Arが上述したものであり、Y-Yが互いに独立して、O、S、S=O、SO又は結合とすることができ;s、w、t及びzが互いに独立して、s、w、t及びzの合計が4〜30の範囲となるような、0又は1〜10の整数であり、v、v及びvが互いに独立して、0又は1とすることができ、但し、Y-Yは互いに結合しておらず、構造-O-(CH)-O-は生じない、次の式:
-(CH)s--(Ar)v1-Y-(CH)-Y-(Ar)v2-Y-(CH)-Y-(Ar)v3-Y-(CH)-
の鎖;
であり;
が、
・O;
・-C=O
・RがH、-CH又は-(CH)1−6-CHとすることができる、NCOR;又は
・次の式:
【化3】

(上式中:Rは、水素、C1−3-アルキル、C2−3-アルケニル又はC2−3-アルキニルである)
のものであり;
但し、XがOである場合、XはQ中のOに直接結合せず;
、X及びQが結合であり;
nの全ての値が0であり;及び
Zが:
-COOH;
-CO-Asp;
-CO-Glu;
-CO-Gly;
-CO-Sar;
-CH(COOH)
-N(CHCOOH)
-SO
-OSO
-OPO3H
-PO、又は
-テトラゾール-5-イル、又は
-O-W
であり、
ここでWが、R及びRが互いに独立して、H、-(CH)1−6-SOH、又は-(CH)1−6-O-POとすることができる、テトラゾ-5-リル、-COOH、-SOH、-(CH)1−6-SOH、-(CH)1−6-O-PO、-CONR又は-SONRからなる群から選択される1又は2の基で置換されていてもよいアリーレン又はヘテロアリーレンである、請求項1に記載のインスリン誘導体とその任意のZn2+錯体。
【請求項7】
Zが-COOHである請求項1から6のいずれか1項に記載のインスリン誘導体。
【請求項8】
親インスリンがインスリンアナログである請求項1から7のいずれか1項に記載のインスリン誘導体。
【請求項9】
親インスリンが、desB30ヒトインスリン、GlyA21ヒトインスリン、GlyA21desB30ヒトインスリン、GlyA21ArgB31ArgB32ヒトインスリン、LysB3GluB29ヒトインスリン、LysB28ProB29ヒトインスリン及びThrB29LysB30ヒトインスリンからなる群から選択される請求項8に記載のインスリン誘導体。
【請求項10】
薬学的に許容可能な担体と共に、請求項1から9のいずれか1項に記載のインスリン誘導体の治療的有効量を含有する、治療が必要な患者における糖尿病を治療するための薬学的組成物。
【請求項11】
インスリン誘導体の6つの分子当たり約10までの亜鉛原子が薬学的組成物に付加される請求項10に記載の薬学的組成物の製造方法。
【請求項12】
請求項1から10のいずれか1項に記載のインスリン誘導体の治療的有効量を患者に投与することを含む、治療が必要な患者における糖尿病の治療方法。
【請求項13】
糖尿病の肺処置のための請求項12に記載の方法。
【請求項14】
請求項1から9のいずれか1項に記載のインスリン誘導体と、AspB28ヒトインスリン;LysB28ProB29ヒトインスリン及びLysB3GluB29ヒトインスリンからなる群から選択される速効型インスリンアナログの混合物。
【請求項15】
インスリン誘導体が:
εB29-ω-カルボキシ-ペンタデカノイル-γ-L-グルタミルアミドdesB30ヒトインスリン、
εB29-ω-カルボキシ-ペンタデカノイル-γ-アミノ-ブタノイルdesB30ヒトインスリン、
εB29-ω-カルボキシ-テトラデカノイル-γ-L-グルタミルアミドdesB30ヒトインスリン、
εB29-ω-カルボキシ-トリデカノイル-γ-L-グルタミルアミドdesB30ヒトインスリン、
εB29-ω-カルボキシ-ペンタデカノイル-β-アラニルdesB30ヒトインスリン、
εB29-ω-カルボキシ-ペンタデカノイル-γ-L-アスパルチルアミドdesB30ヒトインスリン、
εB29-ω-カルボキシ-ペンタデカノイル-ε-アミノヘキサノイルdesB30ヒトインスリン、
εB29-ω-カルボキシ-ペンタデカノイル-δ-アミノペンタノイルdesB30ヒトインスリン、
εB29-10-(4-カルボキシフェノキシ)-デカノイル-γ-L-グルタミルアミドdesB30ヒトインスリン、
εB29-4-[11-(4-カルボキシフェニル)ウンデカノイルアミノ]ブチリルdesB30ヒトインスリン、
εB29-(3-(3-{4-[3-(7-カルボキシヘプタノイルアミノ)プロポキシ]ブトキシ}プロピルカルバモイル)-プロピオニル-γ-グルタミルアミド)desB30ヒトインスリン、
εB29-ω-カルボキシ-トリデカノイル-γ-アミノ-ブタノイルdesB30ヒトインスリン、
εB29-ω-カルボキシ-ウンデカノイル-γ-アミノ-ブタノイルdesB30ヒトインスリン、
εB29-ω-カルボキシ-テトラデカノイル-γ-アミノ-ブタノイルdesB30ヒトインスリン、
εB29-{4-[10-(4-カルボキシ-フェノキシ)-デカノイルアミノ]-ブチリル}desB30インスリン、
εB29-{4-[(14-カルボキシ-テトラデカノイルアミノ)-メチル]-ベンゾイル}desB30インスリン、
εB29-[16-(4-カルボキシ-フェノキシ)-ヘキサデカノイル]desB30インスリン、
εB29-{4-[(15-カルボキシペンタデカノイルアミノ)ベンゾイル]-desB30ヒトインスリン、及び
εB29-{4-[(15-カルボキシ-ペンタデカノイルアミノ)-メチル]-ベンゾイル}-desB30インスリン、
からなる群から選択されるインスリン誘導体。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate


【公表番号】特表2009−536179(P2009−536179A)
【公表日】平成21年10月8日(2009.10.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−508373(P2009−508373)
【出願日】平成19年5月8日(2007.5.8)
【国際出願番号】PCT/EP2007/054444
【国際公開番号】WO2007/128817
【国際公開日】平成19年11月15日(2007.11.15)
【出願人】(508260359)
【Fターム(参考)】